【転生したらスライムだった件】シズの強さや魅力を徹底紹介！リムルとの関係は？

『転生したらスライムだった件』で、スライムとして転生したリムルと違い、人間で転生してきたのがシズでした。時代が違うものの同じ日本からやってきた関係でリムルからは親近感を持たれたようです。実年齢が70歳前後と見た目とだいぶ違います。後にリムルの身体の原型になりました。イングラシア王国に残してきた教え子たちと自分を召喚した魔王レオンへの未練はリムルに託すことになります。

『転生したらスライムだった件』のシズの本名は井沢静江といい、戦時中（太平洋戦争）の東京に住んでいた8歳の少女でした。東京大空襲の最中に魔王レオン・クロムウェルによって異世界に召喚されます。召喚時に空襲によって全身に大火傷を負っていたために、炎熱操作と炎熱攻撃無用というスキルを与えれられます。後に上位精霊であるイフリートを憑依することになりますが、これが彼女の命を削ってしまう原因になってしまいます。またレオンとは主従関係となりました。

webでの小説投稿サイト『小説家になろう』で連載された伏瀬作『転生したらスライムだった件』は、いわゆるなろう系といわれるライトノベルです。通称「転スラ」と呼ばれる同作は2014年に書籍化され、シリーズの累計発行部数は2400万部という大ヒット作品になりました。2015年にコミカライズされ、2018年からはアニメ化されることになります。さらには2022年11月には劇場版も公開されました。魅力あるキャラと設定が人気に火をつけたのです。

37歳会社員の「三上悟」は通り魔から部下を庇ったために命を落とします。しかし目覚めてみると異世界で転生、それもスライムの姿になっていることに気付きます。モンスターの中でも最弱に思えるスライムですが、強力なスキルを獲得済みの状態だったので数々の困難を打開していきます。そのスキルの1つ「捕食者」によってさらに強くなった彼はリムルという名前も手に入れ、友達や仲間を作り、やがて魔物の街を作っていくのでした。

シズは『転生したらスライムだった件』の世界の中で“爆炎の支配者”というふたつ名を持つほどの実力者として異世界では知られています。その力の一端は憑依した炎の上位精霊イフリートによるものです。元々異世界に召喚された時から炎の適性を持っていたのですが、イフリートの憑依によって強大な力を持つに至ります。しかし強さを得る代償としてイフリートを抑えつけるためにはそれなりの犠牲を払ってのものでした。

『転生したらスライムだった件』の異世界に召喚されたばかりのシズは大火傷を負った状態でしたが、魔王レオンによって炎の耐性があることがわかりました。イフリートを憑依させられてから強さを身につけていきますが、この時点ではまだ自分で制御できるものではなかったため、強いといえるものではありませんでした。やがてレオンの城に攻め込んできた勇者によって保護されてイフリートを制御できるようになってからシズの強さは際立つようになりました。

レオンの城に攻め込んできた勇者によって保護されたシズは、その勇者から「抗魔の仮面」を譲り受けます。この仮面によって、シズはイフリートを押さえ込むことができるようになりました。イフリートを押さえつけ、共生する関係を保ちながらイフリートの力を使いこなすことができるようになったシズは、強さと爆炎の支配者の異名を持つまでの存在になります。その強さは魔神クラスといわれるものでした。

『転生したらスライムだった件』作中のシズのユニークスキル「変質者（ウツロウモノ）」はイフリートを制御するために獲得しました。変質には”結合”と”分離”の能力があります。結合では異なる対象を1つのモノに変質させ、分離では対象に備わる異なる性質を分けるという力があります。シズは憑依したイフリートに支配されないよう、分離の力を主に使っていました。

『転生したらスライムだった件』序盤に登場し、以後はリムルの心情風景の中で時折現れるのみのシズですが、転スラファンにはとても人気のある魅力的なキャラクターです。リムルの人間体での姿の原型にもなっているシズは、視点を変えてみると作品全体に影響を与える存在といえるでしょう。それだけ影響力のある彼女の魅力とは何なのでしょうか。事実、転スラ作中でもみんなから慕われている様子がうかがえます。

『転生したらスライムだった件』序盤に登場する重要なキーパーソンは「シズ」ではないでしょうか。転スラ主人公のリムルと同じく日本人だったことは、シズ登場以降のリムルに多大な影響を与える関係にもなったことでしょう。ここからはシズの過去や、リムルとの関係についてスポットを当て、シズの魅力を掘り下げてみましょう。

先にも触れていますが、『転生したらスライムだった件』の異世界にやってきた日本人は物語の序盤では主人公のリムルとリムルよりだいぶ前に召喚されたシズでした。ここからは転スラの異世界に召喚され、リムルによって捕食されるまでのシズの足跡をたどっていきます。転スラの序盤でシズは舞台から退場してしまいますが、後々までリムルたちに影響を与える存在のシズとはどんな過去を持っていたのでしょうか。

シズが『転生したらスライムだった件』の異世界に召喚された時は、まだ8歳という年齢でした。そして太平洋戦争の東京大空襲で被災した状況の中で魔王レオン・クロムウェルによって転スラの異世界に召喚されます。空襲によって大火傷を負ったシズでしたが、召喚される前の状況が関係し、初めに持つスキルが決まるのが転スラの世界の定めです。そのため炎熱操作と炎熱攻撃無用というスキルが与えられることになりました。

シズは空襲時の東京から召喚された時、レオンから見放されていました。しかし炎に対する適性を見抜かれ、炎の上位精霊イフリートを憑依させられることになります。異世界で生き延びるために必要だと感じたシズはイフリートの憑依を許したのですが、イフリートに体を乗っ取られないよう”変質者”のユニークスキルを獲得し、かろうじて自我を保つことができるようになります。

イフリートを憑依させて数年が経ち、シズは変質者の分離によってある程度自らの意思で動くことができるようになりました。しかしある時、イフリートによる暴走が発生します。シズはイフリートの暴走をくい止められず、仲良くなった女の子とその子の風狐を炎によって命を奪うことになってしまいました。この出来事はシズを絶望させてしまいます。

その後のある時、レオンの城へ勇者が攻め込んできました。レオンはシズを残したまま逃げていったのでシズが勇者と相対します。しかし圧倒的な力の差を見せつけられたシズはなすすべなく敗北してしまいました。戦いに負けたシズは勇者によってとどめを刺されることなく、保護されることになります。そして勇者から授かった「抗魔の仮面」によって、イフリートを抑え込むことができるようになりました。

イフリートを抑え込むことに成功したシズはイフリートとの付き合い方や世界のことを知り、勇者と共に冒険者として活動します。やがて勇者が旅立ったことにより1人で冒険者として活動するシズは強さを増し、英雄として讃えられるほどになりました。しかし年々精神が衰え、イフリートの制御が不安になっていることを自覚します。シズは冒険者を引退することにしました。そしてイングラシア王国で基本的な戦闘技術を教える教導官として新たな道を歩み始めます。

冒険者を引退したシズでしたが、自分の寿命を知ったことでレオンに召喚された憎しみなど自らの思いをぶつけるために最後の旅へと出発します。この旅の途中でテンペストを作るリムると出会うことになるのです。2人は日本の出身同士ということもあり意気投合します。よい関係を築けたと思った直後にイフリートが暴走しました。イフリートを捕食したリムルによって暴走はなくなったものの、イフリートと分離したシズは寿命を迎えてしまうことになります。

命が尽きようとしているシズは、この世界で眠るのではなくリムルの見せてくれた懐かしい風景の中で眠りたいと望みます。こうしてリムルの捕食によってシズは眠りにつくことになりました。こうしてシズの想いはリムルの中で、その姿はリムルの姿へと受け継がれていくことになりました。ある意味、ここからリムルとの永い関係の始まりといえるのかもしれません。

『転生したらスライムだった件』の作中、シズがつける仮面はレオンの城に攻め入った勇者から授かったもので「抗魔の仮面」という名前のものです。名前の通りに魔に抗う力が備わっているようですが、シズがつけることになったのにはいくつかの理由があることも『転生したらスライムだった件』の物語上で判明していきました。ここからは抗魔の仮面について考察していきましょう。

『転生したらスライムだった件』においてシズが仮面をつけるようになったのは、シズを保護することにした勇者から授かったからですが、この仮面にはいくつかの力が宿っています。そのうちシズにとって一番有用だったのがイフリートの力を制御できることだったでしょう。また不完全な上位魔神となったシズの老化を抑え、延命させる効果も会ったことも重要な理由となっています。

『転生したらスライムだった件』に出てくる抗魔の仮面はイフリートの力を制御する、シズの老化を抑えて延命するといった力を持っています。しかしこの仮面はクロエとともに無限ループに囚われているという、とんでもない代物でした。魔力を持つ仮面という単純なものではなかったのです。勇者からシズに渡った仮面はリムルへと渡り、リムルからクロエ、クロエからヒナタ…と続き、また勇者からシズに渡されると無限にループしていく仮面でした。

『転生したらスライムだった件』での抗魔の仮面は破壊不可です。かつてシズが冒険者だった時に悪魔”原初の黒”（ディアブロ）と戦った時も破壊されるどころか腕を吹き飛ばすだけの力を誇っていました。それなのにリムルの前で割れてしまったのはなぜなのでしょう。これは無限ループの起点であり終点でもあるリムルが関係しているからだと推測されています。転スラはweb版・書籍版・漫画版・アニメ版で描写が異なるため、その他にも様々な憶測が生まれているのが実情です。

シズの仮面、いわゆる抗魔の仮面の無限ループは『転生したらスライムだった件』の世界の中で、一定の流れに沿って時間軸の中を永遠にループしているようです。転スラの媒体によって微妙に流れが違うこともありますが、物語上の初登場はレオンの城に攻め入った勇者からシズに渡される場面になります。仮面の持ち主の移り変わりを物語の進行に沿ってみていきましょう。

転スラで初めに抗魔の仮面が登場した時は、シズに所有されていました。物語が進み、暴走したシズをリムルが止める時に仮面が割れる場面もある中、シズの願いによって仮面はリムルに託されることになります。リムルは自らの持つ能力によって仮面を修復しますが、その際に無限ループの力を無意識のうちに付与したのではないかという考察もあるようです。

シズに託された望みを実現させるため、リムルはイングラシア王国へ渡ります。そこでシズの最後の教え子たちに教鞭を取ることになりました。シズのやり残したことを果たし教え子たちと別れる際、リムルはクロエに抗魔の仮面を渡します。リムルもクロエも仮面の受け渡しは自然なことであるように認識していたのが印象深いものでした。

クロエに仮面が渡された後、ヒナタの落命をきっかけにクロエとヒナタの魂は仮面と共に2000年程前に飛ばされます。転生者である2人は召喚されるまでしか存在する事が出来ません。先に召喚されるのはクロエなので、クロエの身体を引き継ぐヒナタに抗魔の仮面が渡ります。そしてシズから見た勇者とはこのヒナタという事になるのです。

2000年前に飛ばされたヒナタはレオンの城にてシズを救出、抗魔の仮面をシズに渡します。つまりレオンの城に攻め入った勇者はヒナタであり、その目的は抗魔の仮面をシズに渡すことだったのです。後に行動を共にし、やがて旅立ったのも納得できることでしょう。それから長くシズが保持した仮面は、またリムルの元に渡る事になります。このようなループを繰り返しているのが抗魔の仮面とヒナタ（クロエ）なのです。

シズがリムルに託した望みの1つが5人の教え子たちについてでした。それはリムルの夢の中に現れるほどのことだったのでしょう。リムルは自分にとって特別な関係となったシズの未練を解消するため、5人の教え子に会いに行くことを決めます。ここからはシズの気になっていた教え子たちについて紹介していきましょう。

ユウキ・カグラザカはシズと同じく召喚された日本人です。普段はインクラシアの冒険者互助組織の自由組合でグランドマスターとして働きます。異世界についてや元の世界への帰還方法なども研究する表の顔と「中庸道化連」のリーダーという裏の顔も持っています。最終的にはリムルの前に立ちはだかるラスボスが彼の正体であるのです。

ヒナタ・サカグチはクロエと共に過去の世界へと飛ばされ、シズに抗魔の仮面を渡す役目を持つのですが、戦闘力・統率力・指導力においては群を抜いた実力の持ち主で、聖騎士たちを牽引しました。また面倒見のよい面もみられます。リムルとは当初、敵対する関係となっていました。戦いを通してお互いを理解し、和解に至った後は友好的に接するようになります。

ケンヤ・ミサキは転スラの異世界に召喚された10歳の日本の子どもで、自由学園で暮らしていました。不完全召喚のために体内には膨大な魔素量を抱え、2年以内に死ぬといわれていました。しかし元妖精女王の魔王ラミリスが住む「妖精の棲家」にて精霊を宿してもらったことで魔素が安定、死を免れます。シズを慕っていましたが、シズが理由も述べず去ったことや自分たちに対する大人たちの態度から大人に対して不信感を持っていました。なお勇者の卵を宿していたので、成長はとてつもなく速いものでした。

リョウタ・セキグチは元日本人で、性格は弱気でケンヤと仲が良く、彼を頼りにしている少年です。不完全召喚されたため膨大な魔素量をコントロールできず、2年以内に死ぬ運命でした。しかし元妖精女王の魔王ラミリスが住む「妖精の棲家」にて精霊を宿してもらうことで魔素が安定し、死ぬことがなくなりました。これは彼とケンヤ、アリス、ゲイル、クロエも同じことでした。

アリス・ロンドは、シズの心残りであった5人の子供のうちの1人です。5人の中では最年少の女の子で、いつも暴れているケンヤに振り回されるので、ケンヤに対して文句をいうポジションでした。サラサラの金髪ストレートのロングヘアの持ち主で、お人形のような整った顔を持つ美少女ですがおてんばな性格で、ケンヤと一緒によく暴れています。

ゲイル・ギブスンはシズの心残りであった5人のうち、最年長の少年です。それゆえにお兄さん的な立場で、暴れまわるケンヤやアリスをなだめる役割を果たしています。またしっかりしなければという意識が強いのもゲイルの特徴といえるでしょう。リムルが教導官として赴任してきた時に、リムルを見極めようともしていました。外見は茶髪で大柄、彫りの深い美少年といえるでしょう。

クロエ・オベールはシズさんの心残りだった5人の教え子の中で異質とされています。精霊を宿す際に正体が不明な”上位精霊を上回る存在力をもつ者”をその身に宿してしまいました。性格的に控えめでしたが、リムルのこととなると譲らないという一面をみせることもあります。後に2000年前の世界へと飛ばされ、抗魔の仮面をシズに渡す役割を担うことになるのでした。

シズは見た目が10代の少女でありながら、その実年齢がおよそ70歳という設定です。しかも複雑な要素を多く持つ存在なので、演じる声優もそれに見合うだけの力量が求められたことでしょう。ここではシズを演じた声優を紹介します。

転スラでシズの役を演じた声優は、デビューから10年を迎える「花守ゆみり」さんです。デビュー時は中学生だったという花守さんは、高い演技力に定評があります。役柄は幅広く、おっとり系少女から気の強い少女、または少年役までも演じてしまいます。特に印象深いのがシズのような悲劇的なキャラクターといわれている声優です。

花守ゆみりさんの代表的な出演作は以下の通りになります。

ここからは転スラの注目キャラである「シズ」の強さや魅力に心を奪われた人たちの、彼女に対する評価の意見や人気を集める理由などについて見ていきましょう。

彼女のように強さと魅力を兼ね備えたキャラは永遠のヒロインと呼ぶにふさわしい存在なのかもしれません。事実、リムルにとっては本当に永遠のヒロインと言える存在になっているのではないでしょうか。

転スラでのシズを見て、彼女と同じような思いになったのでしょう。おそらくは自分の嫌いな世界に取り込まれることではなく、自分が生きた証といったものを誰かの中の記憶として残されておきたい…ふとそう感じることがあったのであろうと推測できます。

シズの物語は転スラの中では残念ながら悲劇的な最後を迎えてしまいました。それは抗魔の仮面によって無限ループになっていたとしても、変わらないのかもしれません。しかし外伝などでシズの活躍場所は残されていることはファンにとって救いになっているのでしょう。

『転生したらスライムだった件』においてシズは強く、魅力的な女性でした。召喚前からの過酷な現実と向き合わなければならなかった立場を考えると、想像を絶するほどの厳しい体験を重ねてきた年月によって、強さにも人間的な魅力にも敵わないと感じる人も多くいるでしょう。だからこそ、その最期において当人は悔いのない眠りだとしても、周りからは惜しまれるものになったのです。