【進撃の巨人】不戦の契りとは何?内容の詳細や無効化できるかを考察
『進撃の巨人』にはその世界を紐解く手掛かりとなる「不戦の契り」という契約が存在します。本記事ではその不戦の契りの経緯や内容を詳しく紹介し、契約無効化方法についても考察していきます。この記事から進撃の巨人の世界を、より深く知ることができる内容となっています。
目次
【進撃の巨人】とは?
進撃の巨人の作者
『進撃の巨人』の作者は漫画家「諫山創(いさやまはじめ)」です。漫画家になった経緯は、大分県日田市に生まれ、実家は梅農家を営んでおり、当初父親からは漫画家を反対されていました。しかし九州デザイナー学院マンガ学科を卒業し、2006年講談社マガジングランプリにて「進撃の巨人」で佳作に入賞します。その後いくつかの作品で受賞を重ねますが、この時の「進撃の巨人」の内容を原型とした漫画が、同タイトルで2009年9月から別冊少年マガジンにて初連載を果たし、現在に至ります。
進撃の巨人の概要
『進撃の巨人』とは、日本を代表するダークファンタジー漫画であり、そのシリアスな世界観と独特な絵柄が話題を呼び、瞬く間に人気を獲得していきます。ファンタジーとは言え、そこには「戦争」や「軍」といった深いテーマも盛り込まれており、また謎多きストーリーはミステリーの要素も含んでいます。全139話に渡って描かれた壮大な物語は、2021年4月9日に堂々の完結を果たしました。海外での人気も非常に高く、韓国やアメリカでは一大旋風を巻き起こしています。
進撃の巨人のあらすじ
『進撃の巨人』の内容は大きく二部に分かれており、前半は「巨人VS人類」が描かれます。舞台パラディ島には巨人が生息し、巨人から身を守るために人類は奮闘していました。そんな中主人公エレンは自身が巨人化できる能力を覚醒し、人類の勝利に大きく貢献することになります。そして後半からは、パラディ島は一孤島に過ぎず、外の世界にはまだまだ大陸が広がっていたことがわかります。そこから巨人と人類の関係が徐々に解き明かされ「不戦の契り」も登場します。
【進撃の巨人】不戦の契りとは何?内容の詳細は?
不戦の契りとは?
『進撃の巨人』の本誌99話に「不戦の契り」が登場します。始祖の巨人の能力は王家の血筋の者だけが、使用できることになっていました。そしてこの「不戦の契り」は王家の血筋にのみ発動される契約で、自分の思想を後世にまで残そうとした145代フリッツ王(別の名を初代レイス王)の想いが、この「不戦の契り」の内容となっており、国民は度肝を抜かされることになります。
不戦の契りの詳細や経緯はヴィリーの演説で判明?
『不戦の契り』はマーレで各国の要人を招いて開かれた祭事にて、歴史に深く関わるダイパー家の当主ヴィリーの演説の中で登場します。その内容とは、これまで誰も語らなかった真実の歴史でした。まずエルディアとマーレの辿ってきた歴史を説明し、表向きにはマーレはエルディアへの復讐心から、パラディ島に逃げ込んだフリッツ王(エルディア人)を始末するため、パラディ島への攻撃を仕掛けていると思われていました。
しかしその事実が覆されます。今日までマーレが平和に暮らしているのはフリッツ王のお陰だと言うのです。実はフリッツ王は戦争の終息と平和を願い、始祖の巨人を継承したまま自らの意志で、孤島へ向かい壁を造りその中に身を隠したのでした。そしてそこでフリッツは「不戦の契り」を交わした、というのが事の経緯だったのです。
不戦の契りはユミルと結ばれた
『不戦の契り』はフリッツ王自らが始祖ユミルと結んだ契約です。フリッツ王はエルディア人が過去に行った、マーレへの横暴な振る舞いを理解しており、悔いていました。自分達はいつマーレに反逆されてもおかしくないと自負しており、「束の間の幸せでいいのでひっそりと暮らしたい。」そう願っていました。この契約はフリッツ王が独自で生み出したもので、このような事例は他で見られません。
不戦の契りを作ったフリッツ王の本当の目的
『不戦の契り』を有効にするために、フリッツ王は多数のエルディア人と一緒に壁の中へ逃げ込み、能力を使用してエルディア人の記憶を改竄し、壁の外の世界は滅んだことにしました。そして今後も、始祖の能力の継承者が良からぬことを考えないように、自分の思想が一生引き継がれる施策を取り入れたのが『不戦の契り』だったのです。フリッツ王の真の目的は純粋な「世界の平和」だったのでした。
【進撃の巨人】不戦の契りは無効化できる?
エレンが始祖の巨人の力を発動させられた理由
『不戦の契り』はしっかりと後世にも影響を与えるのですが、エレンの父であるグリシャの王家奇襲によって、始祖の能力は奪われます。そしてその父を食したエレンは、王家の血縁に全く関係がない状態で「始祖の巨人」を継承することになりました。何も知らなかったエレンは、女王ヒストリの手にキスをした際その能力が開花します。つまりこれは王家の血を引く者との接触でした。この条件を満たせば、エレンは「不戦の契り」を無視し、能力の発動が可能になるということがわかったのです。
不戦の契りそのものを無効化することはできる?
「不戦の契り」は思想そのものを操るので、継承者が無効化したいと考えることすらできないのが恐ろしいところです。しかし本編では、座標空間で始祖ユミルと出会ったジークが「長い時間を共に過ごす」ことで「不戦の契り」の無効化に成功したと発言します。これがひとつの解除方法だったのかも知れませんが、その真意は明らかではなく、ジークが騙されているとも考えられる描写でした。
不戦の契りを無効化すれば地鳴らしができる?
『不戦の契り』を無効化できれば、始祖の能力を使って「地鳴らし」を起こすことは可能です。マーレに残された一部のエルディア人は、下僕のような酷い生活を強いられます。それに耐えかねたエルディア人は暗躍して歴史を学び、このフリッツ王とマーレの関係を知ることになります。そのリーダー格にいたのがグリシャでした。マーレは過去に乗じて奴隷扱いをしてくるが、現エルディア人は全く悪くなく、むしろ過去のエルディア人だって平和を願って隠居しています。
さらにパラディ島を襲撃する無垢の巨人は、マーレで罪人扱いを受けたエルディア人が、特殊な薬で巨人化させられたものだったのです。エルディア人を襲っていたのはエルディア人だったのです。こんな恐ろしい事実を知ったグリシャは、王家では無い何者かが「始祖の巨人」を奪還し、地鳴らしを起こして逆襲するしかないと考えます。こういった経緯から、グリシャは単身でパラディ島へ乗り込んだのでした。
【進撃の巨人】不戦の契りと関係する始祖の巨人を考察
始祖の巨人の見た目
『進撃の巨人』に登場する「始祖の巨人」の見た目がはっきりと描かれるシーンはありません。またどの巨人においても継承者の面影が若干残るため、どの巨人も明らかな描写はありません。しかし度々現れる始祖の巨人に共通しているのは、女性的な長髪が特徴で、無垢の巨人に比べるとサイズも大型であることがわかります。
始祖の巨人の能力
- 記憶の操作
- 全ての巨人の支配(地鳴らし)
- エルディア人の身体の構造変化
- 巨人を無尽蔵に生成
『進撃の巨人』に登場する「始祖の巨人」の能力は大きく分けて4つ登場します。「記憶の操作」はフリッツ王が、壁の中に逃げ込んだエルディア人の記憶を改ざんしました。次に、咆哮することで「巨人を操る」ことができ、これはエレンがダイナ(王家の血筋であったが罪人として巨人化させられたグリシャの元妻)と接触した際に発動されました。これを使えば地鳴らしを発動出来るということです。
さらに「エルディア人の身体の構造を変える」ことができる能力を知ったジークは、これを使ってエルディア人の生殖機能を無くしてしまう「安楽死計画」を遂行しようとしていました。最後に登場したのは「巨人を再生成」できる能力です。これは地鳴らしの際に見られ、歴代継承者の巨人体を含め、無尽蔵巨人を生み出す描写が描かれました。
始祖の巨人の歴代継承者
- 始祖ユミル
- フリッツ王(1〜144代)
- カール・フリッツ(145代=初代レイス王)
- ウーリ・レイス
- フリーダ・レイス
- グリシャ・イェーガー
- エレン・イェーガー
『進撃の巨人』に登場する「始祖の巨人」は、始祖ユミルから始まります。元々はフリッツ王に使える奴隷ですが、偶然出会った古代生物(大地の悪魔)から巨人の力を授かります。そしてエルディア人は巨人の力を横暴に使って勢力の広げていくのですが、145代カール・フリッツはこれまでのエルディアの行いは卑劣だったと反省し、多くのエルディア人を引き連れて孤島へ行き、三重の壁を作り隠居します。そんな経緯から、これ以上争わないことを誓い交わされた契約が「不戦の契り」でした。
フリッツは偽名レイスに変更し、レイス家としての王家が始まります。そしてフリーダが継承者の際に事件が起こるのです。継承者を突き止めたグリシャの襲撃事件が起きます。結果グリシャはフリーダを喰らい始祖の巨人を継承し、その後その身を息子のエレンに喰わすことで、最終的にエレンが継承することになりました。王家の血を継いでいないエレンは「不戦の契り」の影響を受けず、王家の血を継ぐ者との接触のみで、始祖の力を発揮することができる状況になったのです。
【進撃の巨人】不戦の契りに対する世間での評判や人気
『進撃の巨人』に登場する「不戦の契り」についてその経緯や内容、また始祖の巨人について詳しく見てきました。ここではそんな「不戦の契り」について世間では、一体どのような意見があるのでしょうか。そのリアルな声を紹介していきます。
『進撃の巨人』の世界観には謎が多く、読者や視聴者の間では様々な考察がなされており、その真意が明らかになっていない部分も多いようです。そんな中「不戦の契り」に関しても同様で、全てを理解するには少し難しいという声が複数見られました。
『進撃の巨人』の「不戦の契り」はフリッツ王が平和を願った施策でしたが、後世には呪縛のようにのしかかっており、抗おうにも抗えず思考が操作されてしまいます。そのシーンが、アニメ版ではよりわかりやすく描かれており「不戦の契り」発動時には、瞳の色が紫色に変化するという演出が見られるようでした。
『進撃の巨人』に登場する「不戦の契り」はフリッツ王と始祖の巨人が直接結ぶことが出来たのなら、後世の王家継承者も何かしら契約の見直しや、新たな契約の締結などはなぜ出来なかったのかと、疑問視する声が見られました。根本的に巨人化能力の無効化を契約できれば、こんな大事にならなかったのでは、と言う意見です。
【進撃の巨人】不戦の契りはフリッツ王による呪いのようなもの
『進撃の巨人』に登場する「不戦の契り」の経緯や内容は非常に複雑であることがわかりました。絶対の平和を願って結ばれた契約は、時代の流れと共にもはや足枷のようになってしまい、結果的に人々を苦しめる呪縛のようになってしまいました。時代は流動的であるが故に、いつの時代もその最適解が同じではないという教訓じみたもの感じます。進撃の巨人は私たちの「歴史」についても深く考えさせられる内容となっていました。ぜひこの機会に本編もチェックしてみてください。
この記事のライター
うら
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