【進撃の巨人】エルヴィンの死亡の真相とは？過去や最後の言葉を紹介

『進撃の巨人』に登場するエルヴィン死亡の真相に迫る前に、エルヴィンがどのような人物なのか紹介します。それと併せて、物語の展開に目が離せないと話題になった『進撃の巨人』の作品についておさらいしましょう。

『進撃の巨人』の登場キャラであるエルヴィンは、調査兵団13代団長を務めている男性です。柔軟な思考を持っている為、状況に応じた判断で王都のあらくれ者だったリヴァイや巨人化能力を危険視されていたエレンを調査兵団に入団させています。温厚に見えますが、言動には意味深なところが多く、目的遂行の為なら仲間の命を捨てる覚悟をする冷酷な一面もあります。しかし、リヴァイを含む部下達からは大きな信頼を寄せられていました。

漫画家・諌山創（いさやまはじめ）による『進撃の巨人』は2009年から別冊少年マガジン（講談社）で連載が始まったダークファンタジー作品です。独特な世界観の中で繰り広げらる人間模様や謎が話題を呼び、世界中で人気となりました。人気絶頂の中、2021年に連載が終了しましたが、アニメ化や舞台化などのメディアミックスもされ、現在でもその人気は不動のものとなっています。

『進撃の巨人』の主人公であるエレン・イェーガーは、巨大な3つの壁の一つ”ウォール・マリア”の南端より突出したシガンシナ区で暮らしていました。ある日、壁よりも巨大な”超大型巨人”と外皮の硬い”鎧の巨人”の出現により壁が破壊され、巨人の群れが人間を襲います。目の前で母を失ったエレンは全ての巨人を駆逐をする為、訓練兵団に入団しました。そんなエレンは逃れられぬ運命へと引き寄せられていくのです。

調査兵団13代団長のエルヴィンの死亡シーンは読者やアニメ視聴者に大きな衝撃を与え、悲惨な最後に涙を誘いました。ここからは、エルヴィンの死亡の真相に迫り、彼はなぜ死亡するに至ったのか解説します。

エルヴィンの死亡シーンが描かれているのは、『進撃の巨人』コミックス21巻第84話”白夜”です。アニメでは第3期55話で放送されました。調査兵団13代団長として常に冷静に、時に冷酷に兵士を導いてきたエルヴィンの死は、読者や視聴者に大きな衝撃を与えました。そんなエルヴィンの死亡の経緯について解説していきます。

ウォール・マリアを奪還する為、獣の巨人と戦うことになった調査兵団でしたが、獣の巨人による岩の投石や無数の巨人達からの襲撃で次々と命を落としていきます。その結果、残された兵力はエルヴィンとリヴァイ、そして新米の調査兵団兵士のみとなり、窮地に立たされてしまったのです。

窮地に立たされたエルヴィンは、自身と新兵達が先陣して突撃する隙を狙い、リヴァイに獣の巨人を仕留めさせる作戦を提案します。”人類最強の兵士”と称えられているリヴァイでさえ「大敗北だ」と認める程、調査兵団の置かれている状況は最悪なものでした。獣の巨人を倒すことができる可能性を持っているのは、最早リヴァイしかいません。しかし、この作戦を実行すれば、エルヴィンの夢が叶うかもしれない鍵が眠る、イェーガー家の地下に行くことはできなくなってしまいます。

そこでエルヴィンはリヴァイにどちらを選ぶか委ねました。そしてリヴァイは、今まで死んでいった仲間達の命に意味を与える為に、「夢を諦めて死んでくれ」と獣の巨人を仕留める選択をします。リヴァイの選択を受け止めたエルヴィンは、新兵達を前に「我々はここで死に、次の生者に意味を託す」と宣言し、新兵達を率いて獣の巨人へ突撃して行きました。

新兵達を鼓舞し、突撃したエルヴィンでしたが、獣の巨人の投石による攻撃を受け重傷を負ってしまいます。獣の巨人が投げ放つ無数の砕いた岩の威力に成す術無く、新兵達が次々と倒れていく中、エルヴィンも腹部に攻撃を受け倒れてしまいました。しかし、作戦通りに獣の巨人の元へと辿り着いたリヴァイは激闘の末、獣の巨人のうなじからジークを引きずり出すことに成功します。ところが、一瞬の隙を突いた四足歩行の巨人によってジークは連れ去られてしまい、リヴァイは急いで追跡しました。

その頃、重傷で意識の無いエルヴィンは、生存していた新兵によってエレン達のいる壁内へと運ばれます。そこには、ベルトルトとの戦闘で瀕死状態となっているアルミンの姿がありました。その場に到着したリヴァイは、ケニーから預かっていた巨人化できる注射をどちらに打つか選択を迫られます。アルミンに打つべきだと訴えるエレン達を制止し、エルヴィンに打とうとしましたが、彼の姿を見たリヴァイは悩み抜いた結果、アルミンに注射を打つことを決めて、ハンジと共にエルヴィンの最期を看取りました。

自身の夢を諦めて、次の生きる者達に全てを託して死亡したエルヴィンは最後にある言葉を残して命を落としました。ここからは、エルヴィンの過去や最後の言葉の意味について考察していきます。

エルヴィンは死ぬ間際、「先生…」「…に…いないって」「…やって調べたんですか？」とうわごとを言いました。この言葉は、コミックス14巻第55話”痛み”で、幼少期のエルヴィンが学校で、教師である父親から授業を受けていた時のシーンと繋がっているのではないかと言われています。歴史の授業で「巨人によって人類が壁の中に逃げ込んだこと」や「人類の大半は失われ、住む場所は僅かとなったが争いの絶えない時代と決別した」と教わります。 そして”あること”に疑問を抱いたエルヴィンは手を挙げて質問しました。

しかし、この質問の内容は作中で描かれていない為、このうわごとが質問のセリフではないかと考察されているのです。途切れているエルヴィンのうわごとにどのような言葉が入るのかについて、「壁の中に巨人がいないって、どうやって調べたんですか？」や「記録に一切ないって、どうやって調べたんですか？」など様々な推測がされています。父親から”それまでの歴史の記録が残せていない”と言う説明を聞いたエルヴィンが、何を質問したのかについて、ファンにとっても気になるようです。

人類と巨人の歴史について疑問を抱いていたエルヴィンには、ある夢がありました。それは、父親の仮説が正しいことを証明する為に調査兵団に入り、真実を明らかにするという目的を果たすことです。父親の「壁の中にいる人間は、王によって記憶を改ざんされ、壁の外の世界の情報を全く知らないのではないか」と言う仮説にエルヴィンは影響を受けます。その仮説の重要性を理解していなかった幼いエルヴィンは、憲兵団に話してしまい、父親は死亡してしまいました。この一件がきっかけで真実を追求する決意をしたのです。

新兵達と自身が犠牲となり、リヴァイに獣の巨人を仕留めさせる作戦を打ち出したエルヴィンは「ありがとう」とリヴァイに告げます。エルヴィンは巨人が人間であることを証明する目的の為に、多くの部下や仲間を見殺しにしてきたという罪悪感を抱いていました。しかし、自身の目的を果たすか、または諦めるかの選択をリヴァイに託した時、リヴァイは「夢を諦めて死んでくれ」と頼むのです。

その言葉を聞いたエルヴィンは安心したのか、とても穏やかな笑顔でリヴァイに感謝しました。「ありがとう」の言葉の裏には、目的の為だけに仲間達の命を奪い、その死の上に立ち続けて生きてきた、自身へのけじめを付けることができる安堵感があったのではないかと推測されます。

リヴァイが瀕死のエルヴィンに巨人化できる注射を打たなかったのは、エルヴィンを解放したかったのが理由です。リヴァイがエルヴィンに注射を打とうとした時、拒絶するかのように腕を振り上げうわごとを言います。エルヴィンが夢を叶える目的の為に調査兵団に入ったことを知っていたリヴァイは、彼が悪魔となって地獄の中を生きてきたことを痛感しました。エルヴィンが悪魔になることを望んだのも自分達だと思い知らされたリヴァイは、エルヴィンを解放してやりたいと思ったのです。

人類が巨人になる理由を突き止め、長く抱いていた疑問の答えを知りたかったエルヴィンは、多くの名言を残しました。ここからはエルヴィンのセリフの中で印象に残る名言を3つ厳選して紹介します。

エルヴィンがエレンに質問したセリフです。壁外調査で無垢の巨人2体を生け捕りにした調査兵団は、ハンジを中心として巨人の実験を行っていました。ところが、一夜明けると何者かによって2体の巨人は殺されていたのです。取り乱すハンジをよそに、エルヴィンはエレンにこの質問をしました。エレンは何のことか理解できずにいましたが、この巨人の殺害の奥に大きな敵が潜んでいると見抜いた、エルヴィンの鋭い洞察力がうかがえる名言です。

エレン奪還作戦の時にエルヴィンが叫んだセリフです。巨人によって右腕を食べられてしまったエルヴィンを見た兵士達は、あまりの衝撃に士気が下がってしまいます。しかし、エルヴィンは力強くこの言葉を叫び、兵士達の士気を再び上げてエレン奪還の目的を果たす為に巨人達へ突撃したのです。エルヴィンの統率力がうかがえる名言となっています。

牢獄に幽閉されたエレンに言ったエルヴィンのセリフです。巨人化できる能力があるエレンは危険視され投獄されてしまいます。エレンが父・グリシャから預かった地下室の鍵を手に、エルヴィンはエレンの存在が人類を救う鍵だと告げたのです。エレンの巨人化する能力と地下室の鍵は、エルヴィンの夢を叶える為に重要なものだということがうかがえる名言となっています。

子供の頃から抱いていた夢を叶えることを理由に、多くの仲間を犠牲にしてきたエルヴィンをアニメ『進撃の巨人』では誰が演じたのでしょうか？ここからは、アニメ『進撃の巨人』でエルヴィンの声を担当した声優について紹介します。

アニメ『進撃の巨人』でエルヴィンの声を担当した声優は小野大輔です。柔らかい雰囲気を出しつつも、時には残酷にそして長きにわたって自身を支えてきたリヴァイに感謝を述べ、潔く散ったエルヴィンを見事に演じています。

小野大輔は1978年5月4日生まれ、高知県出身の声優・歌手で現在はフリーで活動しています。ラジオドラマ制作中にスタッフ不足が理由で出演者となったことがきっかけで声優を目指しました。声優の中でも幅広い役を演じ「業界一の演技力」と評されています。

声優・小野大輔の主な出演作品は『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』空条承太郎、『黒執事』セバスチャン・ミカエリス、『黒子のバスケ』緑間真太郎、『デュラララ!!』平和島静雄、『おそ松さん』松野十四松、『マギ』シンドバッドなど、多くの人気作品の主要キャラを担当しています。

エルヴィンの死亡についてSNS上での声を調べたところ、やっと覚悟を決めてエルヴィンの死亡シーンを観ることができたと言う人がいました。アニメを観終わってみると、エルヴィンの最期をすんなり受け入れ消化できたと感想を述べています。

アニメでエルヴィン死亡シーンを観て号泣したと言う声もあります。エルヴィンが死を選んだ理由の描写が『進撃の巨人』の作品の凄さを感じさせると感動していた声が多くありました。

原作でエルヴィン死亡について知ってはいたものの、アニメで観るとショックが増すと言った感想もありました。死に際に見せたエルヴィンの幼少期の面影が辛かったと感じた人もいるようです。

『進撃の巨人』に登場する調査兵団13代団長・エルヴィンの死亡は悲しいものでした。幼い頃から抱いていた夢を叶えることができずに、その生涯に幕を閉じることになったのです。しかし、自身の身勝手な理由で仲間や部下達の命を犠牲にしてきたことに苦悩し続けていたエルヴィンは、生きることに疲れてしまっていたのかもしれません。原作は終わってしまいましたが、2023年にアニメで完結編が放送されるので、エルヴィンが知りたかった歴史の真実とその行く先に注目しましょう。