【炎炎ノ消防隊】スコップはモグラだけど人間と話せる？過去や声優を紹介

ユニークなキャラクターが大勢登場する『炎炎ノ消防隊』の中で、とりわけ「かわいい」と評判なのが、モグラの「スコップ」です。人間の言葉を話せるスコップの過去や必殺技、アニメの担当声優などが気になるところですが、まずは基本的な情報から紹介しておきましょう。

『炎炎ノ消防隊』に登場するスコップは、モグラのキャラクターです。モグラではあるものの人間の言葉を話し、首にはスカーフを巻いていて尻尾は炎に包まれています。元々は作中で中華半島と呼ばれる地域の楽園（オアシス）で暮らしていましたが、焔ビトのせいでそこを追われることとなりました。非常に長命で、250年前の大災害の頃からこの世に存在しています。

人間の言葉を話すモグラのスコップが登場する『炎炎ノ消防隊』は、漫画家・大久保篤が描いた漫画、およびそのアニメ化作品などを指します。「炎」をモチーフとするSFバトルもので、原作は2015～2022年まで「週刊少年マガジン」に掲載されました。単行本は全34巻が刊行されています。アニメは第2期まで放送済みで、2023年6月時点で3期が準備中となっています。

『炎炎ノ消防隊』は、「焔ビト（人体発火現象によって怪物化した人間）」の被害が頻発する世界で、その真相究明と被害者救出に挑む「特殊消防隊」の活躍を描く作品です。主人公のシンラたちは戦いの中で、大災害の危機が再び世界に迫っていることを知ります。それを阻止すべく奔走する彼らの前に、モグラのスコップなどの仲間や謎の敵「白装束」らが次々に現れる…というストーリーとなっています。

『炎炎ノ消防隊』で人気のしゃべるモグラ・スコップですが、そもそもなぜ彼は人間と話せるようになったのでしょうか。その秘密の鍵は、スコップの過去に隠されています。ここではスコップが言葉を得た経緯や彼の必殺技、そして迎えた最後について考察します。

モグラのスコップは上でも述べたように、もともとは中華半島の楽園で暮らしていました。しかし作中で250年前、世界中で起きた大災害により楽園も荒廃してしまいます。この時スコップが出会ったのが、楽園の御神体の中に存在するとされた謎の女性「黒の女」でした。「黒の女」はスコップに説法するとともに言葉も与え、さらにアドラバーストの力も授けます。こうした過去のいきさつにより、スコップは人間の言葉を話せるようになったのです。

上で述べたように、モグラのスコップは「黒の女」という謎の存在から、人間と話せる能力とアドラバーストを得た過去を持ちます。本来なら動物に言葉やアドラバーストの力は必要ないはずですが、彼女はスコップだけでなく、カラスのヤータにも同じく言葉や長寿を与えています。一体なぜなのでしょうか。考えられる理由が、「彼らを通じて後世へ何かを伝えたかった」ということです。

『炎炎ノ消防隊』で「黒の女」は謎めいた存在として登場するものの、その正体は元人間です。過去の大災害と関係していて、それについて忸怩たる思いを抱いているように見えます。しかも再び大災害が起こることも知っており、それを危惧していました。御神体の中で250年間中華半島を守ってきた彼女は、大災害のことやアドラバーストの存在について後の人間に伝えたいと考え、そのメッセンジャーとしてスコップたちが選ばれたと考えられるのです。

『炎炎ノ消防隊』におけるモグラのスコップの過去については上記の通りですが、彼が特別なのは人間の言葉を話せる点だけではありません。実は、必殺技も持っているのです。その必殺技の名を、「廬山土竜破（ろざんどりゅうは）」と言います。某聖闘士のものとよく似た名称を持つこの技は、土を掘る右手の力に全神経を集中させ、地下深い場所から地上の敵へ強烈な一撃を加えるという必殺ブローになります。

スコップは焔ビト・テンペの脅威から助けてくれたシンラに対し、「強くなる」という約束をしました。その後毎日千本の穴掘りを欠かさないなど修行を積み、得た必殺技がこの「廬山土竜破」なのです。スコップの意外な真面目さが伝わるエピソードですが、威力もかなりのもので、作中ではこの必殺技を使って焔イヌを見事撃退しています。

驚くべき過去と必殺技を持つモグラのスコップですが、その最後はどうなるのでしょうか。『炎炎ノ消防隊』中華半島編でスコップは、シンラたちがアドラバーストや聖陽教について理解を深める手助けをします。さらにその後は東京皇国に上陸し、「黒の女」の大災害に関する重要な伝言を伝える役目を果たしました。このように活躍したスコップですが、その後一度死亡するという運命をたどります。しかし、最終回では無事復活を果たしました。

『炎炎ノ消防隊』におけるモグラのスコップの過去や必殺技などについて紹介しましたが、ここで目線を変えて、テレビアニメ版の声優について見ていきましょう。アニメ版『炎炎ノ消防隊』でスコップの声を担当している声優は、意外なあの人でした。

人間の言葉を話すモグラ・スコップは、アニメ版『炎炎ノ消防隊』では第2期で登場します。その声を担当しているのは、伊藤健太郎です。同姓同名の俳優とは別人で、こちらの伊藤氏は主に声優・舞台俳優として活動しています。1990年代から活躍するベテランで、バリトンの声を持ち二枚目から三枚目まで幅広い役柄を演じています。スコップ役でも、愛嬌たっぷりの魅力が伝わる好演を見せてくれました。

声優の伊藤健太郎は、東京都出身で1974年1月3日生まれ、2023年6月現在で49歳になります。俳優を目指して桐朋学園芸術短期大学演劇科を出た後、肝付兼太の劇団21世紀FOXに入団、同時期に声優としてデビューしました。その後多数の作品に出演を重ね、人気と評価を確立します。2003年には主宰として劇団K-Showを旗揚げし、舞台活動も積極的に行っています。

アニメ『炎炎ノ消防隊』でスコップを演じる声優・伊藤健太郎の主な出演作品は、『BLEACH』（阿散井恋次）、『弱虫ペダル』（田所迅）、『ゴールデンカムイ』（白石吉竹）、『NARUTO -ナルト-』（秋道チョウジ）、『とっとこハム太郎』（タイショーくん）『東京喰種 トーキョーグール』（万丈数壱）などとなっています。

人間の言葉を話し、必殺技さえ持つ『炎炎ノ消防隊』のモグラ・スコップは、ファンからどういった印象を持たれているのでしょうか。ここでは、人語を解する稀有なモグラ・スコップに対する世間の見方について探っていきます。

『炎炎ノ消防隊』のスコップに対する意見として最も多いのが、「かわいい」というものです。丸々した見た目もさることながら、仲間思いで一生懸命な性格も幅広い層から好感を持たれています。

こちらも「スコップ＝かわいい」という意見ですが、特にシンラとの相性の良さを訴えています。古今東西の物語では主人公と動物のコンビが活躍する例が多く、見る者の心をなごませますが、この場合も見事にそのパターンに当てはまったようです。

上の声優紹介でも触れましたが、『炎炎ノ消防隊』でスコップの声を担当する伊藤健太郎は、『とっとこハム太郎』のタイショーくんの担当声優でもあります。声優が同じでしかも動物つながりということで、スコップを見るとタイショーくんを思い出すという意見も多くみられました。

『炎炎ノ消防隊』の会話できるモグラ・スコップについて考察していますが、再び違った角度から切り込んでみましょう。ここでは「スコップが○○だったら」ということで、スコップに異なる役柄を与えた場合に想像されることを書き出してみました。

『炎炎ノ消防隊』のスコップは、コツコツ修行して必殺技を習得したことからもわかるように、非常にまじめな性格です。面倒見もいいことから、「教師」という職業は彼にとってかなりしっくりくるものと思われます。おそらくは、生徒や保護者からも厚い信頼を獲得できることでしょう。

『炎炎ノ消防隊』のスコップがもしも兄弟であったら、これはかなり頼もしい存在になると思われます。兄であれば時にやさしく時には叱咤し、弟であればこちらを慕い励ましてくれるでしょう。まさしく理想の兄弟と言えるかもしれません。

『炎炎ノ消防隊』のスコップが、もしもペットであったとするとどうでしょうか。これは間違いなく、最高のパートナーになると思われます。愛らしい見た目に加えて人間の言葉でコミュニケーションが取れるとなれば、ぜひとも四六時中そばに置いておきたいところです。飼い主志願者も殺到するに違いありません。

『炎炎ノ消防隊』のスコップについて紹介してきました。このように、スコップはモグラでありながら人間の言葉を聞き分け、会話することができます。過去は楽園（オアシス）に住んでいたのにそこを追われ、一時はジャガイモ泥棒で糊口をしのぐなど苦労を重ねていました。しかし、シンラたちと出会いが彼の運命を変えます。シンラたちもまた、スコップの案内で求める秘密の一端を知るなど、お互いが重要な影響を与えあったのでした。

このような作中での活躍により、スコップは『炎炎ノ消防隊』において欠かせないキャラクターとなっています。多くのファンからも愛されており、中華半島編の後にも再登場を果たしました。そんなスコップについてもっと詳しく知りたいという方は、ぜひ原作やアニメをチェックしてみてください。