【炎炎ノ消防隊】ラートムの意味を考察！使い方は？用語を徹底解説

『炎炎ノ消防隊』の作者は、漫画家・大久保篤です。彼は、幼少期から絵を描くことが得意でした。漫画家を目指したきっかけは、母親と書いた落書きだったと語っています。もともと、漫画家・綾峰欄人（あやみね らんど）のアシスタントとして勤めていました。そのころから、海外の楽曲をモチーフにしたようなキャラ名とポップな作風で注目を集め2001年に漫画家デビューします。

『炎炎ノ消防隊』は週刊少年マガジンにて、2015年9月から2022年2月までの7年間連載されています。2022年時点の世界累計発行部数は、約2000万部と突破し2019年にアニメ化されました。何もない人が、突然炎に包まれ暴れだすダークファンタジーとして人気上昇中の作品です。

『炎炎ノ消防隊』の舞台は、太陽暦佰九拾八年の東京になります。世界は突然人体が発火し、焼死するまで焼き尽くす現象の脅威にさらされていました。主人公・森羅日下部（しんら くさかべ）は、母親と生まれたばかりの弟を家事で亡くす悲しい過去がありました。幼い頃からヒーローに憧れていた森羅は、母親と弟のような被害者を今以上増やさないことを誓い特殊消防隊に入隊します。第8特殊部隊に配属された森羅は、焔ビトを捕まえるために仲間と共に他の消防隊と戦い、突き進んでいくのでした。

ラートムを唱える最初のシーンは、『炎炎ノ消防隊』コミックス1巻零話です。特殊消防隊が、シスターの唱えるラートムの中で焔ビトを鎮魂しています。つまり、ラートムとはキリスト教に例えるとアーメンと同じ意味です。『炎炎ノ消防隊』の舞台である、東京帝国の国教は聖陽教で人類最後のよりどころとして描かれています。医療も聖陽会のみが許されていることから、聖陽教会が独占していたことがうかがえます。

『炎炎ノ消防隊』で唱えられるラートムですが、キリスト教徒関係があるのではないかと一部の読者の間で話題になりました。実際には、キリスト教徒は無関係で『炎炎ノ消防隊』の漫画独自の宗教になります。キリスト教と関係があるとされるのは、いくつかの共通点があったからといわれています。それは、聖陽教の聖職者の呼び方や宗教のシンボルです。司祭・神父・シスターと呼んだり、シンボルは十字架になっています。

キリスト教と関係があると思われていたきっかけが、シンボルや呼び方だけではありません。聖陽教の聖職者達がまとっている服装や、挨拶の時の合掌、宗教施設の呼び方が大聖堂や教会など、キリスト教と近い部分が見られるからといわれています。そのため連載当初は、キリストと同じ意味として捉える読者がいました。しかし、物語が進むことで『炎炎ノ消防隊』の独自の宗教として定着しました。

『炎炎ノ消防隊』の作中で、焔ビトを鎮魂する際に唱えられるラートムの用語の由来は、人の死を悲しむ弔う（とむらう）を独自にアレンジしたと多くの読者が捉えています。人体自然発火する寸前まで、いつもの生活を送っていた人間が突如焔ビトになり鎮魂されると本人も遺族も救われません。

また焔ビトを鎮魂した消防隊は、発火するまで人間だった人を彼らの手で殺したということになり、精神的にも負担が大きい任務です。ラートムを唱え鎮魂することで、焔ビトと遺族は死を受け入れ消防隊は迷いなく任務を果たすことができるのです。

『炎炎ノ消防隊』で、焔ビトを鎮魂する際に唱えられる用語がラートムです。このセリフの使い方は、死にゆく人を弔う意味で使われています。焔ビトは、発火しようと自分から豹変しているのではありません。何事もなく過ごしていた日常が、何らかの原因で人体突然発火し訳も分からないまま鎮魂されます。ラートムの意味と使い方は、キリストではアーメンと同じで「苦しまずに成仏できますように」との意味合いも込められています。

また鎮魂の使い方とは別に、焔ビトを鎮魂する際や日常でも平和を祈る時などに使われています。ラートムは鎮魂のとき以外でも、平和を願う思いを込めて使われていました。このことからラートムは、悲しい意味として捉えてしまいがちですが人も思いやる肯定的な意味であることがうかがえます。

『炎炎ノ消防隊』の作中で、唱えられるラートムの手の形はハートを逆さにした形と似ています。使い方は、ラートムを唱える前の祈りの時からが合唱するように両手でポーズを作ります。ポーズの取り方は、両手を合わせ親指を両手の中に織り込むように行う動作です。キリストで言う、アーメンの際に十字を描き手を合わせるポーズと同じ意味になります。ポーズの形自体の意味は、作中では明かされていません。

『炎炎ノ消防隊』で、ラートムの前の用語は焔ビトへ向けての祈りです。焔ビトは、鎮魂つまり死を迎えます。その炎は、死を迎える人の魂を表しているという意味です。焔ビトは、炎に対する適性がなければ森羅のような能力者になれません。焔ビトは炎に適性のない状態で、突然発火し鎮魂される運命をたどります。このことから、炎に適応できなかった者への敬意の意味ではないかと考えられています。

『炎炎ノ消防隊』コミックス1巻零話から、使われている祈り用語です。苦しみから解き放たれ、成仏しなさいという意味になります。何の前触れもなく、焔ビトとなり鎮魂されるのは苦痛を伴います。せめて死にゆく時は、肉体から魂を切り離し安らかにとの意味が込められたセリフです。

灰はという用語は、死にゆくものという意味です。『炎炎ノ消防隊』に登場する焔ビトは、本人の意思に関係なく突然の発火により変化します。自身に起きたことを、受け入れる暇もなく鎮魂されるのです。そのような状態では、浮かばれないとの思いから自身の死を受けれ苦痛のない世界へ導く祈りのセリフになります。

鎮魂され、魂となった焔ビトへ（その魂）自身の死を受け入れれば早く楽になれる意味が込められた用語です。成仏した魂へ、安らかに眠って欲しいというセリフになりす。『炎炎ノ消防隊』は、焔ビトをむやみに鎮魂するのではありません。聖陽教が唱えるセリフには、人として敬う気持ちが込められていることがうかがえます。

使い方は「ラートム」と唱える直前の用語です。『炎炎ノ消防隊』で焔ビトを鎮魂する際の、深い眠りにつきなさいという意味になります。ラートムまでの用語を順に辿ると、焔ビトになり日常を奪われてしまった人への祈りが、セリフの一つ一つに込められています。

シスター・アイリスは、『炎炎ノ消防隊』コミックス1巻零話で登場するキャラクターです。孤児院で育ち、同じ施設で育った第五特殊消防官隊大隊長のプリンセス火華を姉のように慕っていました。アイリスは金髪ヘアーが特徴的で、主人公・森羅と同じ第八特殊消防隊に所属し焔ビトの鎮魂に同行しています。彼女は、シスターであるため能力は一切持っていません。

アイリスの正体は聖陽教の暗部で、第八特殊消防隊を見張っているのではないかと、一部の読者から憶測が飛び交う謎の一面を持ち合わせています。

『炎炎ノ消防隊』の作中で、アイリスが初めてラートムを唱えたのはコミックス1巻零話です。初回からアイリスの祈りとラートムを描くことで、焔ビトをむやみに倒しているわけではないと、読者に伝わるメッセージが込められた内容になっています。そのため、このシーンが一番重要だったのではと多くの読者が語っていました。

『炎炎ノ消防隊』コミックス148話、聖陽教へ疑問を持つアイリスがラートムを唱えるシーンです。彼女の中に渦巻くものが分かるように、アニメでは全身から顔のズームといったような映像になっています。コミックスでも、どこかうつろでハリのない表情がうかがえます。

『炎炎ノ消防隊』を初めて見る人にも、ラートムの言葉が印象に残るほどインパクトがあることがうかがえます。コミックス1巻零話で、突然の人間自然発火現象で始まるシーンもショッキングでインパクトが大きいですが、どこか呪文のようなセリフが『炎炎ノ消防隊』を見る人を引きつけているようです。

『炎炎ノ消防隊』でのラートムは、死者へ対するのだけの祈りではありません。宗教による違いはありますが、「ありがとう」という意味で手を合わせるところが「南無阿弥陀仏」と似ています。『炎炎ノ消防隊』の作中でも、焔ビトの鎮魂の時だけでなく、上手くいきますようになどの意味合いで使われていることがあります。

『炎炎ノ消防隊』の読者間では、日常的にラートムを使う人が多くいます。ポジティブな意味合いや、Ｘのように辛いことなど、ネガティブワードとして使う人もいました。また『炎炎ノ消防隊』の読者同士が、ラートムを通してコミュニケーションをとる場面もあります。

『炎炎ノ消防隊』で唱えられるラートムは、鎮魂される焔ビトに向けて祈りを捧げ最後に唱える言葉だということが分かりました。またラートムは聖陽教のシスターが唱える印象がありますが、シスター以外に特殊消防隊や一般人も日常的に使う用語です。『炎炎ノ消防隊』コミックス1巻零話から、登場し焔ビトへの祈りを描いたことで読者を魅了しました。『炎炎ノ消防隊』を読む際は、ラートムが唱えられるシーンに注目してみてください。