【名探偵コナン】宮野エレーナの死亡理由とは？メアリーや安室透との関係も

『名探偵コナン』に登場する数多くのキャラクターの中で、宮野エレーナは物語の鍵を握る重要人物の1人です。ただその存在は謎めいていて、未だにすべての情報は明かされていません。まずはそんな彼女の大まかなプロフィールなどについて見ていきましょう。

『名探偵コナン』に登場する宮野エレーナは、日系イギリス人で宮野明美・志保 (灰原哀) 姉妹の母にあたる人物です。金髪にメガネ、整った容姿という外見をしています。もともとは医師として、大学時代に知り合った夫（厚司）と個人医院を営んでいましたが、その後家族で黒の組織に加入しました。コードネームは不明ですが、組織内では「ヘル・エンジェル（地獄に堕ちた天使）」という呼び名を得ています。

黒の組織では、夫らと共に工藤新一と志保を幼児化させた薬の研究を担当していました。志保の誕生後ほどなくして、夫ともども研究所の事故で死亡したとされています。性格は、阿笠博士から「何を考えているかわからない」と評されるほど無口で人見知りでした。ただ、死の間際には志保のために誕生日を祝うカセットテープをまとめて残すなど、子供思いな一面をのぞかせています。

『名探偵コナン』で宮野エレーナが初めて登場したのは、アニメ版の第329話（漫画版ではFile398）「お金で買えない友情（前編）」です。この回では阿笠博士の口から印象がわずかに語られるだけで、顔もはっきり描かれませんでした。その後第341話（File424）「トイレに隠した秘密（後編）」では、宮野エレーナが志保に残した20本のカセットテープが発見されます。

また953話・954話（File1010・1011)「迷宮カクテル中・後編」では、安室透（降谷零）の記憶を通じて宮野エレーナの素顔が明かされます。このほかに彼女が登場した回には、702話（File425）「漆黒の特急 (隧道)」、771話（File889）「ギスギスしたお茶会 (後編)」、995話（File1025）「代役・京極真 (後編)」などがあります。

『名探偵コナン』は、青山剛昌氏の原作・作画による漫画作品です。内容的には、推理物のジャンルに分類されます。「週刊少年サンデー」で1994年から連載が開始され、2023年4月現在も物語は続いています。コミックスは102巻まで刊行されており、全世界累計発行部数が2億7000万部を超える大ヒット作品となっています。

テレビアニメ版の開始は1996年1月からで、こちらも現時点で放送は続いています。1997年4月からは劇場版アニメの制作が始まり、やはり現在までほぼ毎年1本のペースで作られ続けています。映画版の人気は特に高く、第1作～25作の累計興行収入は1,000億円越えを達成しました。さらにこのほかに、テレビドラマや舞台版も作られています。

宮野エレーナが登場する『名探偵コナン』は、江戸川コナン（実は少年化させられた高校生探偵・工藤新一）という小学生男子を主人公とする推理ミステリー漫画です。コナン少年は、ずば抜けた推理能力でさまざまな事件解決に奔走する一方、やはり子供化した宮野志保（灰原哀）らと共に、彼らの運命を変えた「黒の組織」の実態に迫っていく…というストーリーになっています。

『名探偵コナン』の設定では、宮野エレーナはすでに死亡してこの世にいないことになっています。にもかかわらず、「実は彼女は生きているのでは」という説を唱えるファンが少なくありません。その理由はどこにあるのでしょうか。ここでは伝えられる宮野エレーナの死亡理由と、生存説の信ぴょう性について見ていきましょう。

宮野エレーナの死亡理由は、事故であるとされています。前述のように宮野エレーナは黒の組織加入後、秘密の薬の研究に従事していましたが、ある日突然研究所が火事に見舞われます。夫や研究資料共々炎にのまれた彼女は、そのまま命を落としてしまった、と灰原も伝え聞いていました。しかし、多くのファンはこの事故には裏があるのではと見ています。その根拠が、後述するテープの内容です。

上でも述べたように、『名探偵コナン』の中で宮野エレーナは、死亡間際に娘である志保に向けたテープを遺しています。その中には、「研究中の薬を完成させるには、娘たちと別れなくてはならない」といった内容のメッセージが含まれていました。この謎めいた言葉の真相はさだかではありませんが、自らの死を予期していたようにも聞こえます。

あるいは娘らの身に危険が及ぶことのないように、あえて彼女らから離れようとしていたのではないか、という推理も成り立ちます。そうだとすると、宮野エレーナ（とその夫）は、死亡を装って実は生存しているのでは…という説が出るのもそれほど無理なく感じられてきます。

上記のように『名探偵コナン』ファンの間では、宮野エレーナは死亡を偽装して姿を隠しただけで、実際は生存しているのではないかという疑惑がくすぶっています。では、その可能性は実際どれくらいあるのでしょうか。実はこの疑惑に対しては、『名探偵コナン』の原作者である青山剛昌氏自身が、イベントでファンの質問に答える形で回答を出していました。

それによると、宮野エレーナの生存の可能性は「ない」とのことで、青山氏はきっぱり否定しています。これを理由に宮野エレーナの生存説が消え、死亡が確定した…のかというとそうではありません。この回答の際の青山氏の態度に動揺のようなものが見られたという話もあり、おおっぴらにネタバレするわけにもいかないので死亡で押し通すしかなかった、という説が根強く残る結果となっています。

上のような理由からいまだに生存説が消えない『名探偵コナン』の宮野エレーナですが、作中で彼女が関係しているのは、志保ら娘だけではありません。安室透こと降谷零や、メアリー・世良ともつながりを持っていました。ここでは『名探偵コナン』における、宮野エレーナとその周辺人物の関係について見ていきましょう。

まずは宮野厚司（あつし）ですが、彼と宮野エレーナは夫婦の関係にあたります。2人はエレーナが留学で来日した際に出会い、結婚しました。前述のように夫婦で「宮野医院」という個人医院を営んでいたところを、烏丸グループ（黒の組織）に誘われて加入、「シルバー・ブレット」という薬の研究の携わることになります。

宮野エレーナと宮野明美は、母と娘の関係になります。宮野エレーナは、前述のように明美が幼いころに事故死したため、母娘で過ごした時間はそれほど長くありません。そして宮野明美もまた、黒の組織に運命を翻弄され、命を落としてしまうことになります。

明美と同様に、宮野志保もまた宮野エレーナにとって実の娘という関係になります。志保は、明美以上に母とのふれあいを持たずに育つこととなりました。しかし宮野エレーナが志保のために残したメッセージテープは、母親の思いやりと同時に、黒の組織の謎に迫る重要な手がかりも伝えてくれています。

メアリー・世良は世良真純の母であり、『名探偵コナン』作中では、幼児化した姿で彼女と行動を共にしています。宮野エレーナとメアリー・世良の関係は姉妹で、メアリー・世良の方が姉にあたります。つまり、メアリーは宮野志保・明美姉妹にとって、伯母の関係に相当することになります。

宮野エレーナとメアリー・世良は姉妹であると上で述べましたが、そのメアリーには真純を含めて実子が3人います。その1人が、安室透のライバルである赤井秀一です。つまり、赤井秀一はメアリーの妹である宮野エレーナにとって、甥ということになります。

羽田秀吉はプロ棋士ながら、『名探偵コナン』では主人公・江戸川コナンにも劣らない推理力を持つ人物として描かれます。彼は養子として羽田家に入った身の上で、血縁上は赤井務武とメアリー・世良の実子です。つまり、宮野エレーナとは甥と叔母の関係にあたります。

すでに触れたように、世良真純はメアリー・世良の子供の1人です。幼児化した母のメアリーと一緒にホテル暮らしをしつつ、日本で高校生探偵をしています。宮野エレーナとの関係は、やはり姪と叔母ということになります。

安室透は宮野エレーナやメアリー・世良と血縁関係はありませんが、宮野エレーナとは別の縁でつながっています。安室透は子供時代、明美に引き合わされる形で、女医の宮野エレーナに出会っていました。エレーナは同じハーフである安室透に心を開き、安室少年も彼女を慕って「宮野医院」をしばしば訪れるようになります。

ベルモットは『名探偵コナン』の中では、「人気ハリウッド女優でありながら実は黒の組織の幹部」というキャラクターとして登場します。安室透は彼女と「あの方」の間に、重大な秘密があることを嗅ぎつけています。

そのベルモットは、メアリー・世良に幼児化の毒薬を飲ませた犯人でもあります。ベルモットの髪と目の色がメアリーと同じであることから、一部で「メアリーとエレーナの母がベルモットなのでは？」という疑いもささやかれましたが、これはあまり信ぴょう性の高くない噂にとどまっています。

メアリー・世良や安室透らとのつながりも深い宮野エレーナですが、アニメ版『名探偵コナン』で彼女の声を担当する声優についても気になります。ここでは、宮野エレーナ役を務める2人の声優の情報を紹介していきましょう。

アニメ版『名探偵コナン』で最初に宮野エレーナ役を担当していた声優は、鈴木弘子さんです。鈴木さんは1950年代から活躍されている大ベテランで、声優だけでなくドラマ出演やラジオDJとしての活動もされています。宮野エレーナ役は、2015年まで務めていました。

声優の鈴木弘子さんは山形県出身で、誕生日は1944年2月10日になります。幼い頃から芸能活動をしており、幅広い仕事をこなす中で、次第に声優活動に集中していくようになりました。洋画の吹き替えでも名高く、特にジャクリーン・ビセットの大半の作品を担当していることで知られます。

鈴木弘子さんのテレビアニメの主な出演作品は、第1作目の『サイボーグ009』（フランソワーズ）、『名犬ジョリィ』（ナレーション）などがあります。また、2003年の劇場版『名探偵コナン 迷宮の⼗字路』では⼭倉多恵役を演じました。映画吹き替えでは、前述のジャクリーンビセットのほか、カトリーヌ・ドヌーヴやキャサリン・ロス、ダイアン・キートンなどの声を担当しています。

アニメ版『名探偵コナン』の宮野エレーナ役は、第953話から別の声優へ変更されています。2代目を務めるのは、林原めぐみさんです。この声優交代の理由については明らかにされていませんが、鈴木さんが高齢であることが影響したのではないかとの説があります。

林原めぐみさんは、1967年3月30日に東京都で生まれました。1986年のデビュー以来数々の作品で印象的なキャラクターを演じ、現在までトップ声優としての地位を確立しています。声優としてだけでなく、歌手や作詞家、エッセイスト、ラジオパーソナリティーとしての顔も持ち、マルチな才能を発揮しています。

林原めぐみさんのテレビアニメの主な出演作には、『らんま1/2』の早乙女らんま、『幽☆遊☆白書』の少女幻海、『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ、『スレイヤーズ』のリナ＝インバース、『カウボーイビバップ』のフェイ・ヴァレンタイン、『ポケットモンスター』のムサシなどがあります。また『名探偵コナン』では、宮野エレーナの娘灰原哀の声も担当しています。

『名探偵コナン』にはたくさんのキャラクターが登場し、それぞれファンに特有の印象を残していますが、宮野エレーナについてはどうなのでしょうか。ここでは、宮野エレーナに対する世間の評判などを見ていきましょう。

こちらは「宮野エレーナがかわいい」という、彼女の容姿に魅かれる方のツイートです。髪の色などは違うものの、クールで整った顔だちは娘にしっかり受け継がれているので、灰原人気も元をたどれば彼女のおかげと言えるかもしれません。

こちらは林原めぐみさんによる宮野エレーナの声が好きという意見です。林原さんは灰原哀の声が浸透していますが、母親である宮野エレーナ役も違和感なく受け入れられて好評のようです。このあたりはさすがの演技力と説得力と言えます。

林原さんだけでなく、初代の声優である鈴木さんの演技も絶賛されています。メッセージテープに吹き込まれた声には、娘を想う母の心情がこまやかに表現されていました。こうした演技の力もあって、宮野エレーナの母性はファンに深く印象づけられています。

『名探偵コナン』の宮野エレーナは、作中で死亡したとされて作者がそれを保証したにも関わらず、いまだに生存説が消えません。確かにメッセージテープの内容を考えると、「実は生きていた」という可能性もなくはないように見えます。果たして真相はどうなのか、今後の展開がますます気になるところです。