【ゴールデンカムイ】いご草ちゃんは生存している？月島軍曹との関係は？

第七師団のメンバーである月島軍曹の素性が明かされていくと、彼と密接な関係を持っていた人物としていご草ちゃんが紹介され作中に様々な謎を残しました。ここではいご草ちゃんのプロフィールについてまとめていき、同時に『ゴールデンカムイ』の作品概要とあらすじについておさらいしていきます。

いご草ちゃんこと春見ちよは月島軍曹の幼馴染です。髪の毛がいご草のようなくせっ毛だったことから島の子どもたちに「いご草」とからかわれ、いつしかいご草ちゃんと呼ばれるようになりました。父親の素行の悪さから迫害されていた月島に対して優しく接していた唯一の存在であり、日清戦争が終わった後に駆け落ちすることを約束していました。

ゴールデンカムイは野田サトルによって週刊ヤングジャンプに連載されていた漫画作品です。北海道を舞台に金塊を取り合うサバイバルバトル漫画として2014年～2022年にかけて連載され、奇天烈なキャラクターやアイヌ文化を基にしたシナリオ展開などが話題を呼びました。2022年9月時点で累計発行部数2300万部を突破しており、その人気に伴いアニメ化や実写映画化なども展開されています。

日露戦争から帰還した杉元佐一は幼馴染の梅子の眼病の治療費を稼ぐために北海道で砂金を採っていたところ、アイヌが秘蔵した金塊の噂を耳にし在り処を示す24人の脱獄囚を探し始めます。その途中、ヒグマに襲われピンチに陥った杉元でしたがアイヌの少女・アシㇼパによって助けられると、共通の目的を持っていたことから2人は共に行動することを決めます。その裏で金塊を狙う別組織が動き出していると、彼らとの知略を巡らせたサバイバルバトルが始まっていくのでした。

ここからはゴールデンカムイにおけるいご草ちゃんの生存に関する真相と、月島軍曹との過去についてまとめていきます。月島軍曹の過去回想にて登場し人柄などが描かれていったいご草ちゃんですが、彼女は途中で行方を眩ませてしまい生死状態が不明となっていました。

月島軍曹は過ごしていた故郷で父親が犯罪者だったという理由から周囲の人に蔑まれていました。その中で唯一いご草ちゃんだけが「基ちゃん」と親しく接してくれる女性であり、次第に2人の関係は相思相愛になっていきました。そうして2人は日清戦争が終わった後に駆け落ちすることを約束していました。

日清戦争から帰ってきた月島軍曹でしたが、そこにいご草ちゃんの姿はなく月島が帰ってくる10日前に行方を眩ませたことが判明しました。故郷では月島が戦死したと聞かされていたため、いご草ちゃんは月島の後を追って命を絶ってしまったと推測します。そして、その噂を言いふらした人物が自身の父親だと発覚すると、月島は父親を撲殺してしまい家族殺しとして死刑を言い渡されてしまいます。

生きる気力を失ってしまった月島軍曹でしたが、彼が投獄されているところに鶴見中尉が訪れると「いご草ちゃんは死んでいない」と話し始めます。鶴見中尉は嘘を交えた話で月島を説得していき、彼の死刑をなかったことにして仲間に引き入れました。

9年の月日が流れて日露戦争が勃発すると、月島は戦場に駆り出されることになりました。そこで月島は同郷の兵士と出会い「いご草ちゃんの遺体が月島の実家の床下から見つかった」という真相を明かされます。何年もの間嘘をつかれていたことに激怒した月島は鶴見中尉に直接詰め寄りますが、「死刑を回避させるために必要な嘘だった」などと言葉巧みに言いくるめられてしまい次第に考えることを諦めてしまいました。

いご草ちゃんに関する話は真相が不明瞭のまま本編が進んでいき、結局うやむやになったまま描かれなくなりました。当時の読者の間では鶴見中尉が月島を仲間に引き入れるために彼女を話題にしただけで、本当は死亡しているという説が有力でした。実際に月島は考えることをやめて鶴見中尉に従うことを選んでいるため根拠もあります。

ゴールデンカムイ276話が公開されると、そこにいご草ちゃんらしき人物が登場しました。三菱財閥幹部の娘・金子花枝子の兄が嫁を選ぶことになると、そこで「クリクリのくせっ毛の田舎娘」と発言しいご草ちゃんを思わせる後ろ姿が1コマだけ描かれました。この描写からいご草ちゃんは生存している可能性がとても高いです。

ここからはアニメ版ゴールデンカムイにていご草ちゃんを演じた声優についてまとめていきます。月島軍曹の過去回想のみに登場するキャラクターであるためアニメ版ゴールデンカムイではあまり登場しなかったいご草ちゃんでしたが、声優の演技によって彼女の繊細な人柄が表現され多くの視聴者にいご草ちゃんの人柄を印象付けました。

いご草ちゃんを演じた声優は貫井柚佳（ぬくいゆか）さんです。AIR AGENCY所属の女性声優であり、2016年頃から出演作品を増やし続けている将来期待の若手声優でもあります。2023年のテレビアニメでは主演作品も決定しており声優好きであれば注目しておきたい人物でしょう。

ここからはゴールデンカムイにおけるいご草ちゃんと関係する月島軍曹の人物像についてまとめていきます。いご草ちゃんにとって月島軍曹はとても大きい存在であり、いご草ちゃんについて語る上で欠かせない人物でもあります。いご草ちゃんのエピソードをより明解なものにするためにも、月島軍曹の人物像を把握しておきましょう。

月島軍曹は第七師団に所属する軍人で、階級は通り名通り軍曹です。性格は常に冷静で「面倒くさい」と口にしても任務を完遂しようとする真面目さがあります。仲間を守り切れなかった時などは感情的な一面を見せることがある常識人ですが、ところどころで闇を見せる瞬間がありある意味での危険人物と言えます。

囚人狩りや樺太先遣隊の任務にて月島は鯉登少尉の補佐を担当しており、鶴見中尉の前でまともに話ができない鯉登を通訳したり、経験が浅いところをフォローしたりと親のように手助けしてみせました。この様子から月島自身も彼の補佐役を「子守」と称しています。また、2人とも違った形ではあれど鶴見中尉に特別な思いを抱いており、月島が唯一感情を吐露した相手が鯉登でした。

第七師団に所属するメンバーの多くが鶴見中尉によって救われた過去を持っていますが、月島は救われていないどころか裏切られた過去を持っています。月島は絶望の先に何が待っているのかを求めるように鶴見中尉に従っている様子が垣間見え、虚ろな目で「鶴見劇場をかぶりつきで見たいんですよ、最後まで」と言い放った瞬間は底知れない闇を読者に感じさせました。

これまでいご草ちゃんの生死状態の真相や月島軍曹との関係などについてまとめてきましたが、ゴールデンカムイを愛読しているファンからは実際に本編でいご草ちゃんの生死状態や、ゴールデンカムイ276話で描かれた姿に対して様々な意見が寄せられています。ここではいご草ちゃんに対する世間での評判や人気について、実際に寄せられているコメントを参照しながらまとめていきます。

月島軍曹の過去回想は確かな情報が明かされないまま進行していったため、何が本当で何が嘘なのか分からず混乱している人がいたそうです。この反応は鶴見中尉の狙い通りとも言い換えられ、彼の心身掌握術がいかに優れているものかが実感できるシーンでもありました。

ゴールデンカムイ276話にていご草ちゃんらしき人物が描かれると、読者の間ではいご草ちゃんが生存しているという認識が広まっていったそうです。いご草ちゃんが生存していることに安心の声を呟く人がいれば、月島がより可哀そうに思えてしまうと語る人もいました。

いご草ちゃんについて語る人の中で、月島の心情について考察している人が多く見受けられました。月島の行動や鶴見中尉との関わり方はどれもいご草ちゃんの存在が大きく影響しており、彼の複雑な感情を紐解こうとしても中々真相が見えない様子でした。

ゴールデンカムイに登場するいご草ちゃんは鶴見中尉の嘘によって真相がほのめかされていましたが、ゴールデンカムイ276話の描写から生存している可能性がとても高いことが示されました。いご草ちゃんの生死が月島軍曹の生き様に大きな影響を与えたと考えると、彼女の存在はゴールデンカムイにおいても大きかったと言えるでしょう。