【ゴールデンカムイ】鶴見中尉のモデルは?過去や目的についても考察
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉は作中で印象的なキャラの一人ですが、一部のエピソードは実在の人物をモデルにしていると言われています。そんな『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉について、モデルの候補や作中の過去・目的、終盤の死亡疑惑などをまとめました。
鶴見中尉とは?
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉が金塊を求める目的や終盤の死亡疑惑を見ていく前に、まずは鶴見中尉のプロフィールを紹介します。
鶴見中尉のプロフィール
『ゴールデンカムイ』の鶴見篤四郎(つるみとくしろう)は、日露戦争に参加した日本軍の第七師団に所属する陸軍中将で、当時は情報将校の立場でしたが、対戦では指揮を執る役割を果たしていました。その戦時中に砲弾の爆発から破片を頭蓋骨に喰らって失ってしまい、負傷後は額当てを付けています。金塊争奪戦においては第七師団を率いて軍へ謀反を起こしています。
ゴールデンカムイの概要
『ゴールデンカムイ』は、集英社のヤングジャンプ・コミックスとして全31巻が刊行されている野田サトルの漫画作品です。『週刊ヤングジャンプ』には、2014年から2022年まで連載されました。明治末期の北海道を舞台に、当時の武器を取り入れたバトル要素やアイヌ文化によるサバイバル・グルメ描写から人気を得ていきました。2018年にはテレビアニメ1期が開始され、2022年には実写映画の製作が決定しています。
ゴールデンカムイのあらすじ
日露戦争帰りの元陸軍兵・杉元佐一は、砂金を採るために北海道へ来ていました。そんな中、現地で会った元囚人の話から北海道のどこかにアイヌの金塊があると知り、熊に襲われていたところを救われたアイヌの少女・アシㇼパと共に金塊を探す旅に出かけました。しかし、同じ頃に群から反旗を翻した鶴見中尉率いる第七師団と、元新選組の副長・土方歳三の一派もそれぞれの目的から金塊を求めて動き出します。
鶴見中尉のモデルは実在した?
『ゴールデンカムイ』のキャラの中には、歴史上の人物がそのまま描かれている場合もあれば、実在の人物をモデルとして作品キャラとしている場合があります。鶴見中尉の場合は同姓同名の歴史上の人物はいませんが、ある要素が類似していることから実在の人物の中でモデルの候補が出ています。その中でも有力と言われる2人を紹介します。
鶴見中尉のモデル①須見新一郎
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉のモデル候補その1は須見新一郎です。名前だけで見るとそれほど共通点はありませんが、軍人としての経歴に類似する要素が見られる人物で候補の中だと最も有力であると言われています。
須見新一郎とは?
須見新一郎は1892年生まれ、1977年没の男性で、大日本帝国の陸軍軍人です。1939年のノモンハンの戦闘からは第七師団の連隊長になり、最終的には陸軍大佐になりました。サイダー瓶を火炎瓶として使う作戦を実行し、敵戦車を破壊したという有名なエピソードがあり、その他にも師団長や参謀からの無謀な作戦に対して拒否したりと頭が切れて意志の強い人物だったようです。
鶴見中尉と須見新一郎の共通点
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉と須見新一郎は、同じ陸軍軍人かつ第七師団の所属であるところが共通しています。また、戦時中の鶴見中尉が情報将校でしたが、前線に出て隊を率いたことから役割的にも似た部分があります。さらに、須見新一郎の一部のエピソードも作中で切れ者だった鶴見中尉と近いものがあります。
鶴見中尉のモデル②鶴見数馬
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉のモデル候補その2は鶴見数馬です。鶴見という苗字が共通しつつ、軍人としての経歴にも被る要素があります。
鶴見数馬とは?
鶴見数馬は1860年生まれ、1926年没の男性で、大日本帝国の陸軍軍人です。1903年に大佐となった時に日露戦争へ従軍し、203高地などの戦いに参戦しました。その後も野戦砲兵第15連隊長や司令官となっていき、最終的には陸軍少尉になりました。
鶴見中尉と鶴見数馬の共通点
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉と鶴見数馬は、日露戦争に参加して203高地で戦ったところが共通しています。また、戦いの中で指示する立場も似ています。
鶴見中尉の階級や過去・目的
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉がアイヌの金塊を求める目的は、ストーリーが進む中で徐々に明かされていきましたが、そこには過去の出来事も大きく関わっていました。そんな鶴見中尉の過去や目的、終盤の死亡疑惑について紹介します。
鶴見中尉の階級が低い理由
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉は、モデル候補の2人と比べると戦後の階級も低いままです。作中で語られた203高地での功績を考えると、階級が上がっていてもおかしくありませんが、戦時中の鶴見中尉は上層部の作戦へ反対を行っています。その他にも戦術中に死亡者を多く出したことなどを理由に、上層部は日露戦争後の第七師団の待遇を悪くしており、鶴見中尉の出世の道も経たれていたのです。
鶴見中尉の過去
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉は日露戦争へ従軍する前に、ロシア国内で写真館を営む裏で諜報員として活動していました。その時には長谷川幸一(はせがわこういち)という名前で現地の女性フィーナと結婚し、オリガという娘をもうけました。その写真館にテロリストとして逃亡中の身であったウイルク・キロランケ・ソフィアが訪れることになり、3人は正体を隠しながら滞在し、日本語の指導を受けることになります。
それから、ある日に写真館に潜伏する日本人を捕らえるためにロシアの秘密警察が来訪し、自分達を捕らえに来たと思ったウイルク達と銃撃戦を繰り広げることになります。しかし、その最中にフィーナとオリガは流れ弾に当たって死亡してしまいました。この件はソフィアの心に深い傷を残しましたが、長谷川幸一として過ごした鶴見中尉にとっても2人に対して思うところがあるとも取れる描写があります。
鶴見中尉が金塊を狙う理由や目的
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉が金塊を求める目的は、金塊を資金として北海道に軍事政権及び軍事産業を成立させ、日露戦争で死んだ者やその家族が不自由なく過ごせる環境を作ることだと作中の序盤で言っていました。しかし、終盤では妻子を失った過去から、ウイルクが関わった金塊を奪う復讐が目的だった疑惑も上がってきます。最終的な本心はわかりませんでしたが、過去の出来事は鶴見中尉にも少なからず影響していたようです。
鶴見中尉は最終回で死亡?
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉は、金塊争奪戦の終盤に杉元佐一と列車上で戦闘することになり、最終的には列車ごと海に落ちてしまいました。その後、連載時の描写では杉元佐一の生存は描かれていましたが、鶴見中尉に言及がなかったことから、死亡した可能性があると考えられていました。しかし、単行本31巻では加筆が行われており、太平洋戦争末期の様子が描かれました。
そこではダグラス・マッカーサーが登場していますが、その後ろの方に額当てを付けた鶴見中尉らしきも登場していたのです。作中の話は明治末期の1990年代初期で、太平洋戦争末期は1945年になることから30年以上の時が経っています。つまり、鶴見中尉は列車では死亡せずに生き残り、その時代まで戦争に関わっていた可能性が出てきました。
鶴見中尉の声優
アニメ『ゴールデンカムイ』も2022年では4期が放送されており、鶴見中尉の過去について声優のボイス付きで描かれました。そんなアニメ『ゴールデンカムイ』で鶴見中尉の声を務めている声優を紹介します。
鶴見中尉の声優は「大塚芳忠」
アニメ『ゴールデンカムイ』で鶴見中尉役の声優をしているのは大塚芳忠さんです。普段は狂気的な言動はわざとらしく聞こえるように演じつつ、部下に見せるカリスマ性や野心を見せるシリアスなシーンでは、怪しい怖さのある演技をしています。
大塚芳忠のプロフィール
大塚芳忠さんは岡山県津山市出身で、1954年生まれの声優・ナレーターです。幼少期から漫画好きで、高校卒業に上京した際、アルバイト先で吹き替えのプロデューサーに出会ったことから芝居の道に進み始めます。それから1980年代に声優としての活動を始め、以降はアニメ・ゲーム・吹き替えの現場で様々な役柄を演じるようになります。
大塚芳忠の主な出演作品
大塚芳忠さんの主な出演作品としては、『機動戦士Ζガンダム』のヤザン・ゲーブル、『機動武闘伝Gガンダム』のチボデー・クロケット、『BRIGADOON まりんとメラン』のメラン・ブルー、『NARUTO -ナルト-』の自来也、『荒川アンダー ザ ブリッジ』のシロ、『ささみさん@がんばらない』の月読神臣、『幼女戦記』のゼートゥーア、『バキ』のビスケット・オリバ、『鬼滅の刃』の鱗滝左近次などがあります。
鶴見中尉に対する世間での評判や人気
ここでは『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉について世間での評判や人気を紹介します。鶴見中尉のモデルは作者の言及がないことから様々な候補が出ていましたが、最終巻の31巻が発売されてもこの謎は明らかにされませんでした。
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉のモデルについて、須見新一郎と鶴見数馬はかなり早い段階から予想されていました。その中で、鶴見中尉の本名が明かされていない時に下の名前の予想も出ており、実際に明かされた時の篤四郎は須見新一郎を思わせる名前になっています。
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉のモデルについては、他の人物も候補も出ていました。『ゴールデンカムイ』のファンブックでは、鶴見中尉のモデルが新潟県出身とだけ言及されており、須見新一郎と鶴見数馬は2人とも出身地が異なっています。そのため、新潟県出身である戦前の思想家・北一輝や俳優の高橋幸治である説も囁かれています。
『ゴールデンカムイ』の作中で鶴見中尉に関連するエピソードについて、歴史上でも類似するエピソードがあることから、様々な要素をモデルにしているのではないかという意見もあります。作中のキャラやエピソードでは複数のモデルが混ざっていることもあるので、鶴見中尉も上記で候補として上げられた人物の総合したキャラである可能性が考えられるのです。
鶴見中尉のモデルは須見新一郎と鶴見数馬といわれていた
『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉のモデル候補は実際のエピソードや戦時中の立場などの共通点から須見新一郎や鶴見数馬が有力とされていますが、本当のモデルは明かされていません。また、作中の終盤で死亡疑惑が出た鶴見中尉は単行本の加筆で生存した可能性が出てきました。そんな鶴見中尉に注目して加筆された原作漫画や声優のボイス付きのアニメを楽しんでみてください。
この記事のライター
十文字猛
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