【ワンピース】スマイルは人造悪魔の実？副作用や由来を考察

『ワンピース』には、作品内特有の能力として"悪魔の実"と呼ばれる能力が登場します。悪魔の実には様々な種類の能力が存在していますが、その中でも人造悪魔の実と呼ばれている能力が"スマイル(SMILE)"です。ここではスマイル(SMILE)の特徴について紹介します。

人造悪魔の実の能力であるスマイル(SMILE）は、『ワンピース』のシャボンディ諸島編でドフラミンゴの台詞から初めて名前が登場しています。当初はスマイルの存在が何を示しているのか謎に包まれていましたが、『ワンピース』のストーリーが進むにつれて少しずつその正体が解明されていきました。そして『ワンピース』の中でも長編となったワノ国編ではスマイルを実際に使用した結果を目の当たりにする事になりました。

スマイル(SMILE)の登場する『ワンピース』は1997年から始まった長編の漫画となっていて、1999年のアニメ化を始めとした様々な形で配信されている作品となっています。『ワンピース』には少年漫画の醍醐味である激しい戦闘シーンが人気ですが、登場人物の一人一人にスポットの当たる感動するストーリーも魅力の一つとなっています。また『ワンピース』は海外ファンの獲得もしていて、世界規模で知名度のある作品となっています。

『ワンピース』で登場する能力である悪魔の実の中でも、"ゴムゴムの実"と呼ばれる悪魔の実を食べた主人公の"モンキー・D・ルフィ"は、海で泳げなくなる副作用が理由で海に落ちた後に海から脱出できなくなりました。ルフィが海洋生物に襲われる所を、腕を犠牲にして守った海賊"赤髪のシャンクス"の行動に心を打たれたルフィは、シャンクスと同じく海賊の道に進む事となりました。

『ワンピース』の中では珍しい人造の悪魔の実となっているスマイル(SMILE)には、その名前の由来や本来の悪魔の実との違いが存在します。ここからはスマイルという名称が付けられた理由や、スマイルの副作用と成功率について紹介していきます。

スマイルには通常の悪魔の実の副作用である、海に浮けなくなるという副作用の他に、笑顔以外の感情を出す事が出来なくなるという副作用を持っています。スマイルの名前の由来はその名の通り笑顔を意味していて、上記の副作用の効果で笑顔になってしまうから"スマイル"という名称が付けられました。

スマイルは悪魔の実のメリットである自身を強化する能力を確実に入手できる訳ではないとされています。スマイルの悪魔の実としての効果を正常に受けれる確率は10%となっていて、大量の副作用を抱えながらもとても少ない確率となっています。

スマイルはワノ国編でルフィが戦う事となるカイドウがトップに君臨する百獣海賊団の戦力強化の目的で使用されていました。カイドウの部下には能力によって様々な分類がされていて、スマイルの効果で悪魔の実の能力者となった"ギフターズ"と、スマイルの効果を受けれずに副作用だけ受けてしまった"プレジャーズ"と呼ばれる構成員達が存在しています。

運に左右されるものの、悪魔の実の能力者となれる可能性を持っているスマイルには、人造ではない悪魔の実と比較すると様々な違いが存在しています。ここでは人造悪魔の実であるスマイルと、オリジナルの悪魔の実の違いについて紹介していきます。

スマイルと通常の悪魔の実の違いとして、スマイルは動物の力を得る事の出来る"ゾオン系"と呼ばれる能力しか得られないという特徴を持っています。悪魔の実には動物の能力を扱えるゾオン系(動物系)だけでなく、パラミシア系(超人系)とロギア系(自然系)という種類が存在しています。スマイルはゾオン系限定の悪魔の実となっている事から、動物の種類はあるものの他の系統の悪魔の実の能力は得る事が不可能となっています。

ゾオン系の能力は、本来自身の身体を対象の動物に人型から人獣型や獣型へと変化させる事で、肉体の強化や動物の能力をより発揮出来るように調整できますが、スマイルで得る事に成功したゾオン系の能力では体の一部だけを動物へと変化させる、人獣型の形態から変更出来なくなる事から通常の人間へと戻れないという違いが存在しています。

食べれば100%能力者となれるオリジナルの悪魔の実との違いとして、スマイルはメリットの部分を正常に受け取れるかが分からないという違いが存在しています。海に嫌われる代わりに能力者になれるという悪魔の実の引き換え条件よりも、通常の悪魔の実の副作用にプラスして表情を失う事や、能力を受けれない可能性もあるスマイルはより厳しい条件を持っているという違いがある事も分かります。

スマイルはシーザーというドフラミンゴと繋がりのある科学者が制作していた悪魔の実ですが、スマイルを作る上で元となっている物の存在や、海軍の科学者であるベガパンクとの関係などが存在しています。ここからはスマイルのベガパンクとの関係を含めた歴史について紹介していきます。

スマイルの制作者であるシーザーは、ベガパンクが制作したとされる人造悪魔の実を持っていました。ベガパンクの作った悪魔の実を食べたモモの助は、スマイルの効果とは違い獣型にもなれるゾオン系の能力を取得できました。シーザーはベガパンクの事を敵視している事から、ベガパンクの研究成果を利用してより強力な人造悪魔の実を制作しようとしていて生まれたのが、スマイルなのではないかと考えられています。

スマイルは百獣海賊団の船員達に普及している事から、百獣海賊団の戦力を上げる為に船長であるカイドウと取引していた事が判明しました。スマイルの効果は確実性に欠けている事から、能力を得られなかった者も続出しましたが、スマイルを部下へ与え続ける事によってかなりの人数の悪魔の実の能力者の獲得に成功しました。

その結果スマイルを取引によって入手し続けていたカイドウは、全員ゾオン系ではあるものの、デメリットだけ受けた船員の犠牲者を増やしていきながら、百獣海賊団を沢山の能力者で構成される、非常に強力な海賊団へと成長をさせました。

カイドウと共にワノ国を支配していた将軍であるオロチは、ワノ国のおこぼれ町の住民達の暗い声を聞くのがストレスだった事や、おこぼれ町での食糧問題の影響もあって、能力者になれない事が分かっている食べかけのスマイルをおこぼれ町の住民に与えました。その結果おこぼれ町では住民達が感情を表に出せなくなってしまい、どんなに悲しい状況でも皆笑顔となっている不気味な町となってしまいました。

百獣海賊団やワノ国で多大な影響を及ぼしていたスマイルですが、『ワンピース』のパンクハザード編とドレスローザ編でのルフィ達の活躍によって、製作者であるシーザーの拘束やスマイルを作っている工場を破壊する事で、スマイルの生産を終了させる事に成功しました。ドフラミンゴとスマイルを取引していたカイドウがこの事実を知った事で、ルフィ達を警戒する事になりました。

スマイルのデメリットによる被害を目撃する事となった『ワンピース』のワノ国編では、将軍の黒炭オロチがワノ国の人々を自身の遊び道具のように扱っている描写が登場します。実際に殺したりする例は少ないものの、人々が苦しむ事を平気で行っている支配者の存在に嫌悪感を示す読者もいました。

スマイルは『ワンピース』のシャボンディ諸島編からワノ国編にかけての長い期間を経て詳細が明らかになっていきました。ドフラミンゴの口からスマイルの存在が登場した時には、スマイルがどのようなものなのか様々な想像がされていましたが、スマイルの正体を理解した読者達からはスマイルの存在を嫌う声が上がっていました。

スマイルに関係するエピソードの中で特に読者の印象に残っているのは、ワノ国編でトノ康が処刑された際に住民達が皆涙を流しながら笑っていたシーンです。本来住民達から愛されていたトノ康の処刑である事から、住民達の本心は非常に悲しんでいましたが、オロチによってスマイルを食べさせられていた住民達は笑う事しか出来ずに、それを知らないゾロやスマイルの影響を目の当たりにした読者達は驚愕していました。

今回は『ワンピース』に登場する悪魔の実の中でも、人工的に制作された悪魔の実であるスマイルについて焦点を当てて紹介しました。スマイルには一般的な悪魔の実と同じ副作用もありますが、それに追加されて表情の自由が無くなるといったデメリットも存在する事が分かりました。またスマイルはオリジナルの悪魔の実との違いに、ゾオン系の能力者にしかなれないという特徴がある事も分かりました。