【ハイキュー】面白いシーンを徹底紹介！評価されている理由も解説

ハイキュー!!の作者は実際にバレーボール経験のある古館春一（ふるだてはるいち）先生です。古舘先生は岩手県出身、1983年生まれで中学、高校のときバレーボール部に所属しており、ミドルブロッカーのポジションでした。自身の経験を元にバレーボールの漫画を描きたいと思っており、その目標を実現しています。ハイキュー!!で描かれている舞台は古舘先生が生まれ育った岩手県や、仙台がメインとなっています。

古館春一先生によって描かれた「ハイキュー!!」は、少年ジャンプで2011年に読み切りとして掲載されました。その後2012年～2020年まで連載されており、漫画だけでなくTVアニメも第4期まで放送された大人気作品です。ハイキュー!!の作中には古舘先生が実際に住んでいた地域を舞台にしており、実在の地名や建物がたくさん登場しています。

小柄な少年「日向翔陽」はある日、TVのバレーボールの試合で身長が低いのにひと際高く飛び、他を圧倒している「小さな巨人」を見て心を奪われます。その後、バレーを始めますが中学では人数が足りず、まともな活動はできずバレー部として6人揃ってコートに立ったのは一度の公式戦だけでした。日向は烏野高校に進学し、天才セッター通称「コートの王様」と呼ばれる影山飛雄とコンビを組んで、紆余曲折ありながらも成長していきます。

烏野高校の田中龍之介と音駒高校の山本猛虎はお互い喧嘩っ早く、初めこそ「なんだコラ」「シティーボーイ」などや睨み合いながら喧嘩していたが、試合後には烏野高校の女子マネージャー「清水潔子」の美しさをきっかけに意気投合します。先ほどまでの睨み合いは何だったのか？と思わせる関係の変化っぷりは、アニメと漫画どちらでも何度も見たくなるシーンです。

パンフ用の測定シーンは、真剣なバレーボールの試合中とは違った少年らしい、じゃれ合いが楽しめます。最高到達点1位になるべく、カレーまん3個を賭けたところ勝者は影山でした。身長を計測し、0.1cm差で勝った負けたとバレーボールの試合とは違った真剣さで競い合う姿は男子高校生らしさが出ており、試合のときとのギャップを楽しむことができます。

高校を卒業した後、ブラジルのリオに渡ってビーチバレーで修行する日向は、青城高校のセッターだった及川さんと再会します。異国の地での偶然の遭遇に２人のテンションはMAXになり、写真を撮影します。その2ショット写真を影山に送信しますが、あまりにテンションの高い2人に絶句すると影山の表情が面白いので見ものです。

ハイキュー!!のアニメで、夏休みに行われる東京合宿を目前に、期末テストで赤点を取ると参加できないことを告知され日向、田中、西谷、影山の4人は驚愕します。田中と西谷は現実逃避しようとしますが、しっかりと捕獲され、影山はショックのあまり固まります。日向は赤点を理解していないという初歩的な部分で理解が及ばないなど、4人それぞれの性格が表れている反応を見ることができます。赤点を回避して強豪校との合宿に何としても参加したい4人は、チームメイトに必死に助けを求めて勉強に明け暮れることになります。

梟谷高校2年の赤葦京治（あかあしけいじ）は冷静かつ頭のキレるキャラクターで、副主将を任されている優秀な人物です。チームメイトで主将を務める木兎光太郎（ぼくとこうたろう）のめんどくさい性格も、年下ながら冷静にさばく赤葦は、烏野高校との練習試合でヒートアップした木兎にトスを出すかわずか0.5秒でシミュレーションし、答えを出します。思いつく3パターンの木兎の反応を予想するのですが、そのときの木兎のリアクションが可愛くて面白いシーンです。

スポーツを題材にした漫画やアニメは青春が蘇って読者も盛り上がるものですが、ハイキュー!!はまさに熱すぎる青春スポーツ漫画と言えるでしょう。個性豊かなキャラクターが熱くぶつかり合い、うまくいくばかりではないリアルな人間模様も、個々が成長していくバレーボール以外のシーンにもどんどん引き込まれます。ハイキューを読んだら、自身の青春時代に戻りたいと感じるでしょう。

漫画やアニメでは天才的な主人公がメインで物語が進み、脇役はたまに触れられる程度ですがハイキュー!!では、脇役も主役なみに活躍したりメインとなるシーンがあります。主人公が素晴らしいのはもちろんですが、主人公になれなかった脇役にも、それぞれストーリーがあり読んでいる立場では、共感できる部分が多くあります。登場する全てのキャラクターから目が離せず、様々なセリフが心に刺さります。

実際にバレーボールの経験者である古舘春一先生だからこそ、コートから見える景色やスパイクを打つときの体のリアルな動きが描かれています。ハイキュー!!では、実在する体育館や地域が登場するだけでなく、漫画でありがちな超人的な技ではなく、実践できる技が描かれています。作中で登場する「変人速攻」も、実際に実現できる技なので、本当に自分がプレイしているかのようなリアルさを感じられます。激しいスパイクだけでなく負け方もリアルでバレーボールを体感しているような感覚を味わえます。

主人公だけでなく、チームメイト、監督、マネージャー、全てがただの高校生や１人のリアルな人間として描かれています。ハイキューの作中に登場するキャラクターそれぞれが魅力に溢れており、きれいごとだけでなくリアルな感情が描かれているので共感できます。

漫画でよくあるのが、本編と本編の間に繋ぎの話が入ることですが、ハイキュー!!にはそれがありません。繋ぎの話が入ると、せっかく続きが気になっていたのに！と感じてストレスを感じたり、繋ぎの話を読むことで本編がどんな内容だったかな？と分からなくなってしまいます。ハイキューは本編オンリーなので、楽しく常に集中して読むことができます。

漫画はストーリーが進むにつれ、マンネリ化してきたり面白味に欠けてきたなと感じる作品も多いでしょう。しかし、ハイキュー!!は後半になるにつれどんどん白熱し、盛り上がりが増します。特にここが面白い！と部分的なだけでなく、ストーリー全部が面白いのが特徴です。

名言①の「俺が居れば…」のセリフは、身長が低いことがコンプレックスである主人公、日向翔陽に対し元々はライバルだった影山飛雄が掛けた一言です。最初こそ仲が悪くぶつかり合っていた2人ですが、チームメイトになってお互いを信頼して関係を築けたことで出た名言でしょう。コートの王様と呼ばれた天才セッター影山は、自分だからこそ日向とタッグを組むことができ、良さを最大限に引き出すことができると自負し、最強のコンビになれると愛のある激を飛ばします。

名言②の「ところで平凡な俺…」のセリフは、お調子者でメンタルの強さは人一倍ありそうな田中龍之介が、チームメイトや敵のすごさを目の当たりにして、自分自身を過大評価していたことに気付いたときに自分自身に投げかけた一言です。普通の人であれば、そこで打ちのめされ立ち止まってしまうでしょうが、田中のすごいところは平凡な自分を奮い立たせ、下を向いている暇はない！と自分に喝を入れる名シーンです。

名言③の「負けは今の力の認識…」のセリフは、バレーボール未経験でありながらバレー部顧問を任せられている武田一鉄先生の一言です。選手たちは、試合に負けたらそこですべてが終わったような感覚に陥ってしまうものですが、負けても何も終わらない。負けという事実は今現在の力の認識であって弱さではなく、これから先がまだまだある！という先生の喝を入れるセリフは、ハッとさせられます。烏野メンバーだけでなく読者の胸も熱くなる名シーンです。

名言④の「何回ブロックにぶつかっても…」のセリフは、烏野高校エースの東峰旭の一言です。主人公の日向や、影山が入部する前の絶対的エースだった旭は、試合中アタックが何回もブロックにぶつかってしまい、自信をなくしてしまいます。次第に自分にトスを呼ぶことが怖くなり、練習に来れなくなってしまった旭を、日向や影山が誘い出し練習試合に出ます。試合中にやはり何回ぶつかってもスパイクを打ちたい、と自分の本音に気付いたときに出た旭の名言です。

名言⑤の「だからもう一回…」のセリフは、エースの東峰旭に憧れるリベロ西谷夕が、1年の日向達に誘われて久しぶりに練習試合に参加した旭さんに向けて発した一言です。何回ブロックされても、リベロである自分が何度でもあげるから自信を取り戻して「もう一回トスを呼んでくれ！」と旭に言う名シーンです。

名言⑥の「負けたくないことに…」は主人公の日向翔陽が、1年生の女子、谷治がマネージャーになる前に行われた練習試合で、絶対に負けたくない！と意気込む日向に練習試合なのに何故？と不思議に思う谷治へ問いかけた一言です。練習試合だろうが、なんだろうが負けたくないことに理由なんかない、常に全力で高みを目指す日向にとっては当たり前のことだったのでしょう。

日向翔陽は身長が低いことがコンプレックスでしたが、偶然見たTV中継で小さな巨人に魅入られバレーボールを始めた主人公です。倒したいライバルと思っていた影山と高校で同じチームになってしまいますが、自身の突出したジャンプ力で影山と切磋琢磨し成長していきます。

第二の主人公、影山飛雄は、コートの王様と言われてチームメイトから一線引かれていましたが、高校に入って日向と仲良くできなければ入部を認めないと言われ、少しずつ変わっていきます。飛びぬけたセッターのセンスを持ち合わせており、日向とは「自分がいればお前は最強だ」と言えるほどの信頼関係を築きます。

烏野高校バレー部の主将を務める澤村は、特に秀でた才能があるわけでないが、リーダーとしていつもチームをまとめています。

宮城県の青葉城西高校は県ベスト4に入る強豪校です。努力型の天才である主将の及川徹と、幼馴染で副主将の岩泉一はお互いを理解したコンビプレーで相手チームを翻弄します。及川は、影山飛雄の中学校時代の先輩で、影山は全て及川を見て学んだと言われるほど実力のある人物です。

東京都にある音駒高校は、通称ネコと呼ばれカラス（烏野高校）と昔から監督同士因縁があり「ゴミ捨て場の決戦」と言われ馴染んでいました。双方の監督引退後、疎遠になっていましたが烏野高校の監督、武田によって再び試合をするようになりました。音駒には、特に強い選手がいるわけではないが守備に穴がなくブロックを得意とする3年主将の黒尾鉄朗（くろおてつろう）や、頭がキレる2年狐爪研磨（こづめけんま）を中心としたチームです。

宮城県にある白鳥沢学園高校は、スポーツ特待生が多く在籍しており全国大会常連という強豪校です。日本三大スパイカーの1人に数えられる「牛島若利（うしじまわかとし）」を中心に、個々の能力が高いメンバーが揃っています。

宮城県内にある伊達工業高校は「鉄壁」の異名を持ち、その名の通り強力なブロックを得意とする高校です。リベロを除けば一番身長の低いメンバーでも174cmという長身揃いの伊達工業のブロックは、191cmの青根高伸を中心に相手の攻撃を崩します。

東京都にある私立梟谷学園高校は、全国大会に出場経験のある強豪校です。全員名前がフクロウの種類がベースになっていると考察されます。「全国で5本指に入るスパイカー」木兎光太郎率いる通称梟谷は、2年生の副主将である赤葦京治が主将の木兎をうまく動かしています。

兵庫県の稲荷崎（いなりざき）高校は「全国で5本指に入るスパイカー」尾白アランや、「高校No.1セッター」宮侑が所属している強豪校です。全員キツネの種類から名前がベースになっていると考察されます。双子の宮兄弟を筆頭に、キャラの濃いメンバーが揃っており、横断幕には「思い出はいらん」とインパクトの強いフレーズを掲げています。

性別問わず支持されているハイキュー!!ですが、ファンは面白いと人気のシーンを見てどのような反応をしているのかまとめてみました。

赤点を取ると東京合宿に参加できないと知った4人が、逃げ出したり、赤点を回避するために奮闘するシーンは面白くめちゃくちゃ好きな話という声が上がっていました。そしてハイキュー!!は面白いアニメというだけでなく、一話につき一回は泣けるシーンがあるのもハマる理由のようです。

ハイキューは、一度見始めるとプレイに一喜一憂し、試合に号泣し、面白いシーンは笑いが止まらないという一本の映画を見終えたような充実感を得られるようです。見所が満載で、何度でもじっくり定期的にアニメや漫画で見たくなるようです。

赤点から逃れるために、勉強会をしている4人の珍回答が面白くて大好きというファンもいました。問題文を無視してしまうノヤさんのポジティブさが楽しい、ずっと聞いていたいとの声もありました。

スポーツ漫画やアニメは感動するシーンが多いですが、キャラクターの個性が豊かなハイキュー!!は面白いシーンも多く男女問わず受け入れられる楽しさがあります。実際にバレーボール経験者である古舘春一先生だからこそ描けた、バレーボーも登場するキャラクターも、今までにないリアリティさがあります。ハイキュー!!のキャラクターたちが残した数々の名言は、読者に共感するものが多くありそういった部分が面白いと感じられ、支持される理由だったのでしょう。