【ゴールデンカムイ】尾形百之助の死亡理由は自殺?目的や過去を解説
孤高のスナイパー・尾形百之助は『ゴールデンカムイ』でも人気のキャラクターです。『ゴールデンカムイ』作中彼が死亡するまで、杉元たちの敵になったり、仲間に加わったり、その目的は謎に包まれていました。今回はそんな尾形百之助の死亡理由と目的、過去を解説します。
尾形百之助とは?
尾形百之助は、所属する陣営を次々変えるどこかつかみどころのない人物です。杉元やアシㇼパと交戦し、鶴見中尉から造反し、土方歳三と交戦後土方の用心棒になり、土方一派と合流した杉元と一緒に旅をするようになりました。思惑入り乱れるゴールデンカムイの戦いを彼は生き抜きましたが、作中彼は死亡します。
尾形百之助のプロフィール
尾形百之助は、大日本帝国陸軍第7師団に所属する上等兵で鶴見中尉の部下です。狙撃手として能力は高く、300m以内なら頭部を確実に打ち抜くほどです。そのスナイパーとしての能力の高さから、孤高の「山猫スナイパー」という異名を持っています。しかし、無表情で無口、そのときの状況に応じて所属する陣営を変えるため、杉元からは「コウモリ野郎」と悪意を込めて呼ばれています。尾形は杉元たちの敵になったり、仲間になったりと彼の正体や目的はわかりません。
尾形百之助は作中死亡するまで謎の行動を取りますが、これは彼の生い立ちが関係していました。
ゴールデンカムイの概要
ゴールデンカムイは2014年から2022年22・23号まで、週刊ヤングジャンプに連載されていた大人気漫画です。作者は野田サトルで、明治時代の北海道と樺太を舞台にしたアイヌの金塊をめぐるミステリーと冒険が描かれています。アイヌの金塊を探す冒険は、伏線が散りばめられ、バトルやギャグも満載で読者を物語に引き込みます。2018年にはアニメ放送も始まり、2022年4月には実写映画化も決まっています。
ゴールデンカムイのあらすじ
ゴールデンカムイは盗まれたアイヌの金塊を探す、元陸軍兵・杉元佐一とアイヌの少女・アシㇼパの冒険が描かれた歴史冒険物語です。北海道で幼馴染の梅子の眼病治療の費用を捻出しようと砂金採りをしていた杉元は、のっぺらぼうという人物がアイヌの金塊を盗み、どこかに隠しているという話を耳にします。杉元は父をのっぺらぼうに殺されたアイヌの少女・アシㇼパと出会い、眼病治療費用を報酬に、父の死の真相を知りたいアシㇼパと冒険の旅に出ました。
尾形百之助の死亡理由は自殺?
尾形百之助は物語の中死亡します。果たして、しぶとく生き抜いてきた尾形百之助は誰と戦い死亡したのか、それとも自殺をしたのか気になる人も多いのではないでしょうか。ここでは尾形の死亡の理由を解説します。
尾形百之助の死亡シーンは何巻何話?
尾形百之助が死亡したのはコミックス31巻の第310話「祝福」という章です。属するグループを次々と変え、躊躇なく重要人物も殺してしまう正体不明で掴みどころのない尾形でしたが、「祝福」という皮肉も込められたかのようなタイトルの章で死亡します。
尾形百之助の死亡の経緯や最後
杉元達と土方一派、鶴見中尉両派ともに金塊の暗号のヒントを手に入れ、アイヌの金塊は函館の五稜郭にあるとわかりました。そして、両派は五稜郭に向かいますが、先にたどり着いたのは杉元達と土方一派でした。しかし、後からやってきた鶴見中尉率いる第7師団の攻撃を受け、杉元達と土方一派はかろうじて脱出し、函館行きの列車に逃げ込みます。その列車には第7師団の増援部隊が乗車しており、さらに杉元達と土方一派を追う鶴見中尉率いる先行部隊も列車に乗り込んできます。
そして、杉元達と土方一派対第7師団の戦いが繰り広げられました。この汽車に尾形も乗車しており、尾形は杉元との戦いその最中死亡します。
ネタバレ①杉元との戦い
尾形は、銃剣と土方から譲り受けた刀「和泉守兼定」を武器にする杉元を相手に列車の屋根で戦います。戦いの中、杉元は銃剣で尾形の腹部を突きますが致命傷には至らず、一進一退の攻防が続きます。ここで列車に乗り込んでいたヒグマの攻撃を受け、杉本は刀を尾形に奪われ窮地に陥りました。
ネタバレ②アシㇼパの毒矢
尾形に刀を奪われ、ピンチとなった杉元のもとへアシㇼパが駆けつけ、そして毒矢を射る準備を始めました。尾形はアシㇼパと行動を共にし、アシㇼパは人を殺せる人間ではないと考えていましたが、アシㇼパは迷いなく矢を射り、その矢は尾形の腹部を捕らえます。金塊をめぐる戦いで大勢の人物が死亡するのを目にし、アシㇼパは自らの手を汚す覚悟を決めていました。アシㇼパは、矢じりにヒグマを殺せるほどの毒を塗った矢を尾形に射ち込みました。
ネタバレ③左目を自分の銃で撃つ尾形
アシㇼパに矢を射られた尾形は死を選びます。銃を左目に当て、引き金を刀で引き、自分に向けて銃弾を放ちました。自身で撃った銃弾を浴び、力尽きた尾形はなぜか安堵の表情を浮かべ列車の下へと転落して行きました。このように尾形の死亡シーンはゴールデンカムイの作中に描かれています。
ネタバレ④花沢勇作の幻
アシㇼパの毒矢の効果で、尾形百之助は死亡する前に自ら殺した腹違いの弟・花沢勇作の幻を見ています。花沢勇作は元第7師団長の花沢中将正妻の息子で、日露戦争では旗手を務めていました。名誉ある旗手を務める弟を妬んで尾形は後ろから花沢勇作を撃ち殺しました。この弟の幻を尾形は見たのです。幻覚の花沢勇作は、自分のことを狂っていると考えていた尾形に「みんなから愛されて産まれてきた」と語りかけました。
尾形百之助が自ら命を絶った理由
アシㇼパに毒矢を射られ、自ら殺した弟・花沢勇作の幻を見、尾形は自殺して死亡しました。したたかに生き残ってきた尾形はなぜ自殺を選んだのでしょうか。尾形には野望があり、まだ目的は達成されていませんでした。ここでは尾形百之助がなぜ自殺という最後を選んだのか考察してみます。
考察①尾形百之助は元々死ぬつもりではなかった?
尾形は自殺し死亡しましたが、尾形にもともと死ぬつもりはありませんでした。尾形は戦いの最中、まだ死ねないという意思も示しており、杉本との戦いの中「余計なことを考えていたら負けてしまう」と叫んでいました。尾形にはある野望があり、これを実現するまでは死ねません。尾形自身も自ら命を絶ち死亡するというのは予期せぬことでした。
考察②アシㇼパの毒矢が罪悪感を覚醒させた?
尾形が自殺をしたのは、アシㇼパの毒矢が罪悪感を覚醒させたためです。尾形は父・花沢中将と妾である芸者の母との間に生まれた妾の子です。花沢中将からは疎んじられ、愛情を受けずに育ちました。そんな尾形と出会った花沢勇作は、「ずっと兄弟が欲しかった」「兄様」と言って慕ってくれます。しかし、尾形は勇作を殺害すれば父の愛情が自分に向くかもしれないと、戦場で花沢勇作を撃ち殺します。
自分の正体は、両親と弟を殺した狂った人間だと尾形は考えていましたが、毒矢の幻覚で見えた花沢勇作に「みんなから愛されて産まれてきた」と言われます。その言葉で、自分は父と母が愛し合い生まれて来た子供であると自覚し、今まで隠していた罪悪感に襲われてしまいました。
そして「俺はどこか欠けた人間なんかじゃなくて、欠けた人間にふさわしいい道を選んできただけなのではないか」と罪悪感に苛まれ、自らに向けて銃の引き金を引くことを選びました。ゴールデンカムイではこのように葛藤しつつ死亡していく尾形が描かれています。
尾形百之助が死ぬために銃を使った意味
尾形百之助は母を殺鼠剤で毒殺し、父・花沢中将の腹を切って自害に見せかけて殺しています。罪悪感は覚えるものの、父母を殺すのには自分なりの理由があって、毒や刀での死は自分のしたことを否定してしまうことになります。そして、最後に残ったのが銃です。違う見方をすると、花沢勇作を銃撃して殺したことの罪悪感から銃を選んだと推測できます。尾形百之助は弟・花沢勇作の後頭部を打ち抜いて殺しています。
同じように後頭部にダメージを与えるように左目に銃口を当て引き金を引き、自殺という最後を迎えます。
尾形百之助の正体や過去を考察
尾形百之助は、第7師団から脱走兵扱いを受けた後、土方一派に属したと思えば、キロランケとも組み、再び土方一派に戻るなど、正体や目的がよくわかりません。ここでは作中死亡した尾形百之助の正体と過去、目的を考察します。
尾形百之助の正体
尾形百之助の正体は中央のスパイです。いつのころからはわかりませんが、鶴見中尉を探るスパイとして活動しています。日露戦争後、鶴見に目をかけられ出世を約束されていましたが、鶴見は自分を支持するものばかりを取り巻きに揃え、尾形は蚊帳の外です。そんな鶴見から尾形は、距離を取ろう造反を試みます。自分の秘めたる目的を達成するため、陸軍中央との取引材料にするために、という理由もありました。
尾形百之助の過去
尾形百之助は両親と腹違いの弟を殺害しています。父である第7師団長・花沢幸次郎と妾である芸者の母との間に尾形百之助は生まれましたが、花沢幸次郎と本妻との間に長男が誕生したため、父には母とともに赤ん坊のころに捨てられています。母は情緒不安定になり、冬になると毎日父の大好物だったあんこう鍋を作り父の来訪を待っていました。百之助が他の物を食べたいと言っても、聞く耳を持ちません。そんな母をあんこう鍋に殺鼠剤を入れ、百之助は殺してしまいました。
中尉だった鶴見の指示で父・花沢幸次郎も殺害しています。花沢幸次郎の殺害を鶴見に命じられ父のもとへ向かった際に、母と弟・勇作の殺害を父・花沢幸次郎に告白しました。父の愛情のある対応を期待してのことです。しかし、父は「出来損ないの倅」という言葉を尾形百之助に浴びせ、最後まで百之助を認めることはありませんでした。そのセリフに対して、尾形百之助は鶴見の指示通り自害に見せかけて父・花沢幸次郎を殺害するという返答を選びました。このように尾形百之助は暗い過去を抱えています。
尾形百之助の本当の目的
尾形百之助の目的は、父・花沢幸次郎が務めていた第7師団長に昇り詰めることでした。母に父のような立派な将校になりなさいと言われ育ちましたが、母が百之助に言い聞かせていた父・花沢幸次郎の第7師団長という将校の椅子は「偽物でも成り上がれる」ことを証明するためというのが理由です。尾形百之助の正体は中央のスパイと上述しましたが、鶴見中尉を探っていたのも第7師団の師団長になるためです。
第7師団長になることで、母が愛した父・花沢幸次郎と父に選ばれた弟・花沢勇作に大した価値はなかったということを確かめようとしました。自らの出世のためというのが死亡する最後をまで貫く、尾形百之助の行動原理です。
尾形百之助の声優
アニメ版ゴールデンカムイの尾形百之助を担当する声優のことをもっと知りたい人もいるのではないでしょうか。そんな人に向けて、ここではアニメ版ゴールデンカムイの尾形百之助を担当した声優に関する情報を紹介します。
尾形百之助の声優は「津田健次郎」
アニメ版ゴールデンカムイの尾形百之助を担当しているのは、声優の津田健次郎さんです。「正解」「最高」などの口コミが寄せられるほど、彼の演技はゴールデンカムイファンの心を掴んでいます。
津田健次郎のプロフィール
津田健次郎さんは、明治大学文学部文学科演劇学卒業の声優です。映画を撮りたいという夢を持ってしましたが、演技にも興味を持ち円・演劇研究所専攻科に進み演劇活動に励んでいました。舞台系の事務所に所属後受けた声優のオーディションに合格し、1995年テレビアニメ「H2」の野田敦役で声優デビューしています。その後は声優を中心に活動し、人気声優として地位を確立しています。趣味はカメラ・バイクだそうです。
津田健次郎の主な出演作品
津田健次郎さんは、さまざまなアニメ作品で存在感のあるキャラクターを担当しています。代表作は『極主夫道』の不死身の龍、『転生したらスライムだった件』のベスター、『呪術廻戦』の七海建人、などです。ゴールデンカムイの尾形百之助のように独特の低音ボイスで、キャラクターの魅力を存分に引き出しています。
尾形百之助の死亡に対する世間での評判や人気
尾形百之助は、ゴールデンカムイの人気ランキングで常に上位に来る人気キャラクターで、尾形の死亡に衝撃を受けたというつぶやきは多いです。したたかに生き抜いた尾形百之助が、自殺を選ぶとは考えていなかったゴールデンカムイファンが大半です。
尾形百之助の死亡について、ファンの間では人それぞれに解釈があるようです。尾形が自殺したのはアシㇼパを殺人鬼にしないため、罪悪感を認めたくないためなど、さまざまな考察が寄せられています。
尾形百之助は作中死亡しましたが、尾形は生きているかもしれないというツイートも目にします。銃を自らに向け引き金を引き列車から転落し、尾形は最後を迎えました。列車から転落後のことが描かれていないため、尾形百之助はまだ死亡していない、まだ生きていると生存説を信じている方もいるようです。
尾形百之助は戦いの末に自殺し死亡した
今回は尾形百之助の死亡理由、目的や過去について解説しました。尾形百之助はゴールデンカムイをより面白くしてくれた登場人物です。さまざまな陣営に属し、裏切り、躊躇なく人を殺すトリックスターのような振る舞いで物語をよりミステリアスに、複雑にし、見るものを引き込みます。しぶとく生き残ってきた尾形は自殺を選び、最後までゴールデンカムイファンの感情を揺さぶりました。
この記事のライター
nahumi
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