【炎炎ノ消防隊】最終回までのあらすじ解説！ソウルイーターとの繋がりも

炎炎ノ消防隊は焔ビトと呼ばれる人体発火現象の脅威と謎に立ち向かう物語が展開されており、世界累計発行部数2000万部を突破するほどの人気を博しました。近年ではアニメ版第3期の放送も予定されており、それまでのストーリーを振り返りたいという人もいることでしょう。炎炎ノ消防隊のあらすじについてまとめていく前に、まずは炎炎ノ消防隊の作者と作品概要についておさらいしていきます。

炎炎ノ消防隊を手掛けた作者は大久保篤（おおくぼあつし）先生です。1979年9月20日東京都生まれの漫画家で、2000年にエニックス主催の新世紀マンガ大賞にて準大賞を受賞したことからデビューを果たしています。2004年に連載開始した『ソウルイーター』がアニメ化されるほどのヒット作となるとその後制作された『炎炎ノ消防隊』の人気にも影響を及ぼしました。

炎炎ノ消防隊は大久保篤によって週刊少年マガジンに2015年～2022年まで連載されていました。焔ビトと呼ばれる怪物との戦いや特殊消防隊の活躍を描いたSFダークファンタジー漫画として話題を呼び、独特な世界観や綿密に練られたサスペンスストーリー、魅力的なキャラクターなどが評価されました。2022年5月時点で全世界累計発行部数2000万部を突破しており、アニメ化やゲーム化、舞台化といったメディアミックスも展開されています。

原作漫画の人気が高まっていくと2019年7月にdavid production制作の元初めてアニメが公開されました。主人公シンラが特殊消防隊の新人として駆け出しの物語が映像化され、迫力あるバトル描写や声優の演技などが高く評価されました。第1期の評判がとても高いものであると2020年7月に『弐ノ章』と称して第2期が放送され、更にその後2022年5月には第3期となる『参ノ章』の制作が発表されました。

炎炎ノ消防隊はSFダークファンタジーバトル漫画として評判が広まっていますが、本作を最終回まで読んだファンの間ではストーリーが面白いと称賛されています。焔ビトの原因や伝道者一派の暗躍、炎炎ノ消防隊の世界観に隠された秘密が明かされた時に衝撃を受けた読者は多くいたことでしょう。ここでは炎炎ノ消防隊における最終回直前までのあらすじをまとめていきます。

とある大災害をきっかけに人体発火現象・焔ビトが誕生すると、人々は突然体が発火してしまい周囲を焼き尽くしてしまうことに恐怖するようになりました。その脅威に立ち向かうべく特殊消防隊が設立されると、消防士たちは焔ビトの脅威から人々を守り現象の謎を究明するために活動を始めました。訓練校を卒業した主人公シンラは第8特殊消防隊に配属されると、足から炎を出す能力を利用して焔ビトと戦い消防士としての活動に勤しんでいくようになります。

シンラは12年前に起きた火災事件で実の弟・ショウを失ってしまいましたが、焔ビトとの戦いを通じてショウが生きていることを知りました。焔ビトの秘密を握る第5特殊消防隊と戦闘になると、第5の隊長・プリンセス火華から焔ビトは人工的に作られているという情報を掴み、第1所属の隊員・烈火星宮が隊員を焔ビトに変えていることを知ります。烈火との戦いでショウが伝道者の元にいることを知ると、第8の隊員らと共に伝道者一味がいる浅草へ向かうのでした。

戦力拡大のために第8は科学捜査官・リヒトと天才技師・ヴァルカンを勧誘しようとしますが、そこで伝道者一派の一員になっていたショウと再会を果たすと彼の能力に圧倒されてしまいます。命からがら生き延びたシンラは第7の隊員・紅丸に修行をつけてもらいます。その間、リヒトが伝道者一派の拠点の場所・地下（ネザー）を突き止めると、第8総員でネザーに侵攻することが決定します。

ネザーへ侵入したシンラ一行はそこで待ち受けていた伝道者一派の戦闘部隊・灰焔騎士団と戦うことになります。ネザーの各所でそれぞれ激闘が繰り広げられる中、シンラはショウの元へたどり着き再び戦闘となります。そこでシンラは能力の覚醒・アドラバーストを発動すると洗脳によって失われていたショウの記憶を取り戻すことに成功しました。しかし、伝道者一派の1人・ハウメアがショウを連れ去ってしまいます。その後シンラはバーンズから12年前の火災の真実を告げられます。

12年前の火災事件の真犯人は弟のショウであり、死亡した母親も焔ビトになっていました。また、シンラが覚醒したアドラバースト保持者は柱と呼ばれる存在であることを知らされると、同時期に5柱目に覚醒したインカを巡って伝道者一派と戦闘になります。そこで伝道者一派の目的が8人の柱を集めて大災害を起こすことだと発覚すると、変わり者のインカはシンラの説得よりも伝道者の思想についていくことを決意してしまいます。

250年前の大災害とアドラバーストの関係を探るために中華半島上陸作戦が実行されると、そこでシンラたちは東京全ての電力を担っている存在・天照が大災害に関係していたことを探り当てます。一方ショウの生存を教えたジョーカーと紅丸は聖陽教会に突入していました。彼らが皇国の根幹を揺るがす真実を探っている間、シンラたちは皇国を支配する企業・灰島重工を調査することになります。

灰島重工では子供にアドラバーストを発現させようとする実験が行われており、その実験の結果によって6柱目が誕生していました。柱を求めて第8と伝道者一派、灰島重工による三つ巴の戦いが勃発すると、6柱目は黒野と共にいることを選びました。その場から撤退しようとする伝道者一派を第8は追いかけること決断し、第2のメンバーと共に再びネザーへ行くことになります。

戦いの中でシンラはアドラリンクとアドラバーストはアドラに接触した者でしかできないということを知ります。第7の紺炉とアドラリンクで繋がったことがあったシンラは本人から直接アドラについて尋ねると、アドラという異界にてドッペルゲンガーらしき存在を見たという話をされます。着実に焔ビトの情報を掴んでいきながら再びシンラは紅丸に修行をつけてもらうことになります。

第1メンバーが皇王に呼び出されると、そこで皇王が伝道者側についていたこと、伝道者一派が地球を第2の太陽にすることを目論んでいることが明らかにされます。同時に第8の隊長・桜備が攫われてしまうとシンラたちは隊長奪還に向かい浅草で匿ってもらうことになりました。一方第5のプリンセス火華は7柱目と遭遇し全ての柱が伝道者の元に揃うと大災害が発生することが明かされます。

シンラは浅草でショウとアドラリンクすることに成功しショウの記憶を完全に取り戻しました。正気を取り戻したショウはシンラと共に戦うことを決めますが、その間にも海中に柱が出現し始めます。この柱が合計8本立ち並ぶと大災害が発生してしまうと知り、世界を救うためにシンラたちは方法を模索し続けます。

ついに7本目の柱が出現してしまった時、浅草を仕切っていた先代のドッペルゲンガーが出没し紅丸と戦闘になりました。紅丸はこれを撃退してみせますが、柱が出現する度に人々のイメージが異界・アドラに近づいていき戦闘終了後には世界の在り方が大きく変化してしまっていました。そしてついに8本目の柱と同時に、聖陽教の創設者ラフルス一世が姿を現します。

シンラはラフルス一世と激闘を繰り広げると勝利したものの焼失してしまいます。その間全ての柱が消えると後は大災害を引き起こすスイッチのみが残り、大災害を防ぐために第8のメンバーも天照に向かいますがスイッチを止められずついに大災害が始まってしまいます。アドラと完全に一体化してしまった世界にドッペルゲンガーは発生していき絶望の炎が広がっていきますが、第8メンバーは希望を持つことで消火剤になり得ることに気付きます。

アーサーは伝道者一味の中でも最強格の幹部・ドラゴンと戦い見事勝利します。アーサーの勝利によって大災害が停止すると、アドラに取り込まれていたシンラも復活を果たしショウと共に伝道者本人との最終決戦に臨もうとします。そこでシンラたちは2柱目のハウメアと出会うと、伝道者の正体は人類の集合的無意識が集まった概念的存在である真実を告げられ、それを取り込み神のような存在になったハウメアと戦うことになります。

ハウメアの強さに圧倒されてしまうシンラとショウでしたが、そこに母親の万里が登場すると3人の魂を共鳴させて合体し神羅万象マンに変身します。神羅万象マンの力によって世界を作り変えることに成功すると、死を身近なものに感じさせることで人々から死への恐怖を払拭させ絶望の炎を打ち破りました。炎で死んでしまった人たちまで生き返り、作り変えられた世界でシンラたちは平穏な日常へ戻っていきました。

焔ビトの謎やアドラとの関係など炎炎ノ消防隊の世界の全てが明かされると、シンラたちが世界を作り変えたことで大災害の危機から人類を救出しました。最終回ではその後の世界が描かれており、特殊消防隊のその後の姿やシンラの子供などが登場しました。しかし、最終回の描写は曖昧な表現が多かったため子供の正体など疑問に持たれやすい要素が幾つかあります。ここでは炎炎ノ消防隊における最終回のあらすじやその後、シンラの子供の謎などについてまとめていきます。

焔ビトがいなくなったその後の世界ではドラゴンや大蛇が出没するようになっていました。その脅威に立ち向かうべく元特殊消防隊メンバーによって新たに世界英雄隊が構成され、ドラゴンや大蛇の討伐に勤しんでいました。そんな大蛇たちを呼び出していたのは柱だったインカでした。インカは星を救った英雄の子供が欲しいと考えており、地球を救ったシンラを振り向かせるために大蛇を呼び出していたと推察されます。

その後の世界の様子が少しだけ描かれると、茉希とリサがショッピングを楽しんでいる姿やスーツ姿に身を包んだジョーカー、イヤホンを片方ずつシェアしているショウとナタク孫など、登場キャラクターが新しい人生を謳歌している様子が明かされました。伝道者一派だったハウメアもカロンと共に生活しており、まさにハッピーエンドと呼ぶに相応しい結末を迎えました。

世界英雄隊の設立から更に25年の月日が流れると、42歳になったシンラは世界英雄隊の極隊長に任命され桜備は大統領になっていました。そんな桜備がシンラに祝電をかけるとその日はシンラの子供の入隊日であることが明かされました。その後のコマにて2人の若者が描かれると、インカに似た髪をした子供とアーサーに似た髪型と剣を持った子供が描かれました。シンラが誰と結婚したのかは明記されていないためこのシーンには様々な考察が寄せられています。

炎炎ノ消防隊最終回後の世界観は同作者の代表作『ソウルイーター』との繋がりが示唆されています。まさかの繋がりにソウルイーターを読んでいたファンを中心に大きな話題となり、最終回の描写や炎炎ノ消防隊の世界観には様々な考察がされました。ここでは炎炎ノ消防隊とソウルイーターの繋がりについてまとめていきます。

ソウルイーターは大久保篤によって月刊少年ガンガンに連載されていた漫画作品です。職人と武器のペアをテーマに描かれた本作はダークファンタジー風で奇抜な世界観や過激な描写、展開が読めない複雑なストーリーなどが評価されました。掲載期間は炎炎ノ消防隊より前の2004年～2013年であり、シリーズ累計発行部数は1960万部を記録しています。

炎炎ノ消防隊とソウルイーターの物語はそれぞれ同一の世界で展開されています。炎炎ノ消防隊作中にはソウルイーターに登場した笑う月や喋るエクスカリバーが描かれていましたが、これらの存在も2つの作品が同じ世界であるからでした。

最終回の最後のコマには『NEXT IS SOUL WORLD』と明記されてました。この文章は炎炎ノ消防隊の物語がソウルイーターへ続くことを示しており、本作がソウルイーターの前日譚だったことを表しています。直前のコマには幼い頃のブラックスターやソウルイーターの姿が描かれており、両親に読んでもらっていた絵本には炎炎ノ消防隊の世界が描かれています。

これまで炎炎ノ消防隊のあらすじや最終回の内容などについてまとめてきましたが、本作を読了したファンからはどういった感想が寄せられているのでしょうか。ここでは炎炎ノ消防隊のストーリーや最終回の結末に対する評判について、実際にSNSへ投稿されているコメントを参照しながら内容をまとめていきます。

最終回まで読み終えたファンからは高評価のコメントが多く寄せられていました。バトル描写だけでなく奇抜で斬新な設定や先の展開が予想できないストーリーなどが面白いと言われており、読み終えた時の満足感がたまらないようです。

最終回で登場したシンラの子供には様々な意見・考察が寄せられていました。描かれていた2人の子供の容姿や雰囲気からシンラとインカ、アーサーとアイリスが結婚したのかと言われていますが、一部の意見ではシンラとアイリスが結婚し子供がアーサーに影響されたという考えも出ています。

炎炎ノ消防隊とソウルイーターとの繋がりが熱いという意見も寄せられていました。本作の前に連載されていたソウルイーターを読んでいた人にとっては嬉しい展開だったそうで、炎炎ノ消防隊を読み終えたその後に再びソウルイーターを読み返したという人も多くいました。

炎炎ノ消防隊は焔ビトの謎とアドラバーストを巡る物語が展開されており、最終回まで予想外の連続が続いた魅力的な漫画作品でした。本作を読んだファンの意見を見ても満足したという評価が多く人気の高さが窺えます。もしも炎炎ノ消防隊を読んだことがないという人は、あらすじだけでは感じられない魅力をぜひ原作漫画やアニメなどでチェックしてみてください。