【文スト】ポートマフィアはどのような組織？メンバーや異能力を徹底紹介

ポートマフィアは、『文豪ストレイドッグス』略称文ストに登場する凶悪なマフィアです。武装探偵社の宿敵であり、作中ではポートマフィアのメンバーが武装探偵社に襲撃をかける様子が度々描かれていました。ここでは、ポートマフィアがどのような組織なのか紹介し、『文スト』のあらすじをおさらいします。

ポートマフィアはヨコハマを縄張りにする裏組織です。密売商品の非合法商売や麻薬の売買、闇カジノなどを財源に、ヨコハマを闇から取りまとめています。組織構成は首領を頂点に五大幹部や武闘派「黒蜥蜴」、遊撃隊などがあり、幹部や多くの有能構成員が異能力者です。また、政界の一部とも繋がりがあるため、軍警察や日本政府の異能秘密組織「内務省異能特務課」もなかなか手を出せず、ポートマフィアのやりたい放題になっています。

『文豪ストレイドッグス』略称文ストは原作、朝霧カフカ先生、作画、春河35先生によって描かれた異能力バトルアクション漫画です。2013年からKADOKAWAにて連載されています。また、2022年には電子版含むシリーズ累計発行部数が1,000万部を突破しました。ヨコハマを舞台に、キャラクター化された文豪達が異能力を使って戦う姿を描いた物語です。2016年には『文スト』のアニメ第1期が放送されました。

孤児院を追い出され、路頭に迷っていた中島敦は、川で入水自殺を試みる太宰治を助けます。この出来事がきっかけで、敦は太宰と共に武装探偵社が追う「人食い虎」の調査を手伝うことになりました。倉庫で虎が現れるのを待つ敦と太宰ですが、敦が無意識下で異能力「月下獣」を発動して虎に変身し、太宰に襲い掛かります。対して太宰は異能力「人間失格」を使い、敦の暴走を止めました。その後、敦は太宰の勧めで武装探偵社に入り、様々な戦いに身を投じていきます。

多くの傘下団体を持つポートマフィアですが、組織のメンバーはどのような異能力を使うのでしょうか。ここでは、『文スト』に登場するポートマフィアのメンバーの特徴や異能力をまとめました。

『文豪ストレイドッグス』に出てくる森鴎外は、ポートマフィアの首領を務める人物です。見た目は優しそうな中年男性ですが、本性はたとえ組織の一員であっても敵対者は徹底的につぶす冷酷非道な性格をしています。また、徹底的な合理と完璧な理論によって最適解を導き出す優れた指導者でもあります。異能力は異能生命体、エリスを出現させる「ヰタ・セクスアリス」です。エリスは長い金髪と青い瞳が特徴の少女で、赤いドレスとリボンを身につけています。

森鴎外をリンタロウと呼び、よく彼に毒を吐いたり、困らせたりすることがありますが、森鴎外はエリスを溺愛しています。他にも、飛行能力や戦闘能力を備えており、『文スト』の作中では危機が迫った森鴎外を助けるエリスの姿が描かれていました。

芥川龍之介は、ポートマフィアの遊撃隊長を務める黒の外套が特徴の人物です。一人称は「僕（やつがれ）」で冷酷非情な性格をしています。また、自他ともに厳しく、他者を寄せ付けない言動が目立ちますが、敵の攻撃から体を張って部下を守るといった部下思いな一面もあります。異能力は身につけている服を変化させる「羅生門」です。『文豪ストレイドッグス』の作中では、外套を黒い獣や刃など、様々な形に変化させ、敵に攻撃を仕掛ける芥川の姿が描かれていました。

樋口一葉は蜂蜜色の髪が特徴の容姿端麗な女性です。芥川龍之介の部下で、彼を先輩と呼び慕っています。常識人で真面目な性格ですが、芥川のことになると感情的になって暴走し、『文豪ストレイドッグス』の作中では彼から平手打ちされていました。また、異能力はありませんが、黒蜥蜴の指揮を執っていることから、組織内でも有能な人物であると推察できます。

梶井基次郎は首に緑のマフラーを巻いている白衣姿の男性で、五大幹部の一人である中原中也の部下です。自己中心的な性格のマッドサイエンティストであり、『文豪ストレイドッグス』の作中では、一般人28人を殺害したビル爆破事件を「素晴らしい実験」と語っていました。異能力は檸檬型爆弾で梶井自身が損傷を受けない「檸檬爆弾(レモネード)」です。檸檬爆弾は爆薬が一切検知されない方法で梶井が全て手作りしています。

中原中也はポートマフィア五大幹部の一人です。好戦的な性格をしており、常に黒帽子を着用しています。異能力は自身や触った物の重力を自由自在に操作する「汚れつちまつた悲しみに」で、敵からの攻撃を避けたり、地面をひび割ったりなど様々な使い方ができます。また、小型のブラックホールを出現させる「汚濁(おぢょく)」といった状態にもなれますが、死ぬまで自力で正気に戻れないため、使用する時は太宰治の異能力「人間失格」が必須です。

尾崎紅葉はローズ色の髪と着物姿が特徴の美しい女性です。五大幹部の一人で遊女のような話し方をします。また、元ポートマフィアメンバーの泉鏡花を溺愛しており、『文豪ストレイドッグス』の作中で鏡花が武装探偵社に仮入社した時は、彼女を組織に連れ戻そうとしていました。異能力は「金色夜叉」で、仕込み杖を持った和装姿の異形、金色夜叉を出現させ、自分の意思で操ることができます。

夢野久作は、白黒の髪と片手に不気味な人形を抱えているのが特徴の少年です。「Q」という異名を持ち、『文豪ストレイドッグス』に登場するまでは座敷牢に閉じ込められていました。見た目は無垢な子供ですが、本性は残忍な性格をしており、自身の能力で人が死んでも何とも思っていません。異能力は「ドグラ・マグラ」で、不気味な人形を破壊すると発動し、自分を傷つけた人を呪います。また、呪われた人は幻覚によって精神を冒され、敵味方関係なく襲い掛かります。

黒蜥蜴はポートマフィアの傘下組織です。メンバーは優れた戦闘技術を持っており、上からの命令があればポートマフィアに敵対する組織や裏切り者を容赦なく殺害します。ここからは、『文スト』に出てくる黒蜥蜴のメンバーについてまとめていきます。

広津柳浪は黒蜥蜴のリーダーを務める人物です。白髪に片眼鏡をかけたダンディーな初老の男性で、森鴎外が首領になる前からポートマフィアに仕えています。冷酷な性格ですが部下思いなところもあり、ポートマフィアの五大幹部だった太宰治からも信頼されていました。異能力は指先で触った物を斥力で弾き飛ばす「落椿」で、直撃すると相手を即死させることもできます。

黒蜥蜴のメンバーである銀は黒髪を頭の後ろで束ね、大きなマスクを着けているのが特徴の人物です。物静かな性格で普段はあまり喋りません。また、異能力はありませんが戦闘能力は高く、細い刃物を使った接近戦を得意としています。マスクで顔を隠しているため、黒蜥蜴のメンバーからは男性だと思われていますが実は女性で太宰治の妹です。『文豪ストレイドッグス』の作中で私服姿の銀が登場した時は、武装探偵社の元社員から「黒髪の撫子」と呼ばれていました。

黒蜥蜴のメンバー、立原道造は茶髪と鼻に絆創膏を貼っているのが特徴の青年です。好戦的な性格で口調も荒いですが、黒蜥蜴の指揮権を持つ樋口一葉を心配する優しい一面もあります。『文豪ストレイドッグス』で初登場した時は二丁拳銃を用いて戦っていたため、黒蜥蜴メンバーの銀と同様、異能力がない人物といわれていました。ただ、後に道造が金属を操る異能力「真冬のかたみ」の使い手であることが判明します。

森鴎外が首領を務めるポートマフィアには「五大幹部」というポジションがあり、戦闘能力が高く、統率力に優れた人物が幹部を務めています。ここからは、ポートマフィアの五大幹部のメンバーや五大幹部の現在についてまとめていきます。

五大幹部とは、ポートマフィアの首領に次ぐ統率者のポジションのことです。幹部は5人おり、会議では首領である森鴎外と直接、意見交換ができます。また、構成員が幹部達に会う時は彼らの付き人に伺いを立てる必要があり、許可が下りるまで1ヶ月程かかります。

ポートマフィアの五大幹部のメンバーは、中原中也、尾崎紅葉、A（エース）、太宰治、ポール・ヴェルレエヌです。彼らは優れた戦闘能力や統率力を持つ人物であり、それぞれ派閥を抱えています。ただ、ポール・ヴェルレエヌのみ『文豪ストレイドッグス』本編に登場していません。『文スト』の小説で暗殺王と呼ばれる殺し屋であることや、中也と同じ重力を操る能力を使っていることが判明していますが、異能力名や素性については不明です。

五大幹部のメンバーで現在、活動しているのは中原中也と尾崎紅葉のみです。太宰治はポートマフィアを脱退し、武装探偵社のブレーンとして活躍しています。ただ、森鴎外が太宰を気に入っているため、五大幹部の太宰の席は残したままになっています。また、Aは『文豪ストレイドッグス』の作中で死亡し、ポール・ヴェルレエヌは本編開始時から地下で隔離されている状態です。

ポートマフィアのメンバーの中には組織を脱退し、武装探偵社や内務省異能特務課で働いている者や、戦いで命を落とした者もいます。ここでは、ポートマフィアの元メンバーや殉職者について紹介します。

坂口安吾は眼鏡をかけ、前髪をセンター分けにしているのが特徴の人物です。内務省異能特務課の凄腕エージェントで、過去にポートマフィアの動向を探るため組織に潜入し、情報員として働いていました。異能力は、物に残った記憶を読み取る「堕落論」です。ポートマフィア時代、坂口は当時五大幹部だった太宰治と友人でしたが、海外の異能犯罪組織「ミミック」が起こした事件がきっかけで険悪な関係になってしまいます。

太宰治はポートマフィアの幹部だった人物です。異能力は「人間失格」で、触った異能を無効化します。14歳の頃、太宰は森鴎外に拾われてポートマフィアに入り、未成年で五大幹部の一人になりました。ただ、海外の異能犯罪組織「ミミック」が起こした事件で友人の織田作之助を亡くし、この出来事がきっかけでポートマフィアを脱退します。その後、組織にいた頃の経歴を全て抹消して、現在は武装探偵社で働いています。

泉鏡花は赤色の和服姿に、白い花の髪飾りで長い黒髪を2つに結っているのが特徴の少女です。両親を亡くし、孤児になったところをポートマフィアに拾われて組織に入り、6ヶ月間で35人の人間を殺害してきました。ただ、本心は「人を殺したくない」と思っており、『文豪ストレイドッグス』の作中で自殺を図りますが、中島敦に助けられ、その後、武装探偵社の社員になります。異能力は仕込み杖を持った白い和服姿の異形、夜叉白雪を出現させる「夜叉白雪」です。

A（エース）は燕尾服を着用したツリ目の男性で賭博師です。多額の上納金を納めて五大幹部の一人になりましたが、ポートマフィアへの忠誠心はありません。異能力は「宝石王の乱心」で、自分からAの首輪をつけた人物の寿命を、同価値の宝石に変換できます。Aは『文豪ストレイドッグス』の作中で組織への謀反を計画し、殺人結社「天人五衰」の構成員、フョードル・ドストエフスキーを誘おうと彼にゲームを仕掛けますが返り討ちに遭い、自ら命を絶つことになります。

織田作之助はポートマフィア最下級構成員だった人物です。異能力は「天衣無縫」で、5秒以上6秒未満の未来を予知できます。また、元ポートマフィアメンバーの太宰治や坂口安吾とは友人関係にありました。『文豪ストレイドッグス』の作中で織田は海外の異能犯罪組織「ミミック」のボス、アンドレ・ジイドと戦い命を落とします。ただ、織田は死ぬ間際に太宰へ「人を殺すより救う側になれ」といった言葉を残しており、この言葉がきっかけで太宰は組織を脱退します。

カルマは赤みがかった短髪と右頬にバツ印の傷がある少年です。ポートマフィアの下級構成員で、異能力は『文豪ストレイドッグス』の作中で明かされていないため不明です。また、首にAの首輪をつけており、彼の異能力によって自身の生殺与奪を握られていました。カルマは『文スト』の作中でフョードル・ドストエフスキーの異能力によって他のポートマフィアの構成員と共に殺害されます。

蘭堂はポートマフィアの準幹部だった人物です。極度な寒がりのため、常に防寒具を身につけています。異能力は亜空間を作り出して操る「イリュミナシオン」です。実は蘭堂は欧州の異能諜報員であり、日本政府が発見した未知の高エネルギー「荒覇吐（あらはばき）」を奪還しようとして爆発に巻き込まれ、記憶を失っていました。『文豪ストレイドッグス』の作中で蘭堂は組織を裏切り、再度「荒覇吐」の奪還を目論みますが、太宰治と中原中也に敗れ死亡します。

武装探偵社と敵対関係にあるポートマフィアですが、SNSでは「文ストに出てくるポートマフィアのメンバーみんな魅力的で好き」や「文ストのポートマフィアがかっこよくて好きになった」といった意見が数多くみられました。

首領の森鴎外をはじめ、五大幹部、黒蜥蜴とポートマフィアには優れた戦闘能力を持つ構成員が多く所属しています。『文スト』の作中でも、敵を圧倒的な力で倒すポートマフィアメンバーの姿が描かれていました。SNSでは「文ストのポートマフィアのメンバーみんな強くてかっこいい」や「ポートマフィアはメンバー全員が強いから、アジトに敵が攻めてきても首領なしで難なく倒せそう」という声が多く挙がっていました。

『文スト』には、ポートマフィアが敵対関係にある武装探偵社と手を組み、ヨコハマの街を守るといった話も描かれています。SNSでは「文ストの中で、ポートマフィアと武装探偵社が協力する話が一番好き」や「ポートマフィアと武装探偵社のメンバーが共闘するシーンがかっこいい」といった声がみられました。

ポートマフィアはヨコハマを拠点に活動する裏組織です。首領の森鴎外をはじめ、強くて魅力的なメンバーが揃っています。また、武装探偵社と敵対関係にありますが必要時は共闘し、作中ではヨコハマの街を狙う組織を壊滅させていました。今後、ポートマフィアのメンバーがどのような活躍をみせるのか『文豪ストレイドッグス』の漫画やアニメをチェックしてみてください。