【進撃の巨人】衝撃的な伏線10選!回収済みや未回収の物まで紹介
漫画やアニメ作品として世界中に人気を博している進撃の巨人は、作中の随所にちりばめられた伏線とその回収方法が秀逸だったことで大きな話題を呼びました。本記事では進撃の巨人に描かれている伏線について、回収済みのものと未回収のものに分けて紹介していきます。
目次
【進撃の巨人】とは?
連載開始当初は巨人が無慈悲に人間を捕食するという残酷な世界観が話題になった進撃の巨人ですが、巨人や世界の秘密が明かされていくと物語の各所に隠れていた伏線が結末にすべて集束していったことでファンから大きな反響を呼びました。そんな物語の重要な鍵を握っていた伏線についてまとめていく前に、まずは進撃の巨人の漫画やアニメの作品概要とあらすじについてまとめていきます。
進撃の巨人の作者
進撃の巨人を手掛けた作者は諌山創(いさやまはじめ)先生です。1986年の大分県生まれの諌山先生は、趣味の絵に本気で挑もうとして漫画を描き始めたと明かしており、専門学校九州デザイナー学院マンガ学科卒業後2006年に投稿した『進撃の巨人』が講談社のマガジングランプリで佳作を受賞、その2年後に同作で漫画家デビューを果たしました。
進撃の巨人の漫画やアニメの概要
進撃の巨人は諌山創によって週刊少年マガジンに連載されている漫画作品及び、それを原作とした小説やアニメ作品です。圧倒的な力を持つ巨人とそれに抗う人間の物語が描かれたダークファンタジー作品で、2009年~2021年にかけて連載されていました。初掲載から奇抜な世界観が爆発的人気を博し、2022年9月時点で1億1000万部を突破しています。
進撃の巨人のあらすじ
人類は巨人に絶滅の危機に追いやられ、巨大な城壁を築き上げることでその命脈を保っていました。城壁内のシガンシナ区で生活するエレンは家族と共に平和な日々を過ごしていましたが、ある日突然出没した超大型巨人によって城壁が破壊されエレンは目の前で母親が捕食される瞬間を見てしまいました。その日からエレンはすべての巨人を駆逐することを心に誓い調査兵団に入団するのでした。
【進撃の巨人】衝撃的な回収済み伏線と意味深なシーン10選
ここからは進撃の巨人の回収済み伏線と意味深なシーンについてまとめていきます。進撃の巨人は巨人の脅威に人間が立ち向かう少年漫画らしい始まり方をしましたが、物語が進んでいくにつれて巨人や世界に関する謎が大量に描かれていき、最終回に近づく度にそれらの謎が明かされていく怒涛の展開が描かれ評判になりました。
回収済み伏線①カルラの死
エレンの母・カルラは物語序盤にエレンの目の前で巨人に捕食され死亡しました。巨人の恐ろしさを思い知らせた衝撃的なシーンでしたが、物語が少し進んだところで再びカルラを捕食した巨人が登場するとその巨人は目の前のベルトルトを無視してエレンのところに向かいました。実はカルラを捕食した巨人は未来のエレンによって操作されており、過去のエレンが巨人を駆逐するよう誘導させるために母親を犠牲にしていました。
回収済み伏線②エルヴィンの夢
巨人の正体が人間である可能性をハンジが語ると、それを聞いたエルヴィンは不敵な笑みを浮かべていました。不気味な笑い方にリヴァイから「何笑ってやがる」とも言われていましたが、ハンジの仮説は過去にエルヴィンの父が立てた仮説と同じ内容だったことが明かされました。エルヴィンとしては父の仮説をあと少しで証明できる段階だったため、つい不敵な笑みが浮かんだと考えられます。
回収済み伏線③人類を救うのはアルミンだった
エルヴィンとアルミンのどちらかに巨人化の注射を打たなければならなかったシーンにて、どちらを選ぶべきかリヴァイは悩んでしまいますが、そこにエレンが「人類を救うのはアルミンだ」と叫びリヴァイもアルミンを選びました。連載当時はエレンが仲間に期待を寄せている感動的なシーンかと思われていましたが、最終的にアルミンは人類を救う英雄となり、エレンのセリフも未来のエレンが結末を予言させていたのでした。
回収済み伏線④地下室
作中第1話から存在が明かされていたイェーガー家の地下室には、壁外にあるマーレ国から巨人が送り込まれていることや巨人を生み出す注射など、世界の謎を解き明かす代物が多く残されていました。それまで進撃の巨人にまつわる考察が多く寄せられていましたが、エルディア人が奴隷として働かされていた歴史から巨人が誕生したという経緯を読めた人はいなかったことでしょう。
回収済み伏線⑤グリシャの目線の意味
第1話にてグリシャがエレンに地下室の鍵を見せたシーンが描かれていますが、その時グリシャの目線はエレンからずれていました。この時グリシャは子どものエレンではなく未来のエレンに語りかけていました。未来のエレンには進撃の巨人が持つ継承者の記憶を覗き見る能力が備わっており、それを知っていたグリシャは敢えて目線をずらし未来のエレンに話しかけていたのでした。
回収済み伏線⑥13という数字の意味
進撃の巨人1巻では13ページにのみページ数が記載されていました。その後『845』という数字が出て当時の読者に違和感を与えましたが、実はその2つを合わせると『13845』となり『138話45ページ』を見てみると「いってらっしゃい、エレン」というシーンに繋がっています。単純な伏線回収とは違い、当分先のページ数に伏線を合わせるという緻密な描き方に多くの読者が驚愕しました。
回収済み伏線⑦ミカサの頭痛
ミカサは時折頭痛を訴えていましたが、頭痛の原因はミカサの頭の中をユミルが覗いていたからです。そして、頭痛が起こる時はどれもエレンのことを思い起こそうとする時でしたが、これはユミルがフリッツの暴走を止められなかったことに未練を感じ、それを解消させるためにエレンをミカサに殺害させようと画策していたのです。実際にエレンは地鳴らしを発動しミカサに自分を殺害してもらうよう誘導しています。
回収済み伏線⑧クルーガーの「使命を全うしろ」というセリフ
クルーガーが口にした「使命を全うしろ」は原作89話、アニメ58話にて描かれましたが、セリフ自体はそれより前、原作10話と67話、アニメ10話と45話に登場しています。進撃の巨人継承者は過去の継承者の記憶を共有できる能力があり、「使命を全うしろ」というセリフにはクルーガーたちがミカサやアルミンたちを救うために進み続けてきた歴史があったことを暗喩していました。
回収済み伏線⑨「いってらっしゃい、エレン」の意味
第1話にてエレンはミカサらしき女性が「いってらっしゃい、エレン」と告げる夢を見て、目が覚めた時には涙が流れていました。これはエレンが別の選択をしたことで寿命まで一緒にいたミカサを描いたもので、寿命を終えたエレンは13年前に戻って1話のシーンに戻ってきたことを表現していました。アニメ版ではカットされていた描写でしたが、エレンが長い時間をかけて目的を成し遂げようとしていたことが示されていました。
回収済み伏線⑩「進撃の巨人」タイトルの意味
進撃の巨人は進軍してくる巨人を指したものと予想していた人が多数でしたが、本当の意味はエレンが継承した9つの巨人の正体を表したものでした。進撃の巨人継承者はいつの時代も自由を求めていたとされており、作中のエレンも自由を求めて巨人の根絶を目指していました。
【進撃の巨人】未回収伏線や謎はあった?
ここからは進撃の巨人における未回収伏線や謎についてまとめていきます。秀逸な伏線回収や謎が解き明かされていく爽快感などが評判となった進撃の巨人ですが、完結してもなお謎が解明されていない伏線が存在しており、現在もその謎に関する考察や議論がネット上で話題になっています。
未回収伏線①「二千年後の君へ」
第1話のサブタイトル『二千年後の君へ』と122話の『二千年後の君から』に記載されている『君』は誰かを指した言葉ですが、作中で明確な伏線回収シーンが描かれておらずネット上ではエレンとユミル、ミカサの3人に意見が分かれています。誰を置き換えてみても意味が通りますが、有力なのは1話の君がエレンで、122話の君がユミルだろうと言われています。
未回収伏線②「844」
ミカサの右手首には『844』という刺青が刻み込まれています。これを刻印したのはミカサの母親であり、一族が1番に受け継がなければならないものだからミカサも子どもができたらこの印を伝えなさいと説明していました。ミカサの一族とはほぼ絶滅したと言われている東洋人の血で、ミカサには何らかの能力が備わっていたと考えられていました。最終的に詳細が描かれず謎のまま本編が完結し、ネット上ではループ能力説が濃厚となっています。
未回収伏線③ヒストリアの妊娠と出産
最終回にてヒストリアは女王となり妊娠していることが明らかになりました。相手は青年だと言われていますが、具体的な人物は謎です。過去にヒストリアはジーク捕食を回避するために子どもを作るのはどうかとエレンに尋ねたことがありましたが、エレンがそれを肯定していた、もしくは後に別の誰かがそれを提案したためヒストリアは妊娠に至ったと思われます。なお、夫に関しては様々な説が寄せられており意見も割れています。
【進撃の巨人】漫画最終回をネタバレ
ここからは進撃の巨人における漫画最終回のネタバレについてまとめていきます。原作漫画で描かれた最終回は地鳴らしを止めたシーンから場面が切り替わり、それまでエレンが画策してきたことやアルミンたちが辿ってきた道のりの意図を解説していくような話が展開されました。また、単行本漫画の最終巻では幾つかのシーンに加筆がされました。
進撃の巨人の漫画の最終回あらすじ
幼い頃のアルミンとエレンが登場すると、エレンはそれまでの物語がアルミンを英雄にするためのシナリオだったことを明かし、その結末にするために戦い続けていたことを話しました。そうして世界から巨人が消滅して3年の月日が流れると、英雄と呼ばれるようになったアルミンは和平交渉の連合国大使として活動するようになり、最後のシーンはエレンと思われる1羽の鳥がミカサのマフラーを巻き直す描写で幕を閉じました。
進撃の巨人の最終巻で加筆された内容
- アルミンのセリフ「この過ち」が「君の最悪な過ち」に変更
- ミカサの頭痛の原因はユミルが頭の中を覗いていたからという説明が追加
- ミカサとジャンが結婚したと思われるセリフのない4ページが追加
- 空爆を受け人類が過ちを繰り返そうとするシーンが追加
- 巨人復活の予兆らしきシーンが追加
進撃の巨人の最終回がひどいと言われる理由
一部の読者からは最終回の内容に否定的な意見が寄せられています。その理由として、エレンが世界を救うためとはいえ地鳴らしによって大量虐殺したこと、そしてそれを肯定するシナリオであることに批判が集まっています。また、エレンとミカサが離ればなれになった結末が可哀そうという意見もあり、ハッピーエンドを求めていた人にとってはひどい作品と感じているそうです。
【進撃の巨人】作品を通して読者に伝えたかったこと
ここからは作品を通して読者に伝えたかったことについてまとめていきます。漫画やアニメなどで世界中のファンに愛された進撃の巨人は誰も予想できない結末を迎えましたが、ここまで難解な内容になったのには作者が世に発信したかったメッセージがあったことでしょう。
伝えたかったこと①人種差別
巨人が生まれた理由にはエルディア人が奴隷だったことに起因しており、作中でもエルディア人に対する差別や偏見が描かれていました。こういった作品は人種差別の解消や偏見を払拭することを目的にすることが多いですが、進撃の巨人はその逆でエルディア人が悪魔という認識が更に強くなる描写がされています。これは『差別をなくす』ではなく『差別は生まれてしまいもの』と表現しているようで、作者が人種差別を現実的に考えたと思われます。
伝えたかったこと②洗脳教育の恐さ
ガビは両親からエルディア人は悪魔という洗脳教育を施されて育ち、実際にエルディア人が『人』と理解するまでに時間がかかりました。これは現代社会でも同じ教育をすれば当然子どもに影響を及ぼすことでしょう。過去の過ちや歴史上の事件を伝えることは大切ですが、偏った思想を押し付けることはそれを繰り返すことに繋がってしまうはずです。
伝えたかったこと③自由の追求
エレンの目的は巨人を消滅させることで、それは自由を追い求めることと同義です。ただしエレンは自由を求めるために自分と多数の命を犠牲にすることを選びました。作者としてはハッピーエンドも描けたはずで、その上でこの結末を描いたということは、誰かが自由を行使するためには他の誰かの自由を奪うしかないという現実社会の風刺を描こうとしたのかもしれません。
伝えたかったこと④鳥の意味
超大型巨人が出現する時や最終話でエレンらしき鳥が登場するなど、作中で鳥が描かれることが多いです。鳥は自由を象徴する動物で、エレンが自由を求めていたことと紐づけていると考えられます。また、ガビがエルディア人のことを初めて人と思えたシーンには鳥かごが描かれていました。これは洗脳から解き放たれたことを、鳥かごから放たれた鳥に見立てていたと推察されます。
【進撃の巨人】伏線に対する世間での評判や人気
これまで進撃の巨人における伏線についてまとめてきましたが、伏線の存在や回収シーンは漫画読者及びアニメ視聴者から多くの反響を呼びました。ここでは伏線に対する世間での評判や人気について、実際に寄せられているコメントを参照しながらまとめていきます。
完結まで読んだ読者のほとんどは作中の伏線を綺麗に回収した結末に驚愕の声を上げていました。本記事でまとめた10の伏線はあくまで作中の一部であり、これ以外の伏線もまとめて1つの結末に集束させた展開に脱帽したと語るコメントで溢れていました。
伏線回収の面白さを感じたことで物語序盤の伏線を確認しようと1話から読み直す人が多くいました。人によっては何周も読み返してしまうほど面白いと言われており、読み返す度に謎が鮮明に理解していくのを面白いと感じる人もいました。
アニメ版進撃の巨人は原作漫画で存分に楽しんだ人でも、1話から詰まっている伏線や謎を確認しながら楽しめると評判になっていました。結末を知っていてもその経緯を理解した上で見返してみればアニメ版を新鮮な気持ちで見られることでしょう。
【進撃の巨人】伏線は多くどれも奥が深いものだった
進撃の巨人には数多の伏線が緻密なまでにちりばめられており、それらを回収していくストーリー構成がとても奥深いものでした。原作は既に完結済みとなっていますが、アニメ版はいよいよ最後のクライマックスに突入することが予測されるので、気になる人はしっかりチェックしておきましょう。
この記事のライター
zeile
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