【おそ松さん】一松は一番謎の多いキャラ？兄弟との関係についても調査

豪華声優陣で話題となった『おそ松さん』は、登場する面々も個性派ぞろいです。その中でもっとも謎めいていてつかみどころのないキャラクターが、四男の一松になります。一松のドM設定やカラ松などほかの兄弟との関係について見る前に、まずは基本的な情報を押さえておきましょう。

アニメ『おそ松さん』に登場する一松の本名は「松野一松」で、松野家の6つ子の中では四男という立場にあります。イメージカラーは紫で、他の兄弟にくらべ乱れた頭髪と半分降りたままのまぶた、そして猫背という外見的特徴を持ちます。劇中では、「松パーカー」と呼ばれるパーカー姿で登場する頻度が高くなっています。

『おそ松さん』は、赤塚不二夫生誕80年を記念して制作されたアニメ作品です。2015年10月～2016年3月まで第1期が放送され、その後2・3期と劇場版も数本制作されました。当初の企画は『おそ松くん』のリメイクでしたが、紆余曲折を経た後、人気声優をそろえて時代も数年後を描くという形に路線変更されています。結果作品はヒットし、一大ブームを巻き起こしました。

アニメ『おそ松さん』が描くのは、『おそ松くん』から数年後の6つ子の生活風景です。前作で小学生だった6つ子らはすでに二十歳を過ぎていますが、相変わらず実家暮らしで、しかもそろって無職という有様でした。女性に縁がなく、個性もバラバラな6人はそれぞれの趣味に勤しみつつ、イヤミやトト子らおなじみの面々とさまざまな騒動を繰り広げていく…というストーリーになっています。

『おそ松くん』では外見も内面もほぼ違いが見られなかった6つ子たちですが、『おそ松さん』ではそれぞれまったく違う個性の持ち主として描かれています。くせ者ぞろいの6つ子メンバーの中で、もっとも謎が多く、つかみどころのないキャラクターとなっているのが一松です。ここでは、ドM設定もあるなど意外すぎる一松の人物像について見ていきましょう。

『おそ松さん』に登場する謎多きキャラ、一松の性格は「マイペースな皮肉屋」というものです。常に負のオーラを身にまとったネガティブな人物で、世間に対し斜に構えた態度を崩さず、毒を吐くことも多くなっています。自己評価も低く、やたらと自分を「クズ」「ゴミ」と卑下しています。作中では本人の口から、「社会には馴染めなさそう」とはっきり語られています。

『おそ松さん』に登場する謎めいた男・一松の一人称は、「おれ」です。作中では基本的にこの一人称で通していますが、一部で「僕」を使うこともあります（1期前期ED曲、3期2話など）。しかし、これらは例外的な使用であり、本編内においてニート状態の一松が「僕」を自称したことは、未だかつて一度もありません。なお、表記は一応ひらがなの「おれ」が正式なものですが、アプリなどで「俺」が使われるケースもあります。

『おそ松さん』の謎の四男・一松には、公表されていない裏の設定があります。それは「ドM」というもので、この設定の存在は、WEBラジオ「シェーWAVE」第3回の中で暴露されました。本設定の表出かどうかは分かりませんが、第1期6話で6つ子がそれぞれお尻に旗を刺される際、一人一松のみが喘ぐような声を発するシーンがあります（声優のアドリブのようです）。

「ドM」の裏設定がある『おそ松さん』の一松ですが、本編中ではMとは真逆の顔ものぞかせています。それは第1期10話、秘薬で美女化したイヤミとチビ太のデート詐欺に遭い、金をだまし取られた6つ子が怒りをあらわにする場面で発揮されました。6人の中で特に激しい怒りにかられた一松は、2人を檻に閉じ込め法外な鍵代を請求するなど、容赦ないドSっぷりを見せつけています。

MとS、2つの側面を持つ謎の男・一松にはもう1つの顔があります。それは「無類の猫好き」というもので、いつもは無気力な一松も、猫のこととなると様子が一変します。日ごろ「友達はいらない」と公言している彼ですが、猫は「親友」と認識しているようで、近所の野良猫を家に連れ込むなどデレデレです。しかも本人も猫人間になることができ（原理は不明です）、変身すると猫耳と尻尾が生えて、ビルの壁面を駆け上がるなどの能力を発揮します。

『おそ松さん』の6つ子の中でもっとも謎めいている男・一松ですが、ほかの兄弟との関係はどうなっているのでしょうか。特に仲がいい兄弟や折り合いがよくない兄弟など、個々の関係が知りたいところですが、ここではそうした点について検証していきましょう。

『おそ松さん』における一松とほかの兄弟との関係、まずは長男・おそ松について見てみましょう。一松は普段おそ松に対し、「兄さん」をつけて呼んでいますが、これはほかの兄（次男・カラ松、三男・チョロ松）には基本的に見られない対応です。一方のおそ松は、一松のネガティブさも割合鷹揚に受け止めている節があります。

アニメ『おそ松さん』での一松とほかの兄弟との関係、続いては次兄・カラ松についてです。ドMながら毒舌家の一松は、基本的にほかの兄弟をすべて見下していますが、特にカラ松への当たりのキツさは群を抜いています。実際に作中でカラ松が痛い行動を見せた時は、躊躇なく暴力を振るっていました。しかし、カラ松に助けられた際は内心で感謝したり、話数が進むにつれお互い会話する場面も増えるなど、徐々に打ち解けてきている様子も見られます。

『おそ松さん』における一松とその他兄弟の関係、続いては五男の十四松について見てみましょう。6つ子随一の奇人で常にハイテンションの十四松は、性格的には一松と真逆の関係にあります。しかし、意外にも一松はすぐ下のこの弟をもっとも可愛がっており、作中では2人でプロレスを始めたり1つのパフェを食べ合うなど、仲睦まじい様子を何度も見せました。どうやら一松は、十四松の「ぶっ飛んだところ」に好感を抱いているもようです。

『おそ松さん』における一松とほかの5人の兄弟との関係、続いては六男・トド松です。十四松に対しては愛着を隠さない一松ですが、末っ子のトド松にはかなり厳しい対応を見せています。トド松がリア充を目指して合コンに挑んだ際は、ほかの兄弟とともに嫉妬心をあらわにし、あの手この手で妨害を図りました。特に一松の暴れぶりは常軌を逸しており、下半身を露出させて迫るなど、トド松に大きなトラウマを植え付けています。

アニメ『おそ松さん』で描かれた一松と兄弟間の関係、最後は三男・チョロ松についてです。この2人の関係性は、兄弟全員の中で最も微妙なものとなっています。彼らは6つ子という間柄にもかかわらず、2人っきりになることを恐れているようで、作中ではあまりそうしたシチュエーションになることがありません。2期3話ではついにその瞬間が訪れますが、双方思い切り気まずい雰囲気になっていました。原因については不明ですが、お互いの繊細さが障壁となっているのかもしれません。

ドMとドS両方の顔を持つなど多くの謎を秘めた男・一松は、『おそ松さん』本編や周辺でさまざまな姿に変身しています。これらのシーンもファンの間で話題となりましたが、具体的にどういう姿を見せたのか、1つずつ紹介していきましょう。

「F6バージョン」の一松は、『おそ松さん』第1期1話で披露されたものです。「F6」とは『花より男子』の「F4」のパロディであり、ここで6つ子は超絶イケメンのアイドルユニットへと変身を遂げています。しかし、イケメン化しても一松の我が道を行く性格は変わらず、疲れたからと言って1人だけ昭和『おそ松くん』当時の姿に戻るマイペースぶりも見せています。なお、「F6」における一松の肩書は、「カリスマ的求心力、ミステリアスクール」というものでした。

「じょし松さん」は、『おそ松さん』作中に登場した6つ子の女性版キャラクターです。本来の6つ子とは別人格という設定ですが、担当声優はそれぞれ元のままとなっています。6人は姉妹ではなく友人同士という関係で、この中で一松は謎めいた雰囲気の「一子」へ姿を変えています。ロングヘアに複数のアクセサリー、ゆったりしたワンピースという出で立ちはさながら占い師で、毒舌やジト目などのポイントはオリジナルから受け継がれました。また、インプラントを使用しているため口が臭いという特徴もあるようです。

モンスター姿は、『おそ松さん』本編ではなくキャラクターグッズ（ラバーストラップ）として披露されたものです。SEGAコラボカフェにおいて期間限定で展開されました。ここで6つ子はそれぞれ異なる姿に扮しており、一松は頭に羽を生やした縞柄の猫のようなモンスターと化しています。

『おそ松さん』で一松が見せた姿には、「童貞ゴッド」というものもあります。こちらもアニメ本編ではなく、BD・DVD第1巻に収録された3.5話「童貞なヒーロー」に登場したものになります。ここで一松は、「リア充のバーベキュー大会に参加したい」という素直な気持ちを吐露したことで、無我の境地に至り「童貞の神＝童貞ゴッド」として顕現しました。金色の逆立った髪と青い肌、厳重に封印された股間など、「ゴッド」の名にふさわしい神々しい姿と化しています。

ドMでカラ松が嫌いな一松は、『おそ松さん』作中で猫としての姿も見せています。一松は前述のように無類の猫好きで、普段から猫じゃらしをポケットに入れているくらいですが、自身も猫と化せるという能力があります。原理は不明ながら、路地裏での猫とフュージョンしたのを機にたびたび猫に変身するようになりました。この時は頭に猫耳が、お尻に尻尾が生えています。

カラ松にきつく当たりつつ、同時にドMの一面を持つ一松は、『おそ松さん』でティンカーベルの姿にも扮しています。こちらは第1期17話「十四松まつり」内のショートアニメで披露されたもので、ここで一松は手のひらサイズの体と松ぼっくりのような衣装を身に付けた姿で現れました。そして十四松パンが連れてきたトト子に嫉妬を覚え、「ブス」呼ばわりするなど毒を吐いています。なお、巷ではこの姿の一松を、「ティンカーイチ」と呼んでいます。

『おそ松さん』では時代劇をネタにした回もあり、主要キャラはそれぞれ時代劇に関連した役柄に扮しています。一松が登場するのは「十四松太子」という話で、一度に14人から話しかけられてもすべて聞き分けられるという十四松に対し、噂の真偽を確かめようと本当に14人が一斉に話しかけます。ここで一松はとある干潟についての質問を投げかけていますが、十四松は答える以前に「うるさい」と怒鳴って全員をぶちのめす、というオチがつきました。

『おそ松さん』で一松が披露した姿の中には、「不良」も含まれます。これは第1期20話「スクール松」の中の出来事で、本話は荒廃した学校を舞台に、不良に扮した6つ子がコントを繰り広げるという内容となっています。一松の役柄は「裏番」で、スキンヘッドにマスク、猫のイラストが描かれた服という出で立ちです。血色が悪く活舌も不明瞭で見るからにヤバそうですが、猫好きな面は変わっていません。

ドMでカラ松に辛辣など、謎の男・一松の意外な特徴についていろいろ紹介していますが、ここで彼を演じている声優に目を向けてみましょう。アニメ『おそ松さん』でミステリアスな一松を演じているのは、この人になります。

『おそ松さん』で謎多きキャラ・一松を演じているのは、声優の福山潤です。「じゅんじゅん」などの愛称で親しまれる福山氏は、1990年代後半から活動しているベテラン声優になります。ハイトーンボイスから低音声まで自在に使い分ける実力の持ち主で、『おそ松さん』では一松の無気力さやその反面の爆発力などを全力で演じています。

『おそ松さん』でカラ松を見下す一松を演じている声優・福山潤は、大阪府出身（生まれは広島県）の男性です。誕生日は1978年11月26日になります。1997年にCMナレーションでデビューし、2000年には初のテレビアニメ主役を勝ち取りました。2006年には日本アニカン大賞・男性声優賞に輝くなど、受賞歴も豊富です。2009年からは音楽活動もスタートさせています。

福山潤が『おそ松さん』のドMの四男・一松以外で演じたキャラと作品は、『コードギアス 反逆のルルーシュ』のルルーシュ、『七つの大罪』のキング、『中二病でも恋がしたい！』の富樫勇太、『キングダム』の嬴政、『吸血鬼すぐ死ぬ』のドラルク、『暗殺教室』の殺せんせーなどとなっています。

『おそ松さん』の6つ子の中でもっとも謎を多く秘めている一松ですが、彼に対する世間の評判はどのようになっているのでしょうか。ドM、毒舌、猫好きといった複雑な顔を持つ一松の人気ぶりについて、Twitter上の意見から探ってみましょう。

こちらは「一松＝かわいい」という意見です。無気力で醒めた皮肉屋という、ぱっと見あまり好感の持てなそうな一松ですが、ドMで猫好きな一面などがかわいいと映る層もいるもようです。

『おそ松さん』における一松の評判ですが、こちらは「仕草が好き」ということで、「かっこよくないけどかっこいい」と複雑な褒め方をしています。世をすねた猫背の姿勢が、かえってクールさを感じさせるのかもしれません。

こちらは一転して、「一松は好きじゃない」という意見です。やはり根っからの陰キャ体質である一松は、誰からも好かれるというわけにはいかないもようです。「余計キモい」が何を指すかは不明ですが、とにかく一松に対する距離感の遠さは十分伝わってきます。

『おそ松さん』の一松について紹介してきました。このように松野家の6つ子の中で、一松はもっともミステリアスな人物として描かれています。常に猫背の根暗な毒舌家、カラ松に厳しいという性格の一方で、猫と十四松にやさしく自身も猫に変身でき、しかもドMという謎のキャラ付けが施されています。そんな一松について興味が湧いたという方は、ぜひアニメを見て実物をチェックしてみてください。