【おそ松さん】マフィア松は派生作品？公式との関係は？かっこいいという声も

マフィア松はアニメ『おそ松さん』から生まれました。そして『おそ松さん』は赤塚不二夫の原作である昭和のヒットギャグアニメ『おそ松くん』を元にして作られました。そこでマフィア松の紹介をする前に『おそ松さん』と『おそ松くん』について説明します。

『おそ松くん』はおそ松、から松、チョロ松、一松、十四松、トド松の6つ子を主役にした漫画であり、週刊少年サンデーで1962年から1969年まで連載され、1966年にはテレビアニメとなりました。6つ子の他にも、イヤミやデカパンなどの個性あふれるキャラクターが話題となり、赤塚不二夫の代表とする作品の一つです。『おそ松さん』は2015年に赤塚不二夫生誕80周年を記念して作られたアニメで、大人になった6つ子を描いています。家族や友人関係も変わらないままになっています。

アニメ『おそ松さん』は2015年10月からテレビ東京の深夜枠で放送され、人気となり、2017年に第2期、2020年には第3期が放送されました。『おそ松さん〜ヒピポ族と輝く果実〜』や『おそ松さん〜魂のたこ焼きパーティーと伝説のお泊り会〜』など映画化もされ、実写版の映画も2022年に上映されました。

松野家の6つ子は20歳を過ぎても定職につかず、努力、勤勉とは無縁の暮らしをしています。一時はそれぞれ家を出るも結局は実家に戻り、ケンカしながらも時には助け合うにぎやかな日々を送ります。『おそ松くん』に出ていたイヤミ、チビ太、デカパン、トト子たちも巻き込んだほぼ一話完結のパロディ満載の作品です。

マフィア松は元々ファンの妄想から生まれた派生作品です。『おそ松さん』には6つ子たちがアイドルや正義のヒーローなど、普段とは違う設定のキャラになるパロディが複数存在しており派生松と呼ばれています。公式のアニメで描かれたものもあれば、マフィア松のようにファンの二次創作から生まれたものもあります。ここからは、マフィア松が生まれたいきさつや公式との関係について解説します。

マフィア松は、「もし6つ子がマフィアの一員だったら」というファンの想像から生まれたパロディです。アニメ『おそ松さん』には、6つ子だちがギャングとして登場するエピソードが存在し、それを元にマフィア松が生み出されたとも言われています。ファンたちが思い思いに描いたマフィア松のイラストがTwitterにアップされたり、マフィア松を主人公にした小説などが投稿されたりしました。ニートでダメダメな長男おそ松が、ボスとして兄弟をリードするなど、普段と違ったかっこいいキャラが見られるのも魅力の一つです。

2016年スーツを着た6つ子がアニメディアの表紙を飾り、まるでマフィアのようだと話題になり、ついに公式からマフィア松が出たのかとと噂されました。しかしこの時はまだマフィア松として正式に発表されませんでした。その後AGF2016で公式のマフィア松のグッズが販売されました。

公式でのマフィア松の元になっているのが、2016年4月号別冊アニメディアDELUXE＋ Vol.1の表紙です。スーツをおしゃれに着こなしている6つ子たちがマフィア風でかっこいいと話題となりました。兄弟の定番カラー、赤、青、緑、紫、黄色、ピンクをシャツで色分けして、6つ子たちの個性あふれた表情が生き生きと描かれています。

マフィア松の公式デビューはAGF2016（アニメイトガールズフェスティバル2016）です。Twitterの予告では、「MatsunoFamily」として登場し、6つ子が一人ずつ増えていく心憎い演出がされました。スーツを少し気崩してイメージカラーのバラを持つ姿は、いつもの6つ子と違って、大人の色気が感じられ魅力的です。AGF2016では、クリアファイルやキーホルダーなどのマフィア松のグッズが販売されました。

マフィア松では、6つ子の中に指輪をしている兄弟がいることをご存知でしょうか？これは『おそ松さん』第4話で、母松代による扶養家族選抜面接が行われたことが元になっています。この面接に合格した兄弟は「扶養組」、不合格の兄弟は「保留組」（不合格組）に分けられました。合格した「扶養組」であるおそ松、一松、トド松が指輪を付けることになりました。

指輪をする位置は「扶養組」それぞれ違いがあり、付ける位置により意味が違います。右手人差し指に付けているおそ松は、「自立心がアップし集中力が高まる」という意味になりリーダーらしいです。兄弟と良好な関係である一松は、「人間関係を円滑にし、直観力を高める」左手中指にしています。トド松は「チャンスを引き寄せる」左手小指にしています。

マフィア松では、『おそ松さん』で見ることのないかっこいい6つ子を見ることができます。6つ子のそれぞれの個性を生かしながら、ギャップのあるワイルドで危険な香りを漂わせるマフィア松は、ファンを魅了しています。ここからは、マフィア松における6つ子のキャラ設定を一人ずつ紹介します。

6つ子の長男おそ松は、リーダーシップを取ろうとして兄弟にちょっかいを出し失敗してしまうことも多いです。しかしマフィア松でのおそ松は、イメージカラーの赤のシャツにサングラスを粋にかけて、おしゃれでかっこいいボスとして描かれています。そしてかわいい弟たちに何かあったらブチ切れてしまいそうなラスボス感を漂わせ、にらみを利かせます。

次男のカラ松は、サングラスとネックレスをしてもいつもはかっこよさが空回りしていますが、マフィア松では様になり、ナルシスト感が更に増し、非情さがにじみ出ています。リーダーのおそ松のプレーンとして働き、兄弟がピンチになると兄弟思いから馬鹿力を発揮します。

6人の中では一番真面目な三男のチョロ松は、マフィア松では他の兄弟たちのサポート役に徹することも多いです。しかしやはり目が恐いです。この目の危なさは他の兄弟の強さが後押しています。一松とコンビを組む年中松では、お互い口が悪く毒舌が止まりません。いつもの優柔不断さもマフィア松では無縁です。

四男の一松は元々根暗な性格で怒らせると怖いところがありましたが、マフィア松では拍車がかかり、兄弟の中でも一番危険な人物として描かれることが多くなっています。マイペースで一匹狼での一松は他が嫌がる暗殺や拷問も厭いません。鋭いナイフのような危険さがまた魅力的です。

笑顔が絶えない陽気な五男の十四松ですが、マフィア松では笑顔の裏で何を考えているのかわからない「明るい狂人」としての不気味さがあります。戦闘要員として描かれることが多く、運動神経の良さを生かして敵を倒すかっこいい姿を見せています。野球大好きという設定から、マフィア松ではバットが武器になっているケースも多く見られます。仲が良い一松と手を組むともう手が付けられません。

一番下の六男トド松は持ち前の人懐っこさを生かして、マフィア松では情報収集役として動きます。甘え上手で人の懐に入り込むのが上手いので、秘密を聞き出すのはお手のものです。またスマホやパソコンなどの情報機器を使う姿も様になっています。他の兄弟たちの縁の下の力持ちとして活躍します。スーツの着こなしも兄弟では一番おしゃれです。

前述の通り、『おそ松さん』にはマフィア松以外にも様々な派生松が存在します。その中でもサンリオ松と呼ばれる派生松は「かわいい」と人気を集めました。サンリオ松は、『おそ松さん』とサンリオがコラボしたことにより生まれた公式の派生松です。ニートな6つ子といやしのサンリオキャラクター、これら二つの異色のキャラクターが見事に融合し人気となりました。

サンリオ松は、2017年にサンリオとのコラボにより実現しました。6つ子がサンリオのキャラクターの格好をしたり、キャラクターとペアになったりしてグッズ販売やイベントなどで話題となりました。その年の1月には池袋に期間限定でコラボカフェがオープンし、ゴールデンウイークではサンリオピューロランドでイベントも行われました。

6つ子のちょっととぼけた顔は、サンリオのキティちゃんをはじめとしたキャラクターとも相性が良くマッチングも最高と好評でした。6つ子とサンリオ松キャラの組み合わせは以下の通りです。

サンリオ松はマフィア松とは打って変わってほのぼのとしたかわいさがあるイラストや漫画を描かれています。マフィア松よりは二次創作は少ないですが、着ぐるみを自分で創作した作品も見られます。かわいいグッズは小さい子から大人まで、女性を中心に人気となりました。

マフィア松では『おそ松さん』とは違った大人の色気を感じさせるイラストなどの二次創作が多く、その魅力に取りつかれたファンが多いです。マフィア松の妄想が止まらなくなるのは、それだけ秀逸な作品が多いことを表しています。

『おそ松さん』にはF6やジョシ松などたくさんの派生松が存在していますが、その中でも多くの支持を集めているのがマフィア松です。マフィアという設定が、生い立ちから敵対するマフィアとの対決までといろいろなシチュエーションを生み出し、作る方も見る方も飽きさせません。

見たり、読んだり、書いたりとマフィア松に青春時代を捧げたというファンもいます。SNSでは、マフィア松と密に過ごした日々を懐かしむ投稿も多く見られました。また一度は離れてもまたマフィア松に戻るファンもいます。

『おそ松さん』の派生であるマフィア松は、ニートやおバカであることを忘れさせてくれる大人の色気を感じさせるかっこよさがあります。その魅力はファンたちに二次創作やパロディを書く原動力となっています。『おそ松さん』の楽しさを広げてくれるのがマフィア松です。