【推しの子】結末までの流れを考察!これまでの伏線やタイトルについても
『【推しの子】』は芸能界を舞台としてアイドルの事件を探るサスペンス作品です。数々の伏線、犯人やタイトル、結末に関する謎に溢れ、様々な考察があります。本記事では、『【推しの子】』の結末までの流れ、これまでに判明している伏線やタイトルなどを考察していきます。
目次
【推しの子】とは?
【推しの子】の概要
『【推しの子】』は転生というファンタジー要素を軸に、とある伝説的なアイドルの死の真相や犯人を追うサスペンス・ミステリー作品です。さらに舞台となる芸能界の事情や人間関係などを克明に描いているところに特徴があります。
【推しの子】の原作の概要
『【推しの子】』は、赤坂アカさんと横槍メンゴさんが共作している漫画作品です。2020年から『週刊ヤングジャンプ』で連載され、『少年ジャンプ+』でも配信されています。主人公の産婦人科医の青年が殺害され、推しだったアイドルの子どもとして転生したものの、その後同じ犯人によって、彼の母親となったアイドルも殺害されます。主人公はその真相を探り復讐するべく芸能界に関わっていくことになるのでした。
【推しの子】のアニメの概要
『【推しの子】』は、2023年4月から6月までアニメ全11話が放送されました。プロローグからファーストステージ編まで(原作1巻~4巻)が描かれました。主題歌は、OPがYOASOBIの『アイドル』、EDが女王蜂の『メフィスト』です。この第1期放送終了後には、アニメ第2期制作が決定したことが発表されました。原作とアニメの重要な違いとして、伏線の宝庫として知られる原作1巻のインタビュー映像がアニメではカットされていたことが挙げられます。
【推しの子】結末までの流れやあらすじを考察
あらすじ①プロローグ
主人公の産婦人科医・雨宮吾郎は、かつて研修医の時に出会い12歳の若さで亡くなった少女・天童寺さりなの影響で、アイドルグループ「B小町」のセンター星野アイの大ファンになります。するとある日、アイが突然活動休止を発表し、吾郎の目の前に妊婦として現れたのです。アイドルを続け母親にもなる覚悟を示すアイを見て、吾郎は彼女の出産を助ける決意をします。しかし出産日、アイのストーカーに遭遇した吾郎は殺害されてしまい、次に吾郎が目を覚ますとアイの子に転生していたのでした。
あらすじ②幼少期編
吾郎が生まれ変わったアクアこと星野愛久愛海(あくあまりん)には双子の妹がいました。ルビーこと星野留美衣(るびい)です。彼女も同じく転生者でアイの大ファンでした(ルビーの正体はさりなですが、2人はお互いの前世を知りません)。アイとアクア、ルビーは平和な家族生活を送ります。ところがアクアたちが3歳のとき、かつて吾郎を殺害した犯人によってアイも殺害されてしまいます。その後犯人は自殺しましたが、アクアはこの事件の裏にまだ見ぬ父親がいることに気づき、復讐することを決意します。
あらすじ③芸能界編
アイが亡くなってから約10年、アクアとルビーは高校生になりました。アイドルに憧れ続けたルビーは、育ての親であるミヤコが経営し、かつてアイが所属していた苺プロ所属のアイドルになります。一方アクアは、幼少期に共演した元天才子役有馬かなと高校で再会し、ドラマ出演に誘われます。アクアは最初渋ったものの、誘われた作品のプロデューサー鏑木が父親候補という理由から出演を決めます。そして、ひどい現場とかなの強い想いを知ったアクアは、自分の演技で現場をぶち壊すことにするのでした。
あらすじ④恋愛リアリティーショー編
犯人ではないことが判明した鏑木からアイに関する情報を得る代わりに、アクアは恋愛リアリティショー『今ガチ』に出演することになります。出演者の一人・黒川あかねが大炎上するという事件が起こりますが、アクアら共演者たちの計らいで騒動は落ち着きます。あかねは番組に復帰後、出演者たちの提案を受けアクア好みの女性であるアイのようなキャラを演じることになり、徹底的な役作りと抜群の演技力によりアイを完璧にトレースしてみせました。アクアはその能力を利用すべく、彼女と交際することを選ぶのでした。
あらすじ⑤ファーストステージ編
アクアが有馬かな、『今ガチ』で共演したMEMちょを勧誘し、ルビーは新生B小町を結成します。しかし、アクアがあかねと交際したことにショックを受けたかなは不調になり、アクアとも距離を置くことになります。そんな中B小町はJIFという大舞台に出演するチャンスを得て、歌唱力が高いかながセンターに抜擢されます。JIF当日、プレッシャーに押し潰されそうになりながらもルビーの言葉に背中を押されたかなは、ステージ上でB小町3人を全力で応援するアクアの姿を目撃し、アクアの推しの子になる決意をするのでした。
あらすじ⑥2.5次元舞台編
アクアとかな、あかねは大人気漫画の舞台に出演します。この舞台を主催する劇団ララライの演出家金田一敏郎が、犯人の可能性があるのが理由です。稽古ではかなとあかねがぶつかり、裏では脚本家と原作者が衝突したりしたものの、アクアが暗躍し事なきを得ます。その一方で、アクアは異母兄弟の姫川大輝に出会い、父親がすでに亡くなっていることを知ります。また、あかねは稽古中のアクアの様子などこれまで得た情報から、アクアがアイの子であることに気づくのでした。
あらすじ⑦プライベート編
舞台も無事成功し、アクアとB小町のメンバーはPVの撮影も兼ねた休暇として、吾郎が亡くなりアイが出産した地を訪れます。そこで森に迷い込んだルビーは白骨化した遺体を発見し、持ち物からその正体が吾郎だとわかりショックを受けます。実は吾郎は、遺体がまだ発見されず失踪扱いとされていたのです。また、突如現れた謎の少女から、吾郎とアイを殺した犯人が同じであること、黒幕がまだ生きていることを教えられます。ルビーは強い憎しみの感情を抱き復讐を決意するのでした。
あらすじ⑧中堅編
復讐を決意したルビーは、苺プロ元社長の斉藤壱護の手も借りて活動の幅を広げ、芸能界に味方を増やしていきます。そんなルビーを不審に思ったアクアは壱護と接触し、彼もアイを殺した真犯人に復讐するために失踪していたこと、また真犯人が生きている可能性が高いことを聞きます。結果、再び復讐心に駆られたアクアは、代わりに手を汚そうとするあかねの動向から、神木プロの社長カミキヒカルが真犯人の可能性が高いと突き止めます。そしてこれ以上は巻き込まないよう、あかねに別れを告げるのでした。
あらすじ⑨スキャンダル編
アイドルに限界を感じていたかなは、映画監督の島政則からの誘いをチャンスと思い応じます。肉体関係を要求されたもののアクアへの想いを理由に拒絶したかなでしたが、マンションから出てくる姿を記者に撮られてしまいました。このスキャンダルに対しアクアは、より話題性のあるネタで火消しを目論み、自分がアイの隠し子という秘密を公表するのでした。しかしこの勝手な暴露にルビーは激怒しアクアと決別します。そしてアクアは父親を社会的に抹殺するために、アイの死の真相を描く映画を準備していくのでした。
あらすじ⑩映画編
アクアはアイの映画『15年の嘘』の制作を本格的に開始します。一方、主役のアイを演じることになったルビーは、母に捨てられ愛情を知らないというアイの役作りに苦戦する中、さりなの頃の母に再会し、自分が母から完全に見捨てられていたことを悟ります。すべてに絶望したルビーを見たアクアは、自分が吾郎であると明かしたうえでルビーに復讐を辞めて自分らしいアイドルになるよう説得し、ルビーは立ち直ることに成功しました。ただし謎の少女は、これをアクアの「失敗」と語っています。
【推しの子】伏線やタイトルを考察
考察①1巻のインタビューに関する伏線
『【推しの子】』第1巻に描かれた各キャラのインタビューには、後の展開や結末を匂わせる様々な伏線が張られています。この時点で映画『15年の嘘』の存在も示唆され、これは後に復讐のためにアイの死の真相を描く映画だと明かされました。まだ回収されていない伏線もあります。例えばあかねがインタビューに登場しないこと、かなのインタビューでの発言からあかねが死亡する結末も予想されています。他のキャラも考察対象となっており、インタビュー時点でアクアの目の星が白くなっていることなども注目されています。
考察②アクアとルビーの父親・犯人に関する伏線
父親=真犯人が結末だとして、その正体の最有力候補はカミキヒカルです。例えば72話に登場した父親らしき男性はカミキに似ています。そして父親に関する伏線は、業界関係者ということ、アイとは劇団ララライのワークショップで出会ったこと、アイが16歳の頃に中学生くらいの見た目をしていたことなどですが、カミキはほぼ当てはまります。彼は劇団ララライのOBであり、アイ妊娠時は15歳でした。加えて、アイを彷彿とさせる芝居、アクアに似た見た目、目に星の模様、女優の片寄ゆらを殺害したことが判明しています。
考察③目の星に関する伏線
『【推しの子】』の象徴とも言える目の星は、高いカリスマ性、復讐心などの強い感情、この2つを表していると考察されています。前者はアイやあかねが例です。後者はアクアとルビーの星の数と色が変化したことが理由です。アクアもルビーも、真犯人への復讐を誓った時に両目に黒い星が現れたからです。ただしカミキヒカルも両目に黒い星があり、そこから黒い星は転生者の証という考察もあります。
考察④映画「15年の嘘」に関する伏線
『15年の嘘』という映画は結末に大きく関わり、インタビューも含めて多くの謎が残っています。まずタイトルの「15年」は、アクアたちが15歳になったら見せるよう残したアイのDVDや、犯人と目されるカミキの犯行時の年齢が関わっていると推測できます。そしてこの映画製作は復讐が理由と判明していますが、アイのDVDを利用する理由が謎のままであり、ここにはアイの本当の願いが関わっていると推測できます。また、アクアの復讐が、アイ役を演じるルビーの演技に左右されるという伏線にも注目です。
考察⑤謎の少女に関する伏線
75話でルビーの前に現れた謎の少女は、『【推しの子】』という作品の中でも特異な位置にいます。アクアとルビーが転生していること、さらにアイと吾郎を殺害した犯人の存在も知っているからです。なぜこの少女がそれらを知っているのか、そしてこの事実をルビーに伝えた理由は何なのか、考察されています。少なくともこの少女は転生という現象と同様に何らかの超常的な存在だと推測されます。事実、この少女が登場した宮崎県高千穂町は、神話と深い関係のある地として有名です。
考察⑥カラスが登場するシーン
『【推しの子】』では、カラスが登場するシーンがアクアたちの復讐に関わっていると考察されています。まず、謎の少女はカラスと共に現れますが、この場合はほぼ間違いなく復讐が関係しています。その他にも、例えばルビーがカミキヒカルとすれ違ったシーンや、アクアとルビーが復讐を決意した場面などには、カラスが直接・間接に描かれています。
考察⑦アクアがアイの秘密を明かした本当の理由
かなのスキャンダルが問題になったとき、アクアはアイの秘密を利用してもみ消しました。これはかなを助けることが表面上の理由でしたが、あかねやアクアの発言からそれ以外にも理由があると示唆されていました。その後、この暴露の理由が、第一に父親への復讐、第二にルビーの居場所を守ることと判明しています。ただしその全容はまだ明かされていません。アクアがルビーにアイのDVDの存在を伝えていないことに驚いた五反田の反応から、そのDVDがアイの秘密を明かした最大の理由だったと推測できます。
考察⑧【推しの子】のタイトルの意味
『【推しの子】』というタイトルにも伏線が張られており考察の対象となっています。特にタイトルの【】が正式には二重になっていることが重要です。このタイトルの意味について作者の赤坂アカさんは、吾郎とさりなの推しの子がアイであること、その2人が推しであるアイの子になったことという2つの意味を挙げています。しかしそのインタビューで、【】は作中の演出で使う予定との発言があるため、他にも隠された意味があると考察されています。現状は【役者】など、特定の立場に付けられていることが判明しています。
【推しの子】主な登場人物
登場人物①アクア
アクア、本名星野愛久愛海は『【推しの子】』の主人公です。かつて雨宮吾郎という産婦人科医でしたが殺害され、星野アイの子に転生します。特徴は右目の星の模様です。アイの遺言もあり役者に対して秘めた想いがあるものの演技力は平凡、ただし洞察力に優れ、演出家の狙いを読み取り、それに応じて演技することに長けています。復讐を決意してからは感情を表に出さない冷めた性格になったものの、ルビーがアイと同じ目に遭わないように暗躍するなど妹への愛情は強く、周りからはシスコンと呼ばれています。
登場人物②星野ルビー
星野ルビー、本名星野留美衣は、星野アイの娘でありアクアの双子の妹、そして新生B小町のメンバーです。かつて12歳で亡くなった天童寺さりなが転生した姿です。前世からアイの大ファンで、その影響で吾郎もアイのファンになりました。ルビーはアクアと逆に左目に星形の模様があります。演技力とダンスの腕前は高いものの、歌唱力は低いです。ときおりアイを彷彿とさせる存在感を発揮しますが、アイが嘘を肯定的に捉えていたのに対し、ルビーは嘘を嫌い、ありのままでいることを望むという違いもあります。
登場人物③星野アイ
星野アイは、アイドルグループB小町の絶対的センターとして人気絶頂の中亡くなった伝説のアイドルです。後にアクアとルビーの母親になりましたが、ストーカーに殺害されました。アイドルとしては、抜群のルックスとカリスマ性、圧倒的な存在感で人を惹きつけ、天真爛漫な言動で人気を博していました。母親に捨てられた過去から愛情を理解できなかったものの、嘘でも愛を表現していればいつか本当になるかもしれないという願いを死の寸前まで抱き続け、最期にアクアとルビーへの愛を確信しながら亡くなりました。
登場人物④斉藤壱護
斉藤壱護は、新旧B小町つまりアイやルビーたちが所属する芸能事務所苺プロの元社長です。アイをスカウトし、アイドルとしての心構えを説いた張本人であり、アイが妊娠したときには彼女に付き添って吾郎の産婦人科を訪れていました。アイが殺害された直後に失踪しましたが、それは真犯人に復讐する機会を待つためでした。
登場人物⑤斉藤ミヤコ
斉藤ミヤコは、斉藤壱護の妻であり、壱護が失踪した後は苺プロの社長を務めている人物です。アイが出産した直後はベビーシッターのようにアクアとルビーの面倒を見ており、そのことに不満を抱いていたものの、次第に2人に愛情を抱くようになります。アイの死後、アクアとルビーを家族として受け入れ、本物の母親として育てることにしました。
登場人物⑥有馬かな
有馬かなは、かつては天才子役として人気を博した人物で、現在は役者として活動を続けながら新生B小町のセンターとしてアイドルもしています。子役として一世を風靡しながら、その後落ちぶれていった経験から極端に自己評価が低く、芸能界に対する認識も現実的で冷めています。努力家で責任感が強いものの、脆い姿も散見されます。子役時代から縁があるアクアに恋心を抱いており、そのため女優としても恋敵としても黒川あかねをライバル視しています。
登場人物⑦黒川あかね
黒川あかねは、劇団ララライに所属し舞台中心に活動している天才女優で、努力家で生真面目な性格です。抜群の演技力を持ちながら、演技以外の芸能活動は苦手としています。その演技力は、徹底的なプロファイリングによる役作りと、それを演じ切るセンスに基づいています。アクアとはお互いにビジネスとして交際することを了承し合っていたものの、あかねはアクアのパートナーとなることを望んでもいます。しかしアクアの復讐を巡り袂を分かつことになりました。かなを尊敬の念を抱きつつライバル視しています。
登場人物⑧MEMちょ
MEMちょは、人気ユーチューバー兼インフルエンサーであり、新生B小町のメンバーです。セルフプロデュースとマーケティングに長け、現在の人気を獲得しています。年齢は18歳と公表していますが、実は25歳という秘密を抱えています。昔からアイドルに憧れていたものの、家族のために働いているうちに年齢を重ね、諦めていたところにアクアから勧誘されアイドルになりました。ルビーと同じくアイドルに対する熱意は強いものの、歌唱力は低いです。
登場人物⑨ぴえヨン
ぴえヨンは、苺プロに所属する覆面をした筋トレ系ユーチューバーです。ひよこの覆面とパンツ一丁という見た目で活動しています。ルビーとかなは知名度を高めるためにぴえヨンとコラボしており、その動画で1時間耐久の筋トレをしのいだ2人のことをぴえヨンは気に入っています。
登場人物⑩鳴嶋メルト
鳴島メルト(なるしまめると)は、モデル兼俳優の男子高校生です。かなが主役を演じ、後にアクアが参加したドラマ『今日は甘口で』ではヒロインの相手役を務めていました。その頃は役者としての実力が皆無でしたが、その後稽古を重ねたことで、再びかなやアクアと共演した舞台『東京ブレイド』では、それなりの演技力を身に着けていました。
【推しの子】に対する世間での評判や人気
『【推しの子】』にあふれた考察要素に魅了されるファンが多いようです。実際Twitterでは多くの人が自分なりの考察を披露するのが見られます。
『【推しの子】』というタイトルについて、作者の赤坂さんが話した2つの意味に気づいてまず驚くファンが多いようでした。特にアニメでは1話でその意味を理解できるためなおさらです。そのうえで、このタイトルに込められた他の意味の考察に踏み出すファンも多くいます。
『【推しの子】』は1巻から多くの重要な伏線を張っていたことで考察が盛り上がっていますが、同時に結末の予想も盛んです。実際、作者は本作の伏線や構成は変わっていないとインタビューで語っており、連載で変化しているのはキャラの関係性だと述べています。またファンの間では、『【推しの子】』の結末を考察する際に、犯人への復讐の行方だけでなく、アクアが誰とくっつくのか予想するのに盛り上がっているようです。
【推しの子】伏線や謎など考察要素が多かった
『【推しの子】』はサスペンス・ミステリーの要素が強い作品です。アイと吾郎を殺害した黒幕の犯人の正体とその理由、アクアとルビーの父親の正体、謎の少女、目の星の意味、タイトルと【】の意味など、多くの謎が残っています。そしてこれらの謎が結末までに解き明かされる手がかりとして、様々な伏線が随所に張られており、そのためファンは様々な考察を行っています。『【推しの子】』は、このように謎と伏線がちりばめられ、いかなる結末を迎えるのか期待される、考察要素豊富な作品です。
この記事のライター
Otokita Toma
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