【はじめの一歩】木村達也の実力まとめ！間柴戦が死刑執行と言われる理由は？

長寿ボクシング漫画として大人気の『はじめの一歩』には、主人公一歩を含め個性的なキャラが多数登場します。一歩と同門のボクサー・木村達也もその1人ですが、彼の実力や強さ、間柴戦の詳細などが知りたいという方も多いでしょう。それについて解説する前に、まずは木村というキャラと『はじめの一歩』という作品の基礎情報について紹介しておきます。

『はじめの一歩』に登場する木村達也は、主人公一歩と同じ鴨川ジムに所属するプロボクサーです。階級はジュニアライト級で身長は171㎝、生年月日は1971年10月10日になります。タイプとしてはボクサータイプで、受賞歴はありません。ペットとしてアロワナを飼っています。かつては不良の問題児でしたが、ジムへの入門を機にそうしたことからは卒業を果たしました。

『はじめの一歩』の登場人物である木村達也は、同作の他のキャラと同様に独特の魅力を備えています。元不良という経歴からは意外に見えるものもありますが、ここではそうした彼の魅力について細かく見ていきましょう。

「死刑執行」で有名な『はじめの一歩』の木村達也は、プロボクサーとしての顔を持つ一方で、花屋を副業とする人物でもあります。これは、彼の実家が花屋を営んでいることによります。店名は「木村園芸」で、木村は両親と3人でこの店を切り盛りしています。ちゃんと跡を継ぐ気はあるらしく、こうした地に足のついたところが彼の大きな魅力となっています。

『はじめの一歩』の木村達也の魅力ポイントの2つ目は、「青木との関係」です。木村と青木は幼馴染で昔からよくつるんでおり、鴨川ジムへもそろって入門しました。それだけに非常に仲が良く、作中でも2人の息の合った掛け合いを多く見ることができます。ちなみに木村は本来ライト級だったところを、青木との対戦を避けるために一階級落としたという経緯があります。

木村達也の魅力について紹介したところで、『はじめの一歩』という作品についての説明に移りましょう。本作は「週刊少年マガジン」で1989年から連載されているボクシング漫画で、原作と作画は森川ジョージが手がけています。単行本は2023年7月現在で138巻が刊行されており、累計発行部数は最新刊をもって1億部を突破しました。アニメ化もされており、これまでテレビシリーズに加えテレビスペシャルやOVAも制作されています。

魅力的なキャラの木村が登場する『はじめの一歩』は、幕之内一歩という名の少年を主人公とする物語です。高校生の一歩は、気弱な性格や母子家庭という境遇により、周囲からは軽くみられがちな毎日を送っていました。ある日彼は、不良に絡まれていたところをプロボクサーの鷹村に助けられたことで、ボクシングの道を志すようになります。そして鷹村と同じ鴨川ジムに入門した一歩は、持ち前の能力と努力でボクサーとしての階段を駆け上がっていく…というストーリーになっています。

上では主に『はじめの一歩』の木村達也の魅力について見ましたが、続いては彼の強さの面にスポットを当ててみましょう。作中で描かれた木村の実力と、ダイナミックな響きの必殺技について詳しく紹介します。

『はじめの一歩』で魅力と存在感を放つキャラ・木村達也は、プロボクサーとしても確かな強さと実力を持っています。彼のファイトスタイルは前述のようにアウトボクシングで、すべての要素をバランスよく兼ね備えており、冷静な判断力や洞察力にも優れます。逆に言えば突出した特徴はないのですが、総じてハイレベルでまとまった選手ということができます。

上記のように優れた強さや実力を持つ『はじめの一歩』の木村達也ですが、今一つ特徴に欠け、伸び悩みがみられる傾向もありました。しかし、彼は作中である必殺技を身に付けることとなります。その必殺技2つを、以下で紹介しましょう。

確かな強さと実力を持つ木村達也が『はじめの一歩』の中で身に付けた必殺技の1つが、「ドラゴンフィッシュ・ブロー」と呼ばれるものです。これは飼っているアロワナの捕食場面を見た木村が思いついたブローで、まず相手にボディーを意識させてから、直後に弧を描くようにして右のオーバーハンドブローを死角から打ち込むという技になります。身長の高い相手に有効で、木村はこれを間柴戦の切り札として考案しました。

『はじめの一歩』における木村達也の強さや実力について紹介していますが、続いての彼の必殺技は、「左ボディーの連打」です。これは、上の「ドラゴンフィッシュ・ブロー」とコンビネーションで用いる技になります。「ドラゴン～」は大振りゆえに単発で当てるのは困難ですが、その前に左のボディーブローを連打しておくことで相手の意識をそらし、フィニッシュへ持ち込みやすくなります。一歩も木村のボディブローについては太鼓判を押しています。

上記のように強さや実力において優秀な『はじめの一歩』の木村達也ですが、本作における彼の代名詞ともいえる試合が、「死刑執行」の名で呼ばれる間柴了との一戦です。ここでは木村対間柴の試合結果や「死刑執行」の呼び名が付いた理由、試合後の木村の顛末について解説します。

木村達也はプロになって4年目の22歳の時、日本ジュニア級チャンピオンの座を賭けたタイトルマッチのチャンスをつかみます。相手は一歩のプロ同期である、東邦ジム所属の間柴了でした。木村は圧倒的な実力を誇る間柴への対抗策として、前述の必殺技を考え出します。作戦が功を奏し、真柴を追い詰める木村でしたが、善戦むなしくあと一歩のところで勝利を逃す結果となりました。

『はじめの一歩』の全試合の中でも屈指の人気を誇る木村対間柴戦は、OVAとして制作されています。そのタイトルは「死刑執行」ですが、一体なぜこの言葉なのでしょうか。その理由は、作中で本戦用の宣伝ポスターに付けられたキャッチコピーにあります。巨大な間柴に向かい小さな木村が階段を上っていく構図に、大きな文字で「死刑執行」と書かれていたのです。当初それほど2人の実力差は大きいと見られていたのでした。

圧倒的強さを誇る間柴との、「死刑執行」とまで呼ばれた試合で互角の死闘を演じた木村達也でしたが、前述のように惜しくも敗れてしまいました。日本チャンピオンを目標にボクサーを続けてきた木村は、貴重なチャンスを逃したことで引退を決意します。しかし、引退表明後に試合を振り返った木村は、勝敗の差がわずか数センチだったことに激しい悔いを感じるようになります。その結果、リングネームを「木村タツヤ」に改めリングに復帰することを決めたのでした。

上では「死刑執行」と呼ばれた間柴との戦いについて解説しましたが、そのOVAを始めアニメ版『はじめの一歩』で木村達也を演じている声優は誰なのでしょうか。ここでは『はじめの一歩』において木村役として人気を博した声優の情報をお伝えします。

OVA「死刑執行」を始めとして、アニメ版『はじめの一歩』で木村達也を演じたのは、声優・俳優の藤原啓治（ふじわらけいじ）です。アニメ作品のほか、吹き替えやナレーション、ゲーム作品などの分野で活躍しました。親近感のあるとぼけたキャラから、クールで冷徹なキャラまで幅広く演じられる実力の持ち主として有名です。

アニメ版『はじめの一歩』で木村達也を演じた藤原啓治は、1964年10月5日に東京都で生まれました。その後岩手県北上市に移り、同地で育っています。高校卒業後に演劇の道に入り、舞台などの仕事を経験した後、声優業を開始しました。その後順調にキャリアを重ねますが、2016年に病気療養による休業を発表します。約1年後に復帰を果たすも、2020年4月12日、癌のために惜しまれつつこの世を去りました。享年は55歳となっています。

藤原啓治の『はじめの一歩』以外の主な出演作品は、『クレヨンしんちゃん』（野原ひろし）、『鋼の錬金術師』（マース・ヒューズ）、『HUNTERｘHUNTER』（レオリオ）、『機動戦士ガンダム00』（アリー・アル・サーシェス）、『アイアンマン』（トニー・スターク）など多数となっています。

ここまで『はじめの一歩』の木村達也について、魅力や実力・強さ、間柴戦の結果などをお伝えしてきました。ところでその木村は、世間からはどのような目で見られているのでしょうか。ここではXに投稿された意見を基に、木村達也というキャラの人気や評価について探ってみました。

最初に紹介するのは、「木村達也が好き」というストレートな意見です。木村は『はじめの一歩』においては、脇役とはいえ物語に欠かせないキャラクターです。そんな彼に思い入れるファンは多いもようで、上の意見からもそうした気持ちが伝わってきます。

こちらは間柴戦の木村達也がかっこいいと評価する意見になります。死力を尽くして強敵を追い詰めた木村の姿に対しては、この方のように「泣ける」と賛辞を送る声が多く聞かれました。前述のように、本戦は『はじめの一歩』において指折りの人気を持つ試合となっています。

最後は木村達也の声を担当していた藤原啓治への追悼意見です。藤原氏は多くの代表作を持つ一流声優で、数々のキャラで忘れがたい演技を見せました。もちろん木村達也もその1人で、現在でも大勢のファンが喪失感を抱えています。

『はじめの一歩』の木村達也について紹介しました。このように、木村達也は一歩の良き先輩で実力も十分なプロボクサーです。しかし圧倒的強さを誇った間柴との一戦は、「死刑執行」のコピーを付けられることとなりました。試合ではその前評判をはねのける死闘を演じるも、紙一重の差で敗れています。その後木村は引退を撤回し、戦い続ける道を選びました。そんな彼の今後の活躍についても、引き続き注目していきたいところです。