【ゴールデンカムイ】元ネタを徹底考察!モデルとなった人物も紹介
大人気漫画ゴールデンカムイにはアイヌ文化を始め様々な元ネタやモデルが取り入れられており、時折描かれるパロディやオマージュ描写が面白いと話題になりました。本記事ではゴールデンカムイの元ネタやパロディネタについてまとめ、モデルになった人物なども紹介していきます。
目次
【ゴールデンカムイ】とは?
ゴールデンカムイはコミックス累計2300万部以上の発行部数を記録しており、アニメ化でもファンが急増し面白い作品として多大な注目を集めました。ここではゴールデンカムイの作品概要とあらすじ、作者について大まかに紹介していきます。
ゴールデンカムイの作者
ゴールデンカムイを手掛けた作者は野田サトル先生です。野田先生は北海道北広島市出身で左利きの漫画家として知られています。2003年に制作した読み切り漫画でデビューを果たすと、2006年の読み切り漫画『ゴーリーは前しか向かない』がちばやてつや賞のヤング部門を受賞しました。その後週刊ヤングジャンプにて連載漫画を制作するようになり、2014年より『ゴールデンカムイ』の連載を開始しました。
ゴールデンカムイの概要
ゴールデンカムイは野田サトルによって週刊ヤングジャンプに連載されていた漫画作品です。北海道の樺太で登場キャラクターたちが金塊を奪い合うサバイバルバトルが描かれており、個性的すぎるキャラクターと敵、味方が変化する戦闘描写などが評判になりました。2022年9月時点でコミックス累計2300万部を発行しており同年4月には実写映画化が決定されました。
ゴールデンカムイのあらすじ
日露戦争から帰還した杉元佐一は幼馴染の治療費を稼ぐために北海道で砂金を採る生活を送っていました。ある日、アイヌが遺した金塊の噂を耳にした杉元はその在り処を知る脱獄囚を捜索し、その途中でヒグマに襲われるとアイヌの少女・アシリパによって救われます。杉元はアシリパと共通の目的を持っていたことから協力することを決め、他に金塊を狙う組織と熾烈な争奪戦を繰り広げていきます。
【ゴールデンカムイ】登場人物の元ネタやモデル一覧
ここからはゴールデンカムイの登場人物の元ネタやモデルについて一覧にしてまとめていきます。ゴールデンカムイに登場する主要キャラたちはそれぞれ実在する人物がモデルになっていると考えられており、モデルの人物と登場キャラの人柄や生き様に様々な共通点があります。
キャラの元ネタ①杉元佐一
杉元佐一のモデルは舩坂弘軍曹と考えられています。杉元が『不死身の杉元』と呼ばれていたならば、舩坂弘軍曹は『不死身の分隊長』と呼ばれ様々な死線を生き延びた逸話を残しています。アンガウル島での戦いで部隊が玉砕した時、舩坂の実家に戦士公報が舞い込んだものの、その1年後に本人は帰還してみせ人々から幽霊と呼ばれていたそうです。
キャラの元ネタ②白石由竹
白石由竹のモデルは白鳥由栄と考えられています。白石は脱獄王という異名を持った囚人ですが、白鳥由栄も昭和の脱獄王と呼ばれ実際に4度の脱獄に成功し網走刑務所から脱出したこともあります。白石が見せた関節を外すということもできる人物だったそうです。
キャラの元ネタ③牛山辰馬
牛山辰馬のモデルは牛島辰熊と考えられています。牛島辰熊は柔道界で有名な人物であり史上最強の柔道家・木村政彦の師匠としても知られています。名前や見た目が牛山と酷似しており、過去に東条英機の暗殺に加わったこともあります。
キャラの元ネタ④二瓶鉄造
二瓶鉄造のモデルは山本兵吉と考えられています。山本兵吉は生涯で300頭のヒグマを狩猟した伝説の熊猟師で、200頭狩っていた二瓶と似たような経歴を持っています。また、お互いに妻と絶縁されて孤独な生活を送っていたという共通点もあります。
キャラの元ネタ⑤江渡貝
江渡貝のモデルはエド・ゲインと考えられています。江渡はゴールデンカムイの中でも変態的な皮職人として知られていますが、エド・ゲインも9体の遺体を墓から掘り起こし皮膚や骨を使って記念品を作り出した狂気的な変人で、アメリカでは死体泥棒として知られています。
キャラの元ネタ⑥エディー・ダン
エディー・ダンのモデルはエドウィン・ダンと考えられています。エドウィン・ダンはかつて北海道開拓のお雇外国人として来日したアメリカ人でしたが、駐日米国公使を務め日本人の女性と結婚し生涯日本で暮らしていました。彼によって北海道のチーズが発展したと言われています。
キャラの元ネタ⑦鈴川聖弘
鈴川聖弘のモデルはクヒオ大佐と考えられています。クヒオ大佐はアメリカ軍パイロットを名乗っていた人物でしたが、その正体は生粋の詐欺師であり得意の嘘で日本の女性を手玉にしていたと言われています。なお、身長は日本人とあまり変わらず英語もできません。
キャラの元ネタ⑧熊岸長庵
熊岸長庵のモデルは熊坂長庵と考えられています。熊岸は人の作品を自分のものだと語る贋作師として知られていますが、熊岸長庵は藤田久美贋札事件の犯人として知られ共通の犯行を行っています。なお、熊坂長庵は日本画家で医者や教師の経験がありかなりインテリな人物だったそうです。
キャラの元ネタ⑨鶴見中尉
鶴見中尉のモデルは須見新一郎と考えられています。須見新一郎は昭和の大日本帝国陸軍に在籍していた軍人でノモンハンの戦いで大きな功績を残しています。陸軍として優秀な人物だったそうで最終的には陸軍大佐まで昇りつめています。
キャラの元ネタ⑩永倉新八
永倉新八は史実に残されている永倉新八をモデルにしていると考えられています。永倉新八は実際の新選組に所属し2番隊隊長を務めていた人物で、かの池田屋事件や戊辰戦争に参加した実績を残しています。晩年の永倉新八は小樽に移り住みひっそりと老後を過ごしていたそうです。
キャラの元ネタ⑪土方歳三
土方歳三は史実に残されている土方歳三をモデルにしていると考えられています。新撰組の鬼の副長として有名な土方歳三は五稜郭の戦いにて戦死したと言われているものの、現在になっても遺体が見つかっていない謎多き人物です。この逸話がゴールデンカムイの土方と全く同じでありモデルにされた可能性が濃厚です。
キャラの元ネタ⑫尾形
尾形のモデルはカルロス・ハスコックと考えられています。山猫の異名を持っている尾形ですが、海外のスナイパー映画として『山猫は眠らない』が放映されたことがあり、その狙撃兵のモデルにされたのがカルロス・ハスコックです。カルロス・ハスコックはベトナム戦争で多大な功績を残しました。
キャラの元ネタ⑬家永カノ
家永カノのモデルはH.H.ホームズと考えられています。H.H.ホームズはホテル経営をする人物として知られていますが、そのホテルにはゴールデンカムイ同様悪質なトラップが仕掛けられていたそうです。アメリカのシリアルキラーとしても名高く少なくとも200人以上の人が犠牲になったとされています。
【ゴールデンカムイ】パロディやオマージュ一覧
ここからはゴールデンカムイに描かれたパロディやオマージュを一覧にしてまとめていきます。ゴールデンカムイはパロディやオマージュが多いことで有名で、世界的に知られている有名映画や日本の代表的な漫画作品など利用されている元ネタは様々なものがあります。
パロディやオマージュ①映画「レオン」
105話にて鶴見中尉が両手を突き出してのれんを左右に割る登場シーンは海外映画『レオン』のオマージュとなっています。レオンのゲイリー・オールドマンもカーテンを左右にどけるようにして登場するシーンがありました。
パロディやオマージュ②映画「ミスト」
228話のシマエナガにてアシリパとはぐれてしまった杉元が道中で出会ったシマエナガと共に試行錯誤しながら生き抜いていきますが、中々霧が晴れず時間が戻せたらという話を始めます。この流れは2007年の映画『ミスト』のストーリーをそのまま再現しており最後のオチはゴールデンカムイ風にアレンジされています。
パロディやオマージュ③映画「プリズン・ブレイク」
金塊の在り処を示す刺青人皮は海外映画『プリズンブレイク』をオマージュしています。プリズンブレイクの主人公・マイケルは全身を埋め尽くすほどの刺青が掘られており、一見すれば宗教画のような刺青ですがよくよく見れば刑務所から脱出するためのルートやシステムの暗号などが隠されています。
パロディやオマージュ④映画「コマンド―」
111話の忘れ形見にて姉畑がヒグマの糞を見つけるとそれを体中に塗りたくり、メスの糞の臭いでオスの警戒心を和らげようとしました。体に糞を塗って銃を担ぎ「いざ行かん」と覚悟を決める姿は海外映画『コマンドー』のパロディと考えられます。
パロディやオマージュ⑤映画「ショーシャンクの空に」
85話にて白石が網走監獄から脱獄を果たすと、大雨の空に両手を広げとても清々しい表情を浮かべました。この素振りは海外映画『ショーシャンクの空に』の名場面と酷似しており、両手を広げるまでの描写やアングルもそっくり再現しています。
パロディやオマージュ⑥映画「犬神家の一族」
97話にて杉元は旭川第七師団に潜入するためマスクをかぶって変装しましたが、その姿は日本映画『犬神家の一族』に登場するスケキヨと酷似しています。また、71話の扉絵に描かれた鶴見中尉のポーズも同作品のパロディと言われています。
パロディやオマージュ⑦映画「羊たちの沈黙」
72話の江渡貝のファッションショーと138話の家永が脳みそを食べる様子は1991年放映の海外映画『羊たちの沈黙』をオマージュしています。家永が「ズズズズッ」と音を立ててすすっている音はレクター教授が元ネタであり、死体から衣装を作ったファッションショーは皮剥ぎ殺人鬼のバッファロー・ビルを思わせます。
パロディやオマージュ⑧映画「魔女の宅急便」
199話にて鶴見中尉が鯉登を助けに向かう際、鶴見中尉は三輪車の後方に乗りながら地面スレスレまで体を傾けて急カーブを曲がっていましたが、この描写は日本映画『魔女の宅急便』をモチーフにしています。
パロディやオマージュ⑨絵画「天使の歌」
107話にて鶴見中尉や第七師団のメンバーが赤ちゃんを抱くシーンが描かれており、それはフランスの画家・ブグローが描いた『天使の歌』を模しています。天使の歌はマリアの腕に眠る幼児のキリストに天使たちがバイオリンやリュートで音楽を聴かせている神秘的な絵画です。
パロディやオマージュ⑩絵画「最後の晩餐」
81話の見開きページにて杉元と土方一派が食卓を囲むとその風景は世界的に有名な絵画『最後の晩餐』とそっくりに描かれました。元ネタの絵画と同じ立ち位置や仕草を描いているだけでなく、その人物の生い立ちや正体に近しい人物を置いているところもポイントです。
パロディやオマージュ⑪漫画「少女椿」
53話で家永がアシリパの瞳を舐めたシーンと、156話の扉絵に描かれたヤマダ一座は日本の漫画『少女椿』が元ネタになっています。少女椿はエログロ系作品として有名であり過去にはアニメ映画化、実写映画化が公開されたこともあります。
パロディやオマージュ⑫漫画「ドラえもん 無人島へ家出」
228話の杉元とシマエナガによる遭難エピソードは漫画『ドラえもん 無人島へ家出』をモチーフにしています。呆然と自然を眺めながら時間だけが過ぎていく描写はセリフも含めて元ネタを完全再現しています。
パロディやオマージュ⑬漫画「ジョジョの奇妙な冒険」
52話の扉絵に描かれた家永と牛山のキスは漫画『ジョジョの奇妙な冒険1部』をオマージュしています。また、145話にて杉元が「俺俺俺俺……」と連呼しているシーンは『ジョジョの奇妙な冒険3部~6部』に描かれているオラオララッシュを再現しています。
パロディやオマージュ⑭ザ・ドリフターズ
54話の爆発シーンや55話の扉絵は『ザ・ドリフターズ』のバラエティ番組『ドリフ大爆笑』のオープニングをパロディ化しており、それ以外にも札幌世界ホテル編では『8時だョ!全員集合』のコントをモチーフにした描写が多く描かれています。よく見ればホテル内の構造やキャラの立ち回りなどがコントと同じように描かれています。
【ゴールデンカムイ】その他の元ネタ一覧
ここからはゴールデンカムイにおけるその他の元ネタを一覧にしてまとめていきます。これまでは人物や描写、扉絵の元ネタについてまとめてきましたが、ここでは組織や金塊、マタギの元ネタについて詳しく解説していきます。
第七師団の元ネタ
鶴見中尉率いる第七師団は旧帝国陸軍に実在した組織であり、ゴールデンカムイでもそれを元ネタにしていると考えられます。第七師団は北海道の守りを預かっていた部隊であり、日露戦争で激戦地になった時に203高地の争奪戦で大きな活躍を残したことから最強の部隊とも称されています。
アイヌの金塊の元ネタ
本編中にて金塊の噂を耳にしていた杉元でしたが、本来北海道にはアイヌの埋蔵金伝説が囁かれており明治時代には実際にゴールドラッシュが盛んに行われていました。当時の北海道では砂金が掘れる川が幾つもあったそうで、現在でも少量ながら採れるところが残っているそうです。
谷垣の出身マタギは実在する?
マタギの谷垣と称され読者に知られていったマタギですが、彼の出身地である秋田県阿仁は実際にマタギの里として有名な土地です。現代でも熊が普遍的に現れる危険な地で、それを狩猟して生業にしているマタギも実在しています。
【ゴールデンカムイ】元ネタに対する世間での評判や人気
これまでゴールデンカムイの元ネタやモデルとなった人物についてまとめてきましたが、実際にパロディネタに気付いた読者からは様々な反応が寄せられています。ここではゴールデンカムイの元ネタに対する世間での評判や人気について、実際に寄せられているコメントを参照しながらまとめていきます。
多くの読者はゴールデンカムイに描かれている元ネタが多すぎると感じているそうで、その多さに感心する声や作品の面白さに繋がっていると語られていました。一部の読者はすべてを拾いきれなかったことに悔しさを抱いていました。
元ネタ作品を気に入っている人から見たゴールデンカムイのパロディ描写は好印象のようでした。ゴールデンカムイの元ネタは洋画や絵画、歴史上の人物など多岐に渡っていましたが、その種類の豊富さと丁寧な描写が面白いと語られていました。
ジョジョの奇妙な冒険が好きな人はゴールデンカムイの描写と混合してしまい時に混乱を起こしてしまうそうです。それだけゴールデンカムイに描かれている描写が原作を忠実に再現していると言えるでしょう。
【ゴールデンカムイ】元ネタは色々あった
ゴールデンカムイには多くの元ネタやモデルが存在しており、それが作品の魅力として読者にも受け入れられていました。北海道や歴史について詳しい人や多くの映画や漫画を嗜んでいた人にとって、元ネタに気付いた瞬間は面白いと感じてしまうことでしょう。本記事でまとめた内容を元にゴールデンカムイを読み返してみれば違った面白さを味わえるはずです。
この記事のライター
zeile
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