【ゴールデンカムイ】尾形百之助の目的は金塊ではない?裏切りの理由も解説
「ゴールデンカムイ」には様々な目的から金塊を狙うキャラクター達が登場しますが、狙撃手である尾形百之助も独自の目的から、金塊争奪戦へと参戦する一人です。尾形百之助のプロフィールや概要、金塊を狙う目的や、アニメ版での声優についても紹介していきます。
尾形百之助とは?
尾形百之助は「ゴールデンカムイ」に登場するキャラクターで、原作コミックスでは第4話から登場し、主人公・杉元と交戦しました。一度は物語上でフェードアウトしてしまう尾形ですが、再登場を果たしてからは度々、杉元らの前に姿を現すようになります。登場するたびに所属している勢力が頻繁に変わるのも、尾形の特徴です。
尾形百之助のプロフィール
- 誕生日:1月22日
- 出身地:東京府生 茨城県出身
- 好物:あんこう鍋・赤飯
- 苦手:しいたけ・パン
- 特技:射撃、自転車
尾形の最大の特徴は「狙撃手」としての卓越した腕前で、300m以内なら確実に相手の頭を撃ち抜ける程の力量を持ち合わせています。物語冒頭から主人公・杉元らの前に金塊を狙う組織・第七師団の一員として現れ、激闘を繰り広げます。一度は杉元に敗北する尾形ですが、再び姿を現してからは狙撃手として様々な戦いに身を投じ、独自の目的のために活動していきます。
ゴールデンカムイの概要
「ゴールデンカムイ」は2014年より「週刊ヤングジャンプ」にて連載されたサバイバルバトル漫画です。開発途上の北海道を舞台に、アイヌ達が隠した「金塊」を巡って、様々な登場人物が戦いを繰り広げます。それぞれの目的から金塊を追い求める人々の群像劇はもちろん、ヒロイン・アシリパを通してアイヌの食事や風習といった文化を学ぶことができるのも、本作の大きな特徴です。
ゴールデンカムイのあらすじ
明治末期、日露戦争を生き延びた元陸軍人・杉元佐一は、戦死した親友との約束を果たす目的から、北海道に残り砂金を集める生活を送っていました。そんな矢先、ひょんなことからアイヌが隠した「金塊」の噂を聞きつけ、金塊の在り処を示す「刺青」を持つ囚人に出会ったことから、この噂が嘘ではないと確信します。杉元はアイヌの少女・アシリパと手を組み、金塊を手に入れるための戦いへと身を投じていきます。
尾形百之助の目的や過去・裏切りを考察
尾形百之助は度々、杉元や仲間の前に現れては、その高い狙撃手としての腕前で強敵として立ちはだかりました。しかし、時には味方として共闘し、かと思えば裏切り、終始「金塊」とは異なった目的のために行動していきます。そんな尾形百之助が金塊の奪い合いに参戦した目的と、彼の過去、裏切りの背景などについて詳しく見ていきます。
尾形百之助が母親を毒殺した理由
軍人の父と浅草芸者の母の間に尾形百之助は生まれましたが、父には本妻がおり、尾形百之助は幼少期の多くを母と共に暮らしていきます。母は父に会いたい一心で「あんこう鍋」を作り続けますが、尾形百之助はその鍋に殺鼠剤を混入させることで母親を毒殺してしまいます。これは母親への怨恨などではなく、「母が死ぬことで父が駆け付けてくれる」という、とんでもない目的からの行動でした。この複雑な家族との関係性が、後の数々の悲劇に繋がっていきます。
尾形百之助が花沢勇作を撃った理由
やがて尾形百之助は軍人になりますが、そこで父の本妻との間にできた息子であり、腹違いの兄である花沢勇作と出会います。花沢勇作は軍人でありながら人を殺さない姿勢を貫いていましたが、それを良く思わない尾形百之助から捕虜を殺すよう、依頼されます。父の教えを守り、拒む花沢勇作でしたが、これを気に入らなかった尾形百之助は彼を敵にやられたように見せかけ、銃殺してしまいました。
尾形百之助が花沢幸次郎を殺した理由
尾形百之助の父親・花沢幸次郎は、近衛歩兵第一聯隊長陸軍中佐という役職についていましたが、軍に甚大な被害を出した責任を取り、自殺してしまいます。しかしこの自殺には尾形百之助が関係しており、実際は彼が鶴見中尉の命を受けて、父親を殺害していました。これは花沢幸次郎が自刃した責任を第七師団にかぶせることで、組織の結束がより強くなることを狙っての工作でした。鶴見には花沢幸次郎の死を利用し、尾形百之助を祭り上げようとする目的があったのです。
尾形百之助の裏切りの理由
尾形百之助は金塊を狙う勢力・第七師団の一員として登場しますが、やがてこの組織を裏切り、独自に行動を開始します。元々、尾形百之助は鶴見に対して忠誠心などはなく、父親を殺害した関係から彼への反発心があったことから、あっさりと第七師団を抜けてしまいます。それ以降も尾形百之助は土方一派に身を寄せたり、キロランケの味方をしたりと、いまいち目的の分からないまま様々な勢力と関係性を持っていきます。このため、ファンからも「金塊」以外の目的があるのでは、と考察されていました。
尾形百之助がのっぺら坊と杉元を撃った理由
物語序盤では敵対していた主人公・杉元とも、尾形百之助は良好な関係を築いていきますが、物語の鍵を握る囚人・のっぺら坊を訪ねた杉元を尾形百之助は裏切り、二人まとめて狙撃しています。実はこの時、尾形百之助はキロランケと内通しており、彼の指示を受けてのっぺら坊を殺害しただけでなく、のっぺら坊から暗号の内容を聞いた可能性のある杉元も、合わせて射殺しようとしました。この裏切りが、杉元との因縁を決定づけることとなりました。
尾形百之助の目的は誰かに愛されること?
劇中では鶴見だけでなく、様々な勢力に加担しては裏切りを繰り返す尾形百之助ですが、この行動の根底には「誰にも愛されなかった」という過去が関係しています。尾形百之助は父に捨てられ、母が狂い、父や兄を自身の手で殺害するなど、誰にも愛されない人生を送ってきました。このことから「誰かから必要とされる」ということを目的に、様々な勢力を転々とし、そこにいる人々の意志を受け継ぎ、行動してきました。
尾形百之助の目的は勇作に関係?
また、尾形百之助が劇中で殺害した異母兄弟・花沢勇作の存在も、彼の目的に大きく関わっています。花沢勇作は父の息子として愛されていただけでなく、見た目・能力・人柄に恵まれた優秀な人間でした。尾形百之助も彼のことを尊敬していた節があり、花沢勇作のような「高潔」な人間になりたかったという願望が、尾形百之助の目的の一つといえます。また、花沢勇作は主人公・杉元に似ているという点も、尾形百之助が杉元やアシリパに固執する目的になっています。
尾形百之助の目的は自分の死に場所を探すこと?
尾形百之助は自身の命に対しての執着が薄い描写もあり、死に場所を探しているという目的から行動している節があります。作中ではアシリパに自身を殺させようとするなど、自ら命を捨てようとしている姿も見受けられたため、死に場所を探しあえて戦いの中に身を投じているという理由も推測できます。
尾形百之助の本当の目的は出世?
尾形百之助は第七師団を抜けた後、かつての上司であった鶴見中尉との関係すら利用し、自身の出世を目論むようになります。鶴見中尉という反乱分子を中央に受け渡すことによって自身が出世しようと暗躍します。これは、かつて母が狂ったように愛した父=軍隊における階級を持った人間が、大した存在ではないということを知らしめる目的がありました。尾形百之助は自身の過去の存在を否定するため、金塊とは異なった目的のために動き出します。
尾形百之助の最期や死亡シーン
他のキャラクター達が金塊を追い求める中、独自の目的で活動を続ける尾形百之助ですが、物語終盤、最終決戦にて死亡してしまいます。ここからは尾形百之助の死亡シーンと、その詳細な最期について見ていきます。
尾形百之助の死亡シーンは何話?
尾形百之助の死亡シーンが描かれるのは「ゴールデンカムイ」のコミック第31巻の310話のエピソード「祝福」です。31巻は「ゴールデンカムイ」の最終巻になり、登場人物達が金塊を巡って最終決戦に臨む中、尾形百之助もまた、杉元らとの最後の戦いに赴きます。
尾形百之助の死亡シーン
尾形百之助は列車の上で主人公・杉元と死闘を繰り広げますが、駆けつけたアシリパが放った毒矢を受け、戦闘不能になってしまいます。かつて一緒に行動していた経験から、尾形百之助は「アシリパは人を殺せない」と決めつけていたものの、覚悟を決めたアシリパによって射抜かれてしまったのです。
尾形百之助が自ら命を絶った理由
アシリパの矢には熊をも殺せる強力な毒が塗られていたため、尾形百之助は強い幻覚を見てしまいます。この際、自身がかつて殺めた兄・花沢勇作の姿を見るのですが、これは尾形が抱いていた「罪悪感」の表れであり、今まで自身がやってきたことが間違いであったと認めたくない尾形百之助は激しく否定します。全てを「見たくない」という理由から、尾形百之助は自身の目を射抜き、そのまま花沢勇作の幻影に抱かれたまま、列車から落ちていきました。
尾形百之助の声優
「ゴールデンカムイ」はその人気の高さからアニメ化もされており、孤高の狙撃手である尾形百之助も登場しています。ここからはアニメ版「ゴールデンカムイ」にて尾形百之助を演じた声優について詳しく見ていきます。
尾形百之助の声優は「津田健次郎」
アニメ版「ゴールデンカムイ」にて尾形百之助を演じたのは、声優の津田健次郎さんです。野球アニメ「H2」の野田敦役で声優デビューして以降、アニメや映画の吹き替えなどで、その独特の低音ボイスを生かし、寡黙な二枚目役を多く演じています。
津田健次郎のプロフィール
- 生年月日:1971年6月11日
- 出身:大阪府
- 血液型:O型
- 身長:170cm
- ニックネーム:「ツダケン」または「つんちょ」
津田健次郎さんはトライストーン・エンタテイメントに所属していましたが、現在は芸能事務所・アンドステアに移籍しています。幼少時代をジャカルタで過ごしており、元々は映画を撮りたいという願望が強かったのですが、徐々に演じる側にも興味を持ち、演劇活動に熱中するようになりました。
津田健次郎の主な出演作品
津田健次郎さんの最大の出世作となったのは、アニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」の海馬瀬人役です。それ以外にも「テニスの王子様」の乾貞治役や、劇場版アニメ「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のガウマン・ノビル役を演じています。また、「極主夫道」の不死身の龍役など、シリアスだけでなくコミカルな役をもこなしています。
尾形百之助に対する世間での評判や人気
尾形百之助が劇中で見せる寡黙な狙撃手としての姿に、多くのファンが魅了されています。卓越した射撃の腕前だけでなく、相手を射止めるために気配を殺し、時には自然と同化し、たった一撃に賭けるその徹底した姿勢は、尾形百之助の大きな魅力の一つです。
尾形百之助は最序盤に登場し、杉元に敗北してしまうことから、当初は雑魚キャラの一人と思っていたファンも少なくはありません。しかし、再登場してからは徐々にキャラが立ち始め、重々しい過去や金塊以外の目的に突き進む姿に、ファンは魅了されています。
誰からも愛されず、多くの肉親の命を奪ってきた尾形百之助の壮絶な最後に、心動かされるファンも少なくはありません。どこか冷徹に行動し続けてきた尾形百之助ですが、最後の瞬間、義兄の幻影によって彼を支えていた何かが壊れ、奈落へと沈んでいく姿は、読者に凄まじいインパクトを与えています。
尾形百之助の本当の目的は金塊ではなかった
孤高の狙撃手として「ゴールデンカムイ」で活躍する尾形百之助は、金塊を奪うことが目的ではなく、肉親への愛や、かつての母を見返すための出世と、他の登場人物とは異なった目的のために活動していました。壮絶な過去に翻弄され、最後までその「呪い」とも呼べる因果に縛られた、非常に強烈なインパクトを持つキャラクターとなっています。
この記事のライター
創也慎介
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