【ゴールデンカムイ】ヒンナヒンナの意味を解説！使われているシーンも

ヒンナヒンナの意味について解説していく前に、まずはヒンナヒンナの元ネタであるゴールデンカムイについて概要とあらすじ、作者について紹介していきます。作品の雰囲気や取り入れられている元ネタなどについておさらいしていきましょう。

ゴールデンカムイを手掛けた作者は野田サトル先生です。2003年に読み切り漫画『恭子さんの凶という今日』にて漫画家デビューを果たし2014年から週刊ヤングジャンプで『ゴールデンカムイ』の連載を開始しました。作品と作者は切り離して考えるべきという方針から顔や詳しい経歴を非公表にしており、担当編集者曰く寡黙で意志が強い人と称されています。

ゴールデンカムイは野田サトルによって週刊ヤングジャンプに連載されていた漫画作品です。秘蔵の金塊を巡るサバイバルバトルが描かれた本作は、殺伐とした世界観と歴史ロマン、狩猟やグルメといったアイヌ文化が読者の目を惹き話題を呼びました。連載は2022年4月を持って完結しており、2022年9月時点でコミックス累計発行部数は2300万部を記録しています。

日露戦争を生き延び不死身の異名を受けた杉本佐一は、アイヌの埋蔵金とその在り処を示す24人の脱獄囚の話を受けて金塊を探し求めるようになりました。その途中、ヒグマに襲われたところをアシリパに助けられ彼女も埋蔵金に因縁があることを知り2人は手を組むことを決めます。やがて杉本たち以外にも金塊を狙う人物が現れると、そこから陰謀と策略渦巻くサバイバルバトルが始まるのでした。

ここからはヒンナヒンナの意味についてまとめていきます。アイヌを元ネタに世界観やシナリオ設定が構成されているゴールデンカムイですが、ヒンナヒンナもその雰囲気を出すためのアクセントとして用いられ作品の代名詞的存在になりました。

ヒンナヒンナとはアイヌ民族が使っていた言葉です。アイヌとは17世紀～19世紀にかけて北海道に実在した先住民族であり、動物や魚介類を狩って主食にするという独自の生活スタイルを築き上げています。アイヌ文化には文字が存在しておらず、アイヌ民族は言葉のみで情報伝達や共有をしていたと考えられています。

ゴールデンカムイ作中にてヒンナヒンナが使われている場面は食事をしているシーンです。料理を口にし美味しそうな顔をしながら「ヒンナヒンナ」とセリフを話していることから、当時読者の間では『おいしい』という意味ではないかと考察されていました。しかし、意味合いは近いものの実際の意味は異なります。

ヒンナヒンナは『食事に感謝する言葉』として使われます。日本人が食事の際に使う「いただきます」や「ごちそうさま」と似たような意味を持っていると言えます。「ヒンナ」と一言だけでも『感謝』を表すことができ、他にも「ヒンナー」や「フンナー」と発音されることもあるそうです。

ある文献では「ヒンナ」は中流以上の女性が使う言葉で「フンナ」は下流の女性が使う言葉と記されていることから、ヒンナヒンナは女性だけが使う言葉だった可能性があります。また、アイヌの男性はありがとうの意味を持つ「イヤイライケレ」という言葉を使っていたそうです。

ここからはヒンナヒンナが使われている食事シーンについてまとめていきます。ヒンナヒンナの意味が知れ渡ると読者の間でも使われるようになるほど流行し大きな話題となりました。それほどまで読者を魅了した食事シーンと内容を把握していきましょう。

杉本がにしん蕎麦を食べるとツユの濃さや味付けが俺好みだと気に入り、満足いくまで味わいながら「こいつはヒンナだぜ」と言いました。このヒンナは『食材と生物の命に感謝だ』と訳せるでしょう。この食事シーンは杉本による入念な食レポ描写がされておりそれも相まって読者に強い印象を与えています。

アイヌ料理であるチタタプ鍋を食べた時も杉本はヒンナヒンナを言いました。チタタプ鍋を食べる前に杉本は味噌を入れようとしますが、それをアシリパはうんこと勘違いしてしまいます。そうして杉本が「ヒンナ」と無神経に発しているように聞こえたことからアシリパは「だまれ」とツッコミを入れるのでした。

アシリパと尾形が一緒に食事するシーンにて、寡黙で冷静沈着な尾形から「ヒンナ」とセリフが出ました。常に淡々としていて無感情に見える尾形の口からヒンナが出てくると思っていなかったアシリパは驚く表情を見せ、その後興奮する様子を見せました。

ヒンナヒンナは『ポプテピピック』という漫画作品にも登場しています。ポプテピピックは公式から『とびっきりのクソ4コマ‼』と紹介されるほど飛び抜けた内容が描かれた4コマ漫画であり、110話にて主要キャラクターのポプ子がモンスターを鍋で煮て食べた際に「ヒンナヒンナ」と話してオチをつけました。

ここからはヒンナヒンナが話題のゴールデンカムイの料理についてまとめていきます。ゴールデンカムイは食文化に対する描写がとても細かく、読者からもグルメ漫画のようだとしばしば言われています。作中で丁寧に描かれたアイヌ料理について特に人気があるものを厳選して紹介していきます。

ニシン漬けは北海道に伝わる郷土料理で、かつて隆盛が寒い冬を越すために生み出した料理とされています。大根やキャベツ、赤唐辛子といった食材と一緒に米麹と塩で漬けこむことでまろやかな味とニシンの風味が増し、氷点下の野外に保存しておくと野菜の水分が凍りシャリシャリとした食感が楽しめます。

杉本が辺見の死体を回収するために鯱を仕留めると、それを食材に鯱の竜田揚げが作られました。作り方は鯱の脂身を溶かして片栗粉にまぶして揚げるという従来の竜田揚げと似ており、白石が動物油を用いたことによって外がよりパリパリとした食感に仕上がっていました。

エゾシカ肉のライスカレーは文字通りエゾシカ肉を用いたカレーライスで、ゴールデンカムイが発端となった料理です。エゾシカ肉は実際に北海道で販売されている肉で、美味しさを保つために心臓が動いている間に血抜きをし30分以内に冷凍されています。噛み締める度にジビエな風味が口に広がり従来のカレーライスとは格別な味を楽しめます。

アザラシを枕代わりにして眠るアシリパが描かれると、その次のシーンでアザラシを撲殺しその肉で塩茹でを作りました。アザラシ肉は高タンパク質なのはもちろん、脂肪分も多く含んでいるため寒さによるカロリー消費を抑えてくれる優秀な食材と言われています。味は魚と牛肉の中間と言われていました。

サクラマスのオハウはサクラマスを入れた汁料理で春に食べる汁物の中で一番美味しいとされています。オハウとはアイヌ語で『汁物』という意味で、作中にはサクラマス以外にイチャニウ、プクサ、マカヨ、コロコニなどの食材でオハウが作られています。

ベリメニはロシアで作られる餃子です。小麦粉と卵で作った生地にひき肉や野菜を包んで茹でることで出来上がります。中に包む食材は地域や家庭によって異なりますが、基本的に牛肉や豚肉、ラム肉といった肉類と塩・胡椒、玉ねぎを加えて調理するのが一般的です。

クジラ汁は北海道に伝わる郷土料理で正月の定番料理として知られています。クジラのタンパク源は厳しい冬を越すために欠かせないものと考えられており、クジラの脂身と豆腐と山菜などを合わせてしょうゆ味で煮込むのが一般的な調理方法です。

これまでヒンナヒンナの意味や元ネタ、使われているシーンなどについてまとめてきましたが、ヒンナヒンナは読者の間でも話題となり様々な反響を呼びました。ここではヒンナヒンナに対する世間での評判や人気について、実際に寄せられているコメントを参照しながらまとめていきます。

ヒンナの評判やファンのコメントを調べてみると『美味しい』という意味で使っている人が多くいました。実際には間違った使い方ですが、作中で杉本やアシリパが食事をしながら幸せそうな顔をして「ヒンナ」と言っているため、意味を勘違いしてしまうのも仕方ないことかもしれません。

ヒンナにハマったことで普段使いしている人もいるそうです。美味しい料理を味わえたことに「ヒンナ」と話し、味が微妙であっても「ヒンナ」と言って飲み込む様子はまるでゴールデンカムイの世界に入り込んでいるように見えます。

中にはゴールデンカムイを知らない人でもヒンナの意味を覚えたという人がいました。有名作品の有名な名言が世間的流行語として知れ渡ることがありますが、ヒンナもその一環として知れ渡っているそうで元ネタを知らずに意味だけを知っている人が出ています。

ヒンナヒンナの意味は食事に対するありがとうで、いただきますやごちそうさまに通ずるアイヌの言葉でした。世間ではヒンナヒンナの意味を知っている者同士で美味しい料理を共有し合う様子も垣間見え、それだけファンの人気も高い言葉と言えるでしょう。ヒンナヒンナの元ネタをしっかり確認したいという人はぜひゴールデンカムイ本編をチェックしてみてください。