【幽遊白書】雷禅の全盛期は最強クラスの強さだった？幽助との関係も調査

2023年末に実写ドラマ配信が控えるなど、いまだに大人気の漫画『幽遊白書』ですが、本作には並外れた強さを持つキャラが多数登場します。その中でも「最強」と呼ばれているのが、「闘神」こと雷禅です。主人公幽助とも深い関係を持つ雷禅の過去や最後が気になるところですが、まずは基本的な情報から見ていきましょう。

『幽遊白書』に登場する雷禅（らいぜん）は、食人鬼の一種で、「魔界三大妖怪」に数えられる1人になります。「闘神」の異名を持つ、魔界でも最強クラスの存在です。三大妖怪においては年齢がもっとも上で、全盛期には他を寄せ付けぬ圧倒的な戦闘力を誇っていました。しかし、ある理由によりその力は著しく衰えることとなります。

『幽遊白書』で最強とされる雷禅は、原作においてそれほど出番が多くありません。その限られた描写の中で読み取れる彼の性格は、豪快で気短、冷酷な部分を持つ半面、家族や仲間を気遣う思いやり深いところもあるという、一筋縄ではいかないものです。その強さから恐れられてはいたものの、部下の恨みを買うようなことはなく、カリスマや人間（？）味にあふれた妖怪だったと思われます。

幽助との関係も気になる雷禅が登場する『幽遊白書』は、冨樫義博原作によるバトル漫画です。掲載誌は「週刊少年ジャンプ」で、1990年から94年にかけて連載されていました。単行本全19巻の累計発行部数は、2020年12月時点で5000万部を超えています。93年には第39回小学館漫画賞を受賞、92年～95年にかけて放送されたテレビアニメも高視聴率を記録するなど、圧倒的人気を誇りました。2023年末には、実写版ドラマも配信される予定です。

『幽遊白書』の主人公・浦飯幽助は、ふだん問題行動の多い不良少年でしたが、ある日子供を助けようとして交通事故死を遂げてしまいます。しかし、その死は霊界での予定にないものだったことから、幽助はいくつかの試練を与えられたのち復活を許されました。以後霊界探偵として働きはじめた幽助は、仲間とともに妖怪関連の難事件や強力な敵に立ち向かっていくことになる…というストーリーです。

『幽遊白書』の「魔界編」に登場する雷禅は、本作で最強の妖怪とされていますが、実際のところどうなのでしょうか。作中での説明から、雷禅の具体的な強さや彼が弱体化していった理由について探っていきたいと思います。

『幽遊白書』に登場する雷禅は、前述のように「闘神」と呼ばれ、魔界三大妖怪に数えられています。その全盛期はおよそ700年前で、当時は魔界に並ぶ者のない実力者であり、三大妖怪の他の二者である躯や黄泉の現在の力でも比較にならないほどだったといいます。作中現在での雷禅の妖力値は132万強で、躯や黄泉以下にまで弱体化しているものの、それでも体力や攻撃力においてはいまだ優勢でした。

『幽遊白書』の作者・冨樫氏の代表作といえばほかに『HUNTERｘHUNTER』があり、その中の最強格と言って思い浮かぶのがメルエムです。もちろん作品も世界観も違うので、雷禅とメルエムの強さの比較は単純にはできませんが、興味を引かれるのは確かでしょう。そこで両者の強さを強引に比べれば、やはり純粋な力では全盛期の雷禅の方が上と思われます。なにせ躯や黄泉を軽く凌駕するほどですから、さすがにメルエムの能力でも及ばないと考えられます。

上記のように、魔界で最強と謳われた雷禅ですが、過去のある出来事をきっかけに弱体化していくこととなりました。その直接の原因は、彼が人間を食べることをやめたことにあります。食人鬼の雷禅は人を食うことでエネルギーを得ており、それを強さの源としていました。実際に強さの全盛期には好きなだけ人を食らっていたといいますが、食人をやめたのちはエネルギー補給が絶たれ、力を失うこととなったのです。

『幽遊白書』で最強といわれた雷禅が弱体化したのは「食人をやめたから」ということですが、その背景にあった過去の出来事が、ある人間の女性との出会いでした。その食脱医師（くだくすし）の女に惹かれ、一夜のみの契りを交わした雷禅は、彼女と約束もしないのに「次に会うまで人を食べない」と1人別れ際に誓ったのでした。そしてその通り、700年の間彼は一切の食人を断ったのです。

『幽遊白書』で最強とされる雷禅の性格や過去は以上の通りですが、もう1つ重要な点に、幽助との関係があります。本作の主人公である浦飯幽助と雷禅の間には深いつながりがあるのですが、ここではそれがどういうものなのかや、雷禅の最後について解説します。

『幽遊白書』の雷禅は浦飯幽助を「息子」と呼び、幽助も「くそオヤジ」と返していますが、2人は親子なのでしょうか。答えはある意味でイエスです。幽助は人間の両親から生まれていて実父は別に存在しますが、雷禅は幽助の家系における44代前の先祖で、妖怪の遺伝子上では彼の父親に相当するのです。仙水との闘いで一度死んだ幽助は「魔族大隔世」が働いて復活しますが、これにより雷禅と幽助はある種の親子関係となったのでした。

『幽遊白書』における雷禅と幽助の関係は上記の通りですが、作中での雷禅は最後にどうなったのでしょうか。幽助と対面したのち、何度も挑みかかる彼の相手をしてやっていた雷禅ですが、700年間の絶食によるダメージは限界を迎えつつありました。そしていよいよ死期が間近に迫ると、部下の身を幽助に託して「腹が減ったな」と言い残し、最後を迎えたのです。

雷禅が前述のような最後を迎えると、その後を継いだ幽助は黄泉の国へと赴きます。そして、優勝者に魔界全土の支配権が与えられる「魔界統一トーナメント」開催を提案しました。その半日後、雷禅の死と躯・黄泉による国家解散の知らせが魔界全土へといきわたりました。躯は「バカめ」という言葉とともに、幽助へ墓前にたむける花を一輪託します。そして雷禅の旧友たちも次々に集まり、彼らなりの送り方で雷禅を偲んだのでした。

意外な過去のいきさつからやがて最後を迎えた『幽遊白書』の雷禅ですが、上でも触れたように、彼には多数の旧友たちがいました。隠居を決めた雷禅と袂を分かっても、死亡の知らせにはかけつけるさまに絆の深さが感じ取れますが、ここではそうした雷禅のケンカ仲間を紹介していきます。

煙鬼（えんき）は大柄な体格と、ぱっと見温和そうな表情が印象的な鬼です。雷禅の追悼には最初に駆け付けており、涙を流して悲しんでいます。魔界統一トーナメントにおいては優勝を果たし、魔界の王の座に三年間つきました。それに伴い、「人間界に迷惑をかけないこと」というルールを定めて治安維持に努めています。

孤光（ここう）は黄緑色の長髪が特徴の美人で、煙鬼の妻にあたります。常に酒を飲んで酔っ払っており、雷禅の最後の知らせには、煙鬼ともども夫婦で真っ先に駆け付けています。雷禅にはケンカをしかけつつも惚れていましたが、振られて自棄を起こした挙句煙鬼と一緒になりました。とはいえ、夫婦仲は円満とのことです。

『幽遊白書』の雷禅の仲間、3人目は痩傑（そうけつ）です。ハンチング帽とそこからのぞく下向きの2本の角が特徴の妖怪で、帽子については周囲からの「似合わない」との評もあります。アニメ版の107話では、陣と戦って勝利しています。

続いての雷禅の仲間は、九浄（くじょう）です。逆立った短髪に精悍な顔立ちが特徴の男性で、魔界統一トーナメントでは1回戦で凍矢と対戦し勝利します。その後原作では3回戦で蔵馬を下すも、最後は準決勝で才蔵に敗れました。アニメ版では棗の双子の兄という設定になっています。

『幽遊白書』の雷禅の仲間の紹介を続けます。電鳳（でんぽう）はオレンジのざんばらの髪と褐色の肌をした妖怪で、9人の仲間のうちではもっとも巨大な体の持ち主になります。本編では残念ながらセリフなしという処遇でした。

『幽遊白書』魔界統一トーナメント編に雷禅の仲間として登場する鉄山（てつざん）は、ヘルメットを被り屈強そうな体格をした妖怪です。電鳳同様セリフはありませんでしたが、2回戦で才蔵に敗れています。

7人目に紹介する雷禅の仲間は、才蔵（さいぞう）です。背中に生えた翼と左右にピンと伸びた大きな耳が特徴の魔人で、トーナメントでは準優勝を果たしています。しかし、やはりセリフはありませんでした。

『幽遊白書』で雷禅と過去を一緒に過ごした仲間を紹介していますが、8人目は周（しゅう）です。小柄な体格のメタル族戦士で、こめかみ部分から左右に伸びた角を特徴とします。トーナメントで痩傑と戦った際、「帽子が似合ってない」となじったのは彼になります。

雷禅の仲間、最後に紹介するのは棗（なつめ）です。見た目はうら若い美女ですが、相当の強さを持つ実力者になります。トーナメント1回戦の相手だった酎に一方的に好意を寄せられつつ、まんざらでもなさそうな様子を見せました。2回戦で躯と対戦し善戦するも、敗北を喫しています。

『幽遊白書』といえばアニメ版も高い人気を誇りますが、そこで雷禅を担当しているのは誰なのでしょうか。ここではプロフィールや主な出演作など、雷禅役の声優の情報をお伝えします。

『幽遊白書』で幽助との重要な関係が明かされる雷禅の声を担当しているのは、菅生隆之（すごうたかゆき）です。現在71歳になる大ベテランで、どっしりとしたよく響く低音を特徴とします。声優としてはアニメ以外でも、洋画吹き替えなどの分野で活躍しています。

菅生隆之は千葉県出身で、生年月日は1952年8月1日になります。二十歳ごろに演劇の道に入り、その後文学座に加入しました。声優の活動は1982年ごろからで、以降吹き替えやナレーションなどの幅広い仕事をこなすようになります。ある時期までアニメからは意識的に距離を置いていましたが、応じるようになってからはさまざまな作品に出演を果たしています。

菅生隆之の過去の主な出演作品は、『地獄少女』（輪入道）、『宇宙戦艦ヤマト2199』（沖田十三）、『東京喰種トーキョーグール』（芳村）、『ゴールデンカムイ』（永倉新八）などとなっています。

ここで角度を変えて、雷禅の人気ぶりについてお伝えしましょう。X上に投稿された意見の代表的なものを取り上げました。『幽遊白書』で鮮烈な最後を遂げた雷禅は、一般的には以下のようなまなざしで見られているようです。

こちらは雷禅の死後旧友たちが集まって弔うのを見て、幽助が喜びを口にするシーンが好きという意見です。たしかにこのシーンからは、一緒に過ごした時間の長さに関係なく、2人の間に確実な絆があったことを感じ取れて感動的です。

続いては、コワモテの食人鬼のくせに女のために人食いを断ち、餓死寸前でものろけを言うさまが人間味があって良いという意見です。雷禅のそうした愛すべき一面も、間違いなく幽助に受け継がれているものと思われます。

最後はシンプルに、「雷禅かっこいい」という意見です。たしかに最強の称号を得ているだけでなく、我を通して死にまで至った生き様やクールなビジュアルまで、かっこいい要素に満ちているのは否定しようがありません。

『幽遊白書』の雷禅について紹介しました。このように、雷禅は全盛期において最強の強さを誇った妖怪で、主人公幽助にとっては遺伝子上の父親にあたっています。登場シーンは少ないものの、存在の重要度で見れば作中屈指と言えるでしょう。そんな雷禅についてより詳しく知りたいという方は、ぜひ原作やアニメをチェックしてみてください。