キングダムの物語は史実に基づいているのか調査!登場人物や年表を徹底比較
『キングダム』は春秋戦国時代に実在した人物が登場している事から、史実との関係性が注目されている漫画作品です。『キングダム』では将軍や軍師等の様々な役割を持ったキャラクターが活躍をしています。『キングダム』の年表や登場人物と史実の比較について紹介します。
目次
【キングダム】とは?
『キングダム』は春秋戦国時代の中国に実在していた国である"秦国"を中心として、戦国七雄達の争いが描かれている作品です。『キングダム』には史実に存在しているキャラクターが多数登場しており、人物以外にも史実で発生している出来事が含まれている部分が注目されている作品となっています。ここからは様々な特徴を持った魅力的なキャラクター達が活躍をする『キングダム』の作者や概要、あらすじについて紹介をしていきます。
キングダムの作者
『キングダム』は漫画家の"原泰久"が作者となっています。原泰久は漫画家となる前にシステムエンジニアとして会社で働いていた経験を持っており、『キングダム』の制作には自身の経験を活かして組織の美学に力を入れています。原泰久は歴史の勉強を行う等してストーリーを重要視して『キングダム』の制作を行っていましたが、漫画家の"井上雄彦"のアドバイスを受けて絵に力を入れる事によって人気の獲得に成功しました。
キングダムの概要
史実との比較が注目されている『キングダム』は上記で紹介をした漫画家の原泰久が作者となっている大人気漫画作品です。『キングダム』には個性的なキャラクターが登場しており、戦闘シーン以外にもキャラクター同士のやり取りが魅力的な作品となっています。また『キングダム』はアニメ化も行われており、より迫力のある戦闘シーン等のアニメならではの魅力によって漫画版と共に人気の作品となっています。
キングダムのあらすじ
"秦国"で下僕として働いていた『キングダム』の主人公の"信"は、同じ環境で出会った"漂"と共に天下の大将軍となる事を目標としていました。漂は命を狙われる立場となっていた秦国の王である"嬴政"と姿が似ていた事から、嬴政の替え玉に選ばれて敵との戦闘で致命傷を負ってしまいます。瀕死となった漂から天下の大将軍になるという夢を託された信は、嬴政の元へ向かい秦国の問題を解決する為に行動を始めました。
【キングダム】史実に基づいている?違いはある?
『キングダム』は紀元前の中国に存在した人物等が登場している事から、史実と『キングダム』の物語で共通している点やオリジナルの要素が混ざっています。ここからは『キングダム』の物語と史実との関係や『キングダム』で描かれている時代、『キングダム』の物語で発生した成蟜の反乱と史実との違いについて紹介をしていきます。
キングダムの物語は史実に基づいている
『キングダム』の物語は秦国が中華統一を目的として他の戦国七雄という強国達と戦いを繰り広げていく内容となっています。前述の出来事は史実にも存在しており、『キングダム』の物語は史実と異なる作品オリジナルの要素が存在するものの物語の展開や登場キャラクター等の史実と共通している内容が多く含まれています。
キングダムが描く時代はいつ?
『キングダム』には秦国を始めとする戦国七雄と呼ばれる国々が登場しています。戦国七雄は史実にも存在し『キングダム』と同じく戦いを行っていた国となっており、国に所属する人物達も史実に基づいた内容となっています。戦国七雄は紀元前の中国に存在しており、『キングダム』は春秋戦国時代の出来事が基になって描かれている作品となっています。
キングダムの成蟜の反乱は史実にない?
『キングダム』の物語の序盤には"王都奪還編"と呼ばれる"成蟜"が反乱を起こす内容の物語が存在しています。『キングダム』で発生した成蟜の反乱は紀元前245年の出来事となっていますが、史実の紀元前245年には成蟜の反乱が存在していません。『キングダム』の作中で発生した成蟜の反乱は史実には無い内容であるものの、主人公の"信"と"嬴政"にとって重要な内容となっています。
【キングダム】登場人物や秦国の将軍を史実と比較
『キングダム』には所属する国の違い等によって様々な立場のキャラクターが登場しており、特に信が所属している秦国には史実でも活躍をしている重要な人物が多く存在しています。ここからは『キングダム』の物語に登場するキャラクターの中でも、秦国に所属している将軍達の史実と作中の比較について紹介していきます。
登場人物と史実の比較①李信
"李信"は『キングダム』の主人公であり秦国に所属する将軍です。李信は"信"が趙国との戦闘を経て呼ばれるようになった名前となっており、史実でも存在する人物となっています。李信は史実でも将軍として"嬴政"が治める秦国で活躍をしていますが、史実では漂との関係が存在せず嬴政の性格も異なる事から『キングダム』の物語の様な親密な関係とは違い、将軍と王の立場でやり取りを行う関係となっています。
登場人物と史実の比較②嬴政
"嬴政"は『キングダム』の物語で秦国を治める王として活躍をしており、信と共に中華統一を目指しているキャラクターです。『キングダム』の嬴政は将軍達を始めとして秦国の仲間を信頼し誠実さを持ったキャラクターとなっていますが、史実では作中と正反対に暴君として知られています。史実の嬴政は将軍のミスに対して重い制裁をしている他に、 儒者を生き埋めにする等して自分の考えに反する思想を許さない王となっていました。
登場人物と史実の比較③楊端和
"楊端和"は『キングダム』の物語に嬴政の王都奪還に協力をした山民族の女王として登場するキャラクターです。『キングダム』では秦国と協力関係にあるものの別の勢力である山民族のキャラクターとして登場した楊端和ですが、史実では作中と違って秦国に所属する将軍として活躍をしています。また楊端和は『キングダム』では女性のキャラクターとなっていますが、史実では男性の将軍となっています。
登場人物と史実の比較④藨公
"麃公"は『キングダム』に秦国の大将軍として登場するキャラクターです。麃公は『キングダム』では知略による戦闘よりも本能による戦闘を得意としており、仲間の兵士を犠牲にするものの大きな戦果を上げる武将となっています。史実の麃公は作中と同じく秦国の将軍として活躍をしており、魏国との戦闘で三万の敵を討ち取ったと伝えられています。
登場人物と史実の比較⑤羌瘣
"羌瘣"は『キングダム』の物語で信の仲間として活躍をする女性のキャラクターです。羌瘣は魏国との戦闘で信達を救う活躍をしており、知略だけでなく戦闘能力も高いキャラクターとなっています。史実での羌瘣は『キングダム』の物語とは異なり秦国に所属する男性の武将となっており、李信ではなく"王翦"等と共に活躍をした人物となっています。
登場人物と史実の比較⑥廉頗
"廉頗"は『キングダム』の物語で魏国に所属する将軍として登場するキャラクターです。廉頗は元々趙国に所属しており、趙国の将軍の中でも特に高い実力を持った"三大天"の一人として知られています。史実での廉頗は『キングダム』の物語と同様に趙国から魏国に亡命はしているものの、魏国に居る間に戦闘は行いませんでした。史実の廉頗はその後楚国に迎えられており、亡命後に目立った戦果を上げる事はありませんでした。
登場人物と史実の比較⑦王賁
"王賁"は『キングダム』の物語で信と同様に天下の大将軍を目指して活躍をする信のライバルとなるキャラクターです。王賁は"玉鳳隊"という騎馬隊を率いており、信と同じく若いながらも実力を持ったキャラクターとなっています。史実の王賁は『キングダム』の物語と同じく多くの戦果を上げた人物となっており、秦国の将軍として秦国の中華統一に大きく貢献した人物となっています。
登場人物と史実の比較⑧呂不韋
"呂不韋"は『キングダム』の物語で嬴政の暗殺を計画する等として秦国の政治の実権を握ろうと画策しているキャラクターです。呂不韋は前述の様な腹黒さを持ちながらも政治家としての実力は高く、嬴政に並ぶ程の実力者となっています。史実の呂不韋は『キングダム』の物語と同じ様な活躍をしており、商人として活動をしていた経験を活かして文官として多くの功績を上げています。
登場人物と史実の比較⑨昌平君
"昌平君"は『キングダム』の物語で秦国の右丞相として活躍をするキャラクターです。昌平君は高い知力によって秦国の軍を指揮しており、秦国の武将達からは昌平君自身の武力も評価されていたりと、秦国にとって大きな戦力となっているキャラクターです。史実の昌平君は『キングダム』の物語同様に秦国で活躍をしていたものの、秦国に背いて楚国で楚王として戦った人物となっています。
登場人物と史実の比較⑩蒙恬
"蒙恬"は『キングダム』の物語で秦国に所属する武将として活躍をするキャラクターです。蒙恬は剣術や知力が秀でたキャラクターで" 楽華隊 "を率いており、信や王賁とはライバルという立ち位置になっています。史実での蒙恬は李信将軍の副将を務めて戦果を上げており、楚国の大将軍である" 項燕 "との戦闘で大敗をしているものの他に目立った敗北の無い高い実力を持った武将として知られています。
登場人物と史実の比較⑪蒙驁
"蒙驁"は『キングダム』の物語で"白老"という呼び名で有名な秦国の大将軍として登場するキャラクターです。蒙驁は特別に秀でた能力を持っている訳ではありませんが、戦闘においては無理をせず格下の相手には負けない安定感を持っています。史実の蒙驁は『キングダム』の物語と同じく斉国出身の秦国で将軍を務めた人物となっており、趙国や魏国等の戦闘で多くの戦果を上げる活躍をしています。
登場人物と史実の比較⑫王騎
"王騎"は『キングダム』の物語で秦国の六大将軍の一人として登場するキャラクターです。王騎は秦国にとって大きな戦力であっただけでなく、信の成長にも大きく影響を与えたキャラクターとなっています。史実には王騎という人物の活躍が存在していない為、読み方が同じとなっている"王齕"という秦国の武将がモデルになっていると考察されています。王齕は昭王の代から仕え趙国との戦闘で活躍をした人物となっています。
登場人物と史実の比較⑬騰
"騰"は『キングダム』の物語で秦国に所属する武将として登場し、王騎軍の副官を務めているキャラクターです。騰は王騎を長い間支え続けていたキャラクターであり、普段の冗談を好むお茶目な性格に反して王騎からも認められる高い実力の持ち主となっています。史実の騰は"内史騰"という名前で記録されており、『キングダム』の物語で印象的な王騎との活躍は存在しないものの、韓国の滅亡に大きく貢献した人物となっています。
登場人物と史実の比較⑭龐煖
"龐煖"は『キングダム』の物語で趙国の将軍として活躍をしているキャラクターです。龐煖は趙国の三大天の一人となっており、超人的な武力によって活躍をしているキャラクターです。史実の龐煖は『キングダム』の物語と同じく趙国に所属する将軍となっており合従軍の指揮を担当する活躍をしていますが、武力だけではなく"兵家"や"縦横家"として著書の執筆を行う等、知力による活躍もしている人物となっています。
登場人物と史実の比較⑮蒙武
"蒙武"は『キングダム』の物語で秦国の武将として活躍をしているキャラクターです。蒙武は高い武力によって攻撃的な戦闘を得意としており、軍全体の士気を重視した勢いのある力技で活躍をしています。史実の蒙武は秦国の将軍である"王翦"の副将を務めており、王翦と共に楚国との戦闘を行って項燕を敗死させる等の大きな戦果を上げた人物となっています。
登場人物と史実の比較⑯王翦
"王翦"は『キングダム』の物語で秦国の将軍として登場するキャラクターです。王翦は野心家であり利己的な行動が目立つ事から、本心の読めない危険人物と評されています。王翦は戦闘での実力が高く冷静な判断による安定した戦い方を得意とする為、主に防衛の状況で力を発揮するキャラクターとなっています。史実の王翦は李信が負けた楚軍に大軍を用いて勝利したりと、堅実な戦闘によって戦果を上げた人物となっています。
登場人物と史実の比較⑰桓騎
"桓騎"は『キングダム』の物語で蒙驁の副将として登場をするキャラクターです。桓騎は戦闘において非常に高い実力を持っていますが、敵国の市民に対して虐殺を行う等の普段の酷い行動から評価されず知名度の低い人物となっています。史実には桓騎が存在しない為、読み方が同じである"桓齮"が基になっていると考えられています。桓齮は楊端和や王翦と共に"鄴"等を攻撃しており、主に趙国との戦闘で活躍をした人物となっています。
登場人物と史実の比較⑱成蟜
"成蟜"は『キングダム』の物語で嬴政に対して反乱を起こしたキャラクターです。成蟜は王族として周囲から良い扱いを受けてきた事から身分の低い者達を軽蔑しており、『キングダム』の物語では序盤から性格の悪いキャラクターとして活躍をしています。史実の成蟜は『キングダム』の序盤に発生する反乱は起こしていませんが、趙国との戦闘の中で謀反を行い秦国の軍に敗北しました。
登場人物と史実の比較⑲太后
"太后"は『キングダム』の物語で嬴政の母親として登場するキャラクターです。太后は秦国の王子となる嬴政を産んだ事によって趙国で酷い扱いを受けた過去を持っています。太后は前述の過去から嬴政を憎んでおり、実の母親でありながらも嬴政の敵となるキャラクターです。史実の太后は"嫪毐"と愛人の関係を持ち、権力が高まると共に反乱を起こしました。しかし太后達は昌文君と昌平君に敗北し、太后は幽閉され一族は処刑されました。
登場人物と史実の比較⑳李牧
"李牧"は『キングダム』の物語で趙国の三大天の一人として活躍をするキャラクターです。李牧は高い武力を持ちながら策略家としても秀でた能力を持っており、『キングダム』では秦国にとって強大な敵として描かれています。史実の李牧は"守戦の名将"と評される程に敵軍からの侵略に対する防衛戦を得意としており、秦国の軍に勝利した功績等によって趙国の大将軍となっています。
【キングダム】年表を史実と比較
『キングダム』の物語は春秋戦国時代が基となっていますが、詳細な記録の少ない時代である事や物語をより魅力的な内容にする為に、『キングダム』の物語には春秋戦国時代の史実には無い出来事も含まれています。ここからは『キングダム』の年表と史実の年表の比較について紹介をしていきます。
キングダムの年表①紀元前251年
『キングダム』の物語では紀元前251年に9歳の頃の嬴政が生活をしていた趙国から秦国へと脱出するという出来事が起こっています。嬴政は闇商人である"紫夏"達の協力によって、犠牲者を出しながらも秦国への脱出に成功しました。史実では紀元前251年に秦国の王である"昭襄王"が死亡するという大きな出来事が発生しています。
キングダムの年表②紀元前248年頃
『キングダム』の物語では紀元前248年頃に主人公である信と漂が出会いました。信と漂はお互いに天下の大将軍になるという夢に向かって稽古を続けていきます。前述の出来事は春秋戦国時代の史実には存在せず、『キングダム』オリジナルの出来事となっています。
キングダムの年表③紀元前245年
『キングダム』の物語では紀元前245年に成蟜の反乱が発生しました。『キングダム』の物語序盤で発生する成蟜の反乱は、上記で紹介をしたように信と嬴政の出会いを印象付けるオリジナルのシーンとなっている為、史実の紀元前245年には存在しない出来事となっています。また『キングダム』の物語の紀元前245年は秦国と山民族との同盟や信が身分を得て戦場で活躍をする等と様々な出来事が発生した年となっています。
キングダムの年表④紀元前244年
『キングダム』の物語では紀元前244年に秦国と趙国との戦闘が始まり、信と王騎の関係が深まった年となっています。秦国は趙国の龐煖の活躍によって戦力を失う被害を受けており、王騎が死亡する際には王騎の矛を信が受け継ぐという出来事が発生しています。史実の紀元前244年では秦国は韓国を攻撃しており、王騎は『キングダム』の物語と同じく紀元前244年に死亡しています。
キングダムの年表⑤紀元前242年
『キングダム』の物語では紀元前242年に秦国が魏国との戦闘を行っています。魏国との戦闘が始まる中で信はライバルの関係となる楽華隊を率いる蒙恬や玉鳳隊を率いる王賁と出会います。魏国との戦いを経て信は功績が認められて千人将へと昇格します。史実の紀元前242年には『キングダム』の物語と同じく秦国と魏国の戦闘が発生しています。前述の戦闘では蒙驁が活躍をしており、史実の出来事と似た内容の物語となっています。
キングダムの年表⑥紀元前241年
『キングダム』の物語では紀元前241年に勢いのある秦国を止める為に結成された他の戦国七雄による合従軍が登場します。秦国は合従軍との戦闘を開始して多くの武将が活躍をする大規模な戦いとなっていきます。史実の紀元前241年にも『キングダム』の物語と同じく秦国と合従軍が戦闘を行っており、春申君や龐煖が指揮する合従軍との戦いは"函谷関の戦い"として知られています。
キングダムの年表⑦紀元前240年
『キングダム』の物語では紀元前240年に蒙驁が死亡するという出来事が発生しています。蒙驁は上記で紹介した通り秦国にとって戦闘で多くの貢献を行ったキャラクターとなっており、死亡する際に信達に自身の想いを伝えています。蒙驁の死亡は史実でも同じく紀元前240年の大きな出来事となっており、『キングダム』では感動的なシーンとして描かれています。
キングダムの年表⑧紀元前239年
『キングダム』の物語では紀元前239年に成蟜が呂不韋の部下である"蒲鶮"によって反乱を偽装され死亡しています。成蟜は妻である瑠衣の故郷が趙国に攻撃された為出陣しますが、蒲鶮に捕らえられて成蟜が反乱を起こしたかのように偽装されてしまいます。脱出に成功した成蟜は蒲鶮を倒しますが負傷によって自身も死亡してしまいます。史実では蒲鶮の偽装ではなく成蟜が反乱を起こしており、秦国に敵わず自殺したと伝えられています。
キングダムの年表⑨紀元前238年
『キングダム』の物語では紀元前238年に"加冠の儀"が行われ、嬴政と呂不韋が出会いお互いの意見を伝えるという出来事が発生します。加冠の儀が行われた際に嫪毐が反乱を起こしましたが、信達の活躍によって反乱は失敗に終わり嫪毐は処刑されました。史実の紀元前238年にも『キングダム』の物語と同じく嫪毐が反乱を起こしており、秦国に敗北した嫪毐は処刑されています。
キングダムの年表⑩紀元前237年
『キングダム』の物語では紀元前237年に桓騎を大将とした秦国が趙国の黒羊丘で戦闘を行いました。黒羊丘の戦いでは苦戦をしながらも大将の桓騎や飛信隊の趙国の武将を討つ活躍によって秦国が勝利しました。史実の紀元前237年では桓騎が将軍に昇格をしており、趙国との戦闘で複数の城を獲得する活躍をしています。
キングダムの年表⑪紀元前236年
『キングダム』の物語では紀元前236年に趙国の"鄴"を戦場とした戦いが発生しました。秦国は王翦を総大将として楊端和や桓騎を大将とした連合軍を結成しました。鄴の攻略は前述の大将達に加えて信や王賁という多くの戦力が参加する大規模な戦いとなっています。史実の紀元前236年には『キングダム』の物語と同様に"鄴の戦い"として知られる出来事が発生しており、秦国はこの戦いによって趙国に大きな被害を与えています。
キングダムの年表⑫紀元前235年
『キングダム』の物語では紀元前235年に飛信隊と"羌礼"が出会うという出来事が発生します。羌礼は飛信隊に対して殺気を放ち酷い態度を取り続けていましたが、羌瘣との決闘を経て態度が大きく変化して飛信隊に謝罪を行い加入しました。史実の紀元前235年には権力の落ちた呂不韋が毒により自殺するという出来事が発生していますが、『キングダム』の物語では自殺を装って逃走しています。
キングダムの年表⑬紀元前234年
『キングダム』の物語では紀元前234年に秦国で新たに六大将軍が選ばれて、秦国が趙国の平陽に攻め込み戦闘が開始しました。平陽の戦闘では桓騎軍が苦戦を強いられますが、敵の意表を突いた戦略によって敵本陣の攻撃に成功し勝利しました。前述の平陽での戦闘は史実の紀元前234年にも存在しており、戦いに勝利した桓騎は10万人の首を斬った事で知られています。
キングダムの年表⑭紀元前233年
『キングダム』の物語では紀元前233年に秦国が趙国と戦闘を行いますが、趙国の武将である李牧によって苦しい状況を迎えます。李牧は大軍によって秦国の兵士達を囲い込む事に成功し、敵軍に囲まれた飛信隊達は囲いを突破しようと試みます。史実の紀元前233年には秦国が趙国の赤麗等に攻め込みましたが、李牧が防衛に成功し勢いのあった秦国の攻撃を退かせるという大きな活躍をしています。
【キングダム】史実で実在しないオリジナルキャラ
『キングダム』は春秋戦国時代に実在した李信という人物が主人公の基となっている等、史実に存在する人物が多数登場しています。しかし『キングダム』では全ての登場キャラクターが史実と同じという訳ではなく、春秋戦国時代の史実に存在していないオリジナルのキャラクターが登場しています。ここからは春秋戦国時代の史実には存在しない『キングダム』のオリジナルキャラクターについて紹介をしていきます。
オリジナルキャラ①漂
"漂"は幼少期から主人公の信と同じ境遇に遭っているキャラクターです。漂は『キングダム』の物語序盤で死亡してしまうキャラクターとなっていますが、信の天下の大将軍になるという夢や信と嬴政の関係にとって重要な役割を持ったキャラクターとなっており、物語序盤で死亡したキャラクターにも関わらず強く印象に残るキャラクターとなっています。
オリジナルキャラ②河了貂
"河了貂"は飛信隊の軍師として活躍をしている女性のキャラクターです。河了貂は"梟鳴"という山民族の末裔となっており、生存する事を強く意識して行動をしています。河了貂は元々金を目的として信達に協力していましたが、仲が良くなってからは昌平君の元で修行を行う等と信を助ける為に軍師としての実力を高めています。
オリジナルキャラ③向・麗
"向"は秦国の宮廷に仕えている女性で嬴政を強く慕っているキャラクターです。向は嬴政の夜伽の相手を務めており、命の危険を覚悟で反乱の情報を伝えようとしたりと嬴政を支え続けているキャラクターとなっています。また向は娘となる"麗"を産んでおり、嬴政を支えながら麗を守り育てる母親として活躍をしています。
オリジナルキャラ④陽
"陽"は秦国の宮廷の仕えている女性で、上記で紹介をした向の親友となっているキャラクターです。陽は身分の高い生まれであるものの親友であり同じ宮女のライバルである向を気に掛けており、向が負傷した際には嬴政の元に向かい直接助けを求める等と周囲からの評価や自身の身の危険を気にせず積極的に行動をする仲間想いなキャラクターとなっています。
オリジナルキャラ⑤瑠衣
"瑠衣"は秦国の王族である成蟜の妻として活躍をしているキャラクターです。瑠衣は成蟜が反乱を起こし自身の地位が低くなっても成蟜を側で支え続けており、反乱の偽装によって成蟜が死亡した後は成蟜の一派のまとめ役を務めています。瑠衣は加冠の儀に参加しており、嬴政と呂不韋の話し合いを聞き嬴政の中華統一に対する想いに心を打たれました。
オリジナルキャラ⑥渕
"渕"は信が率いている飛信隊に所属しており、飛信隊の副長として活躍をしているキャラクターです。渕は連絡役として信に同行していましたが、信が行った王騎との修行に付き合う事になってしまい修行を経て飛信隊の副長となりました。渕は秀でた武力や知力を持っている訳ではありませんが、強い責任感を持って飛信隊のまとめ役を務めており、隊の士気に大きく影響を与える重要な存在となっています。
オリジナルキャラ⑦楚水
"楚水"は信が隊長の飛信隊に所属して副長を務めているキャラクターです。楚水は元々千人将である"郭備"が率いる隊で副官を務めていましたが、"輪虎"との戦闘で郭備隊が壊滅的な被害を受けた事によって飛信隊に加入しました。楚水は郭備隊での経験から飛信隊で補給を担当しており、真面目な性格によって周囲から強く信頼されているキャラクターとなっています。
オリジナルキャラ⑧輪虎将
"輪虎"は魏国に亡命した廉頗が率いる廉頗四天王の一人として活躍をするキャラクターです。 輪虎は秦国の将軍を多数討ち取っている実力者となっており、戦闘スタイルや考え方等が信とは対照的な部分の多い強敵となっています。輪虎は王賁と信を相手に圧倒する程の高い実力を持っており、秦国にとって強大な敵となっています。
オリジナルキャラ⑨カイネ
"カイネ"は趙国の三大天の一人である李牧の護衛として登場する女性のキャラクターです。カイネは李牧からの信頼が厚く、李牧の目的を事前に知らされていたり重要な場での護衛を務めてたりと李牧を支え続けるキャラクターとなっています。カイネは飛信隊に所属する女性である河了貂を気遣っており、敵国でありながらも戦場で活躍する女性として気に掛けています。
オリジナルキャラ⑩舜水樹
"舜水樹"は趙国に所属する将軍となっており、李牧軍の副官として活躍をしているキャラクターです。舜水樹は高い知力によって李牧を支えており、少ない情報から秦国の狙いに気付き李牧に報告を行ったり、李牧が危険な状況となったら命懸けで救出を試みたりと李牧軍にとって重要な戦力となっています。
オリジナルキャラ⑪媧燐
"媧燐"は楚国に所属する大将軍で、"李園"と共に楚国の丞相として活躍をしている女性のキャラクターです。媧燐は女性ながらも相手を力技で簡単に倒せる程の高い身体能力を持っており、武力だけでなく"戦の天才"と言われる程に先を見据えた戦術によって戦況を有利にする事も可能な非常に高い実力を持っているキャラクターとなっています。
オリジナルキャラ⑫桓騎軍メンバー
桓騎軍のメンバーは史実の桓騎と『キングダム』の桓騎の過去が異なる事から、メンバー全体がオリジナルのキャラクターとなっています。桓騎軍には多くのキャラクターが所属しており、周囲からの評価が悪い桓騎の事を慕っています。桓騎軍のメンバーは柄の悪い印象が強いですが、全員が乱暴という訳でなく良識を持ったメンバーも所属する軍となっています。
オリジナルキャラ⑬山の民メンバー
山の民のメンバーは楊端和が史実と異なる設定を持ったキャラクターである事からオリジナルのキャラクターで構成されています。山の民のメンバーは人間性の無いキャラクターが殆どであったものの、楊端和が秦国との関係を深めていくにつれて山の民以外との交流も行うようになっていきます。山の民のメンバーは仮面によって顔が隠れている事が特徴となっており、素顔が不明なキャラクター達が所属しています。
オリジナルキャラ⑭王翦軍メンバー
王翦は自身の身を守る為に優秀な人材を積極的に自分の軍に引き入れています。王翦が保身の為に自身の軍を強化していた事は『キングダム』の物語と史実で共通していますが、史実では王翦本人の活躍についての記載が殆どとなっている為、『キングダム』に登場する王翦軍のメンバーは史実に記録されていないオリジナルのキャラクターと考えられています。
【キングダム】史実に対する世間での評判や人気
『キングダム』はオリジナル要素を含みながらも史実に沿った内容が描かれている事から、史実との比較が楽しめる作品となっています。『キングダム』では実際に発生した出来事が描かれている事から、残酷な内容も含まれているものの時代が感じられる作品として高く評価されています。
『キングダム』には春秋戦国時代の内容が多く含まれていますが、紀元前の史実である事から詳しい情報の少ない時代となっています。『キングダム』の読者の中からは史実の出来事にオリジナルの設定を加える事によって、情報の少ない時代が基になっている事を感じさせない面白い作品として連載を続ける作者の原泰久を評価する声が上がっています。
『キングダム』の物語は殆どが史実に沿って進行していきますが、オリジナル要素によって史実とは違った展開を迎える場合が存在しています。『キングダム』の読者達からは史実では今後の戦闘で死亡したとされるキャラクターが、『キングダム』では史実通り死亡するのか、違った展開を迎えるのかについて考察する声が上がっています。
【キングダム】史実に基づいているが違いもあった
『キングダム』と春秋戦国時代の史実との関係について紹介をしました。『キングダム』では物語の展開や登場キャラクターの設定が史実に基づいた内容となっていますが、史実とは違った活躍や春秋戦国時代の史実に存在していないオリジナルキャラクターが複数登場する等と、史実と異なる要素も多く含まれている作品となっている事が分かりました。
この記事のライター
サカモト
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