【キングダム】えいせい(嬴政)の出生から生い立ちまで解説！王までの道も

えいせい（嬴政）は、『キングダム』の主要キャラクターの1人です。若くして秦王の地位に就き、400年間戦乱の続く中国を統一し、戦いの世を終わらせようと彼は行動を起こします。まずは、えいせい（嬴政）のプロフィールと史実、彼の能力について解説します。あわせて、『キングダム』の概要とあらすじもまとめてみました。

『キングダム』のえいせい（嬴政）は、秦国第31代の国王であり、後の秦の始皇帝になる人物です。若くして、秦王に就任し「群雄が割拠し400面間戦乱の続く中国を統一し、戦いの世を終わらせる」彼はこの大望を実現するために行動します。えいせい（嬴政）は、戦神と呼ばれた秦国王・昭王の孫にあたり、秦国と争いを繰り広げていた隣国の趙で生まれています。

『キングダム』のえいせい（嬴政）は、史実に登場する実在の人物で、紀元前221年に彼は中国を統一し始皇帝を名乗っています。『キングダム』で描かれるえいせい（嬴政）は、強さと優しさも兼ね備えた好青年ですが、史実とはかなり異なるようです。歴史書には、臣下の呂不韋がが亡くなった際、葬式に参列し涙を流した者を全員処刑した、自分と対立する人物は容赦なく処刑するなど、暴君として記録されています。

秦の始皇帝の座に就いてからは、学問の書物をすべて焼き払う焚書を行ったことや、万里の長城建設のために重労働や重税を国民に課したことも記されています。この苛烈な統治の影響もあり、中華統一後、秦はわずか15年で滅亡しました。

『キングダム』でえいせい（嬴政）は、物語で武術に堪能な人物として描かれています。王弟・成蟜（せいきょう）が反乱を起こしたとき、彼はわずか50人の配下を率い多数の成蟜軍と戦い活躍しました。主人公・信や昌文君、山の民の王・楊端和が駆け付けるまでえいせい（嬴政）は成蟜軍の猛攻を凌ぎ切っています。えいせい（嬴政）はカリスマ性も兼ね備える人物です。亡君・昭王亡き後、一線を退いた王騎将軍を叱咤し、秦国総大将に就任させています。

『キングダム』は原泰久さん作の大人気歴史漫画です。『週刊ヤングジャンプ』において2006年9号より連載が始まり、現在も同誌で連載が続いています。中国の春秋戦国時代末期を舞台にした魅力的なキャラクター、人間ドラマ、迫力の戦闘シーンが織りなす物語は読者を熱くさせています。2012年6月にはテレビアニメの放送も始まり、2018年には実写映画も公開されました。

中華西北に位置する秦国のとある村で、信と漂は下僕として生活をしていました。そんな2人は、下僕という身分を脱して戦場で活躍し大将軍になるため、剣術修行に励みます。漂は念願が叶い秦国の宮廷に召し抱えられたものの、1か月で命を落とします。悲しむ信でしたが、亡き漂に遺言されたある村に向かい、この村で彼は秦国王・えいせい（嬴政）と出会いました。ここから、亡き漂の念願でもある大将軍になる夢を実現するため、信は苛烈な戦場に身を投じます。

『キングダム』のえいせい（嬴政）の出生や生い立ちには秘密の部分もあります。彼は、若くして秦の代31代国王の地位に就きますが、秦王になるまでには紆余曲折もありました。ここでは、『キングダム』のえいせい（嬴政）が持つ出生の秘密と生い立ち、秦王になるまでの道のりを解説します。

『キングダム』のえいせい（嬴政）は、隣国・趙の邯鄲で生まれています。秦と隣国の・趙は戦闘状態にあり、父である荘襄王は趙で人質として生活し、この地でえいせい（嬴政）は産声を上げました。えいせい（嬴政）は、父・荘襄王と母・大后とともに暮らしていたものの、生い立ちは非常に過酷で暗いものでした。

秦が趙の兵士40万人生き埋めにした長平の戦い後は、趙の国民から暴力を受けるようになり、さらに凄惨な日々を送るようになります。しかし、秦国・昭王が亡くなり状況は一変しました。父・荘襄王が秦の国王を引き継ぐことになり、えいせい（嬴政）は、秦国へと帰還を果たし、暗い生い立ちと決別しています。

荘襄王亡き後、『キングダム』のえいせい（嬴政）は13歳の若さで秦国王の座に就きます。しかし、これが気に入らないえいせい（嬴政）の弟・成蟜（せいきょう）は、反乱を起こしました。反乱は成功し、嬴政は王宮を追われ、黒卑村へと脱出します。自身の影武者である漂に「もしものときは信におつかまりください」と聞かされていたため、えいせい（嬴政）はこの言葉を信じ、昌文君が用意した避難先である黒卑村に向かいました。

漂は追手に討たれて命を落としたものの、漂から遺言を授かった信が黒卑村に辿り着いていました。そして、えいせい（嬴政）は信と、道案内として仲間に加わった河了貂とともに黒卑村を脱出し、昌文君が用意した安全な場所へ移動します。昌文君と合流したえいせい（嬴政）は、山の民の王・楊端和の協力を勝ち得て、成蟜反乱を鎮めようと王宮に軍を進めました。王宮では、昌文君ともに囮になり、弟・成蟜を王宮の広場へとおびき出し、捕虜として捉え、反乱を鎮圧しています。

成蟜の反乱を鎮めた後、趙が秦国へと攻め込んできました。対応策を講じているえいせい（嬴政）の元に、昭王亡き後一線を退いた秦国六代将軍・王騎将軍が訪れ、彼は「どのような王になりたいのか」と問いかけます。ここで、えいせい（嬴政）は即座に「中華の唯一王だ」と答えました。昭王の宿願であった中華統一を孫であるえいせい（嬴政）から聞かされた王騎将軍は嬴政を認めました。えいせい（嬴政）が放つ曇りの1点もない言葉に、王騎将軍は心を打たれたようです。

趙の参謀・李牧は、自軍に楚軍・燕軍・韓軍・魏軍を加え合従軍を組織し、秦の函谷関へ攻撃を仕掛けてきました。秦国軍は奮戦し、合唱軍相手に戦いを有利に進めます。しかし、李牧は策を練り、別働部隊で秦国の王宮を攻撃する計画を実行していました。秦国の絶体絶命な危機的な状況でしたが、えいせい（嬴政）は自ら兵を率い城址・蕞（さい）へと出陣しました。

蕞に到着したえいせい（嬴政）は「秦のために戦おう」と臣民を鼓舞し、奮い立たせ、李牧軍を見事に撃退しています。臣下の昌文君はこの光景を目の当たりにして「戦神と称された先代の昭王を超える」と涙を流し、彼の活躍する姿を讃えています。

『キングダム』のえいせい（嬴政）は、後宮に出仕していた向と結婚しています。貧しい身分出身の向は、後宮で雑務を命じられていましたが、ある日えいせい（嬴政）の伽を務めることになりました。しかし、えいせい（嬴政）は向に何もせず、その後も毎夜も向を伽に呼びますが結局手を出さず仕舞いです。

えいせい（嬴政）によると、向の傍は安心できて心地が良かったから毎晩伽に呼んでいたようです。そんな2人でしたが、次第に惹かれ合い結婚し娘を授かります。えいせい（嬴政）は、娘に「麗」と名付けています。

合唱軍を討ち破った函谷関との戦い後に、『キングダム』のえいせい（嬴政）は太后が起こした反乱を鎮圧しています。魏の著雍（ちょよう）を秦が攻略した後、えいせい（嬴政）の実母・太后は山陽・著雍を自分の後宮勢力がもらうと言い始めました。

太后はすぐにこの案を実行に移し、後宮で密通し子供を2人設け、その後も関係を続けていた嫪毐（ろうあい）を国王に据え、毐国（あいこく）を建国します。毐国は楚国と外交関係を結ぶようになり、後宮の財力を背景に発展し、秦の咸陽へと攻め込んできました。しかし、毐国の反乱は秦軍に鎮圧されています。

趙との朱海平原の戦いに勝利を納めた『キングダム』のえいせい（嬴政）は、信を将軍に任命しています。朱海平原の戦いで活躍した信は、その功績を称えられ、終に念願の大将軍になるという夢を叶えています。えいせい（嬴政）に「将軍になるためには姓が必要だと」と教えられた信は、自らに李という姓を付け、李信と名乗るようになりました。

『キングダム』のえいせい（嬴政）は、秦王の地位に就き、中華統一の大望を実現する過程で数多くの人物と出会い成長を遂げていきました。ここでは、えいせい（嬴政）に影響を及ぼした『キングダム』の登場人物との人間関係を解説します。

えいせい（嬴政）は、『キングダム』の主人公・信と深い絆で結ばれています。えいせい（嬴政）は、弟・成蟜の反乱で王宮を追われ脱出します。そして、えいせい（嬴政）は、彼の影武者として王宮に出仕していた幼馴染・漂の遺言を受け、黒卑村に来た信にこの村で出会いました。2人協力して成蟜の反乱を鎮め、えいせい（嬴政）の中華統一の大望と信の大将軍になるという夢の実現のために共闘し、戦乱の世を駆け抜け大活躍します。

『キングダム』の漂は、信と小さい頃から下僕として一緒に育った人物です。漂は、えいせい（嬴政）の影武者として秦の王宮に仕え、彼に日頃から信がどのような人物なのかを話し聞かせており、「私が倒れた時は信におつかまり下さい。あいつはきっと誰よりも高く翔ぶ」とも語っていました。漂は成蟜の反乱で命を落としましたが、死ぬ間際に信に地図を託し「この場所に向かってくれ」と言い残しています。この言葉を受けた信は黒卑村に向かい、えいせい（嬴政）と運命の出会いを果たしています。

『キングダム』の昌文君は、えいせい（嬴政）にとって最も信頼のおける忠臣です。趙からえいせい（嬴政）が脱出したときから彼に仕え、支え続けています。成蟜の反乱の際は、反乱の動きを察知し、予め影武者の漂を用意したり、複数の避難先を確保しておいたり、えいせい（嬴政）のために奔走していました。昌文君は、反乱を鎮める戦いにも参加し活躍しています。元々は武官でしたが、文官になり左丞相の地位に上り詰めています

敵国である趙で生まれ、ひどい扱いを受け過酷な人質生活を送り、えいせい（嬴政）は心を閉ざしてしまいます。闇商人・紫夏（しか）は、そんなえいせい（嬴政）の身も心も救った命の恩人です。同じく趙で人質として暮らしていた父・荘襄王が次期秦国王に就任することが決まり、えいせい（嬴政）は秦に帰還することになりました。この脱出を紫夏は助けます。えいせい（嬴政）は、命を懸けて自分を守り、優しく抱きしめてくれた温かい紫夏に出会い、人の心を取り戻してもらいました。

母の元恋人でもあり、加冠の儀を執り行うまでは内政の実権を握られ、えいせい（嬴政）にとって呂不韋は宿敵ともいえる人物です。呂不韋は、えいせい（嬴政）が生まれる前は太后と許嫁の関係でした。しかし、ある日、呂不韋は彼女に荘襄王と結婚するように進め、そして、この言葉に従った太后は荘襄王と結婚し、えいせい（嬴政）を産んでいます。呂不韋はその後、金の力にものを言わせ、荘襄王を秦国王の地位に就かせ、丞相に就任しました。

『キングダム』の向は、えいせい（嬴政）と結婚し麗という娘を設けた彼の后です。身分が低いため後宮の雑務を命じられていた向は、ある日えいせい（嬴政）の伽を命じられます。その後も向は、えいせい（嬴政）の伽に毎夜呼ばれますが、2人に何も起こりません。

えいせい（嬴政）は寝る前に読書がしたかったらしく、寝床で固まって動かないでいる向は、読書の時間を確保するために絶好の人物だったようです。しかし、えいせい（嬴政）は向に居心地の良さを感じ、彼女もまた彼に惹かれていきました。そして2人は結婚することになります。

『キングダム』のえいせい（嬴政）と彼の母・太后は複雑な関係です。太后は趙で荘襄王と婚姻を果たし、嬴政を産みましたが、趙での過酷な生活のせいもあり、育児放棄をしていました。秦国に戻ってからもこの状態は変わらず、えいせい（嬴政）にまったく愛情を覚えません。呂不韋や嫪毐（ろうあい）と密通したり、自ら支援し恋仲の嫪毐を毐国（あいこく）の国王にし反乱を起こしたりとえいせい（嬴政）を苦しめます。毐国の反乱騒動の後、太后は塔へ幽閉されてしまいました。

『キングダム』の成蟜はえいせい（嬴政）の異母兄弟です。成蟜は、純血主義に囚われ、平民出身の母を持つえいせい（嬴政）よりも、王族の血を引く母を持つ自分が秦国王にふさわしいと考えます。そして、王宮内で自らの勢力を拡大し、終にえいせい（嬴政）に対して反旗を翻します。

成蟜はえいせい（嬴政）をぎりぎりのところまで追い込みましたが、反乱は鎮められ、彼は幽閉されました。その後は和解し、昌文君の左丞相就任に協力するなど、えいせい（嬴政）の良き理解者になっていきます。しかし、呂不韋の策によりクーデターの首謀者であると罪を擦り付けられ、戦いで命を落としています。

『キングダム』の瑠衣は成蟜の正妻です。瑠衣は、成蟜が秦国王の地位を狙っていたときは、石を投げつけるほどえいせい（嬴政）を嫌ってしました。しかし、成蟜の反乱が失敗に終わり、彼が嬴政と和解したあたりから態度が一変します。成蟜がえいせい（嬴政）への理解を深め、成長して行くに連れて、彼女も大きく成長を果たしました。成蟜亡き後は、彼の一派を取りまとめ、えいせい（嬴政）を支える重要な役割を担う人物になっています。

威厳を纏い、他者を圧倒するるオーラを放つ『キングダム』のえいせい（嬴政）は、人の心に響く名言を数々残しています。ここでは『キングダム』のえいせい（嬴政）が放った数々の名言の中から、特に印象に残る言葉を3つ紹介します。

えいせい（嬴政）が呂不韋に対して放った名言です。呂不韋はえいせい（嬴政）に世の中は金銭で出来上がっており、金銭で世を治めるべきだという考えを披露しました。しかし、えいせい（嬴政）は「人の本質は光であり、死んでいった者の光を受け継ぎ、次世代の人物がこの光を輝かせ、人の世は続いていく」という考えを述べ、そのためには武力を用いることも厭わないと強い決意を示しました。この言葉で呂不韋は、えいせい（嬴政）のことを王としてはじめて心から認めました。

山の民の王・楊端和に放った名言です。えいせい（嬴政）は、成蟜の反乱を鎮めるために楊端和に協力を要請しましたが、この名言を放ち中華を統一して戦乱の世を終わらせると強い意志を示し、彼女の信頼を勝ち取っています。

趙・楚・燕・韓・魏の合従軍が秦に攻め込んできたときに、秦の王宮にいる文官たちは慌てふためきます。大軍の襲来に我を失い、敗北を覚悟し、臣下にあきらめの空気も漂う中、えいせい（嬴政）はこう言い放ちました。秦国存亡の危機が迫る中、対策を講じられるのは我々以外にないと、彼は臣下を鼓舞しました。

えいせい（嬴政）は容姿端麗であり、信念に基づく彼の言動や生き様は多くのキングダムファンを魅了しています。えいせい（嬴政）の放つ名言、曇りのない真っ直ぐな意思と行動、えいせい（嬴政）を「かっこいい」とつぶやいているファンは数多くいます。

『キングダム』のえいせい（嬴政）は、数々の名言を残していますが、キングダムファンは彼の言葉に心を打たれる人が多いようです。ノートに名言を写して読み見返したり、彼の言葉と世の中で起こる諸問題とを重ね合わせて考えたり、えいせい（嬴政）の名言はファンに影響を与えています。

えいせい（嬴政）の出生や生い立ちを知ったキングダムファンは、さまざまな想いや考えをつぶやいています。幼少時代の過酷な人質生活という背景をもつえいせい（嬴政）が中華統一を成し遂げようとする姿に奮い立ち、愛情を受けずに育ったえいせい（嬴政）が妻や子に愛情を注ぐ姿に心を和らげられた人は多いです。

『キングダム』のえいせい（嬴政）は、出生に秘密を持つ人物でした。敵国の人質として趙の邯鄲で生まれた彼は、敵国人ということから趙の人々からむごい扱いを受けます。そして、幼かった彼は心を病み、閉ざしてしまいました。しかし、秦国に帰還が決まり、闇商人・紫夏との出会いがあり、彼は自分を取り戻します。秦に戻った彼は、戦乱の世を終わらせるため中華統一に動きだしました。秦の中華統一への道のりはいまだ道半ば、今後のえいせい（嬴政）にも大注目です。