【エヴァンゲリオン】碇シンジは内向的な性格だけどかっこいい？名シーンを紹介

『エヴァンゲリオン』に登場する碇シンジは、エヴァ初号機の専属パイロットである14歳の少年です。作中では、使徒との戦いや仲間との交流を経て強くてかっこいい主人公へと成長していきます。まずは、そんな碇シンジの基本的なプロフィールと、『エヴァンゲリオン』という作品について概要とあらすじを簡単に紹介します。

碇シンジは、エヴァンゲリオン』に登場する主人公で、落ち着いた雰囲気の中学生です。仕事柄子育てが難しい両親の下に生まれた為、幼い頃から両親の知人に預けられ育ちました。その為、実の父親であるネルフの総司令・碇ゲンドウに対して、どこかよそよそしい態度をとります。碇ゲンドウの指示で、エヴァ初号機の専属パイロットに任命され、使徒との戦いに身を投じることになります。

碇シンジが活躍する『エヴァンゲリオン』は、GAINAXが1995年に制作したテレビアニメです。アニメ作家である庵野秀明（あんの ひであき）さんが原作と監督を務め、1990代を代表する名作アニメの1つとして有名な作品となっています。テレビアニメ放送当時より根強いファンがいて、テレビアニメが終了して15年以上が経過した現在でも、新作映画やグッズ展開など、幅広い分野で人気を集めています。

『エヴァンゲリオン』は、西暦2015年の架空の日本を舞台にしています。2000年に発生した未曽有の大災害「セカンドインパクト」によって、世界人口は半分まで減少していました。人類が生活を立て直しつつある中、日本の第3新東京市には、「使徒」とよばれる謎の敵が襲来するようになります。碇シンジをはじめとするエヴァのパイロット達は、そんな使徒から人々を守る過酷な戦いに身を投じることになるのでした。

碇シンジは、従来のロボットアニメでよく見る気が強くて熱い性格の主人公とは、真逆の性格をした主人公です。一見、かっこいい主人公とは思えない碇シンジですが、作中で精神的に成長し、かっこいい姿を見せるようになります。ここからは、碇シンジが作中で見せたかっこいい魅力を9つ紹介します。

碇シンジのかっこいい魅力その1は、優しそうな中性的な顔立ちです。母親である碇ユイ似の碇シンジは、14歳ですがあどけなさの残る幼い顔つきをしています。作中でも、同居することになった葛城ミサトからも「可愛らしい」と容姿を褒められていました。庵野秀明監督は、日本古来のかっこいい主人公像である、中性的な容姿にこだわって碇シンジの作画をしたそうです。

碇シンジのかっこいい魅力その2は、内向的な性格です。複雑な家庭環境で育った碇シンジは、両親の愛情に飢えていて、表面上は優等生を演じながらも、人と深く関われないトラウマを抱えています。その為、どこか自信なさげで陰のある雰囲気を出しています。『エヴァンゲリオン』の放送前までのロボットアニメは、勢いのある熱い性格をしている主人公が多かった為、正反対の性格をした碇シンジは視聴者に大きな印象を与えました。

碇シンジのかっこいい魅力その3は、周囲の空気を読んでそれに合わせて行動できるところです。碇シンジは、実は鋭い観察眼の持ち主で、その場の空気を読むことに長けています。仲間の心境を直感的に察知し、自分が今すべきことや言うべき言葉を自然と出せる優しさを持っています。

碇シンジのかっこいい魅力その4は、チェロの演奏ができることです。自己評価の低い内向的な性格の碇シンジですが、実は手先が器用でチェロの演奏ができます。育ての親である人物の勧めで5歳からチェロを習っていて、ずっと続けていました。作中でチェロを弾いている時の碇シンジの姿は、非常にかっこいいと視聴者から人気を集めました。

碇シンジのかっこいい魅力その5は、家事全般を得意とする家庭的な少年というところです。なんでもそつなくこなす器用な碇シンジは、家事もできる家庭的な一面があります。中でも、料理は自分の特技にしている程得意です。葛城ミサトの自宅で同居している時は、生活能力の乏しい葛城ミサトに変わって家事全般を担当していました。

碇シンジのかっこいい魅力その6は、大切なものを守る為に命を懸けられるところです。普段は消極的な言動が多い碇シンジですが、実は一度自分で決めたことは曲げない頑固な性格でもあります。その為、守ると決めたものや相手の為にはたとえ自分が傷つくことになっても全力で行動します。

碇シンジのかっこいい魅力その7は、フィギュアスケート選手の羽生結弦（はにゅう ゆづる）とそっくりなところです。羽生結弦さんは、2019年に神戸で行われたアイスショーで『エヴァンゲリオン』の主題歌「残酷な天使のテーゼ」の曲で演技を披露しました。羽生結弦さんも中性的な顔立ちで細身の体型であった為、ファンからは「リアルシンジ」だと話題になったのです。これには、碇シンジ役を務める声優の緒方恵美さんも「違和感ナサスギ」と驚き感動しました。

碇シンジのかっこいい魅力その8は、劇場版の「シン・エヴァ」で大人っぽく成長したところです。テレビアニメ版での碇シンジは、どこか優柔不断で頼りない雰囲気がありました。しかし、劇場版の『シン・エヴァ』では、自分の考えや思いをしっかり人に伝え行動できる大人へと成長しています。『エヴァンゲリオン』の真の魅力は、主人公である碇シンジの心の成長だと語るファンも大勢います。

碇シンジのかっこいい魅力その9は、漫画『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画』での活躍です。この作品は、『エヴァンゲリオン』を原作としたアナザーストーリーで、碇シンジ達が学園生活を楽しむコメディ色の強い物語となっています。本作に登場する碇シンジは、優柔不断な性格ではありますが、成績が良く、他人にも優しくできる優等生という設定です。また、両親との親子関係が良好な為、気は弱いけど明るい中学生という印象になっています。

『エヴァンゲリオン』は、日本のみならず、海外にも多くのファンがいる大人気の作品です。作中に登場するセリフの中には、思わず視聴者が感情移入してしまう名言や名シーンが数多く登場します。特に主人公である碇シンジのセリフには、印象に残る名言や名シーンが多いです。ここからは、碇シンジの性格や特徴がよく判る名言、名シーンを8つ紹介します。

何の情報もないまま、エヴァに乗ることを強要された際に碇シンジが自分を鼓舞するように発した名言です。突然、父親である碇ゲンドウから呼び出されたかと思ったら、いきなりエヴァに乗れと命令される碇シンジ。当然のように困惑しますが、目の前でエヴァ零号機に乗って戦う同級生のパイロット・綾波レイの姿を見て、自分も怖い気持ちを抑え込むように暗示をかけながらエヴァに乗り込みます。

無事だった綾波レイに対して碇シンジが投げかけた名言です。碇シンジは、綾波レイと協力して使徒と戦っていましたが、使徒の猛攻を受けて綾波レイがピンチに陥ります。使徒を殲滅した後、碇シンジは綾波レイの下に駆け寄り、無事であることに安堵し涙を流しました。そんな碇シンジの姿を見て、感情の乏しい綾波レイは「こういう時どのような顔をしていいのかわからない」と困惑します。碇シンジは、上記の名言を発し、それに応えるように綾波レイは笑顔を浮かべる名シーンです。

エヴァ初号機の活動限界を越えてしまった際に碇シンジが叫んだ名言です。使徒との交戦中、碇シンジが乗るエヴァ初号機は、定められた活動限界を越えて動かなくなってしまいました。自分が戦わなきゃ仲間を守れないという焦りと責任感から、碇シンジは初号機に動けと必死に叫びます。碇シンジの誰も死なせたくないというこの思いは、初号機を覚醒させ、活動限界を越えたにもかかわらず動き出します。エヴァ初号機が覚醒する名シーンです。

戦闘で綾波レイが死亡したとされる中、碇シンジが葛城ミサトに発した名言です。少しずつではありますが、綾波レイと良好な関係を築き始めていた碇シンジ。そんな中、使徒との戦いで、綾波レイは碇シンジを助ける為に自爆という手段を取りました。綾波レイの死亡がほぼ確実とされ、碇シンジは悲しい気持ちが膨れ上がります。しかし、ショックが大きくなりすぎて、涙が出ないことに困惑するのでした。

友達として接してきた渚カヲルと失って落ち込んだ碇シンジが発した名言です。碇シンジは、人類を守る為に自らの手で使徒である渚カヲルを殲滅しました。しかし、2人は戦う前に交流を持っていて、渚カヲルは碇シンジの人間性に好意を寄せている発言をしていました。使徒ではありましたが、初めて好きだと言ってくれた友達を殺してしまった罪悪感で、碇シンジが悲しみにくれる名シーンです。

NERV（ネルフ）のやり方に怒りを覚えた碇シンジが発した名言です。エヴァ参号機の起動実験中に、ひそかに参号機に寄生していた使徒が活動を始めて参号機は暴走してしまいました。中に人が乗っている為、攻撃を躊躇う碇シンジでしたが、碇ゲンドウはダミープラグを用いて初号機を操作し、使徒もろとも参号機を破壊します。参号機のパイロットが、友達の鈴原トウジだと知った碇シンジは、ショックを受けてNERVのやり方に怒りを露わにするのでした。

愛情に飢えている碇シンジが精神世界で発した名言です。NERVによる人類補完計画が実行されると、碇シンジは精神世界で自分の存在意義を自問自答します。その中で、これまで関わってきた仲間達が次々に現れて消えていきます。最終的に1人になってしまった碇シンジが、誰からでもいいから必要としてほしいと叫ぶ名シーンです。

綾波レイが無事だったことに安堵した碇シンジが発した名言です。共同作戦で使徒と交戦した2人ですが、出撃の前に綾波レイは碇シンジに対して「さよなら」と声をかけていました。まるで死を覚悟しているかのような言葉に、碇シンジは悲しい気持ちになります。そして、戦いの中でピンチに陥った綾波レイを碇シンジが助け出し、上記の名言を発しました。

碇シンジは、『エヴァンゲリオン』の主人公として、主要な登場人物と深く関わり合っていくことになります。ここからは、アニメ本編の名シーンなどから碇シンジと登場人物達との関係性について解説していきます。

碇シンジは、エヴァの製造に深く関わる秘密組織「ゼーレ」の関係者である碇ゲンドウと碇ユイの間に生まれた息子です。しかし、両親ともにゼーレで重要な役職に就いていたこともあり、子育てを行う暇はありませんでした。その為、碇シンジは2人の知人に預けられ両親の愛情を受けることなく育てられます。

碇ゲンドウは、碇シンジの父親に当たる人物です。しかし、父親らしい素振りは全く見せず、息子である碇シンジをエヴァパイロットの1人としてしか見ていません。碇シンジ自身も父親である碇ゲンドウのことを、父親というよりは上司という目で見ており、どこか他人行儀です。

碇ユイは、碇シンジの母親に当たる人物です。物語の中では、故人として名前や回想シーンで登場します。エヴァの製造に深く関わっていた開発チームの1人で、初号機のシンクロ実験に被験者となりました。この事故が原因で死亡したことになっており、碇シンジ自身は碇ユイのことをほとんど覚えていません。

渚カヲルは、フィフスチルドレンとして碇シンジと接触した人物です。人の肉体を持っていますが、使徒であり、碇シンジが倒すべき敵となります。碇シンジは、渚カヲルの正体を知らない時に出会い、友好的な関係と築いていました。碇シンジが初めて他人から「好き」と直接言われた人物であり、碇シンジが精神的に大きく成長するきっかけとなります。

惣流・アスカ・ラングレーは、碇シンジの同級生でエヴァ弐号機のパイロットです。性格が正反対の2人は、上司に当たる葛城ミサトの自宅で共同生活を送る疑似家族のような関係でした。出会ったばかりの頃は、いがみ合ってばかりだった2人ですが、お互いの長所短所を間近で見て惹かれ合っていきます。

葛城ミサトは、碇シンジの上司兼保護者に当たる人物です。物語の序盤では、碇シンジの保護者のような関係で、使徒と戦う碇シンジを心身ともにフォローしていました。葛城ミサトも碇シンジと同じように他者と深く関われないトラウマを抱えていた為、表面上は明るく接していますが、お互いに心を開き合えない複雑な関係となっていました。

綾波レイは、碇シンジの同級生でエヴァ零号機のパイロットです。碇シンジがエヴァに乗る決意を固めた背景には、綾波レイの存在が大きく関係しています。初めは放っておけない相手としてお互いに見えていましたが、次第に2人は心を通わせ合い信頼していくようになります。

『エヴァンゲリオン』には、多くの女性キャラクターが登場しますが、碇シンジは誰に心を開き、恋愛関係に発展していったのでしょうか。その結末は、テレビアニメ版、劇場版で大きく異なります。

テレビアニメ版では、綾波レイに母親の面影を重ねてお互いに惹かれ合っていきながらも、恋愛関係には発展しませんでした。旧劇場版では、自分を否定するアスカと生きる道を選び、新劇場版では、綾波レイに執着してサードインパクトを起こします。シリーズの完結である『シン・エヴァ』では、新ヒロインとして登場した真希波・マリ・イラストリアスと結ばれた描写で幕を閉じています。

『エヴァンゲリオン』の主人公である碇シンジは、普段穏やかで礼儀正しい口調が特徴のキャラクターです。中性的な顔立ちの中学生の為、声も少し高めでどこか柔らかさを感じられるのが特徴です。ここからは、『エヴァンゲリオン』のアニメ版で碇シンジの声を演じた声優について紹介していきます。

『エヴァンゲリオン』のアニメ版で、碇シンジの声を演じた声優は、緒方恵美さんです。中性的な見た目でひ弱な雰囲気を持つ碇シンジの声を、落ち着いた優しい声で演じています。また、思春期真っ只中で情緒不安定な部分もある難しいキャラクターでしたが、繊細な胸の内を見事に表現していました。物語の序盤では気弱な少年といった雰囲気の声でしたが、物語が進むにつれ、芯の強いかっこいい少年の声へと変化させていきました。

緒方恵美さんは、落ち着いた低めの声が特徴的で、高校生以上の男性役を初めて演じた女性声優として有名です。声優になる前は、ミュージカル女優として活動していた時期があり、歌唱力は抜群で音楽活動も精力的に行っています。女性ではありますが、男性役が多くTwitterなどでも男らしい発言が目立つ為、ファンから「アニキ」と呼ばれることもあります。

緒方恵美さんは、中性的な見た目の穏やかな青年役やボーイッシュな女性役を多く演じている声優です。ミュージカル女優として舞台に立っていた頃、少年役が非常にハマっていたことを劇団のプロデューサーに褒められて声優となりました。緒方恵美さんにとっての声優デビュー作である『幽☆遊☆白書』で演じた蔵馬は、ビジュアルにマッチした中性的な声が見事にハマり、世代を超えた人気イケメンキャラとなっています。

碇シンジは、生まれ育った環境が複雑な為、少々内向的な部分があります。しかし、14歳の中学生らしく友達と冗談を言い合ったり、自分の意見を素直に言うことができるしっかりした性格でもあります。一言では言い表せられない複雑な性格ではありますが、ファンからはそんなところも含めて好印象を得ていました。

碇シンジは、中性的で幼い顔立ちをしています。しかし、本気で使徒に立ち向かうシーンや大人っぽい服を着た時の表情は、どこか大人っぽく見えて非常に容姿がっこいい人物であることが窺えます。

物語の序盤では、ウジウジした性格が前面に出ていた為、碇シンジというキャラクターは視聴者をイラつかせることもしばしばありました。しかし、多くの仲間と交流を深め、使徒との戦いを通して大きく成長した碇シンジは、堂々と自分の意見を言える芯の強い主人公になります。碇ゲンドウに対して、「僕は、エヴァンゲリオン初号機のパイロット、碇シンジです！」と宣言するシーンが特にかっこいいと人気を集めていました。

大人気アニメ『エヴァンゲリオン』の主人公・碇シンジは、内向的な性格ではありますが、実際には芯の強いかっこいい主人公でした。作中で、精神的に大きく成長していく名シーンの数々には、視聴者の多くが感動しています。碇シンジの新たな魅力を発見する為に、再度『エヴァンゲリオン』をテレビアニメ版から映画の最新作まで視聴してみてはいかがでしょうか。