【進撃の巨人】ミカサの頭痛の理由や原因は？ユミルとの関係やループ説を考察

『進撃の巨人』に登場するミカサは、エレンの幼馴染みで本作のメインヒロインです。幼少期にエレンに助けられてから、ずっとエレンを守ることを決意して生きてきました。作中では、絶滅したとされている東洋人の血を受け継いでおり、どこかミステリアスな雰囲気を醸し出している美少女です。訓練兵時代は104期の首席卒業生となる程の強さを見せ、エレンと共に調査兵団へと入団する道を選びます。

ミカサは『進撃の巨人』に登場するメインヒロインで、寡黙な黒髪美人の少女です。9歳の頃、エレンに命を救われて以降は、家族としてエレンを守ることを自分の使命として生きています。常にエレンと行動を共にしようとし、エレンに危害が加わりそうになると血相を変えて冷静さを失うこともあります。父親の姓であるアッカーマンを名乗っており、はるか昔から大家に仕える武家の分家出身であることが判明しました。

ミカサが登場する『進撃の巨人』は、巨人と人類がお互いの存亡をかけて、激しい戦いを繰り広げるダークファンタジー漫画です。『別冊少年マガジン』の創刊号から2021年5月号まで連載が続き、単行本は全34巻まで発行されました。漫画家の諫山創先生が描く複雑な人間ドラマと迫力満点の戦闘シーンが人気で、2013年にアニメ化されるとさらに人気となります。その後、ゲーム化や実写映画化など様々なメディア展開をしている作品です。

突如現れた巨人によって、人類の大半が失われた世界が舞台です。生き残った人類は、城を中心に三重の高く頑丈な城壁を築いて、その中で生きること決意します。それから100年の時が流れ、人々が巨人の脅威を忘れた頃、突然城壁の一部が超大型巨人によって破壊されてしまいました。主人公のエレンは、押し寄せる巨人達の群れに襲われ、母親を目の前で失ってしまいます。自分の幸せを奪った巨人達に復讐することを誓ったエレンは、幼馴染みのミカサ、アルミンと共に訓練兵に志願します。

物語の序盤から、度々原因不明の頭痛に悩まされていたミカサ。この頭痛の存在は、『進撃の巨人』の核に迫る伏線だと読者の間で様々な考察がされてきました。そして、長らく謎となっていたミカサの頭痛の原因は、最終回で明かされることになります。ここからは、ミカサが頭痛に悩むシーンやループ説との関係、さらに始祖ユミルへの道と座標の関係についても解説していきます。

ミカサが突然の頭痛に悩まされるシーンは、物語の序盤から登場しています。エレンの母親であるカルラが、巨人に殺された時やエレンが戦死したことを知り、巨人に取り囲まれた時等、抗えない運命に直面した際に頭痛が起きていました。エレンをはじめとする、大切な人の生死に関わる時に発生するミカサの頭痛は、多くの読者の間で物語の重要な伏線だと考えられてきました。

ミカサを悩ませる謎の頭痛の正体は、最終章で明かされました。そこには、『進撃の巨人』という物語の核となった人物・始祖ユミルの存在が大きく関係しています。初代レイス王であるフリッツ王の奴隷であったユミルは、偶然にも巨人の根本である謎の有機生命体と接触したことで巨人の力を得ました。その強大な力を気に入ったフリッツ王はユミルを傍に置き、戦争の道具として利用します。ユミルは、いつしかそんなフリッツ王の寵愛を欲するようになり、言われるがままに行動していました。

しかし、ユミルがフリッツ王に愛されることなく、フリッツ王の身代わりになって死亡しています。さらに、死んだ後も巨人の力を欲したフリッツ王によって、全ての巨人と座標となって縛られ続けることになりました。死してなお、フリッツ王の奴隷となり、安らかなに眠ることのできないユミルの思念は、その関係を断ち切る目的でミカサの頭を覗いていました。これが、ミカサの頭痛の理由でもあります。

始祖ユミルが、フリッツ王の呪縛から逃れる手段として選んだ存在がミカサでした。ミカサとユミルには、共通点が多数存在します。それは、本来は戦うことを嫌う優しい性格の持ち主であること、命を救われて以降エレンに依存していること、そしてエレンに恋愛感情を抱いているという3点です。自分と同じ境遇のミカサにユミルの思念は共鳴し、2,000年もの呪縛から解き放つ存在としていたとされています。

物語に度々登場する「座標」という言葉ですが、これは、始祖の巨人のことを指しています。そして、ユミルこそが2,000年前に初めて巨人の力を得た人間であり、始祖の巨人として座標とされている人物なのです。ユミルはフリッツ王をかばって命を落としますが、巨人の力を欲したフリッツ王は、ユミルの遺体の一部を娘達に食べさせることで巨人の力を継承させていきました。そして、エルディア人は「ユミルの民」と呼ばれて、座標であるユミルと目では見えない道で繋がっているとされています。

エルディア人は座標と繋がったこの道があるおかげで、巨人になる力や誰かが意図して意志や記憶を道を通して送ることができるのです。ユミルがミカサの頭の中を覗けたのは、ユミル本人が座標であり、ミカサと見えない道で繋がっていたからです。そして、エレンはその座標である始祖の巨人を継承した最後の人物とされています。

ミカサが激しい頭痛に襲われるのは、大切な人の生命に関わるシーンであることが多いです。その為、ミカサの頭痛の原因は、『進撃の巨人』の舞台が実はループしていて、それが起こる前兆として頭痛が起きているという考察が多くされてきました。ミカサが認めたくない現実に直面した時、自らの意志で世界はループしていると考えられていたようです。

『進撃の巨人』の物語には、所々で現実に起きている状況とは全く違うシーンに飛ぶことがあります。この時のシーンは「長い夢」と呼ばれており、特定の人物によって作られた異空間です。そのほとんどのシーンは、ミカサの頭痛の後に発生していることから、ミカサの頭痛はこの長い夢の予兆であったことが判ります。

生死とは関係のない、虚偽のアッカーマンの家系と血筋について、エレンから話を聞いたシーンでもミカサは頭痛を起こしています。この時のシーンを見れば、ミカサの頭痛が長い夢の予兆であることの証明になります。

『進撃の巨人』の最終回では、ミカサの頭痛やループ説、そして始祖ユミルに関係する道と座標についての謎が一気に明かされました。ミカサの頭痛に始祖ユミルの強い想いが関係していたと判ったシーンでは、多くの読者が驚いたようです。ここからは、ミカサの最終回での活躍とその後、ずっとエレンやミカサを支え続けてきた仲間・ジャンとの結婚について紹介します。

進撃の巨人化したエレンを止め、無垢の巨人と化した仲間達を助ける為には、エレンを倒す以外に道はありませんでした。ミカサは押し寄せる頭痛に耐えながら、決意を固めてエレンの首を切り落とします。ミカサがエレンを殺害したことで、巨人の力はこの世から消え去りました。ミカサは、殺害したエレンの首をパラディ島に持ち帰り、子供の頃よくエレンが居眠りをしていた木の根元に埋葬します。

天と地の戦いから3年後、生き残ったアルミン達は平和な世の中を目指してそれぞれ動き出します。そんな中、ミカサは一足先にエレンを埋葬した木の根元で、エレンとの思い出に浸っていました。力無く木にもたれかかるミカサのマフラーが外れかけた瞬間、どこからともなく鳥が飛んできてミカサのマフラーを巻き直します。このシーンは、エレンが自由の象徴である鳥に生まれ変わったことを示唆しています。

時が経ち、ミカサは毎年エレンの墓参りに訪れます。その傍らには、ジャンと思われる男性の姿がありました。ミカサが幼い子供を抱いていることから、ジャンと結婚し幸せな家庭を築いたと考えられています。しかし、ミカサの結婚相手がジャンだと言うことは明らかにされていません。真実は判りませんが、エレンの形見でもあるマフラーを巻いていることを許してくれるのは、全てを知っているジャン以外にいないのではないかと考察されています。

『進撃の巨人』のミカサは、物語の冒頭から登場するメインヒロインです。そんなミカサは、寡黙ながらも芯が強く、驚異的な強さで巨人を圧倒していく女戦士として描かれています。アニメでは、少し低めの声で落ち着きのある雰囲気の声で表現されていました。ここからは、アニメ『進撃の巨人』でミカサ役を演じた声優について紹介します。

『進撃の巨人』のアニメ版で、ミカサ・アッカーマンの声を演じた声優は、石川由依さんです。石川由依さんは、舞台の子役出身の女性声優で、2021年の3月には第15回声優アワードで主演女優賞を受賞した実力派声優として有名です。石川由依さんの透き通るような落ち着いた声は、寡黙でどこかミステリアスな雰囲気のあるミカサ役にぴったりでした。

子供の頃から舞台の子役として演技の経験を積んだ石川由依さんは、2007年にアニメ声優デビューしました。ミュージカルの舞台で、主演を演じていた程の高い歌唱力を持っている声優です。2013年に『進撃の巨人』でミカサ・アッカーマン役に抜擢されると、そこから知名度を上げ、数々の人気作品の主要キャラを演じるになります。

透明感のある透き通った声が特徴的な石川由依さん。ミカサのような落ち着きのある女性キャラや、優等生の美少女キャラを演じることが多い声優として有名です。明るくテンションの高いキャラを演じる時は、雰囲気がガラリと変わるので、演技の幅も非常に広く実力があります。

ミカサにだけ起きる謎の頭痛は、エレンに依存してしまっているミカサに共通点を見出した始祖ユミルが、ミカサの頭の中を覗いていたことが最終回で判明しました。これには、多くの読者が驚いたようです。

全ての巨人の座標である始祖ユミルが、自分を愛の苦しみから解き放ってくれる人物として、共通点の多いミカサを選んだことが最終回で明かされました。そして、原因不明であった頭痛もユミルが道を通してミカサの脳を覗いていたことが判明し、見事に伏線が回収されます。読者が一番気にしていたであろう、ミカサの頭痛についての伏線が見事に回収された為、作者である諫山創先生には賞賛の声が挙がっていました。

ミカサの頭痛や座標といった、多くの謎や伏線が散りばめられていた、『進撃の巨人』の最終巻となる34巻は、それらの伏線を回収しつつ、さらにその後のミカサ達の姿まで描かれていました。この最終回には、多くの読者が感動し、『進撃の巨人』が、いかに名作であることを改めて感じたようです。

『進撃の巨人』に登場する、メインヒロインであるミカサ・アッカーマンの頭痛の理由には、巨人の座標とされる始祖ユミルが大きく関わっていたことが最終回で判明しました。最後まで謎とされてきたミカサの頭痛による伏線が、最終回で回収されたことには、読者も驚きと同時に感動を覚えたようです。『進撃の巨人』の結末を知った上で1話から読み直してみると、違った見方ができるので、是非何度も読んで『進撃の巨人』の世界を堪能してみて下さい。