【るろうに剣心】舞台となる時代はいつ?幕府や新選組との関係も紹介
『るろうに剣心』は日本史で学ぶような史実を取り入れたストーリーになっていて、時代背景を感じられる描写が多数あります。そんな『るろうに剣心』の舞台となる時代や史実に当てはめた流れ、実在した維新・幕府の人物などをまとめました。
目次
【るろうに剣心】とは?
『るろうに剣心』の時代背景や日本史との関連性などを見ていく前に、まずは『るろうに剣心』の作者や作品概要について紹介していきます。
るろうに剣心の作者
『るろうに剣心』の作者の和月伸宏(わづきのぶひろ)は、1970年生まれの漫画家です。1987年の高校時代に手塚賞の佳作を受賞したことで漫画家デビューを果たし、その後は高橋陽一や小畑健といった漫画家の元でアシスタントをしていました。そして、1994年に『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』、2003年に『武装錬金』などを連載したことで、漫画家としての名前も広まっていきます。
るろうに剣心の概要
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』は1994年から1999年に『週刊少年ジャンプ』に連載された漫画です。2017年からは『ジャンプスクエア』に続編となる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』が連載されています。連載中に人気を集めたことから1996年から1998年にアニメ化、2011年から実写映画が計5作品が公開されました。
るろうに剣心のあらすじ
幕末の時代に人斬り抜刀斎と呼ばれた緋村剣心(ひむらけんしん)は、明治維新では刃と峰が逆になった「逆刃刀(さかばとう)」を持ち「不殺(ころざず)」を信条としていました。そして、全国を放浪とする流浪人となっていましたが、東京で神谷薫(かみやかおる)と出会ったことから暫く足を止めることになります。そんな中、剣心は様々な事件や過去を知る者達と戦っていきます。
【るろうに剣心】舞台となる時代設定はいつ?日本史を考察
『るろうに剣心』は実在の日本史をベースにしてストーリーが作られていて、登場人物の中には歴史上の人物がいたり、実際に起こった事件を落とし込んでいたりします。そんな『るろうに剣心』の時代設定を日本史と絡めながら見ていきましょう。
るろうに剣心の時代はいつ?
『るろうに剣心』の時代設定はタイトルにもある通り明治時代であり、さらに正確な年号としては明治11年(1878年)から明治12年(1879年)になります。前年の明治10年(1877年)は日本史において西南戦争が起こっていて、神谷薫の父親はこの戦争で亡くなったことが語られていました。西南戦争では西郷隆盛が戦死しており、その他にも木戸孝允(後年は桂小五郎)が病死しています。
そして、日本史において、明治11年の5月14日「紀尾井坂の変」で大久保利通が暗殺されており、「維新の三傑」と言われた3人が死亡したことになります。作中では大久保利通の暗殺が志々雄真実(ししおまこと)一派の瀬田宗次郎(せたそうじろう)によって行われたことになっており、ストーリーに大きく関わっています。また、剣心の過去の時代については嘉永2年(1849年)から明治元年(1864年)かけての話とされています。
るろうに剣心の時代背景①倒幕運動
緋村剣心が生まれたのは嘉永2年(1849年)で、安政4年(1858年)には両親を失い、その翌年の安政5年(1859年)には比古清十郎(ひこせいじゅうろう)と出会っています。それから文久2年(1863年)の14歳の時に比古の元から離れて奇兵隊に入隊しました。この時、日本史では倒幕運動が行われていた時代で、徳川幕府に対抗すべく志士達の活動が活発になっていました。
るろうに剣心の時代背景②長州藩
剣心が騎兵隊の入隊中に長州藩の木戸孝允の目に留まることになります。日本史では倒幕運動を起こった志士の藩として、西郷隆盛などがいた薩摩藩、坂本龍馬などがいた土佐藩がありましたが、作中では長州藩が選ばれていました。
るろうに剣心の時代背景③剣心の暗殺の仕事
文久2年(1863年)から明治元年(1964年)にかけて、剣心が人斬り抜刀斎と呼ばれた暗殺を行っていた時代で、幕府の重鎮などがターゲットになっていました。緋村剣心のモデルと言われている河上彦斎も日本史の同じ時期には倒幕活動へ本格的に参加しています。
るろうに剣心の時代背景④新選組が登場する
『るろうに剣心』の倒幕運動が活発化したことで、幕府側は文久3年(1863年)に治安維持のための組織「新選組」を結成します。日本史において、元治(1864年)6月に長州藩や土佐藩などの志士の潜伏先へ新選組が襲撃を仕掛けた「池田屋事件」が発生しました。また、同年7月の「禁門の変」では長州藩を制圧する活躍を見せました。
るろうに剣心の時代背景⑤薩長同盟の締結
日本史において、2つの事件の影響から窮地に陥った長州藩は、土佐藩の坂本龍馬などの仲介を経て、薩摩藩との軍事同盟である「薩長同盟」を慶応1年(1866年)に結びます。この頃の剣心については雪代巴(ゆきしろともえ)を失った直後で詳しい活動は描かれていませんが、木戸孝允の依頼から遊撃剣士として戦っていた時代になります。
るろうに剣心の時代背景⑥鳥羽・伏見の戦い
日本史において、慶応4年(1868年)には維新側と幕府側の大々的な戦争で、後の戊辰戦争にも繋がる「鳥羽伏見の戦い」が起こり、幕府側が敗れたことで時代は大きく動き出します。作中ではこの戦いの後に、剣心は抜刀斎の名前を捨てて流浪人になり、そこから本編の明治11年に繋がっていきます。
【るろうに剣心】剣心と幕府・新選組の関係やキャラ
『るろうに剣心』の緋村剣心は過去から明治時代にかけて幕府側と維新側のキャラの双方に関わっています。そんな『るろうに剣心』の維新・幕府のキャラを見ていきましょう。
剣心と新選組の関係
『るろうに剣心』の緋村剣心は人斬り抜刀斎の時代に新選組と遭遇しており、斎藤一を始めとする面々と何度も戦いを繰り広げていました。そのまま維新前の戦いでは決着が付かずにいましたが、剣客としての実力を認める間柄になっていました。
るろうに剣心に登場する維新側のキャラ
『るろうに剣心』で維新側の人間として登場するのは、作中のみのキャラだと緋村剣心や志々雄真実、実在する人物だと山県有朋や相楽総三、桂小五郎や高杉晋作、大久保利通などがいます。その他にも維新の時代を生きた者として実在する人物の名前が出てくることもありますが、全体的に亡くなっているキャラが多くなっています。
るろうに剣心に登場する幕府側のキャラ
『るろうに剣心』で幕府側の人間として登場するのは、作中のみのキャラだと四乃森蒼紫(しのもりあおし)を始めとした御庭番衆、鵜堂刃衛(うどうじんえ)や辰巳、魚沼宇水(うおぬまうすい)、実在する人物だと斎藤一や沖田総司を始めとする新選組などがいます。元々は幕府に属していたキャラも多く、倒幕されたことから様々な理由で別の活動を始めています。
【るろうに剣心】鬼滅の刃と時代は同じ?
『るろうに剣心』と同じく『週刊少年ジャンプ』に連載されていた『鬼滅の刃』も日本の過去の時代をモチーフにしています。そんな『るろうに剣心』と『鬼滅の刃』の時代について紹介していきます。
鬼滅の刃は大正時代の設定?
『鬼滅の刃』の時代設定は大正時代であり、さらに明確な年号としては大正元年(1912年)から大正3年(1915年)であると考えられています。作中で大まかに大正時代と言われているだけですが、竈門炭治郎(かまどたんじろう)が修行を付けて貰った鱗滝左近次(うろこだきさこんじ)が47年前の慶応時代に隊士だったことが明かされています。
慶応時代は1865年から1868年の約4年間しかないので、そこから47年後にあたるのは大正時代の初期になる1912年から1915年が当てはまるのです。そこから炭治郎は2年間の修行で鬼殺隊へ入隊します。
るろうに剣心と鬼滅の刃の時代は違う?
『るろうに剣心』は明治11年(1878年)から明治12年(1879年)が舞台になるので、『鬼滅の刃』の大正元年(1912年)から大正3年(1915年)とは40年ほど差があります。そのため、作中の時代描写は『るろうに剣心』の方が古くなっています。
鬼滅の刃の時代に剣心は生きていない?
『るろうに剣心』の緋村剣心は作中だと28歳から30歳、続編となる北海道編だと34歳・35歳で、そこから約40年後の『鬼滅の刃』の時代になると70歳代になります。現代においては存命でも珍しくない年齢ですが、明治時代から大正時代にかけての平均寿命は44歳前後と言われているので、仮に同じ世界線だとしても生きているのは難しい年代です。
【るろうに剣心】に対する世間での評判や人気
ここでは『るろうに剣心』について世間での評判や人気を紹介していきます。作中の時代設定については日本史が好きな人や興味がある人に注目されていて、様々な意見が出ています。
『るろうに剣心』について日本史を勉強していると、より楽しめる作品だという意見がありました。ストーリー的には史実通りでないところもあるものの、『るろうに剣心』をきっかけに実際の日本史も興味を持った人もいるようです。
2012年から公開された実写映画『るろうに剣心』でも時代を感じられるという感想がありました。原作漫画と少々違うところもありますが、背景のセットや一部の史実を盛り込んだ話になっているので、原作漫画以上に歴史の要素を楽しめるようになっているようです。
『るろうに剣心』の時代と他作品の時代を舞台にした作品を比較すると面白いという意見もありました。様々な漫画作品で舞台となる時代を反映した風景や武器が出てくるので、『るろうに剣心』の明治時代の描写と比較して楽しめるようです。
【るろうに剣心】時代設定は幕末から明治初期だった
『るろうに剣心』は明治11年(1878年)から明治12年(1879年)が主な舞台になっていて、過去編では幕末の嘉永2年(1849年)から明治元年(1864年)が描かれています。そのことから作中では実在する維新や幕府の人物が多数登場しています。そんな『るろうに剣心』の時代背景に注目してみると、他の時代を舞台にした漫画作品と比較しながら楽しめるので、漫画やアニメ、実写映画でチェックしてみましょう。
この記事のライター
十文字猛
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