【キングダム】砂鬼(さき)一家とは何？正体や桓騎との関係も解説

砂鬼（さき）は、漫画「キングダム」に登場するキャラクターです。特定の人物を指している言葉ではなく、砂鬼一家として集団で行動しており、桓騎（かんき）軍の拷問係を務めています。仮面と鎧で統一された異様な姿の集団は、対峙する者に恐怖を与え、戦場で恐れられています。まずは砂鬼のプロフィールや、「キングダム」の概要について見ていきます。

「キングダム」に登場する砂鬼は禍々しい仮面と鎧姿が共通していますが、それ以外の情報は一切が謎に包まれています。明確な戦闘描写も少なく、唯一分かっているのはその「拷問」は非常に恐ろしく、｢砂鬼に捕まることが中華一の不運｣と人々の間で噂されるほどだということです。その見た目に加え、拷問によって相手に精神的なダメージを与えることこそ、砂鬼一家の最大の役割となっています。

「キングダム」は2006年から「週刊ヤングジャンプ」で連載された、原泰久さんによる歴史漫画です。古代中国の春秋戦国時代末期を舞台に、中国史上初めて天下統一を果たした始皇帝と、それを支えた武将・李信を主人公に据え、戦国の世で生きる人々の生き様を描いた作品です。その高い人気からアニメ化されただけでなく、実写映画も非常に高いクオリティから続編が作成されています。

紀元前245年、中華最西の国・秦にて戦災孤児として暮らしていた信（しん）は、下僕としての生活を抜け出し、やがて「天下の大将軍」になるため修行の日々を送っていました。そんな中、ひょんなことから秦王・嬴政（えいせい）と出会った信は、半ば巻き込まれる形で戦いへと身を投じていきます。戦場を駆け巡る中で、信は「戦士」として成長を遂げ、夢であった「天下の大将軍」への道をひた走っていきます。

「キングダム」には数々のキャラクターが登場しますが、その中でも砂鬼一家はその異様な見た目と拷問を得意とするという素性から、非常に異色の集団となっています。何から何まで謎に包まれた砂鬼一家ですが、作中ではその正体や素顔といった詳細な情報が、徐々に明らかになってきました。ここからは砂鬼一家の正体や、強さ、実力などについて詳しく見ていきます。

砂鬼は「キングダム」の作中では仮面をとることがないため、その素顔や性別は分かっていませんでした。しかし、漫画の第700話にてついに仮面を取るシーンが描かれ、その正体が美しい女性だったことが、大きな話題となりました。彼女は砂鬼一家を率いる「長」だったのです。ですが、その他のメンバーの素顔は依然として隠されたままであるため、女だけの集団なのか、他の性別のメンバーもいるのか、正体は未だ謎のままです。

「キングダム」は春秋戦国時代を舞台として描かれているため、作中には数多くの史実上の人物が登場します。一方で砂鬼一家は特定の人物、組織がモチーフになっているという情報はないため、「キングダム」の作中のみに登場する創作キャラクターであることが分かります。

見た目こそ恐ろしい砂鬼一家ですが、彼らの戦闘力ははっきりとは描かれておらず、その実力はいまだに分かっていません。戦場で相手と対峙している描写こそあるのですが、彼らは「拷問」を主な役割としているため、特別、高い戦闘力を持っているという様子はなさそうです。作中では一応、敵と斬り合っている姿がさらりと描かれたため、最低限、戦場を渡り歩くだけの力は有していると推測できます。

砂鬼一家の特徴と言えば、なんといってもその仮面ですが、これは現代の「拷問」のそれと同様に、相手へのより強い恐怖を与えるため、という理由が考えられます。また、長が女性だったように、相手に自身の正体や性別を隠し、行動しやすくする意図も組み込まれています。砂鬼一家はその恐ろしい見た目すらも利用し、拷問によって相手から情報を聞きだしたり、戦況を有利な状況に傾かせることができるのです。

「キングダム」では砂鬼一家の前身となった集落についてのエピソードが描かれましたが、その集落の長を務めていたのが、偲央（しお）という女性です。偲央の後ろには、いつもオドオドしている気弱な妹・衣央（いお）がいたのですが、この衣央こそが、後の砂鬼一家を纏め上げる新たな長となりました。いなくなってしまった偲央の代わりに衣央が砂鬼一家を引き継ぎ、自身も戦場に身を投じています。

「キングダム」に登場する砂鬼一家は六大将軍の一人・桓騎に仕えており、彼の命を受けて戦場で活躍しています。将軍として非常に高い実力を持つ桓騎と、彼が砂鬼一家を率いる姿は、相手からしても恐怖の対象となっています。ここからは、砂鬼一家を率いる将軍・桓騎の素性や、彼と砂鬼一家との関係性について考察していきます。

桓騎は元々、秦の筆頭将軍「白老」蒙驁（もうごう）の副将として活躍していた男性ですが、後に六大将軍の第五将に任命されます。周囲からも「化け物」と評される戦の天才で、勝つためならばいかなる手段もいとわない冷酷な一面を持ち、高いカリスマ性を秘めています。元々野盗から将軍まで成り上がった人物でもあり、かつては敵の首を全て落としたことから「首切り桓騎」と呼ばれ、いまもなお畏怖の対象として恐れられています。「キングダム」の作中を通しても、屈指の実力者といえます。

「キングダム」に登場する砂鬼の長が女性であったという事実は、読者に大きな衝撃を与えましたが、加えて彼女は桓騎と肉体関係を持っていることも明らかになっています。ただの主従関係を越えた関係性が二人の間にはあると考えられますが、桓騎は砂鬼をあえて遠ざけているような描写もあるため、二人が結ばれるかどうかは未だに謎のままです。桓騎にとって彼女が大切な存在である一方で、その真意は未だに読み切れない部分が多く、謎が深まっています。

砂鬼一家の長である女性と肉体関係を持っている桓騎について、二人の「子供」の登場が予測されましたが、今現在、そういった新たなキャラクターは登場していません。しかし、今後、彼の血を引く登場人物が現れる可能性も0ではないと言われています。もし子孫が登場した場合、主人公・信らの敵となるのか、はたまた味方となるのか、ファンの間でも様々な考察が飛び交っています。

謎の集団・砂鬼一家を率いる桓騎ですが、長と肉体関係を持つなど、両者には深い関係性があることが分かります。ここからは砂鬼一家の過去にも深く関わっている桓騎について、さらに考察していきます。「キングダム」の中で描かれた桓騎の過去や、完全無欠に見えた彼の持つある致命的な「弱点」についても、詳しく見ていきます。

「キングダム」の作中で桓騎は出世を遂げ、貴族が飲むような高価な酒を平然と飲めるようになりました。しかし、彼はその酒を「渇いていないから染みない」と評しました。むしろ、野党時代に大暴れし奪った安酒の方が、断然うまかったと語ります。砂鬼の一人は彼が「岩をも溶かすほどの怒り」を持っている、と言っていることから、彼が心中に抱く「怒り」が、この「渇き」と深く関わっていることが想像できます。

桓騎は13歳の時、山で倒れていたところを、砂鬼一家の前身となる集落の人々に拾われました。この際、集落を率いていた長が偲央という女性です。桓騎はその後、自身も集落に入るのですが、そこから劇的に組織を変えていき、現在の砂鬼一家へと変貌させました。このため、現在の桓騎と砂鬼一家の関係性は、両者の間に過去から続く特別な縁が深く関わっています。

戦争の天才として数々の戦場を蹂躙してきた桓騎ですが、「キングダム」の作中で実はある致命的な「弱点」があることが明らかになりました。彼は様々な奇襲や奇策で勝利を得てきましたが、野盗から将軍へと上り詰めたことで、いわゆる「正攻法」を知らず、戦争の「正しい戦い方」を一切知らないのです。このため、むしろ「正攻法」をしかけることでその切り返し方が分からず、そこにこそ桓騎を倒す「鍵」があると、見抜かれてしまいました。

「キングダム」の砂鬼一家の長が女性だったという事実に驚きつつ、さらに彼女が桓騎と深い関係性を持っているということに、ファンは様々な考察をしています。ただの協力関係ではなく、桓騎にとって砂鬼一家が大切な存在なのではないか、と予測を立てているファンもいるようです。

砂鬼は恐ろしい見た目に反し、明確に戦う描写が少ないキャラクターであるため、戦場に登場するだけで、彼らがどう戦うのか、どんな実力を持っているのかということが気になるファンは多いようです。「キングダム」に登場する他のキャラクターに比べても戦闘力が特徴的なキャラクターではないため、なにか別の意図があるのではないかと、ファンは推測しています。

現在は桓騎軍に所属する砂鬼一家ですが、最新の「キングダム」の展開から、彼らが主人公・信が率いる「飛信隊」に加入するのでは、と考察しているファンもいます。砂鬼一家は謎多き集団ですが、彼らが信と共闘する展開を思い描いているようです。恐ろしい集団ではあるものの、味方になると逆に心強い味方になってくれる可能性は非常に大きいです。

「キングダム」に登場する砂鬼一家は、インパクト大な見た目だけでなく、思わぬ素顔や将軍・桓騎との密接な関係性など、様々な魅力を持つ集団でした。作中では桓騎との戦いも佳境に入っており、砂鬼一家についても様々な考察が飛び交っています。桓騎の行く末や、砂鬼一家が今後どうなっていくのか、注目しましょう。