【鬼滅の刃】梅は堕姫の本名?悲しい過去や兄の妓夫太郎との関係を紹介
押しも押されぬ大人気作品『鬼滅の刃』に登場する人を食らう存在、鬼。その鬼の中でも格別の強さを誇る堕姫(だき)には、実は梅(うめ)という本名があり、悲しい過去がありました。本記事では、『鬼滅の刃』の梅に焦点を当てて、兄である妓夫太郎との関係も交えて解説します。
目次
【鬼滅の刃】梅とは
漫画『鬼滅の刃』には、様々な異能を持った、主人公達を苦しめる存在である「鬼」が登場します。鬼の中には高い実力を持つ12人で構成された「十二鬼月(じゅうにきづき)」という組織があり、その6番目という高い地位に属しているのが堕姫です。しかし彼女には、彼女自身が捨てようとしていた過去があり、その中で「梅」という名で呼ばれています。梅は堕姫の人間時代の名前なのです。そんな梅は一体どんな人物だったのでしょうか。
堕姫の人間だった頃の名前
上記でも触れました通り、堕姫は人間時代、梅という名前を持っていました。『鬼滅の刃』遊郭編のラストシーン、彼女の兄である妓夫太郎がその名前を叫んだ事で明らかになっています。堕姫は人間に擬態して花魁として生活する際、「姫」の字が付く源氏名を好んでつけていたのですが、本名の梅という名前も楚々としながらも華やかな名前です。次の項目では、「梅」の名の由来について記していきます。
梅という名前の由来
梅、という名は梅の花に由来したものだったのでしょうか。実は『鬼滅の刃』作中でそうではない事が、妓夫太郎の回想から明らかになっているのです。梅というのは、死んだ母親が罹患していた病名が由来になっていました。この病気「梅毒(ばいどく)」であると考えられており、全身に発疹や皮膚のただれなどの症状が現れ、悪化した場合は死に至る恐るべき大病でした。遊女は職業上、梅毒の危険から逃れにくく、特にこれを恐れていたそうです。
堕姫という名前の由来
堕姫、という名にも由来があると考えられます。彼女は花魁として身を潜めている際には「姫」の文字が入った源氏名を多用していた事については触れましたが、勿論それ由来という点もあるのでしょう。しかしここで気になるのは「堕」の文字です。自分から「堕ちた姫」と名乗る事は、プライドの高い彼女は恐らくしないはずでしょう。故にこれは梅が鬼となった時、鬼の始祖である無惨に与えられた名なのではないかと推察されます。
花魁として遊郭に潜入
日の光の下では生きていけぬ鬼は、日中は人に化けてやり過ごす者も。堕姫は身を隠す身分として、遊郭の華・花魁を選んでいました。花魁とは遊郭に住まう遊女の中でもトップクラスの存在で、一つの店に数える程しかおらず、美しさは勿論の事、様々な教養までも身に着けた稼ぎ頭の事。遊郭は主に夜に人が集まる場所で、彼女はそこに集う人間を秘密裏に襲っては食らっていました。花魁は客の品定めも出来る地位だったので、いよいよ堕姫は好んだのでしょう。
堕姫のこだわり
『鬼滅の刃』の鬼は人を食らう者、というのは上記で触れましたが、堕姫は食らう人の事も厳選していました。自身の美しさを保ちたいと思っていた彼女は、美貌を備えた者ばかりを好んで食べていました。彼女を討伐する為に遊郭に潜入した隊士の中でも、美しい素顔の伊之助は生け捕りにされそうになったりも。これがきっと花魁として身を潜めていた彼女の「姫」たる美しさの由来となっていたのでしょう。このこだわりは『鬼滅の刃』第9巻で確認する事が出来ます。
漫画『鬼滅の刃』をおさらい
堕姫をはじめとする鬼は鬼で生きていく為に人を食らい、人間は人間でそんな鬼の暴虐を許しはしない。『鬼滅の刃』では人間を善の側、鬼を悪の側に付けた勧善懲悪が描かれていますが、鬼の過去を描写する事で何とも複雑な人間模様も垣間見せています。そんな『鬼滅の刃』とはどのような作品だったのか、ここでおさらいしてみようと思います。
『鬼滅の刃』の概要
『鬼滅の刃』は、福岡県出身の漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)先生の手によって、約4年に渡って連載されていた長編漫画です。舞台となるのは歴史と近代文化が織り交じる大正時代、闇に跋扈し人を食らう超常の者・鬼と、鬼の滅殺を目標に活動する政府非公認組織「鬼殺隊」との壮絶な死闘を描くダークファンタジーです。
『鬼滅の刃』のあらすじ
『鬼滅の刃』は、まだ年幼い少年である竈門炭治郎(かまど・たんじろう)を物語の主役に据えています。彼は人より優れた嗅覚を持つ程度の平凡な少年で、家族と共に心穏やかな時を過ごしていました。ところがその平和は鬼の手によって打ち砕かれます。一家は死に絶え、唯一の生き残りであった妹の禰豆子は鬼へと変貌。それでも希望を捨てなかった炭治郎は厳しい修行の果てに鬼殺隊に入隊、仲間と共に、禰豆子を人間に戻す手段を探す為に奔走します。
【鬼滅の刃】悲しい過去や兄の妓夫太郎との関係
堕姫がまだ梅であった頃、彼女は非常に不遇な日々を送っていました。その理由を掘り下げてみると、そこには悲しい生い立ちが関わっている事が解ります。彼女の過去には妓夫太郎の存在が切り離せず、回想シーンも彼が主軸となって進んでいきます。この章では『鬼滅の刃』屈指の悲しい生い立ちを持つ妓夫太郎、梅の二人の過去に迫っていきます。
遊郭の最下層で生まれた二人
『鬼滅の刃』11巻にて明らかになる二人の過去。二人は生まれも育ちも遊郭でしたが、そこは遊郭の店の中でも最下層のものである「切見世(きりみせ)」が立ち並ぶ「羅生門河岸(らしょうもんがし)」と呼ばれる場所。ここに住まう人々は皆一様に貧しく、無理やり客を引いては商売をしているという状況でした。子供の存在は食事代が掛かる為迷惑千万であるとされ、口減らしが横行していたものと考えられます。
客として来た侍を失明させる
遊郭に生まれ育った梅は、周りの大人達、主に母がそうしていたように、成長すると客を取って商売を始めます。彼女の美しさは周囲が嘆息する程で、「笑ってみせれば物を貰える程」だったと『鬼滅の刃』公式ファンブックで語られています。その客商売の中で、ある時彼女は一人の侍を相手にします。侍と言えば身分が彼女よりもずっと高い存在で上客の一人だったはずですが、その侍を失明させてしまうのです。梅と侍の間には何があったのでしょうか。
失明させた理由
何事も無ければ、客を失明させるという大惨事は起きないもの。梅と侍の間には、きちんと「梅がそうするに相応しかった理由」がありました。それは、侍が兄である妓夫太郎を侮辱したからです。妓夫太郎は昔から、恐ろしい風貌と身なりの不潔さで方々から虐げられていましたが、侍もこれと同じような事をしたのでしょう。梅はそこで怒りを覚え、侍から貰った簪で彼の目を突いたのです。これも『鬼滅の刃』公式ファンブックに情報が記載されています。
梅が縄で縛られ焼き殺される
侍を失明させた梅ですが、その報復として彼女は縛り上げられ、生きたまま焼かれるという責め苦を受ける事になります。『鬼滅の刃』の物語そのものは大正時代ですが、梅が生きていたのは、身分制度が濃く根付いていた江戸時代。身分制の頂点に立つ侍に歯向かった事は重罪でした。これによって彼女は重度の火傷を負い、妓夫太郎が仕事から戻った時にはもう息も絶え絶えの状態になっていたのです。
童磨に血を貰い鬼になる
瀕死の梅を見つけた妓夫太郎は慟哭し、絶望の中彼女を背負って歩き出します。ですが、彼らを救おうという者は現れませんでした。たった一人を除いては。その救いの手の主は、この当時は上弦の陸として名を刻んでいた童磨(どうま)です。彼は「俺は優しいから放っておけない」と二人に血を分け与え、鬼へと変貌させます。これを受けて妓夫太郎は「鬼になるのは悪くなかった。何度生まれ変わっても鬼になる」と語っています。
【鬼滅の刃】堕姫の最後のシーン
『鬼滅の刃』では、そんな梅の壮絶な過去が描かれていました。そして彼女はその過去を経て鬼となり、遊郭の頂点に君臨していた訳ですが、その天下も鬼殺隊の手によって終わりを告げる事となります。そして、彼女はその最期までもが何とも哀愁を告げるものであったのです。ここでは彼女と妓夫太郎の最期の瞬間の事を解説していきます。
天元や炭治郎たちに破れる
鬼殺隊と遊郭を統べる鬼達との戦いは熾烈を極め、炭治郎達は非常に劣勢に立たされます。しかし、それでも炭治郎達は鬼の頸を斬る事を諦めず、決死の覚悟を抱き、限界を超えて刀を振るいます。その結果、妓夫太郎と堕姫の二人の頸はほぼ同時に斬られ、二人で一人の鬼だった彼らを滅する為の条件を満たしたのです。最終的に堕姫と妓夫太郎は首だけの状態で互いの所まで転がっていき、そして最後のやり取りを交わす事になります。
首だけの状態で兄弟喧嘩
仲の良かった兄妹鬼です、最期はしんみりしたやり取りを交わして別れを惜しむのかと思いきや、彼らは首だけになった状態で喧嘩を始めてしまいます。どちらが原因で頸を斬られてしまったか、その責任を擦り付け合うのです。堕姫は「強さしか取り柄が無いのに負けたらいよいよ何も残らない」と罵り、妓夫太郎は「お前こそ何も無い、お前さえいなければ人生は違っていた」と返す言葉で堕姫を罵倒します。
炭治郎が仲裁に入る
妓夫太郎は最終的に堕姫に「お前なんて生まれて来なければ」と言いかけるのですが、その叫びをそっと押しとどめたのは炭治郎でした。彼は「二人のした事は重罪で誰も許してはくれないだろう、だからこそせめて兄妹だけは仲良くしないとだめだ」と彼らを優しく諭します。弟妹の居た炭治郎は、兄妹のいがみ合いが如何に悲しいものかを理解していました。それを受けた堕姫は癇癪を起こし泣き叫びながら妓夫太郎より先に消滅する事になります。
天国と地獄の分かれ目
堕姫が消え、妓夫太郎は自分と梅の過去を次第に思い出し、最後に二人は何もない真っ暗な空間で再会します。そこでは堕姫は鬼の姿ではなく、人間の姿で存在していました。梅はこの暗闇を嫌がり、兄に縋ろうとしますが、妓夫太郎はそれを突っぱね「お前は明るい方へ行け」と言い放ちます。しかし彼女は彼にしがみつき、「生まれ変わってもお兄ちゃんの妹になる」と泣き叫ぶのです。ならばせめて地獄の道行も、と彼は梅を背負って、業火の中を歩き出していきます。
【鬼滅の刃】梅のアニメ声優を担当したのは
『鬼滅の刃』に描かれていたのは、兄妹鬼のあまりに悲しい過去とその最期。彼らが活躍した箇所は「遊郭編」と銘打たれ、先日アニメ放送が終了した所です。当然ながら梅の声を演じられたお方がいらっしゃるのですが、それは誰だったのでしょう?ここでは彼女を「声」の点で彩った声優さんについてご紹介していきます。
梅の声優は「沢城みゆき」
梅に生き生きとした声を吹き込まれたのは、声優の沢城みゆきさん!ファンからは「みゆきち」の愛称で敬愛されているベテランの声優さんです。『鬼滅の刃』遊郭編の作中では花魁として振舞う朗らかな声、鬼として振舞うドスの利いた声、そして妹として振舞う子供らしさがにじむ声など、実に様々な演じ分けをされていました。何より泣きの演技は凄まじく、鳥肌が立つほどです。
沢城みゆきのプロフィール
沢城みゆきさんは東京都出身、声優として活動を開始されたのは1999年。『デ・ジ・キャラット』のオーディションで審査員特別賞を受賞したのがきっかけとなっています。現在所属されている事務所は「青二プロダクション」。声優アワードでは2009年から2011年にかけて3回連続受賞を果たしており、連続テレビ小説『なつぞら』では実写ドラマ出演も果たしたという非常にパワフルな声優さんです。
沢城みゆきの主な出演作品
沢城みゆきさんが過去に出演された作品について記載していきましょう。『しあわせソウのオコジョさん(コジョピー役)』、『ローゼンメイデン(真紅役)』、『デュラララ!!(セルティ・ストゥルルソン役)』、『べるぜバブ(ベル坊役)』、『PSYCHO-PASS(唐之杜志恩役)』、『Fate/Apocrypha(モードレッド役)』と、実に多彩である事が解ります。
【鬼滅の刃】梅に対する世間での評判や人気
幼少期から誰もが振り向く程の美しさを湛え、悲壮な過去を経て、花魁であり鬼である存在となった梅。彼女はほんの一時の間咲き誇る花のような栄華を手にした訳ですが、彼女に寄せられた感想や意見はどのようなものだったのでしょうか。
凛とした美しさを湛える少女の梅には多くの読者・視聴者が魅了されているようです。白銀の髪に青い瞳という、湖面のように透き通る見目は皆を虜にします。
梅と妓夫太郎二人に「幸せな来世を!」と願う思いも多数。兄妹鬼が歩くのは地獄の道、しかし明るい未来を望まずにはいられません。来世ではもっと幸せな境遇で生を受けて欲しいと声高に叫ばれています。
【鬼滅の刃】梅がもしも〇〇だったら
実は悲劇の女性であった梅ですが、そんな彼女は果たして最後に救いを得ることが出来るのでしょうか。出来る事なら自分が妓夫太郎になって梅を導きたいと思われた事はありませんか?実はここではそれが可能なのです!梅を地獄から救い上げて、「妹」「妻」「モデル」の3つのポジションに付けて、存分に彼女に楽しい思いをしてもらおうというのが本章の狙いです。
梅「妹」篇
「私ピーマン嫌い、食べてよお兄ちゃん」ちょっとわがままかつ甘えん坊に育ちそうな梅。ですが貴方の言う事は不思議と良く聞き、自分の処世術としていきそうです。作中で「足りない頭」と言及されている彼女は、貴方に解らない宿題を質問してきたりも。熱心に教えてあげる事で、梅は貴方を尊敬するでしょう。
梅「妻」篇
「悪いけど、貴方の事どうしてもお兄ちゃんと比較しちゃうの」時折そんな残酷な事を告げてくる妻の梅。お兄ちゃん子で育ってしまった彼女は、理想の男性像をつい兄に寄せがち。しかし彼女は『鬼滅の刃』作中で解る通り染まりやすい性格、貴方の良さを時間をかけて教えていけば、きっと慣れない手つきでご飯を作ってくれたりするのでしょう。
梅「モデル」篇
梅の花もたじろぐ程の美しさを振りまきながらランウェイを歩く彼女は、記者やファンの目をくぎ付けにします。和装からアバンギャルドなファッションまで何でも着こなし、妬み嫉みの声にもどこ吹く風。自己流で頂点を目指す強い女性になりそうです。しかし一番の魅力は、兄の前だけでしか見せない幼い笑顔でしょう。
堕姫の人間時代には兄妹の絆と悲しい過去が描かれていた
可憐な少女を彩るには残酷な由来の名前、過酷な生活、残酷な仕打ち。その中でも兄に救いを見つけて懸命に歩みを進めていっていた梅。周囲に味方が誰も居なかったからこそ、皮肉にも兄妹の絆は強まりました。『鬼滅の刃』にメインで描かれる炭治郎と禰豆子の兄妹とは違った絆を最後に煌めかせていった二人の明るい未来を願いましょう。
この記事のライター
鳥巣 卓哉
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