【鬼滅の刃】刀鍛冶の里編の見どころは？あらすじや登場キャラも紹介

「刀鍛冶の里編」とは、鬼滅の刃の原作単行本の12巻から15巻にわたって展開されたエピソードです。鬼殺隊の刀が作られる刀鍛冶の里を舞台に、主人公の炭次郎とその仲間たちが上弦の鬼と戦いを繰り広げました。それまで登場した善逸と伊之助ではなく、刀鍛冶の里編では不死川玄弥が炭治郎とともに戦います。また、鬼殺隊の柱である甘露寺蜜璃と時透無一郎が今回から本格的な活躍を見せる点も見どころです。

鬼滅の刃の刀鍛冶の里編は2023年4月から全11話が放送されました。第1話は1時間スペシャル、最終話は70分の放送スタイルがとられるなど放送には力が入れられていました。OP主題歌の「絆ノ奇跡」とED主題歌の「コイコガレ」は人気バンド「MAN WITH A MISSION」とシンガーソングライターの「milet」さんがコラボし、本編を盛り上げるソングを歌い上げています。

鬼滅の刃は2016年から2020年まで週刊少年ジャンプで連載されていた漫画です。主人公の竈門炭治郎が、鬼にされてしまった妹を救うために鬼殺隊に入り戦う姿を描いていました。2019年にテレビアニメ化されると人気が爆発し、知名度を上げました。原作が最終回をむかえ結末が描かれた後もテレビアニメは継続されており、刀鍛冶の里編の後もアニメ化が決定しています。

山奥で暮らしていた主人公の竈門炭治郎は、ある日鬼によって家族の命を奪われてしまいます。ただ一人生き残った妹の禰豆子も鬼に変えられ、炭治郎に襲いかかってきました。絶体絶命の状況の中、炭治郎は鬼と戦う組織である「鬼殺隊」の冨岡義勇に出会います。義勇との出会いにより、鬼殺隊に入隊することを決めた炭治郎は厳しい修行を経て鬼殺隊士となりました。そして妹を人間に戻すため、炭治郎は仲間とともに鬼との戦いにその身を捧げていきます。

ここでは刀鍛冶の里編の見どころや名言を紹介します。刀鍛冶の里編はさまざまなキャラの物語が絡み合い、それが一つにまとまっていく結末が描かれました。他にも新アイテムの登場や、柱である甘露寺と時透の本格的な戦闘場面が描かれる点なども見どころです。

甘露寺や時透、玄弥はこのエピソード以前から登場していました。彼らが本格的に物語に絡む中でそれぞれの過去が語られます。それぞれのキャラに鬼殺隊に入るまでの物語が設定されており、過去の出来事が現在の戦いに繋がることで作品に厚みを与えていました。特に時透と玄弥に関しては刀鍛冶の里編を経ることで、最初に登場した時と全く印象が異なるキャラへ成長を遂げます。

炭治郎の妹である禰豆子もまた、鬼滅の刃における重要人物の一人です。刀鍛冶の里編の最終回での結末は、太陽の光を克服した禰豆子の姿が描かれるというものでした。通常であれば、鬼は太陽の下では活動することができません。鬼の総大将である鬼舞辻無惨は、禰豆子を手に入れるため動き出すことになります。この禰豆子に起こった変化も見どころの一つです。

ここでは刀鍛冶の里編で登場した名言を紹介します。鬼滅の刃は名言の多い作品ですが、刀鍛冶の里編でもファンの心に残る名言が登場しました。その名言が登場した場面や経緯を振り返ります。

時透無一郎には有一郎という双子の兄がいました。両親を亡くし二人で生きていた兄弟は、ある日鬼殺隊の使者から自分たちが「始まりの呼吸の剣士」の子孫であることを聞かされます。しかし有一郎はその使者を追い返しました。それを機に二人は仲違いをしますが、しばらくして鬼に襲われます。命が尽きようとする最中、有一郎はこれまで貶してきた無一郎の名が持つ本当の意味を伝えます。有一郎が本心では、誰よりも無一郎のことを思っていたことが伝わる台詞です。

刀鍛冶の里編のラストで、夜明けの太陽が禰豆子を照らしはじめたことにより炭治郎は絶望します。しかし禰豆子は太陽が出ても生きており、炭治郎に向かって上記の言葉を口にしました。禰豆子を人間に戻すことを目的に戦ってきた炭治郎にとって歓喜の瞬間であり、この結末に他のキャラも喜びに包まれます。この直後に鬼舞辻無惨が動き出すことも合わせ、鬼滅の刃のあらすじの中でターニングポイントとなった台詞です。

刀鍛冶の里編のテレビアニメ第1話「誰かの夢」は、遊郭での戦いの後から始まります。上弦の鬼である妓夫太郎と堕姫が倒されたことは、鬼舞辻無惨と残りの鬼たちに衝撃を与えました。一方で炭治郎は刃毀れをおこした日輪刀の修理を待っていましたが、度重なる刀の破損が鍛冶師の鋼鐵塚を怒らせたことを知ります。炭治郎は鋼鐵塚に会うために、刀鍛冶たちが暮らす里を訪れることにしました。

第2話のタイトルは「縁壱零式」です。刀鍛冶の里にやって来た炭治郎は、里で暮らす小鉄少年と時透無一郎が言い争っているのを目撃します。無一郎は小鉄に、訓練用のからくりである縁壱零式を動かす鍵を渡すよう迫っていました。見かねた炭治郎は無一郎に食いつきますが、軽くあしらわれてしまいます。縁壱零式を使った訓練を難なくやり遂げた無一郎を見た炭治郎は、小鉄のすすめもあり自身も訓練を行うことになりました。

第3話のタイトルは「三百年以上前の刀」です。訓練の末に破壊された縁壱零式の中から300年前以上の刀が出現しました。錆だらけの刀にうなだれる炭治郎と小鉄の前に、以前とは比べ物にならないほどマッチョになった鋼鐵塚が現れます。刀を彼に任せた炭治郎は里で休息をとりますが、そこに上弦の鬼である半天狗が襲撃してきました。その場に居合わせた無一郎が速攻で頸を切り落としますが、半天狗は分裂し襲いかかってきます。

第4話のタイトルは「時透君ありがとう」です。分裂した半天狗の攻撃により、炭治郎と無一郎は分断されてしまいます。炭治郎は禰豆子とともに立ち向かいますが、鬼の攻撃の前に気絶させられてしまいました。一方で無一郎の前には、襲われていた小鉄の姿がありました。一刻も早く炭治郎のもとへ行くため救出をためらう無一郎でしたが、小鉄を助けることを決めます。同じ頃、里に来ていた甘露寺蜜璃も鬼を倒すために現場へと向かっていました。

第5話のタイトルは「赫刀」です。甘露寺は里を襲う巨大な敵たちと遭遇し、戦闘に突入していました。一方で無一郎は、助けた小鉄と鉄穴森に案内され刀を受け取るために作業小屋へ向かいます。しかしそこには、新キャラであり上弦の伍である玉壺が待ち構えていました。同じ頃炭治郎も気絶した状態から復活し、ヒノカミ神楽・日暈の龍 頭舞いを鬼たちに放ちます。三人それぞれの場所で戦いは激しさを増していました。

第6話のタイトルは「柱になるんじゃないのか!」です。玉壺と戦う無一郎でしたが、玉壺が操る水の中に閉じ込められピンチに陥ってしましました。一方で半天狗が分裂した4体の鬼の頸を斬った炭治郎たちは、5体目の鬼の存在を感じます。そして玄弥がその鬼の頸を狙おうと試みました。この話では、それまで語られなかった不死川玄弥の過去が回想されています。

第7話のタイトルは「極悪人」です。5体目の鬼を追い詰めた炭治郎でしたが、4体の鬼が合体した憎珀天が襲いかかってきました。5体目を逃がしてしまった炭治郎は憎珀天と対峙します。憎珀天は自分のことを棚に上げ、炭治郎を極悪人呼ばわりしてきますが炭治郎は怒りを爆発させます。一方で無一郎は必死の脱出を試みますが、彼の力を持ってしても玉壺の術から逃れることができずピンチは続いていました。

第8話のタイトルは「無一郎の無」です。無一郎は小鉄の助けにより玉壺の術から開放されますが、その体はすでにボロボロでした。玉壺が操る金魚の鬼たちが襲いかかってくる中、無一郎は過去の記憶を思い出し兄の思いを知ります。記憶を取り戻した無一郎は、圧倒的な力で金魚の鬼たちを蹴散らし玉壺との戦いに挑んでいきました。

第9話のサブタイトルは「霞柱・時透無一郎」です。無一郎の攻撃の前に玉壺は真の姿を見せました。それまでとは比べ物にならないスピードで迫る玉壺でしたが、無一郎はそれを上回る圧倒的な強さで玉壺の頸を斬り落とします。一方で炭治郎のもとには甘露寺がようやく合流しました。玉壺が撃破されたことにより、このエピソードから最終回に続く炭治郎たちの逆転が始まっていきます。

第10話のサブタイトルは「恋柱・甘露寺蜜璃」です。憎珀天が操る木の竜に飲み込まれそうになっていた炭治郎は、甘露寺により助けられました。果敢に木の竜に立ち向かう甘露寺でしたが、憎珀天の攻撃により隙をつかれ気絶させられてしまいます。混沌とする意識の中で、甘露寺は鬼殺隊に入るまでの過去のことを思い出していました。

最終回のタイトルは「繋いだ絆 彼は誰時 朝ぼらけ」です。炭治郎は半天狗の本体を追い詰めていました。鋼鐵塚が修復した刀により、炭治郎は遂に半天狗を倒すことに成功します。そして夜が明ける中で炭治郎が見たのは、太陽の下でも消滅しない禰豆子の姿でした。喜ぶ炭治郎たちでしたが、鬼舞辻無惨もまた太陽を克服した鬼の出現に歓喜する結末が描かれます。

鬼滅の刃の主役キャラである炭治郎は縁壱零式を使った修行により成長します。また刀鍛冶の里編では、新しい刀を手に入れるというイベントにも恵まれました。最初は炭治郎を拒絶していた玄弥や無一郎も、炭治郎と関わる中で成長し鬼との戦いを生き抜きました。

刀鍛冶の里編のあらすじにおいて、禰豆子は重要なキャラとなりました。炭治郎の目的は禰豆子を人間に戻すことでしたが、最終回で太陽を克服したことにより鬼舞辻無惨の目的もまた禰豆子になります。戦闘においては今回のエピソードでも、炭治郎を助けるべく立ち回りを見せました。

鬼滅の刃の初期から登場したキャラである玄弥は、刀鍛冶の里編から本格的な活躍を見せました。作中において玄弥は呼吸法が使えないことと、鬼を喰らう特異体質であることが明らかになります。炭治郎と反目していた玄弥ですが、戦いを経て炭治郎と信頼関係で結ばれいく姿を見せました。この過程もあらすじの中で見どころとなっています。

初登場時は冷徹な印象を与えた無一郎ですが、それは記憶を失っていたためと明らかになりました。刀鍛冶の里編では無一郎の過去にも焦点があてられ、記憶を取り戻すことで本当の自分に目覚める結末が描かれました。鬼滅の刃ではさまざまな家族の物語が描かれますが、無一郎と有一郎の悲しくも家族愛を感じさせられるエピソードも見どころとなっています。

甘露寺蜜璃も刀鍛冶の里編で本格的な活躍が描かれたキャラです。作中では彼女の過去も描かれますが、他のキャラと比べるとややコミカルな描写となっていました。しかし居場所のなかった彼女が鬼殺隊に居場所を見つけ、それを大切に思いながら戦う姿は感動的なものとなっていました。また、鞭のような刀を使うダイナミックな戦闘シーンも見どころとなっています。

半天狗は分裂する能力の厄介さもさることながら、その卑劣な人格はこれまで登場した鬼の中でも異彩を放っていました。遊郭編に登場した上弦の鬼である妓夫太郎と堕姫には悲しい過去がありましたが、半天狗は人間の時から悪人でした。エピソードの最終回で炭治郎に倒される結末をむかえますが、最後の瞬間の回想でそのことが描かれていました。

鬼滅の刃の中で玉壺も半天狗と同様に徹底的な悪としてキャラ付けされた鬼でした。芸術家を気取り里の人間を虐殺した姿は、小鉄に深い悲しみを与えました。その報いというべきか、覚醒した無一郎にあっという間に倒されるという卑劣漢に相応しい結末をむかえたキャラです。

鋼鐵塚も鬼滅の刃の初期から登場していたキャラです。刀鍛冶の里編では大きな見せ場が与えられました。玉壺の襲撃の渦中で、脇目も振らず炭治郎の刀を鍛える姿が描かれています。刀のことになると暴れることも多いキャラですが、彼の活躍なくして最終回での鬼殺隊の勝利は有り得ませんでした。

鋼鐵塚に比べると落ち着いた印象の鉄穴森ですが、刀への思いは同じくらい強いキャラです。刀鍛冶の里編では、無一郎の刀を鍛え上げそれを手渡す活躍を見せました。彼の行動も鬼を撃退し、里を守る結末に貢献しました。

小鉄が炭治郎に修行を勧めたことで、炭治郎は成長し新しい刀を手に入れることが出来ました。修行中のスパルタな態度の小鉄の場面はギャグ描写にもなっており、作中で息抜きの一幕を作ったキャラでもあります。

最終回まで見た上で、刀鍛冶の里編は面白いという声が見られました。本作では善逸や伊之助が登場しないという特色があります。代わりに柱をはじめ、里の人間も懸命に戦う姿が描かれ、それが結実する最終回の結末は物語に感動を生み出しました。

刀鍛冶の里編が面白いという意見の中には、敵キャラの個性を評価する声もあります。これ以前のあらすじの中では、純粋に戦闘力が強い鬼が多く登場しました。それと異なる半天狗の能力は、最終回まで終始炭治郎の手を焼かせました。

アニメ版はつまらないという意見もありました。鬼滅の刃のアニメは原作に忠実なのが特徴ですが、刀鍛冶の里編では尺の中でカットされた部分もありそこを不満に感じた人もいるようです。

鬼滅の刃の刀鍛冶の里編は炭治郎の新しい刀や無一郎の覚醒、禰豆子の変化という結末など見どころにあふれていました。鬼滅の刃の本編は次の柱稽古を経て最終回へと向かっていきます。興味を持たれたなら、是非アニメを鑑賞してみてください。