【鬼滅の刃】鬼舞辻無惨が最終形態で赤ちゃんに？赤子化した理由や珠代の薬の影響を調査

大人気ダークファンタジー作品『鬼滅の刃』に登場するラスボス「鬼舞辻無惨」。その最終形態が「赤ちゃん」であったことにファンの間に激震が走りました。そんな赤ちゃんになってしまった「鬼舞辻無惨」が最後どうなったかのご紹介をしつつ、赤ちゃんというモチーフに込められた神話や日光にまつわる考察を行なっていきましょう！

鬼舞辻無惨とは『鬼滅の刃』に登場する「鬼」という存在の根源にあたり、吸血鬼のように同族を増やすことができる黒幕的存在です。その出生は平安時代まで遡り1000年近くも歴史の裏で暗躍しています。見目麗しくミステリアスな存在でもありますが、日光が弱点で配下の鬼たちに秘薬をつくる原料になる「青い彼岸花を探す」ように指示しています。また変身を得意としますが、最後の最後には赤ちゃんの姿で炭治郎たちと対峙しました。

鬼舞辻無惨がなぜ赤ちゃんになってしまったのかという話題に移る前に『鬼滅の刃』の作品自体の紹介と鬼について言及しておきましょう。

『鬼滅の刃』は「鬼」という不死の存在と「人間」である主人公「竈門炭治郎」たち鬼殺隊の闘いを描いた「吾峠呼世晴」先生のダークファンタジー作品です。物語の舞台は「大正時代」であり、アニメや映画などのマルチメディア化を経て国内外のファンを獲得しました。『鬼滅の刃』に存在する鬼は吸血鬼のような設定を持ち、鬼舞辻無惨の血液を媒介して鬼は増えていきます。

鬼舞辻無惨という不死の存在が妹の禰豆子を鬼にしてしまったと知った主人公の竈門炭治郎は、禰豆子を人間に戻すため、そして多くの人々を鬼に変え人生を狂わせた元凶である鬼舞辻無惨を止めるために鬼殺隊と呼ばれる民間組織へ入隊します。鬼殺隊の一員として鬼舞辻無惨の影を追うなかで、鬼舞辻無惨の狙いである「日光の克服方法」などの謎が解き明かされていきついには最終決戦に至ります。

この章では最後の土壇場で鬼舞辻無惨が最終形態として選んだ姿がなぜ「赤ちゃん」だったのかについて考察していきましょう！

前述のとおり、『鬼滅の刃』における「鬼」という存在の生態はブラムストーカーの小説などで知られる西洋の「吸血鬼」と似て以下のような弱点を持っています。

そのため身を守る肉が分厚く、首も図太い赤ちゃんという形状が仮に日光を浴びたり多人数に首を狙われるような状況でも防御に適していたからそうしたという考察もできます。

また防御だけでなく、鬼舞辻無惨は自分が生き残るために常に自分の後継者や配下となる強い存在を求めていたため、炭治郎を取り込みやすい形状として赤ちゃんに変化しようとした説も考えられるでしょう。

また日本神話に登場する「蛭子命」が鬼舞辻無惨が最後に赤ちゃんになった理由に関係するとも考察できます。蛭子命とは日本神話の創生神である伊耶那岐命と伊耶那美命の間に生まれた御子で、その不完全さや弱さから捨てられてしまった悲劇的な存在でもあります。余談ながら蛭子命は「日る子」とも読めるため「日光」にまつわる神であるという俗説もあり、最後に日光に焼かれた鬼舞辻無惨を皮肉るような存在でもあります。

鬼舞辻無惨の境遇と日本神話の蛭子命には共通項があり、鬼舞辻無惨もまた病弱でそのままでは最後には不遇のまま死んでしまう定めにありました。そんななか侍医がほどこしたとされる青い彼岸花などを用いた不思議な施術の結果生まれたのが鬼舞辻無惨という存在であり、のちに鬼の始祖となってしまうのでした。

鬼舞辻無惨は「生き残りたい」という強い執着ゆえに変異し、流され捨てられたとも言えるため、蛭子命（赤ちゃん）がモチーフに組み込まれる可能性があるのです。

鬼舞辻無惨の最後について掘り下げてご紹介すると、死因は間違いなく「日光」であることが挙げられます。

赤ちゃんのような形態を最後にとった鬼舞辻無惨は再生能力を鈍化された先で最後の抵抗を試みますが全身全霊で対抗した鬼殺隊の人々の団結によって日の出を迎え、日光に晒されてしまいます。

そして崩壊していく赤ちゃん形態のなかで取り込んだ炭治郎を鬼化させて自分の意識を移植することを狙いますが、それもまた多くの人々との縁や遺志によって阻まれて鬼舞辻無惨はひとりで死んでいくことになります。

この章では鬼舞辻無惨の赤ちゃん化がパクリと言われている理由について言及していきましょう！

鬼舞辻無惨の赤ちゃん化がパクリと言われている理由のひとつとして、大友克洋先生の名作SF作品『AKIRA』（1982）に登場する「鉄雄の最後に似ている」というのものがあります。

『AKIRA』に登場するメインキャラクターの「鉄雄」は主人公の「金田」にとってバイクチームの仲間で、ある事件をきっかけに超能力に目覚めネオ東京を崩壊させる事件を引き起こした存在です。そんな鉄雄が最後になってしまった形状もまた赤ちゃんであり、多くのファンにトラウマを植え付けることになりました。

吾峠呼世晴先生からは『AKIRA』をオマージュしたという公式言及はあがっていません。しかしながら、「黒幕が赤ちゃんになってしまう」という展開は日本の漫画作品に限らず神話や民話など古くから存在する王道展開なので何かしらの作品がアイデアヒントになった可能性はあるかもしれません。

鬼舞辻無惨の特性として血液を媒介として鬼化を促し意識や能力を分裂させることが終盤に明確化されています。しかし赤ちゃん形態になったあとにそういった要素は極端には見受けられませんでした。なぜそうなったのかについて解説していきましょう。

鬼舞辻無惨の不死性を保証する驚異的な回復力や分裂による再構築能力は、珠世と呼ばれる元配下の女性と鬼殺隊の蝶柱である胡蝶しのぶが協力してつくった薬品によって阻害されてしまったことが本編で言及されています。

本来であれば藤の花の毒であったとしても鬼舞辻無惨の驚異的な回復力の前では致命傷にはなり得ません。しかしながら、珠世と胡蝶しのぶが命を賭してつくった薬は混合的な効果をもつ代物であり、回復力の阻害や毒物を分解するための免疫、そして分裂に必要なリソースなども奪っていったのです。

また仮に赤ちゃん形態になって防御に特化させ持久戦に持ち込んだとしても日光が克服できていない鬼舞辻無惨では薬の解毒が間に合わず分裂という最後の切り札を出せなかったという背景があったと考えられます。

この章ではそんな鬼舞辻無惨のアニメ版や劇場版における声優を紹介していきましょう！

『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨役を演じているのは「81プロデュース」所属の声優である「関俊彦」さんです。

関俊彦さんは1983年のラジオドラマとテレビアニメ『太陽の子エステバン』で声優としてデビューして以来、アニメ声優だけでなくラジオパーソナリティや特撮なども務め30年以上日本の声優界を牽引している大ベテランでもあります。

関俊彦さんの代表作としては、『仮面ライダー電王』（2007）の主人公バディにあたる「モモタロス」役や『天空戦記シュラト』（1989）の主人公「修羅王シュラト」役、『お〜い!竜馬』（1992）の「坂本龍馬」役や『新機動戦記ガンダムW』（1995）の「デュオ・マックスウェル」役、そして『忍たま乱太郎』（1993〜）の「土井先生」役など幅広い年代の層が一度は目にしたことのある役を多数担当しています。

この章では気になる鬼舞辻無惨が赤ちゃん化した際のファンの反応をTwitterからいくつか紹介してきましょう！

この方は『うしおととら』（1990）の名シーンをあげながら鬼舞辻無惨が赤ちゃん化した理由を「赤ちゃんになりたかった」のだろうと考察してくださっています。もしかしたら病弱な身に生まれる前に回帰したいという願いも込められていたのかもしれません。

こちらの方は鬼舞辻無惨の赤ちゃん形態は『AKIRA』の鉄雄よりも『うしおととら』の白面にニュアンスやオマージュ先は近いのではないかと考察されています。

こちらの方は鬼舞辻無惨の赤ちゃん形態への気持ち悪さに加えて、その前の形態も気持ち悪かったと感想を述べています。終盤になるまで見目麗しさが強く前面に出されていた鬼舞辻無惨が最後に醜悪な姿になるというのは神話や民話にみられる王道セオリーながら鬼らしさが際立っていると言えるのかもしれません。

最後に「鬼舞辻無惨がもしも〇〇だったら」をお題にして鬼舞辻無惨の性格面などを掘り下げてみましょう。

鬼舞辻無惨の代名詞ともいえるのが「パワハラ会議」というネットミームを生んだその苛烈で高圧的な性格です。的確であれば厳格な上司というだけで済みますが、失敗したものを許せず、また自分の保身のためであればルールも曲げる理不尽さは上司向きではないと言えるでしょう。すぐに辞職を出すか人事に相談することをおすすめします。

鬼舞辻無惨の苛烈で保身的な性格は一方で「自分にとって都合がよく従順な存在」には穏やかに振る舞いしっかりと護っていくという性質と表裏です。ただし、やはり口答えなどをすると激怒し手を切られてしまうため対等なパートナーとしての関係は難しいかもしれません。

その一方で鬼舞辻無惨の完璧主義さや美意識は非常に高いものになっており、芸術家としてはかなりハイセンスで洗練されたものを提供できる可能性があります。現に女性に化けた鬼舞辻無惨などは作中屈指の美しさを持っており、ファンも魅了しているからです。ただしリテイクはご法度で、「おまかせ」をする勇気がいります。

鬼舞辻無惨の赤ちゃん形態に関する考察と紹介はいかがでしたか？鬼舞辻無惨に関わらず多くの考察出来る奥深さを残している『鬼滅の刃』を、日本神話や別作品の名シーンとの関係性に想いを馳せながら味わい尽くしてみると楽しいでしょう。