【鬼滅の刃】猗窩座(あかざ)の刺青の模様の意味とは?鬼の紋様や過去を調査
上弦の参・猗窩座(あかざ)は、顔面や身体全体に入った刺青のような独特な紋様が特徴です。猗窩座の紋様には一体どのような意味があるのでしょうか?猗窩座の性格や過去のエピソードも交えて、刺青のような紋様と、模様の意味について解説していきたいと思います。
猗窩座とは
上弦の参・猗窩座は『鬼滅の刃』作中でも屈指の強敵として登場し、人気の味方キャラクターである煉獄杏寿郎を殺害しています。しかしながら、読者からの人気は高く、猗窩座の過去エピソードでは「泣いた」「感動した」という声も多く上がっています。
どうして、鬼である猗窩座が人気キャラクターとなっているのでしょうか。猗窩座という名前や刺青のような紋様が持つ意味を紐解くことで、猗窩座というキャラクターの魅力もわかるかもしれません。
猗窩座のプロフィール
猗窩座は十二鬼月の中で上弦の参という階級の非常に強力な鬼です。身長は173cm、体重は74kgで趣味が鍛錬という、細身ながらも筋肉質な身体つきをしていますが、顔立ちは幼さの残る中性的な雰囲気です。アニメ版では石田彰さんが声を当てています。
猗窩座の目は吊り上がっていて、白目の部分が薄い青に染まり、ひび割れのような模様も浮き出ています。黄色い瞳には他の十二鬼月の鬼と同じく階級を示す数字が刻まれています。そして、顔や身体に刺青を思わせる藍色の線模様が何本も入っています。
猗窩座の初登場シーン
猗窩座が初めて登場したのは、「無限列車編」です。原作単行本では8巻の第63話「猗窩座」、アニメでは劇場版『鬼滅の刃無限列車編』、そしてTVシリーズの『無限列車編』第6話「猗窩座」がそれぞれ初登場の回となっています。
下弦の壱・厭夢(えんむ)との闘いで疲弊していた主人公一行のもとに突如として現れた強敵こそが、上弦の参・猗窩座でした。主人公たちを導く頼れる先輩であり上司だった炎柱の煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)の強さを認めた猗窩座は、執拗に杏寿郎へ「鬼になれ」と迫り、闘いを挑みます。その闘いの結果、杏寿郎は致命傷を負い、落命します。
鬼滅の刃の概要
『鬼滅の刃』は大正時代の日本を舞台に、超常的な力を持ち人間を襲う鬼と人間たちとの闘いや、それに付随する人間ドラマを描いたダークファンタジー作品です。
吾峠呼世晴先生による漫画が『週刊少年ジャンプ』で2016年から2020年まで連載されていました。ufotable制作のアニメ版もTVシリーズ・劇場版ともに国民的大ヒットとなり、アニメ版の続編も既に制作が決定しています。
鬼滅の刃のあらすじ
主人公は炭焼きを家業とする少年・竈門炭治郎(かまどたんじろう)。ある日炭治郎の家族は鬼に惨殺され、唯一生き残った妹の禰󠄀豆子(ねずこ)も人を襲う鬼になってしまいました。禰豆子を人間に戻す術を探すため、そして禰豆子を鬼に変えた張本人・鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)を討つため、炭治郎はとの闘いに身を投じることになります。
猗窩座の刺青の模様や鬼の紋様の意味
『鬼滅の刃』作中に登場する鬼の中には、顔や身体に紋様が浮き出ている者がいます。その多くは強敵として立ち塞がってきた鬼なので、紋様は鬼として強い力を持つ者に浮かび出るものなのでしょう。
鬼によって紋様の形はそれぞれ異なりますが、各々の生い立ちに沿うようなデザインのものがほとんどです。では、猗窩座の顔や身体にある刺青のような紋様には、どのような意味があるのでしょうか。
刺青の意味①もとは罪人の証
猗窩座の顔や身体に浮かんでいる紋様は、江戸時代に罪を犯した者が罪人の証として刻まれていた刺青によく似ています。江戸時代には、犯罪者を区別するために罪人の証として刺青を刻まれる刑罰がありました。
しかし、いくら罪人の証といっても、刑罰で刻まれる刺青は顔や身体を覆うほどにはなりません。では、猗窩座はどうして全身に刺青のような紋様が浮かんでいるのでしょうか。
刺青の意味②鬼になって全身に模様が広がる
ここで重要になるのが、猗窩座が人間ではなく、鬼であるということです。猗窩座は人間社会ではなく、鬼舞辻無惨の下で生きる鬼なのです。
通常刻まれる刺青とは異なり、猗窩座の全身に広がる紋様は、猗窩座が人間ではなく、鬼として生きていることの証のようにも見えます。
鬼の紋様とは
鬼の紋様は、鬼としての力が覚醒し、より強力な鬼になった証であるとも言えるでしょう。炭治郎の妹・禰豆子が鬼として更に強い力を扱えるようになった時にも、身体に紋様が浮かぶという描写がありました。
猗窩座は上弦の参という非常に高位で強力な鬼であるので、全身に鬼の紋様が浮かんでいるというようにも考えられるかもしれません。
猗窩座の過去の真相
猗窩座が強力な鬼であるから全身に鬼の紋様が浮かんでいるのだとして、ではなぜ猗窩座の紋様のモチーフは、罪人の証である刺青なのでしょうか。その理由は、猗窩座がかつて人間だった頃のエピソードと関係しています。
猗窩座の過去、すなわち猗窩座がかつて人間だった頃、一体何があったのでしょうか。そして、どうして猗窩座は鬼になったのでしょうか。
過去①家が貧乏で猗窩座の父は病弱だった
時代は江戸時代までさかのぼります。猗窩座はかつて狛治という名前の、人間の少年でした。母親はおらず、父親は病弱で床に伏せてばかりの貧しい父子家庭でした。
過去②子供の頃から「鬼の子」と呼ばれていた
病に伏せる父親と、まだ幼い子供である狛治は経済的に困窮していました。そのため狛治は大人相手にスリをして金銭を稼ぎ、生活費や父親の薬代を賄おうとしていました。
しかし、子供であっても罪は罪です。狛治は捕まる度に腕へ刑罰として刺青を刻まれ、百叩きの罰を受けることもありました。狛治が11歳の時点で、既に両腕に3本ずつ、合わせて6本の罪人の証が刻まれていたようです。まだ元服も済ませていないような歳の子供が、大人顔負けの罪を犯し罰を受ける。狛治はいつしか「鬼の子」と呼ばれるようになっていました。
過去③猗窩座の父の死
悪事を繰り返す狛治を傍で見ていた父親は自責の念にかられ、自ら命を絶ってしまいます。それは狛治が11歳の時、狛治の腕に6本目の罪人の証である刺青が刻まれた日のことでした。狛治の父親は遺書を残していました。遺書の内容は、盗みを止めて人生をやり直して欲しいという狛治への願いと、自らの病弱さのせいで狛治に罪を負わせてしまったことへの謝罪でした。
父親に生きていて欲しいという一心で盗みを繰り返していた狛治。しかし、その行動は裏目に出るばかりか、父親の自殺という最悪の結果をもたらしました。悲嘆にくれた狛治は以前にも増して荒れた生活を送るようになり、喧嘩に明け暮れるようになってしまいます。
過去④猗窩座と慶蔵との出会い
荒れた生活を送る狛治でしたが、ある出会いによって人生に転換が訪れます。大人複数人相手の喧嘩に勝った狛治に、声をかけた男がいたのです。男の名前は慶蔵。慶蔵は「素流」という素手で闘う武術の道場を営んでおり、狛治の強さを見込んで自らの道場へ勧誘しました。狛治は慶蔵の勧誘を断るばかりか慶蔵へ殴りかかりますが、返り討ちにあって気絶してしまいます。
狛治が目を覚ますと、慶蔵の道場へ運ばれていました。そこで狛治は、慶蔵の娘と出会います。娘の名前は恋雪(こゆき)。恋雪もまた病弱な身体でした。恋雪の母親、つまり慶蔵の妻は恋雪の看病疲れで自殺していて、慶蔵と恋雪は二人暮らしの父子家庭。しかし慶蔵は生活費を稼ぐために家を空けてしまうことが多いため、狛治に恋雪の看病を頼みました。
過去⑤慶蔵と恋雪が毒殺される
恋雪の看病をしているうちに、徐々に性格が明るくなっていく狛治。恋雪も狛治の献身的な看病によって具合が良くなり、床に伏してばかりだった恋雪は立って歩けるようにまで回復します。いつしか狛治と恋雪はお互い想い合う仲になり、ある夏の夜に、花火の下で恋雪の方から狛治へプロポーズしました。狛治は恋雪を守れるようになるべく、強くなることを誓います。
けれど、狛治の幸せは長くは続きませんでした。狛治が、祝言を上げることを父親の墓前に報告しに行った日のことです。慶蔵と恋雪が亡くなったのです。毒の入った井戸水を飲んだことが二人の死因でした。慶蔵と恋雪は何者かに殺されたのです。下手人は、慶蔵の道場へ以前から嫌がらせをしていた剣術道場の人間でした。
過去⑥猗窩座が強さにこだわる理由
恩人と、守ると誓った婚約者の二人を一度に失った狛治。二人の仇である剣術道場はその後何者かによって襲撃され、67人が「素手による暴行」により惨殺されます。その犯人はもちろん狛治です。慶蔵の素流武術を狛治もまた受け継いでいました。
父親、慶蔵、そして恋雪。大切な人たちを救えなかった・守れなかったことは狛治の心に大きな傷を残しました。復讐を遂げても癒えない傷です。猗窩座は「強いこと」にこだわりますが、それは強くなければ自分が生き残ることも、他人を救うことも守ることもできないという狛治の後悔や絶望によって形成された思想なのかもしれません。
過去⑦鬼になった猗窩座
さて、狛治による道場襲撃は、死者の数や遺体の状態から、「鬼が出た」と噂になっていました。それを聞きつけたのが鬼舞辻無惨です。鬼を派遣した覚えのない場所にそのような噂が立ったので、無惨は自ら調査にやってきました。そこで、血まみれの狛治と出会うことになります。
全てを失いヤケになっていた狛治は無惨に襲い掛かりますが、いくら狛治が強いといっても人間と鬼では力の差は歴然で、一撃で無惨に返り討ちにされ、鬼にされてしまいます。そして狛治は猗窩座という名前の鬼になったのでした。
猗窩座の名前や技の由来
猗窩座がかつては狛治という名前の人間だったことはわかりました。では、「猗窩座」という名前にはどのような意味があるのでしょうか。
「猗窩座」という名前に使われている漢字が持つ意味の他、猗窩座が戦闘で使う技の名前の意味も探っていきたいと思います。
名前の由来
「猗窩座」という名前に使われている漢字には、それぞれ意味があります。「猗」には「感嘆する声」「うつくしい」「たおやか・なよやか」といった意味の他、「去勢した犬」という意味もあります。猗窩座が人間だった時の名前「狛治」と照らし合わせると、「去勢した犬」という意味が最も適切だと考えられます。「窩」にもいくつか意味はありますが、全て「穴」に関係するもの。「座」はそのまま「座る」という意味です。
つまり、「猗窩座」という名前に使われている全ての字の意味を合わせると「去勢した犬が穴の中で座っている」という意味になります。かつて人間だった頃の名前「狛治」に使われている「狛」の字は「狛犬」を連想させますし、当然その意味もあります。神の使いとして神社の門を守る「狛犬」が「去勢されて穴に座る犬」に転じたと思うと、非常に残酷な変遷です。
技の名前の由来
猗窩座は十二鬼月の鬼としては珍しく、武器や術による遠隔攻撃を用いない肉弾戦スタイルで闘います。その構え方はかつて狛治だった頃に慶蔵から受け継いでいた「素流」のものです。また、技の名前として使われているのは全て花火の名前のようです。慶蔵や恋雪にもたらされたものを、鬼となってもまだ心のどこかで忘れられずにいるのでしょう。
猗窩座の技の一覧
猗窩座の技の名前の由来にはとても切ない理由があることがわかりました。では、猗窩座が使う技とはどのようなものなのでしょうか。
猗窩座が使う血鬼術「破壊殺」、そして猗窩座が使う技について、それぞれ詳しく見ていきたいと思います。
破壊殺とは
「破壊殺」とは猗窩座が使う血鬼術の名前です。その効果は、自身の身体能力の強化。他の十二鬼月が使う血鬼術と比べると単純で地味な効果にも思えますが、素手で闘う戦闘スタイルの猗窩座に身体能力強化がかかるということは、非常に強力な破壊力をもたらすということでもあります。
また、猗窩座が使う技は「破壊殺・〇式」となっており、それぞれ用いる型が異なります。型に沿った技の名前が花火の名前になっており、様々な種類があるのです。
猗窩座の技①羅針
羅針(らしん)は猗窩座自身の足元に陣を展開させて、相手の闘気を感知し動きを読む技です。無限列車編の煉獄杏寿郎との闘いでも使用していました。ちなみに、足元の陣の形は「雪の結晶」を象っており、これはかつて恋雪が身に着けていた髪飾りの模様でもあります。
猗窩座の技②空式
空式(くうしき)では空中で拳撃を乱打し、発生した衝撃派によって相手を攻撃します。少し距離が離れている相手に対して使います。
猗窩座の技③乱式
乱式(らんしき)は、近距離前方にいる相手に対して拳撃を乱打し攻撃する型です。煉獄杏寿郎との闘いでも使用していました。
猗窩座の技④脚式
脚式(きゃくしき)はその字の通り、脚を使う蹴打での攻撃です。脚式にはいくつか技があり、それが花火の名前になっています。
猗窩座の技⑤砕式
砕式(さいしき)は拳打の型で、乱打する「鬼芯八重芯(きしんやえしん)」と大きく振りかぶった拳を打ち下ろす「万葉閃柳(まんようせんやなぎ)」という技があります。
猗窩座の技⑥滅式
滅式(めっしき)は煉獄杏寿郎との闘いで放った大技で、杏寿郎の奥義を相殺するという凄まじい威力を見せつけています。
猗窩座の技⑦終式
終式(しゅうしき)は猗窩座が炭治郎と闘う際に用いた型で、360度全ての方向へほぼ同時に乱打を打ち込む「青銀乱残光(あおぎんらんざんこう)」という大技があります。
猗窩座の性格
結果として道を誤ってしまったとはいえ、弱者を慈しむ優しい性格だった狛治とは打って変わって、猗窩座は鬼らしい残酷な性格をしているようにも思えます。しかし、狛治だった頃の名残が失われていないのもまた事実です。
煉獄杏寿郎と対峙した際には、杏寿郎に対して非常にフランクに話しかけている場面もありました。一体猗窩座は、どのような性格の持ち主なのでしょうか。
性格①弱い者への軽蔑
初登場時、煉獄杏寿郎に対峙した猗窩座は執拗に杏寿郎を鬼になるよう説得していました。人間としては類まれなる武術の才を持った杏寿郎を「強者」と認めたからです。このように猗窩座は自らが「強い」と認めた人間のことを好ましく思う反面で、「弱い」と認識した者に対しては非常に残酷で、嫌悪している様子を見せます。炭治郎との闘いの中でも、自らそのように言っています。
性格②女性は殺さない
「弱者」を嫌悪し、虫のように殺すことも厭わない猗窩座ですが、女性は殺さないという一面も持っています。上弦の弐・童磨は女性を好んで食べる鬼ですが、童磨によれば猗窩座は決して女性を食べることはなかったそうです。一般人・鬼殺隊に関わらず、猗窩座が女性を襲って食べたことは一度もなかったといいます。
性格③本当は饒舌
残酷な鬼である反面、武人としての性質も持っている猗窩座には、本当は饒舌という一面もあります。煉獄杏寿郎との闘いでは、何度も話しかけて杏寿郎を鬼にしようと説得し続けていましたし、炭治郎や冨岡義勇と闘った時には自らのことを「話し好き」だと言う場面もありました。
ただ、上弦の鬼の会議の間は不機嫌そうに黙っているという描写もあるので、気に入った相手にはよく話すけれど、嫌いな相手とは話したがらないという性格なのでしょう。童磨のことは特に嫌っており、話さないどころか頭を破壊するという仕打ちもしていました。
猗窩座の刺青に対する世間での評判や人気
ファンの間では、猗窩座の刺青に対して「かっこいい」「セクシー」などの声が上がっています。猗窩座の刺青に憧れる方も多いようです。
また、刺青の意味を知ったファンからは「切ない」「救われて欲しい」という声もあります。
罪人の証として刻まれた刺青が、鬼になった猗窩座の「罪の意識」の象徴として全身に浮かんでいるのではないか、という考察もあります。猗窩座は非常に愛されているキャラクターであると言えるでしょう。
猗窩座の刺青は罪人の証だった
猗窩座の独特な紋様は、罪人の証である刺青だったということがわかりました。過去エピソードを読むと、彼のキャラクター性とデザインにより深みを感じられます。
敵でありながらも悲しい過去を持っている猗窩座。猗窩座の過去エピソードは、『鬼滅の刃』単行本18巻で読むことができます。
この記事のライター
浦谷街乃
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