【カイジ】ビールを飲む名シーンの裏側は?小さい缶?何ペリカかも考察
『賭博破戒録カイジ』には主人公のカイジが小さな缶ビールを飲む描写があり、読者の間では名シーンとして認識されています。この缶ビールは、地下強制労働施設で班長・大槻から手渡されたもので、大槻のある思惑が隠されていたのです。本記事ではこの名シーンについて解説します。
目次
【カイジ】とは?
まず本題の名シーンを解説する前に、原作である『賭博破戒録カイジ』の簡単な作品概要の紹介とあらすじのおさらいをします。さらに作者についても、簡単に紹介しておきます。
賭博破戒録カイジの作者
『賭博破戒録カイジ』の作者は、福本伸行さんです。福本伸行さんは『風の大地』などで有名なかざま鋭二さんのアシスタントを経て、月間少年ジャンプの『よろしく純情大将』で漫画家デビューを果たします。その後『アカギ~闇に降り立った天才~』などの麻雀漫画で人気を博し、1996年から週刊ヤングマガジンにて『賭博黙示録カイジ』の連載を開始します。『カイジ』はその後、続編やスピンオフ作品も作られ、福本さんの代表作となります。
賭博破戒録カイジの概要
『賭博破戒録カイジ』は、『賭博黙示録カイジ』終了後の2000年から2004年まで週刊ヤングマガジンにて連載された作品です。前作『賭博黙示録』からストーリーが完全につながった続編で、主人公も引き続き伊藤開示(カイジ)です。『黙示録』収録の第1章「希望の船」、第2章「絶望の城」に引き続き、独特なルールを持つギャンブルとその駆け引き、特徴的なセリフ回しや心情表現が見どころの人気作品となっています。
賭博破戒録カイジのあらすじ
「ティッシュ箱くじ引き」にて帝愛グループの兵藤会長に敗れたカイジこと伊藤開示は、それまでの借金に加え指の治療費などから約1,000万円もの返済の当てのない借金を抱えていました。そんな中、高利貸しの遠藤に再会したカイジは、遠藤に新たなギャンブルを紹介するよう頼みます。懲りないカイジを遠藤は車で拉致し、帝愛グループが管理する地下の強制労働施設に送り込みます。過酷な労働生活の中、カイジはギャンブルに活路を見出そうと「地下チンチロリン」に手を出すのでした。
【カイジ】ビールを飲む名シーンとは?裏側を解説
続いて、カイジが小さいビールを飲む名シーンについて解説します。『賭博破戒録カイジ』にてこのシーンに至った経緯や、カイジたち労働者の地下での生活環境、ルールなども踏まえて詳細に解説していきます。
カイジのビールを飲む名シーンのあらすじと大槻班長のセリフ
カイジくん初給料のお祝いさ。金は取らねえよ・・・・・・・・!
出典: w.atwiki.jp
地下の労働施設に落ちて1か月、カイジに初めての給料が支払われますが、ここで支払われるものはペリカという独自通貨です。借金返済分や施設利用料が引かれ、手元に残ったのは91,000ペリカとなったカイジですが、目指す一日外出券500,000ペリカのために節制を誓います。施設内ではビールやお菓子をペリカで買うこともできますが、その誘惑に必死で抗うカイジのもとにE班の班長、大槻太郎が現れ、上記のセリフとともに小さなビール缶をカイジに渡すのでした。
カイジのビールを飲む名シーンの裏側を解説
次に班長の大槻がカイジに渡した小さいビール缶についての詳細と、ビールやおつまみの地下での相場を紹介します。また、カイジがその後に散財したペリカについても作中の描写をもとに解説します。大槻の差し出した小さいビール缶には、一体どのような意味が込められていたのでしょうか。
解説①ビールは小さい缶だった?
カイジが大槻から受け取ったビールは、135mlしか入っていない小さい缶です。作中の銘柄は「アソヒハイパードライ」というもので、実在の「アサヒスーパードライ」をもじったものです。現実世界でも135ml缶はスーパーなどで販売されており、流通量はさほど多くありませんが少量を口にしたいという消費者に選ばれている商品です。1か月もの重労働に加え、まともな食事を摂れていないカイジはむさぼるように飲み、その少なさから次の欲求へのスイッチとなったことがうかがえます。
解説②135ml缶は何ペリカ?
ペリカによる地下施設での嗜好品の販売は原作で描写がありますが、この135ml缶の小さいビールの価格は書かれていません。通常サイズの350mlが5,000ペリカ、ロング缶500mlが6,000ペリカ、少量の250ml缶が3,500ペリカなので、135ml缶は2,000~2,500ペリカ程度ではないかと推察されます。ペリカは日本円の10分の1の価値ですので、135ml缶は地下では200~250円ほどになり、地上のおよそ2~2.5倍程度の価格設定となります。
解説③カイジの豪遊費用はいくら?
小さいビール缶を飲んだカイジはさらにビールが欲しくなり、大槻の策略通り堰を切ったように散財を始めます。最初は抵抗感を示しながらも、大槻の後押しするセリフによって、この日は最終的にビール350ml缶4本と焼き鳥、ポテチ、肉じゃが、チーズちくわの計41,000ペリカを使用してしまいます。しかし豪遊はこの日にとどまらず、翌日も翌々日もビールとおつまみに手を出したカイジは、5日目の残りペリカがわずか400、つまり1週間もたたずに90,600ペリカも使ってしまったのでした。
【カイジ】ビールを飲む名シーンは実写映画やアニメ版でもある?
続いては、カイジが小さいビールを飲む名シーンについて、アニメや実写版での描写がどのように描かれているのかを見ていきましょう。それぞれに細かい表現やセリフの違いがありますので、その違いについても解説します。
カイジのビールを飲む名シーンは漫画何巻?
カイジがビールを飲むシーンは『賭博破戒録カイジ』の第1巻に出てきます。前作の『賭博黙示録』の方ではありませんのでご注意ください。1巻の第5話「給与」にて、地下で悲惨な暮らしをするカイジの前に、突然班長の大槻が現れビールを差し出すシーンが描かれています。
カイジの実写映画でのビールを飲む名シーン
2011年公開の映画『カイジ2 人生奪回ゲーム』にて、俳優の藤原竜也さんがカイジ役として出演しています。この実写版カイジで出てきたビールは350mlの通常サイズで、銘柄もキリンの一番搾りでした。また、カイジの「犯罪的だ」というセリフも「悪魔的だ」に変更されているなど、細かい描写の違いはあれど、原作と同様の意味を持つ名シーンとなっています。藤原竜也さんはこのシーンを演じるにあたり、実際に1か月近く禁酒をして臨んだとのことで、役者としての本気度がうかがえます。
カイジのアニメ版でのビールを飲む名シーン
アニメ『逆境無頼カイジ 破戒録篇』の第1話に、カイジがビールを飲むシーンが収録されています。アニメ版はほとんど原作の描写を再現しており、ビールの銘柄サイズ、カイジや大槻のセリフも原作通りで、小さな135ml缶をむさぼるように飲むシーンが見事に表現されています。
【カイジ】ビールを飲むカイジの声優
ここからはアニメ版である『逆境無頼カイジ 破戒録篇』にて、カイジこと伊藤開示役を演じた声優を紹介します。本記事で取り上げたビールを飲むシーンなど、数々の名シーンや名セリフを生み出すカイジを演じたのは、一体誰なのでしょうか。
カイジの声優は「萩原聖人」
アニメ『逆境無頼カイジ 破戒録篇』でカイジ役を務めたのは俳優の萩原聖人さんです。萩原聖人さんは『カイジ』原作のファンでもあり、アニメ化に際してはぜひ声優を担当したいと思っていたほどだそうです。原作者の福本伸行さんも、萩原聖人さんによるカイジの声を絶賛しており、ファンからもその演技は高く評価されています。
萩原聖人のプロフィール
- 名前:萩原聖人(はぎわらまさと)
- 誕生日:8月21日
- 出身地:神奈川県
- 所属:アルファエージェンシー
俳優の萩原聖人さんは、映画やテレビドラマ以外でも海外作品の吹き替えやナレーター、アニメの声優としても活躍しています。1987年の『あぶない刑事』への出演がデビューで、その後数多くの映画・ドラマに出演し、1996年には『マークスの山』にて第19回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞しています。そのほか日本プロ麻雀連盟に所属するプロ雀士であるなど、幅広い活躍を見せています。
萩原聖人の主な出演作品
萩原聖人さんがアニメ声優として、『カイジ』以外に出演した作品では『闘牌伝説アカギ~闇に舞い降りた天才~(赤木しげる/アカギ)』、『ONE OUTS(渡久地東亜)』などが有名です。そのほかアニメや日本映画以外では、韓国ドラマの『冬のソナタ』、『初恋』などでペ・ヨンジュンの日本語吹き替えを演じています。
【カイジ】ビールを飲む名シーンに対する世間での評判や人気
カイジがビールを飲むシーンは、原作ファンの間でも非常に印象的な名シーンとして度々取り上げられています。このシーンを見る度にビールが飲みたくなる、ポテチや焼き鳥を買って豪遊したい、という感想がカイジのセリフなどを交えて、今でもSNSなどで数多く上がっています。
大槻から渡された小さい135mlサイズのビール缶に言及する意見も目立ちます。350ml缶と比べてそれほど多く目にする機会のないサイズですので、『カイジ』で135ml缶の存在を初めて知った人や、名シーンを真似て購入した人の感想なども見られます。
実写版『カイジ』での同シーンに対する感想を述べるファンも多く見られます。藤原竜也さんの熱演も、アニメや原作に負けないとの意見も多く、原作同様に名シーンとして取り上げられています。また、セリフやビールの銘柄も原作と異なっている部分への言及もあり、ファンの観察力の高さが垣間見えます。
【カイジ】ビールを飲む名シーンには様々な秘密があった
『賭博破戒録カイジ』にてカイジが小さいビールを飲むシーンは、単なる主人公の飲食シーンとしてではない、大きな話題となる名シーンとして語り継がれています。大槻が人のよさそうな演技でカイジに渡したビール缶は、カイジを再度ギャンブルの世界にいざなう呼び水として機能した、本作の名アイテムとなっています。
この記事のライター
PP西村
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