【カイジ】ざわざわとは?意味や使い方は?登場シーンや由来について紹介
『カイジ』の「ざわざわ」について解説します。『カイジ』シリーズの代名詞的な効果音「ざわざわ」の意味や使い方、由来をまとめました。また、「ざわざわ」が登場する具体的なシーンや、『中間管理録トネガワ』で「ざわボイス」を担当した声優についても紹介しています。
目次
【カイジ】とは?
数あるギャンブル漫画の中で最も有名な『カイジ』シリーズには、特徴的なポイントがいくつもあります。とりわけ要所要所のシーンで使われる「ざわざわ」という効果音は、同作のシンボルと言っても過言ではありません。「ざわざわ」の意味や使い方、由来について迫る前に、まずは『カイジ』という作品についておさらいしておきましょう。
賭博黙示録カイジの作者
「ざわざわ」で有名な『賭博黙示録カイジ』の作者は、福本伸行です。福本氏は神奈川県出身の男性漫画家で、年齢は現在64歳になります。1980年に漫画家デビューしますが、ヒットに恵まれたのは80年代の終盤でした。その後は順調に活動し、90年代に入って『カイジ』シリーズの第1作である『賭博黙示録カイジ』を発表します。これにより人気作家としての地位を不動のものとし、現在に至っています。
賭博黙示録カイジの概要
「ざわざわ」という効果音が特徴的な『賭博黙示録カイジ』は、1996年から1999年まで「週刊ヤングマガジン」で連載されていたギャンブル漫画です。全158話、13巻というボリュームですが、物語はその後『賭博破戒録カイジ』『賭博堕天録カイジ』などのシリーズとして、現在も続いています。幅広い人気を誇り、テレビアニメや実写映画版も制作されています。
賭博黙示録カイジのあらすじ
「ざわざわ」という効果音が頭に残る『賭博黙示録カイジ』は、伊藤開司(カイジ)という男を主人公とするギャンブル漫画です。毎日を自堕落に過ごしていた青年カイジは、ある日突然多額の借金を背負っている事実を告げられます。返済のあてのないカイジは、金融業者・遠藤に誘われるまま、「エスポワール」という謎の船に乗り込みました。そこでは勝てば天国、負ければ地獄のギャンブル大会が催されており、カイジは自らの閃きを駆使して逆境を切り開いていくことになる…というストーリーです。
【カイジ】ざわざわとは?意味や使い方を解説
ギャンブル漫画の金字塔、『カイジ』シリーズで代名詞的な扱いをされる「ざわざわ」ですが、そもそもこの効果音にはどういう意味があるのでしょうか。また、具体的な使い方や由来についても知りたいところです。ここではそれらの点について見ていきましょう。
ざわざわの意味や使い方
『カイジ』の奇妙な効果音「ざわざわ」には、一体どういう意味があるのでしょうか。その主な意味や使い方は、2つに分けられるとされています。1つ目の意味は「物理的な騒音」で、もう1つの意味は「心理的なイメージ音」です。「ざわざわ」は、主にこの2つの使い方に沿って各シーンで用いられています。
ざわざわの由来
『カイジ』シリーズの代名詞となっている「ざわざわ」音ですが、その由来はどこにあるのでしょうか。「ざわざわ」が初めて使われたのは、作者の福本伸行によると、彼の出世作である『天 天和通りの快男児』の中でした。最初は「背後のギャラリーのざわめきを表す効果音」という使い方に限られていたのが、その後誰もいない場面でも「ざわざわ」を使いだすようになり、次第に福本作品のシンボルとして世間に浸透していったというのが経緯のようです。
ざわざわの種類
『カイジ』で頻出する効果音「ざわざわ」は、上で述べたように2つの使い方(種類)があります。1つ目の「物理的な騒音」は、群衆が一斉に驚きを感じるなどの際のざわめきとして表現されます。もう1つの種類である「心理的なイメージ音」は、カイジら登場人物が心の中で感じる緊張や動揺、衝撃といった感情を表現するために使われます。
【カイジ】ざわざわの登場シーン
上では「ざわざわ」の意味や使い方などについて説明しましたが、実際の使用例も気になるところです。『カイジ』の作中では「ざわざわ」がかなりの頻度で使用されていますが、その中でも特に有名なシーンがいくつかあります。ここでは、そうした代表的な「ざわざわ」登場シーンを取り上げて紹介していきましょう。
登場シーン①鉄骨渡りの説明を受けてざわざわ
『カイジ』における「ざわざわ」シーン、1つ目は鉄骨渡りの説明場面です。限定ジャンケンに続く2つ目のギャンブルで、宙に渡された細い鉄骨の上を、複数人が順位を競って渡り合うというシンプルなゲームになります。しかし、地面との距離は10mほどあり、落ちれば命の保証はありません。その説明を聞いた参加者たちは、動揺して「ざわざわ」し始めます。これは、前述の1つ目の意味における使い方になります。
登場シーン②大槻との勝負でざわざわ
続いての『カイジ』の「ざわざわ」シーンは、カイジと大槻の勝負の場面です。地下強制労働施設で搾取されていたカイジは、班長・大槻とのチンチロ勝負に挑みます。その前に大槻のイカサマで痛い目を見たカイジですが、仕組みを見抜いた上で挑む今回は、十分な作戦を練っていました。しかし、大槻に感づかれないようにあくまで慎重に事を進めなくてはなりません。ここでの「ざわざわ」はそうしたカイジの緊張感を示す効果音で、上の説明で言う「心理的イメージ音」の意味合いでの使い方になります。
登場シーン③カイジに負けた北見のざわざわ
『カイジ』における「ざわざわ」シーン、3つ目は「カイジとの勝負で敗北する北見」の場面です。北見は限定ジャンケンでピンチに陥ったカイジに勝負を挑まれ、最初その気はなかったものの、挑発に乗って承諾します。「勝てる」と余裕の北見でしたが、結局カイジの仕掛けにはまり、敗北を喫することとなりました。そのショックと動揺を表す「ざわざわ」で、こちらも2つ目の意味と使い方に相当します。
登場シーン④居酒屋のざわざわ
上記のような特別なシーンでなくても、「ざわざわ」は『カイジ』の作中で使われています。たとえば、カイジのバイトの同僚・佐原がカイジをはめようとしたことについて謝ろうと、彼を居酒屋に連れて行く場面です。これは単に店内のざわめきを表す使い方で、特に誰かの動揺を表す意味などはありません。しかし、この後繰り広げられるのが鉄骨渡りの修羅場であることを考えると、その不穏さを暗示した使い方であるという見方も成り立ちます。
登場シーン⑤鉄骨渡りの抜け道を見つけるとき
『カイジ』の作中で登場した「ざわざわ」シーン、最後は鉄骨渡りでカイジが抜け穴を見つける場面です。鉄骨渡りが終盤に差し掛かった時、すぐ横にガラス製の抜け道があるのをカイジが発見します。一瞬この道を通るのが正解と考えるカイジですが、これまでの数々の罠を考えると、素直にそうとも取れません。そうしたカイジの不安や疑心暗鬼を表す「ざわざわ」で、「心理的イメージ音」の意味や使い方の例になります。
【カイジ】ざわざわを中間管理録トネガワで担当した声優
ここまで『カイジ』の特徴的な効果音「ざわざわ」の由来や意味、代表的なシーンなどについて解説してきましたが、今度は違った角度から迫ってみましょう。「ざわざわ」は『カイジ』のスピンオフ作品『中間管理録トネガワ』のアニメ版で、さまざまな声優(名前に「ざわ・さわ」が付く人たち)によって再現されています。実際に起用された10人について紹介していきます。
ざわボイスの声優①野沢雅子
『カイジ』のスピンオフアニメ『中間管理録トネガワ』の「ざわボイス(ざわざわ効果音)」に起用された声優の1人目は、野沢雅子です。担当した回は、24話(最終話)になります。野沢氏は1936年生まれの現在86歳という大ベテランで、声優のほかに女優・歌手としての顔も持ちます。3歳の頃から子役として活動しており、芸歴はゆうに80年を超えています。
代表作は枚挙にいとまがありませんが、主なところでは『ドラゴンボール』シリーズの孫悟空・孫悟飯・孫悟天、『ゲゲゲの鬼太郎』の鬼太郎、『ど根性ガエル』のひろし、『銀河鉄道999』の星野鉄郎、『ガンバの冒険』のガンバ、『トム・ソーヤーの冒険』のトマス・ソーヤーなどが挙げられます。
ざわボイスの声優②沢城みゆき
『カイジ』のスピンオフアニメ『中間管理録トネガワ』で「ざわざわ」を担当した声優、2人目は沢城みゆきです。担当回は、13話、17話、20話になります。沢城氏は長野県生まれ、東京都出身の声優で、ナレーター・女優としても活動しています。1999年に演技経験のないままデビューを果たした後、数々の作品に出演してその名を知られるようになりました。主な代表作は、『ルパン三世』(峰不二子)、『化物語』(神原駿河)、『ゲゲゲの鬼太郎(第6期)』(鬼太郎)などとなっています。
ざわボイスの声優③芹澤優
『カイジ』のスピンオフアニメ『中間管理録トネガワ』の「ざわざわ」に起用された声優、3人目は芹澤優です。担当回は、1話、6話、11話などになります。芹澤氏は東京都出身の声優で、歌手としての活動も行っています。高校在学中の2012年に芸能界デビューを果たしていますが、声優としてのデビューは翌年でした。主な代表作には、『3D彼女 リアルガール』(五十嵐色葉)、『賭ケグルイ』(夢見弖ユメミ)、『プリティーリズム・レインボーライブ』(福原あん)などがあります。
ざわボイスの声優④小澤亜李
『中間管理録トネガワ』で「ざわざわ」を披露している声優、4人目は小澤亜李です。担当した回は、2話、12話などになります。小澤氏は東京都出身の女性声優で、現在30歳になります。2013年にデビューして以来、アニメやゲーム、ラジオなどの分野で活動してきました。第11回声優アワードでは、新人女優賞を獲得しています。主な代表作は、『がっこうぐらし!』(恵飛須沢胡桃)、『月刊少女野崎くん』(佐倉千代)、『ちいかわ』(うさぎ)などになります。
ざわボイスの声優⑤花澤香菜
『カイジ』シリーズから派生したアニメ『中間管理録トネガワ』で「ざわざわ」を演じた声優、5人目は花澤香菜です。担当した回は、3話、8話、16話などになります。花澤氏は東京都出身の声優・女優・歌手で、ナレーターとしても活動しています。子役としてキャリアを積んだ後、14歳の時に声優の道に入りました。以来、人気声優としてさまざまな作品に出演しています。
主な出演作品には、『ニセコイ』(小野寺小咲)、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』(黒猫)、『五等分の花嫁』(中野一花)、『〈物語〉シリーズ』(千石撫子)、『PSYCHO-PASS サイコパス』(常守朱)、『鬼滅の刃』(甘露寺蜜璃)などがあります。
ざわボイスの声優⑥黒沢ともよ
『中間管理録トネガワ』の「ざわボイス」で「ざわざわ」を披露している声優、6人目は黒沢ともよです。担当した回は、4話、9話などになります。黒沢氏は埼玉県出身の27歳で、女優・声優・歌手として活動しています。2018年には、第12回声優アワードで主演女優賞を獲得しました。主な代表作には、『響け!ユーフォニアム』(黄前久美子)、『宝石の国』(フォスフォフィライト)、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(赤城みりあ)などがあります。
ざわボイスの声優⑦井澤詩織
『カイジ』スピンオフ『中間管理録トネガワ』における「ざわざわ」担当声優、7人目は井澤詩織です。担当回は、5話、10話などになります。井澤氏は埼玉県出身の女性声優で、ラジオパーソナリティとしての活動を経た後、2009年にテレビアニメへのデビューを果たしました。主な出演作品には、『メイドインアビス』(ナナチ)、『クズの本懐』(鴎端のり子〈最可〉)、『チェンソーマン』(ポチタ)などがあります。
ざわボイスの声優⑧潘めぐみ
8人目の「ざわざわ」効果音担当者は、『1日外出録ハンチョウ』(14・15話)にちなんだ名前を持つ潘めぐみです。潘氏は東京都出身の女性声優・女優で、母親の潘恵子もまた声優・女優として知られています。2008年に女優デビューした後、2011年のテレビアニメ『HUNTER×HUNTER』の主役(ゴン=フリークス)で声優デビューを果たしました。その他の出演作品には、『ハピネスチャージプリキュア!』(白雪ひめ/キュアプリンセス)、『ちはやふる』(花野菫)などがあります。
ざわボイスの声優⑨チョー
9人目の「ざわざわ」ボイス担当者もまた、『1日外出録ハンチョウ』にちなむ名前を持つチョーです。本名は「長島茂」で、芸名の「チョー」は、かつての出演番組『たんけんぼくのまち』の役名(チョーさん)に由来しています。声優のほか、俳優やナレーターとしても活動しており、主な代表作には『いないいないばあっ!』(ワンワン)、『ONE PIECE』(ブルック)、『犬夜叉』(邪見)などがあります。また、『中間管理録トネガワ』では大槻班長の声も担当しています。
ざわボイスの声優⑩沢城千春
『カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』で「ざわざわ」音を当てている声優、最後は沢城千春です。担当した回は、20話になります。沢城氏は沢城みゆきの実弟で、活動初期はさまざまな分野にチャレンジしていましたが、徐々に姉の影響で声優の道を志すようになり、2013年に声優デビューしています。主な出演作品には、『遊☆戯☆王VRAINS』(島直樹)、『A3!』(摂津万里)などがあります。
【カイジ】ざわざわに対する世間での評判や人気
『カイジ』シリーズの代名詞的効果音「ざわざわ」の由来や意味などについて解説していますが、世間の印象についても気になるところです。特徴的な使い方がされている「ざわざわ」を、読者や視聴者はどう感じているのでしょうか。そのあたりについて探ってみました。
こちらは『カイジ』の「ざわざわ」エフェクト(効果音)が「じわる」という意見です。『ジョジョの奇妙な冒険』など独特の効果音が主張してくる作品はいくつかありますが、『カイジ』の場合はほぼこれ1つで押してくる点で、その都度ツボをつかれてしまうファンが多いもようです。
こちらは『カイジ』の「ざわざわ」にハマったというツイートになります。「なんやねん」と好意的なツッコミを入れていますが、上で説明したような由来を知らないと、確かに何のことやらという気持ちにはなってしまいます。
最後に紹介するのは、『カイジ』が「尋常じゃない頻度でざわざわ」することについて、「嫌いじゃない」との感想を述べるツイートになります。前述のように、『カイジ』シリーズでは何かというと「ざわざわ」や「ざわ…」という効果音が入りますが、あまり敬遠するような意見は聞かれません。それだけ作品になじんでいるということができます。
【カイジ】ざわざわは面白い効果音だった
『カイジ』の「ざわざわ」について解説してきました。このように『カイジ』シリーズで代名詞的な扱いをされている「ざわざわ」は、もともと群衆のざわめきだったのが、後にキャラクターの内面(緊張・不安)のイメージ音としても使われるようになったという由来を持っています。そうした由来を踏まえると、一見不可解なこの効果音もすんなり腑に落ちるでしょう。それでいて奇妙な味わいは見るほどに深まるので、未体験の方はぜひ原作やアニメで味わってみてください。
この記事のライター
だいじろう
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