【進撃の巨人】巨人の種類まとめ！九つの巨人の特徴や能力・正体を紹介

巨人の種類についてまとめていく前に、まずは進撃の巨人の作品概要やあらすじについてまとめていきます。少年漫画としては異例な設定や展開がふんだんに盛り込まれた本作は、他のダークファンタジー作品とは一線を画した話題性を生み出し世界中のファンに愛された大作として知られています。

進撃の巨人を手掛けた作者は諌山創（いさやまはじめ）さんです。1986年8月29日に大分県に生まれており、専門学校吸収デザイナーマンガ学科の出身でもあります。元々絵を描くことが好きで、唯一好きなことでさえも真面目に取り組めてなかったことを自覚した日から漫画を描き始めたとされています。その後2006年にマガジングランプリで進撃の巨人が佳作に選ばれ、2009年に同作の連載が開始されました。

進撃の巨人は諌山創によって週刊少年マガジンに連載されている漫画作品です。巨人と人間の戦いが描かれた本作はリアルに表現された残酷な世界観や秀逸な伏線回収などが話題を呼び、2022年9月時点で全世界累計発行部数1億1000万部を超える大ヒット作品となりました。

50mを超える壁『ウォール・マリア』に守られたシガンシナ区に暮らしていたエレンは、父と母、幼馴染のミカサと共に平穏な毎日を過ごしていました。しかし850年のある日、突如超大型巨人が現れると壁が破壊され巨人の群れが人々を襲いました。そこでエレンは実の母親を目の前で捕食されてしまい、すべての巨人を駆逐するために調査兵団に入団することを決意しました。

ここからは進撃の巨人における巨人の種類についてまとめていきます。進撃の巨人を語る上で巨人の存在は欠かせないほど大きなもので、巨人たちには人を襲う目的や種類が明白にあります。なお、本記事では進撃の巨人本編の重大なネタバレも含んでいるため、閲覧する際はご注意ください。

巨人の正体はユミルの血筋を引くエルディア人です。彼らは巨人の脊髄液を摂取することで巨人化することができます。ユミルは元々マーレ国に支配されていた世界を変えるために巨人の力を求めていました。巨人になると知性が失われてしまい、マーレ国との戦争時も目的を持たずただフリッツ王の命令を受けて動いていました。巨人が人間を捕食することには明確な目的がないと考えられています。

無垢の巨人は知能や意思を持たない巨人です。作中では人間より遥かに大きい図体で言葉を一切発さない不気味な存在として描かれており、人間のいるところに向かってはその人を捕食する獰猛な生き物でもあります。また、無垢の巨人は通常種と奇行種の2種類に分けられます。

通常種は作中で多く登場している一般的な巨人であり、小さいものは3m、大きいもので15mほどの大きさをしています。ただ人間を追いかける習性を持っているため動きが単調で読みやすく、立体起動装置でうなじが狙いやすい種類でもあります。また、彼らの体温は高く夜や暗い所では動きが鈍くなります。

奇行種は通常種に比べ特異な行動を取る巨人です。その行動は様々なものがあり、障害物を取り除いて真っすぐ進む個体や、目の前の人間を無視して遠くの人間を目的にする個体など、通常種ではあり得ない行動を取るのが特徴的です。また、通常種よりも足が速いこともあり、人間からしても厄介な敵として認識されています。

知性の巨人は人間に近い知性を持った巨人のことです。初めて存在が判明したのはエレンが巨人化した時で、その後知性の巨人には9つの種類が存在することが明らかにされました。種類ごとによって特徴や能力が異なり、知性の巨人を他の巨人が捕食すればその力を継承することができます。

ここからは進撃の巨人における無垢の巨人の種類を一覧にしてまとめていきます。無垢の巨人は作中において最も普遍的な巨人として描かれていますが、その中で重要人物を捕食した巨人は特別な存在として描かれ物語に大きく関与しています。

ユミルは大地の悪魔と接触し世界に巨人を生み出した張本人です。ユミルは幼い頃からフリッツ王の奴隷として働かされていました。しかし、ある日豚を逃がしてしまったことで追放を言い渡されてしまい、野犬や同族たちに襲われ重傷を負ってしまいます。そんな時、大樹の洞に置いた脊髄と接触したことで巨人化を果たし、以降彼女は60年間パラディ島を彷徨うことになりマーレから送り込まれた4人の戦士と出会います。

イルゼイーターはイルゼ・ラングナーを捕食した巨人であり、その正体はユミルを崇めていたエルディア人です。当時ユミルを崇めていたエルディア人団体に楽園送りが命じられ、彼女らは巨人の脊髄液を注射されて無垢の巨人に変えられました。原作5巻の『イルゼの手帳』ではイルゼのことをユミルと勘違いして言葉を発している姿が描かれています。

カルライーターはエレンの母親であるカルラを捕食した巨人であり、その正体はフリッツ王家の血を引くダイナ・フリッツです。ダイナはエレンの父親・グリシャの前妻でもあり、彼との間にジークを産んでいます。2人はエルディア復権派であることをジークに密告されてしまい楽園送りにされますが、そこでダイナはグリシャに対して「あなたを探し出すから」と遺言を残していました。その言葉が物語の1話にて現実となったのです。

ミーナイーターはミーナを捕食した巨人です。その正体はエルディア復権派のメンバーの1人であり、巨人化した姿が非常に特徴的だったことからファンから『おさげイーター』とも呼ばれていました。ミーナイーターは最終的にミカサに倒されます。

ミケイーターはミケ・ザカリアスの下半身を食べた巨人です。ミケはリヴァイに次ぐ実力者と言われていましたが、ウォール・ローゼ内に侵入してきた巨人の群れを単独で捌いている時に獣の巨人に馬を投げられ落下します。その時丁度落下先にいた巨人がミケの下半身に噛みつきましたが、獣の巨人の「待った」を聞かなかったミケイーターはその後獣の巨人によって頭を潰されてしまいます。

髭の巨人は髭が生えているのが特徴的な巨人で、4話にてアルミンを飲み込もうとしたところをエレンに妨害され、その後巨人化したエレンに敗北した巨人でもあります。元々エルディア復権派メンバーの1人であり、ミーナイーターたちと共に楽園送りにされて巨人になった経緯を持ちます。

調査兵団に所属するコニーはラガコ村の出身であり、そこでコニーの母親も生活していましたがジークによって住人全員が巨人化させられてしまいます。住人は兵士たちによって討伐されてしまいますが、その時コニーの母親だけは手足が発達しきらず仰向けのまま放置されていました。コニーが村に帰った時は片言で「おかえり」と声をかけており、人間に戻すための方法を模索するために利用されたと言われています。

ここからは進撃の巨人における九つの巨人の特徴や能力と継承者を一覧にしてまとめていきます。知性の巨人には九つの種類が存在していることを前述していましたが、ここではその九つの巨人それぞれの名称や種類、継承者について詳細に解説していきます。

超大型巨人は体調50mを超えるほど大きい巨人で、本編2話にてウォール・マリアを破壊した張本人です。体中から蒸発した熱風を吹き出しているのが特徴的で、どんな巨人よりもパワーに優れている分巨人化できる時間に制限があります。超大型巨人の正体はマーレの内通者だったベルトルトであり、その継承者はアルミンになります。

女型の巨人は女性のような体型をした巨人です。肉質を部分的に硬化する能力や『叫び』によって無垢の巨人を引き寄せることができます。作中での正体及び継承者はマーレの戦士として内通していたアニであり、エレン含む調査兵団との戦いで敗北すると身体が結晶化し調査兵団の地下室に幽閉されました。

鎧の巨人は全身を硬化させ鎧のごとく硬い身体を持つ巨人です。超大型巨人と共にパラディ島の壁を破壊した巨人でもあり、知性の巨人の中でも戦闘力が高いです。作中継承者はマーレの戦士として内通していたライナーであり、調査兵団との戦いで負傷した際は獣の巨人と車力の巨人によって救出されマーレへ戻りました。

獣の巨人は人間の言葉を話せる巨人で、壁を登ったり物を投げたりと九つの種類の中でも知性的な動きが目立っていました。手足が長く全身を深い毛で覆っているのが特徴的で、継承者はグリシャとダイナの間に産まれたジークです。

顎の巨人は強靭な顎を持つ巨人です。小柄な体格と素早い動きが特徴的で、片言ながら人間の言葉を話すこともできます。作中ではマルセルが顎の巨人の正体でしたが、後にユミルに捕食されたことでその力がユミルに渡ります。そして、ユミルが自らの意思で捕食されることを決めると最終的な継承者はマルセルの弟のポルコとなりました。

車力の巨人は四足歩行する巨人です。素の戦闘能力は知性の巨人の中で最も低いですが、その分持続力が高く数ヶ月の間永続的に巨人化することができます。継承者はマーレの戦士の1人であるピークで、戦闘時には背中に砲台を装着して戦います。

鉄槌の巨人は15m級の体格でおよそ2.5倍はあるハンマーを武器にして戦う巨人です。継承者は100年前に起きたマーレとエルディアの巨人対戦にてフリッツ家に反旗を翻した貴族・ダイバー家の末裔だったヴィリーであり、最終的にエレンがその力を奪いました。本編中にて最後に登場した巨人でもあり謎が多いです。

始祖の巨人はユミルが大地の悪魔と契約した時に誕生した巨人であり、ユミルのことを『始祖ユミル』と呼ぶことがあります。巨人の力を手に入れたユミルは世界を支配することに成功し、死後に巨人の力を九つに分けてそれを9人の子孫に分け与えました。この9人の子孫が知性の巨人の始まりでもあり、その生みの親である始祖の巨人はすべての巨人を支配することができます。

進撃の巨人は自由を求めて戦った巨人と言われています。進撃の巨人には継承者の過去や未来に介入できる能力が備わっており、最終的な継承者となったエレンはすべての巨人を駆逐するという目的をその力を利用することで達成しようとしていました。

ここからは進撃の巨人における巨人に関する謎について考察されている内容をまとめていきます。巨人の存在が物語において大きな鍵を握っていた進撃の巨人でしたが、その謎を解き明かそうとする人がネット上に考察を投稿しておりその内容に様々な反響が寄せられています。

巨人を倒す唯一の方法はうなじにある縦1m幅10cmの急所を切ることですが、作中ではその理屈を解き明かすために様々な実験が行われています。その内の1つにハンジは巨人に痛覚があるかどうかを調べており、ビーンの目に棒を突き刺した時はビーンが声を上げて痛がっていたのに対し、ソニーの心臓に棒を突き刺した時は反応がありませんでした。このことから巨人の痛覚には個体差があると考えられます。

53話にてエレンの硬質化実験を行った時、エレンは意識を失ってしまい実験をしていたことを覚えていませんでした。これに対して75話のライナーは『脳機能を全身に移すのが…』と話しています。このことから巨人には脳機能を移動させる能力があると考えられます。巨人化した人間の脳は神経網を通じて巨人の脳と繋がっているため、巨人の脳を経由して脊髄に記憶や意識を移行させているのかもしれません。

巨人には消化器官が備わっていないため捕食された人間は消化されません。そして、巨人はお腹の中が人間でいっぱいになった時にすべて吐き出す習性があります。巨人が人間を捕食する目的は不明ですが、知性の巨人継承者を捕食するとその力を手に入れて人間に戻れるため、本能的に人間に戻ろうとしている説が有力です。

巨人を操れる能力は本来始祖の巨人が持っているもので、獣の巨人が無垢の巨人を操ることは不可能なはずです。ただし、獣の巨人はリヴァイに倒された巨人を「俺の巨人」と話していました。このことからリヴァイに倒された巨人だけは宿主のジークが作り出したのかもしれません。

調査兵団が実験体として捕獲した2体の巨人はそれぞれソニーとビーンと名付けられましたが、この名前にはモデルが存在します。それは15～16世紀にスコットランドに実在したアレクサンダー・ソニー・ビーンです。ソニー一族は1000人以上の人間を殺害してその肉を食べたという逸話を残しており、巨人の習性と当てはめたと考えられます。

実験体にされていたソニーとビーンでしたが、20話にてその2体は何者かによって殺害されてしまいます。長い間その犯人は明かされませんでしたが、97話にて過去回想が描かれると2体を殺害した犯人はアニとライナーだったことが明らかにされました。

これまで進撃の巨人に登場する巨人の種類や目的などについてまとめてきましたが、この設定に対して進撃の巨人ファンたちはどのような印象を抱いているのでしょうか？ここでは巨人に対する世間での評判や人気について、実際に寄せられているコメントを参照しながらまとめていきます。

本編が進んでいき知性の巨人などが複数登場してくると、進撃の巨人読者はそれぞれ固有の能力を持っていることや特徴が異なる部分に個性を感じ面白いと感じているようでした。また、巨人の正体が明かされる瞬間もミステリー小説のようで面白いと評判になっています。

複数あった巨人の種類でしたが、それぞれに複雑な設定や継承者の経緯などが含まれていることから理解するのが難しいという意見も寄せられていました。進撃の巨人の評価には度々内容が難しいといった感想が見受けられますが、こういった部分がその要因になっていると考えられます。

無垢の巨人が人間を捕食する目的については多くの人が疑問に思っているようでした。進撃の巨人が完結を迎えても巨人が人間を捕食する目的な明確にされておらず、それを解き明かそうと捕食する目的に関する考察も多く寄せられ興味深い意見がファン同士で共有されていました。

進撃の巨人には様々な種類の巨人が登場しており、特に知性の巨人が持つ特殊能力が物語の重大な鍵を握っていることが理解できたかと思います。知性の巨人を巡り、エレンやユミルたちが己の目的を達成するために戦った本作をまだしっかり見れていないという人は、この機会にぜひ本編をチェックしてみてください。