【約束のネバーランド】鬼文字や鬼用語の謎とは!七つの壁についても調査
『約束のネバーランド』の鬼文字は鬼が用いる言語として登場しており、作中の重要なキャラである「あの方」に関わる要素として様々な考察が出てきていました。そんな『約束のネバーランド』の鬼文字を中心に鬼と関わりのある用語についてまとめていきます。
目次
【約束のネバーランド】鬼文字とは
『約束のネバーランド』において主に記号のような特徴的な形で描かれ、現実では発音不可な文字である鬼文字は物語において重要な鍵を握るあの方の正体に関連するなど重要な要素になっています。そんな鬼文字の正体を探っていく前にまずは基本的な部分を確認していきましょう。
鬼文字は鬼の言語?
鬼文字は『約束のネバーランド』の作中で鬼達が話す独自の言語であり、漫画における表記を見ても現実では発音不可な言語になっています。作中では特定の呼称がないことからファンの間では鬼文字や鬼語といった形で呼称されており、特定のシーンでは鍵括弧で訳されることもあるため、各鬼文字が現実のどの単語に当てはまるか解読されています。
『約束のネバーランド』に登場する鬼とは
『約束のネバーランド』の世界において他の生物を食べながら独自の進化を遂げてきた生命体。鬼という呼称は人間側が付けたものであり、正式な名称はわかっていませんが、取り込んだ生物によって遺伝子が変わるため多種多様な見た目になっています。共通する特徴としては指が6本あること、人間で言う目の奥の位置に核が存在し、それがある限りある程度再生できる能力を持っています。
漫画『約束のネバーランド』をおさらい
漫画『約束のネバーランド』は週刊少年ジャンプに2016年から2020年にかけて連載された作品であり、原作は白井カイウ、作画は出水ぽすかのタッグで制作されていました。孤児院で育てられた主人公のエマがある日に自分達が鬼の食糧として育てられており、孤児院の正体がその農園だったことを知ったことから現状を変えるために奮起していく物語が描かれます。
アニメ版や実写版シリーズも話題のダークファンタジー
『約束のネバーランド』は人間が鬼の食糧とされるというダークファンタジーな展開ですが、ジャンプ作品らしいヒロイックな要素もあることから人気を原作漫画は博し、その流れでアニメが2019年に1期、2021年2期が放送されました。また、2020年には渡辺美波の主演で実写映画が公開されるなど、様々なメディア展開が行われています。
【約束のネバーランド】鬼文字の特徴
『約束のネバーランド』は連載当時謎が多いまま進むことから様々な考察が出てきており、鬼文字の正体についても作中の描写から多くの説が立てられました。そんな鬼文字の特徴と説について詳しく見ていきます。
特徴①鬼にしか理解できない説
『約束のネバーランド』の作中で登場する主要な鬼達は人間と会話する際の多くは通常の言語を使っており、途中まで鬼文字での会話は鬼同士でしか見られませんでした。このことから鬼文字は鬼にしか理解できないものであり、作中の人間は現実の読者と同じ状態なのではないかという説が立てられました。
人間には鬼文字を発音できないとの噂も
この説から考えると『約束のネバーランド』の作中の人間も鬼文字は発音不可であると思われたのですが、物語の中盤でノーマンが再登場するとこの説は崩れることになります。ノーマンは発音不可だと思われていた鬼文字を発しており、更にはノーマンと共に行動している鬼によって育てられた食用児の少女・アイシェは鬼文字でしか話さなかったのです。つまり、鬼文字は学べば人間でも理解でき、発音も可能である言語だったのです。
特徴②エノク語に似てる説
鬼文字と表記される特徴的な文字は『約束のネバーランド』オリジナルのものですが、鬼文字の特徴的な形が現実に存在する「エノク語」と似ていると発見した人がいます。
エノク語とは
エノク語とは16世紀後半のイギリスに錬金術・占星術師のジョン・ディーと霊媒師のエドワード・ケリーの日誌に書かれていた文字です。この二人は当時に魔術的に研究をしており、その過程で水晶球の中に現れる天使のヴィジョンからその天使が使う文字を記していました。そして、後年にこのディー達が行った魔術研究のことを「エノク」と呼び、文字についてはエノク語と呼ばれるようになりました。
エノク語は天使の言語?
ディー達はエノク語の正体が天使からの啓治であると受け取っており、それもあって天使の言語と言われています。鬼文字がエノク語が似ているのはこの発音不可な天使の言語を元ネタとして鬼の言語にしたと考察されたのです。後年の研究ではエノク語が英語の要素から生み出した人工言語だという見解もあり、鬼文字も結果としては人間でも発音できることも要素としては近いものがあります。
特徴③鬼文字と人間の言葉を使い分けている説
人間と話す際に鬼文字を使わないのは食用児のように鬼文字を知らない可能性であることが考えられますが、敢えて理解されないように鬼文字と人間の言葉を使い分けているとも考察されたことがあります。ムジカとソンジュはエマ達に対して人間の言葉で接する一方で、重要な会話をする際は鬼文字で会話しているのです。その使い方で見ると、現実の外国語と大きな差はないようにも考えられます。
【約束のネバーランド】あのお方の鬼文字の意味について
鬼が人間の言葉で話す際にも唯一発音不可な鬼文字でしか表せない存在が一人だけ存在しています。それは『約束のネバーランド』内で終盤まで正体が隠されていた七つの壁を越えた先に居る鬼の頂点です。
あの方とは
あの方とは『約束のネバーランド』の世界において、鬼の王よりも上の存在として鬼達から神のように扱われる存在です。ミネルヴァが付けた仮の呼び方では鬼の頂点とも呼ばれており、ムジカとソンジュは七つの壁を越えた先に存在しているとエマ達に教えます。そして、あの方と「約束」を結び直すことで別の世界に逃げ延びられるとされていました。
あの方の鬼文字「DAMY」の意味
『約束のネバーランド』の中であの方が呼ばれる時に使われる発音不可の鬼文字について、先に紹介したエノク語を参考にして似た文字を上から当てはめていくと、「YMAD」というアルファベットの文字列が導き出せるとファンが発見しています。更に『約束ネバーランド』では鬼達が文字を読む際は現実と違って左から右に読むのではなく、右から左に読むもの、つまりは人間と逆の読むと推測されています。
この特徴は食用児達の識別番号から出た推測であり、この法則から考えるとあの方を指す鬼文字の正式な並びは「DAMY」である可能性が高いと考えられたのです。そして、「YMAD」では意味が推測できなかったところが「DAMY」になったことで一つの説が浮かんできます。
あの方の鬼文字と女性や出産の関係性
「DAMY」は英語の読み方で考えると「ダミー」と読めるものですがその場合のスペルは「dummy」であるため異なるものです。この文字とぴったりと合うのはポーランド語の「damy」であり、「女性」を意味する単語になります。その意味から考察されるのはあの方の正体に関わる部分です。
『約束のネバーランド』の鬼の世界において人気の女性は食用児を生み出す存在となっています。つまり、鬼達が「DAMY」と称するあの方の正体は鬼達を生み出す母親のような存在であると考えられるのです。原作漫画が終わった後も鬼の出自やあの方の正体について明らかにされませんでしたが、作中には他にもポーランド語が用いられていることもあり、この考察は有力な説の一つとして残っています。
【約束のネバーランド】鬼文字以外に知っておきたい鬼用語一覧
『約束のネバーランド』の鬼の世界には発音不可な鬼文字以外にも人間の世界にはない特徴的な考え方や文化が存在しています。ここではそんな鬼文字以外の用語について見ていきます。
鬼用語:「グプナ(儀程)」
「グプナ(儀程)」とは昔から鬼が食糧として狩った動物を頂く前に行う儀式のようなものであり、動物に吸血植物である「ヴィダ」を刺して、吸い取られた血を神への供物として捧げるものです。ヴィダは吸血すると花を咲かせることからそれが神への感謝を捧げた合図になり、それと合わせて肉の鮮度を保つ血抜きの役割も果たしています。
しかし、食用児のシステムが出来上がってからのグプナは神への感謝の意味が薄れて単なる血抜きとして行うものになり始めていました。作中ではエマが出荷されるコニーにヴィダを刺されているところを目撃していたことから最初期から出てきていましたが、用語として明らかになったのはムジカと出会って教えられた時になります。
鬼用語:「ティファリ(儀祭)」
「ティファリ(儀祭)」とは優秀な人間の肉を鬼の頂点の御膳として捧げる行為を指します。『約束のネバーランド』の本編ではエマ達が住んでいたグレイス=フィールドハウスの高スコアを取った食用児が「最上物」としての基準を満たすもので、ノーマンはその一人となっていました。グプナと異なり、食用児というシステムができる以前からあったかは不明です。
鬼用語:「野良鬼」
『約束のネバーランド』の鬼は大きく分けて2種類おり、言葉を話すほどの知性がない鬼は「野良鬼」と言われています。次で紹介する知性鬼とは違って高度な社会は築いておらず、形も人型ではなく獣に近いものが多いものです。気性は荒いながらも獲物を狩る際は集団で襲うなど狩猟本能として考える特徴があります。一方で、弱点を核を守るなどの戦略的な動きはできないことから人間でも対処しやすい鬼です。
鬼用語:「知性鬼」
「知性鬼」は人の言葉が話せるほど高い知能を持ち、独自の文明や社会を築いている鬼です。人間を食べることで進化した鬼であることから知性以外にも人型の姿になっている者が多く、鬼の弱点となる核を守るため顔に仮面を付ける特徴があります。身体能力は個体によるものですが、野良鬼を遥かに上回る戦闘力を発揮する者もおり、特に王族と呼ばれる知性鬼は別格の強さを誇っています。
基本的には人間の肉を好物としていて、それ以外の肉や食物も食べることもありますが、下級の鬼は上質な肉を食べ続けないと高い知能や人型を維持できなくなるものです。作中ではバイヨン卿やレウウィス大公のような貴族の知性鬼の他にも特殊な立場であるムジカやソンジュ、鬼の町に住む平民の知性鬼などが登場しています。
鬼用語:「原初信仰」
原初信仰とは狩り以外の手段で神が創り出したものを食べてはいけないという考え方です。食用児は養殖して生み出した人間を食べることになるので上記の信仰に反する行為になり、現在の鬼の世界における人間は食用児かそれが成長した大人しかいないと思われているため、実質的に人間が食べられない状態です。『約束のネバーランド』の作中ではソンジュやムジカが信仰しており、ムジカは一度も人間を食べたことがありません。
【約束のネバーランド】鬼文字に対する世間の反応
ここでは『約束のネバーランド』の鬼文字に対する世間の反応を挙げていきます。原作漫画の連載当時は様々な考察で盛り上がったものですが、この鬼文字もストーリーの進行と共にどのように注目されていたのでしょうか。
『約束のネバーランド』の序盤の詳細がわかっていなかった頃の鬼文字は今後の展開で明かされることを待つ人やファンによる解読に期待する声が多くありました。序盤から様々な伏線が張られてそれに対する考察をしていくことも楽しみ方の一つであった『約束のネバーランド』ですが、中でも鬼文字の解読は普通に読むだけ考えるのは難しいものだったようです。
一方、鬼文字の解読や考察をするファンについては様々な意見が出ており、エノク語以外にも象形文字やギリシア文字などがヒントの候補として挙げられていました。あの方を指す鬼文字以外は作中だと鍵括弧で訳されていたので、それを元に文字ごとの意味を推測したり、鬼文字の形から見つけていったりしたようです。その中でエノク語が有力になり、あのお方の正体への推測へ発展していきます。
『約束のネバーランド』は2期にわたってアニメ化されましたが、このアニメでは原作で鬼文字が発せられていたシーンについて普通の言葉に置き換えられていました。発音不可であることを考えると仕方ないことなのかもしれませんが、作品によっては漫画にはない読み方まで作っていくこともあるので、発音不可な鬼文字がどんな表現になるか期待していた人も多くいたようです。
【番外編】アニメや漫画に出てくる言語を調査
ここでは番外編として『約束のネバーランド』以外のアニメや漫画に出てくる独自の言語を挙げていきます。鬼文字は発音不可でしたが、他作品の言語は発音できるものも多くあります。
『宇宙戦艦ヤマト』のガミラス語
ガミラス語は『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する敵勢力のガミラス人が用いる言語です。「テロン=地球・地球人」のように現実でも発音できますが、数字のカウントなども含めて地球にはない単語になっています。また、リメイク作品ではでは地球人以外の人類が使うイスカンダル語やガトランティス語を合わせたそれぞれの文字表記も登場するなど、関連作品ごとに新たな設定で描かれることがあります。
『超時空要塞マクロス』のゼントラーディ語
ゼントラーディ語は『超時空要塞マクロス』や続編の「マクロス」シリーズに登場するゼントラーディ人が用いる言語です。「デカルチャー=信じられない・恐ろしい」などのこちらも現実で発音はできますが、文字表記も含めて独自の言語となっています。続編ではゼントラーディ人の血を引くキャラが関わるシーンでゼントラーディ語が使われるなど、長らく使用されている言語です。
『銀魂』のお通語
お通語とは『銀魂』に登場するキャラのお通とそのファンが使う言葉です。「楽しんでいってネクロマンサー」のように最後尾の文字から別の単語に続くような言い方になっていますが、やや物騒な単語や下品な用語が続く場合が多いこと以外は特に法則性はないものです。お通自身は『銀魂』世界において地球人となるため、言語というよりはアイドルとしてのキャラ付けのために使われています。
【約束のネバーランド】鬼文字は鬼が使う特殊な言語
『約束のネバーランド』の鬼文字は出てきた当初は人間には発音不可だと思われていたり、あの方の正体に繋がる要素として考察されたりと様々な面で話題になりました。そして、連載終了後も明確な答えは出ていないため、考察が続けられる要素になっています。そんな鬼文字が見られるのは原作漫画のみになっているので、アニメしか見ていなくて気になる方やもう一度確認したい方はチェックしてみましょう。
この記事のライター
十文字猛
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。