【無職転生】ヒトガミの目的とは？気になる正体や最後についても解説

ヒトガミとは、『無職転生』に登場する謎の存在です。主人公であるルーデウスに対してさまざまな助言を与えますが、その正体や目的などは長い間謎となっていました。ここではヒトガミについて紹介していきましょう。

ヒトガミとは、ボレアス家でエリスの家庭教師をしていたルーデウスが魔力災害によって魔大陸に転移させられてしまった際に、夢の中に登場した謎の存在です。その後もたびたび夢の中に現れては胡散臭い助言をしてくるのですが、その目的や正体、本当の名前などは全て不明です。アニメでの声も男女が判別しにくく、その姿も白っぽい人型だと分かる程度で、顔は見えません。

『無職転生』とは、小説投稿サイト『小説家になろう』で連載されていた異世界転生系のファンタジー小説です。『小説家になろう』で人気に火が付いたことによって2014年から書籍化されており、単行本は全26巻、後日談が1巻発売されています。累計発行部数は1300万部を突破しており、現在テレビアニメ第2期が放送中です。

20年以上実家に引きこもっていた主人公は、遂に兄弟からも見限られ、家を追い出されてしまいました。行くあてもなく彷徨っていたところ、トラックにはねられそうになった高校生達を助けた主人公は、そのまま事故死します。しかし気付いた時には、魔法が存在する中世ヨーロッパ風の異世界に転生していました。新しく「ルーデウス」と名づけられた主人公は、前世での後悔を振り返り、この世界では本気で生きていくことを決意するのでした。

『無職転生』に登場するヒトガミは、作品を通して胡散臭い謎の存在となっています。ルーデウス自身もヒトガミのことを胡散臭いと感じながらも、ヒトガミの助言を聞くことになります。ここでは『無職転生』のヒトガミの目的やその正体などを紹介していきましょう。

『無職転生』のヒトガミは、「人神（じんしん）」とは異なる存在です。「人神」とは人の世界の神のことです。しかしヒトガミとは、無の世界で誕生した者が人神に成り代わったか、もしくは人神を取り込んだ存在だと考えられています。

「太古七神」とは、かつて六面世界を支配していた7柱の神です。『無職転生』の世界には人、魔、龍、獣、海、天という6つの世界があり、これが六面世界です。『無職転生』のヒトガミは太古七神の生き残りで、ヒトガミが暗躍したために人の世界以外の全ての世界が滅びました。そして滅んだ世界が人の世界へと流れ込む形で、現在の世界になりました。

『無職転生』のヒトガミがオルステッドから恨まれているのは、ヒトガミが初代の龍神を殺害したためです。そのため、オルステッドはヒトガミのことを憎んでおり、ヒトガミ本人だけでなく、ヒトガミの使徒にも攻撃を加えます。

『無職転生』のヒトガミは作中でたびたびルーデウスに助言を与えていますが、その目的はルーデウスを助けることではありません。ヒトガミの目的とは、自分が殺される未来を回避することです。ヒトガミには未来を予知する力があり、自分がルーデウスとロキシーの子孫によって殺される未来を知っていました。そのため、ルーデウスに助言を与えることには、彼の信頼を得て、ヒトガミにとって都合の悪い未来を回避するという目的があります。

ヒトガミは作中でルーデウスに対してさまざまな助言を与えます。しかし物語の中盤では、なぜかルーデウスに対して「地下室を見てきてほしい」というお願いをします。この時、ロキシーのお腹の中にはルーデウスとの子供がいました。このお願いを聞くかどうかは、物語の重要な分岐点となります。

ヒトガミのお願いを聞いて地下室の扉を開けた場合、ロキシー、シルフィ、エリスの3ヒロインが全員死亡するというバッドエンドを迎えます。地下室の扉を開けると、中にいた病気持ちのネズミが台所へ逃げてしまい、そのせいでロキシーが魔石病という病気になって死亡します。このことでルーデウスは心を病み、シルフィも鬱状態となってクーデターを起こし死亡してしまいました。さらにエリスもルーデウスを庇って死亡することになります。

地下室の扉を開けなかったルートでは、ロキシーの命は一旦は助かります。ルーデウスが地下室の扉を開けに行こうとしたところ、未来から老いたルーデウスが現れ、ヒトガミの正体やこれから何が起こるのかを話したのです。そして話を聞いたルーデウスは、地下室を中を凍らせ、実際に病気を持ったネズミがいたことを知りました。しかしルーデウスはヒトガミに家族の命を人質に取られているようなものであるため、ヒトガミの命令に従い、オルステッドと戦うことになります。

『無職転生』のヒトガミにはさまざまな能力があり、能力を使って自分が殺される未来を知りました。しかし能力を使い、ルーデウスにさまざまな助言を与えてきたヒトガミでしたが、最後まで思うようには進みませんでした。ここでは『無職転生』のヒトガミの能力や、その最後などを紹介していきましょう。

『無職転生』に登場するヒトガミの能力には、「信用させる呪い」、「人の心を読む」、「遠視と未来視」の3つがあります。どのような能力なのか、順番に紹介していきましょう。

信用させる呪いとは、無条件で他の者に信頼されるようになる呪いです。この呪いの能力を使用して、ヒトガミはさまざまな人間を自分の支配下に置いていました。ただしこの能力は異世界の人間には効果がないため、ルーデウスには効いていませんでした。

ヒトガミはルーデウスに助言を与える際に夢の中に現れます。その際に、ヒトガミはルーデウスの心を読み、異世界へきて不安に感じていることを見抜きました。このように、ヒトガミは夢の中で相手の心を読むという能力も持っています。

ヒトガミには、はるか通り場所を見通すことができる遠視と、未来を見通すことができる未来視の能力があります。遠視は非常に強力な能力であり、ヒトガミは世界中を見渡すことができます。また、未来視は自分以外にも3人までの未来を見ることが可能です。

ヒトガミの弱点としては、自身の能力に頼り過ぎている点が挙げられます。ヒトガミは相手の考えを読むことができますが、逆に相手から心を読まれると動揺し、咄嗟に対応することはできません。また、使徒からも心の底から信用されていない点も弱点です。

『無職転生』の作中ではヒトガミが死亡するシーンはありません。しかしルーデウスの死後、ルーデウスの娘やオルステッドがヒトガミと戦い、ヒトガミに勝利しています。そのため、ヒトガミは自分が見た未来予知の内容のとおり、最後には死亡したものと考えられています。

『無職転生』のヒトガミは、さまざまな人の夢の中に現れて助言を与え、その人を自分の支配下に置いています。このようにヒトガミの操り人形となってしまった人間がヒトガミの使徒です。作中にはルーデウス以外にもヒトガミからの助言を受けている人間がいます。ここでは『無職転生』のヒトガミの使徒を一部紹介していきましょう。

主人公であるルーデウス・グレイラットは、作中で何度もヒトガミから助言を与えられているヒトガミの使徒です。ただしルーデウスには信用させる呪いが効いていないため、ヒトガミのことは胡散臭いと感じていました。

ルークはアリエル王女の守護騎士です。ルーデウスはラノア魔法大学に入学してから、はじめて従兄弟のルークに出会うことになります。作中でルークは、アリエル王女が王位につけるようにルーデウスに対して助力を願いますが、その直後にヒトガミから「ルーデウスを警戒するように」という助言を受けていました。

ギースは黒狼の牙の元メンバーで、ルーデウスとは大森林で出会うことになります。ギースは過去にヒトガミの助言のおかげで命が助かったことから、それ以降何度もヒトガミの使徒になっています。作中では、ヒトガミの正体を知りながらも助言のとおりに動いていました。

魔王バーディガーディは不死身の魔王と呼ばれている不死魔族です。第二次人魔大戦期にヒトガミの助言に従ったことで意図せずにヒトガミの使徒となり、ラプラスと敵対することになります。ヒトガミに騙されたことでヒトガミのことを恨んでいましたが、殺してしまったキシリカも蘇ったため、現在は気にしていないようです。

『無職転生』は原作の人気によってテレビアニメ化しています。また、作中でも重要なキャラクターとなるヒトガミも登場しており、特徴的な声が話題になりました。ここでは『無職転生』のヒトガミの声優を紹介していきましょう。

『無職転生』でヒトガミを演じているのは「くじら」さんです。くじらさんは年配の女性キャラクターや性別不詳のキャラクターなどを多数演じてきたベテラン声優です。ここではくじらさんについて紹介していきましょう。

くじらさんの主な出演作品としては、『おそ松さん（松代）』、『銀魂（お登勢）』、『NARUTO -ナルト-（大蛇丸）』、『キングラムハーツ（アースラ）』、『CHAOS;CHILD（百瀬克子）』、『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生（大神さくら）』、『うどんの国の金色毛鞠（喜岡ふみ）』などが挙げられます。

『無職転生』のアニメ第1期を見ていた人の中には、「ヒトガミが胡散臭い」と呟いている人がいました。原作を読まずにアニメで初めてヒトガミを見た人でも、やはり胡散臭いと感じる人も多いようです。

先にアニメ第1期を見た人のコメントを紹介しましたが、『無職転生』のアニメ第2期を見た人のコメントの中にも、「相変わらずヒトガミの胡散臭い。選択がそれでいいのか不安になる」といったものがありました。

アニメの『無職転生』を見ている人の中には、「ヒトガミってやつが怪しすぎるしラスボスな気がする」とコメントしている人もいました。原作を読んでいない人でも、ヒトガミのことをすんなりと信じられる人は少ないようです。

『無職転生』のヒトガミの正体は、かつて人の世界以外の5つの世界を滅ぼし、人神に成り代わった存在です。ルーデウスにもさまざまな助言を与えて自分が死ぬ未来を回避しようとしていましたが、最後にはルーデウスの子孫に負け、死亡することになります。ヒトガミに興味が湧いた人は、ぜひ『無職転生』をチェックしてみてはいかがでしょうか。