【キングダム】斉は東の大国!武将一覧や合従軍から抜けた理由も解説
『キングダム』の斉国は中国の東側に位置する大国であり、中国史においても秦に並ぶ勢力があった国として実在していました。そんな『キングダム』の斉について、作中に登場した武将や合従軍編において同盟を離脱した理由、斉の国王の詳細などをまとめました。
目次
【キングダム】斉は東の大国
『キングダム』の斉国は中国史においても実在していた国で、作中では独特な動きを見せることから今後の展開が注目されています。そんな斉国について、実際の中国史を交えた概要を紹介します。
斉国とは?
斉(せい)国は、中国の春秋戦国時代にあたる紀元前386年から紀元前221年にかけて実在した国です。『キングダム』では主人公の信がいる西側の大国・秦が物語の中心になりますが、斉はその反対側となる東側の大国であり、当時権威のあった国とさせる戦国七雄の一国としても数えられています。戦国時代の中頃には戦国七雄の中でも非常に強い国になっており、後に天下統一を果たす秦も危機感を抱くレベルでした。
その結果、秦を含めた五国が同盟を結んで斉の勢いを削ぐための戦いが起こしたことがあります。『キングダム』は戦国時代の終わり頃が物語のベースになっているので、この戦いを経た後の斉になりますが、物語の序盤では存在が示唆される程度に留まっていました。
キングダムの概要
『キングダム』は2006年から『週刊ヤングジャンプ』に連載、2023年1月には単行本68巻が販売される原泰久の漫画です。中国史において初の中国統一を果たした秦を中心に、後に始皇帝と呼ばれる若き秦の王と、それに仕えた武将を主人公とした物語が描かれています。重厚なストーリーが人気を集めて、2011年にはアニメ化、2019年には実写映画化も果たしており、いずれも続編の製作が決定しています。
キングダムのあらすじ
天下の大将軍を目指す信は、友人の漂と共に幼少期から修行を積んで力を身に付けていました。しかし、ある日に先に役人となっていた漂が命からがら信の元へ戻り、地図を託して亡くなってしまいます。その地図の先には現在の秦王である嬴政がおり、王宮の反乱から命を狙われる立場にありました。信は漂の意思を受け継ぎながら政の危機を救うために戦い始めます。
【キングダム】斉の武将や将軍一覧
『キングダム』の斉は合従軍編から本格的に物語に絡み始めて、王や武将の姿も描かれるようになりました。そんな斉の武将や将軍について紹介します。
斉の武将①岩茂
『キングダム』の岩茂(がんも)は斉の大将軍であり、合従軍では5万の斉軍を率いる総大将でした。しかし、斉王である王建王が合従軍からの離脱を命じたことから、参戦直前に引き返すことになります。実際の歴史に存在しない人物であり、策痛でもどのような人物であったかはわかっていません。
斉の武将②顔聚
『キングダム』の顔聚(がんしゅ)は斉の将軍の一人です。斉が合従軍から離脱した後、斉側に攻めて来た合従軍を迎撃していました。顔聚は中国史で実在した人物ですが、斉の将軍と斉出身である趙の将軍という2つの考え方があり、『キングダム』の場合は前者が採用していると推測されます。
斉の武将③田赫
『キングダム』の田赫(でんかく)は斉の将軍の一人です。顔聚と共に合従軍を迎撃した武将ですが、こちらは中国史に実在した人物かわかっていません。岩茂と田赫は豆腐を使った食べ物という共通点があるため、オリジナルの武将である可能性が推測されます。
斉の武将④孫臏
『キングダム』の孫臏(そんぴん)は斉の将軍の一人ですが、作中では既に故人となっています。中国史において斉を勢いづけるきっかけになった馬陵の戦いで軍師を務めており、彼の策略から魏に圧勝しています。中国の有名な兵法書『孫子』の作者である孫武の子孫として実在しており、上記の戦いの功績から当時の斉王は高く評価していました。
【キングダム】斉が合従軍から抜けた理由は?今後も考察
『キングダム』の斉は合従軍から本格的に描かれ始めましたが、そこで秦と戦うわけではなく、軍を離脱するという判断に至ります。そんな合従軍編における斉の動きや中国史と照らし合わせた今後の展開を紹介します。
合従軍編とは?
『キングダム』の合従軍編とは、単行本25巻から34巻で描かれた物語で、中国史における紀元前241年に起こった函谷関の戦いをベースにしています。楚・趙・魏・韓・燕の五国が同盟を組んで、同時勢力を拡大した秦と戦っており、史実では詳しい戦力差などは明らかになっていませんが、最終的には秦が勝利しています。『キングダム』は斉が加わって六国同盟になっていましたが、結果的には史実通りの五国同盟になりました。
斉が合従軍から抜けた理由
『キングダム』の斉が合従軍を抜けた理由は、斉の国王が秦との交渉に応じたからです。戦国七雄の六国が同盟を結んだとなると、秦も危ういと考えた外交官の蔡沢は斉へ赴いて斉の国王と交渉を始めます。そこで斉が合従軍に入ったのがお金によるものと見抜いた蔡沢は、合従軍以上の報酬を秦から出すと持ちかけます。それに対して斉の国王は合従軍の招集をかけた李牧よりも昔から恩義があり、付き合いの長い蔡沢の交渉に応じたのです。
斉と秦は斉秦同盟を結んだ?
『キングダム』の黒羊丘の戦いの後、蔡沢は政と斉の国王を引き合わせて対談を行わせました。斉の国王は政の回答によっては交渉を決裂させるつもりでしたが、政が平和のために天下統一を目指していると聞いて、斉は秦の侵攻を邪魔しないと事実上の降伏を認めます。そこで斉の国王は、仮に合従軍が秦に勝利してもその後も争いに汚濁が見えると思ったと話しています。それから4年後、秦と斉は斉秦同盟を結びました。
斉の国王が看取った蔡沢の最期
『キングダム』の斉の国王と政が対談した後、功労者である蔡沢は役目を果たしたように静かに息を引き取りました。その最期を最初に気付いたのは、付き合いが長いと言った斉の国王であり、最大の賛辞をかけながら安らかに眠るように言いました。交渉に訪れた蔡沢も警戒することなく招いていたことから、他国ながらも見えない信頼があったことがうかがえます。
斉は鄴攻めで秦を救った?
『キングダム』の合従軍編後に、秦は趙国から鄴(ぎょう)攻めを行われて、その過程で兵糧を燃やされたことから、窮地に陥ります。そんな時、斉秦同盟を結んだ斉に多額のお金を支払うことで、国の反対側から兵糧を送って貰い、兵の飢えを凌ぐことに成功しています。
斉の今後は?史実を考察?
『キングダム』の斉は斉秦同盟を結んでいますが、中国史において同盟を結んだ記録はありません。しかし、当時の斉王が秦を訪れたことや函谷関の戦いで合従軍に参加しなかったことは史実に基づいた動きになります。史実ではその後も秦の勢いは強くなっていますが、反対に斉の力は衰えていき、秦以外の戦国七雄の中では最後に滅亡します。
しかし、『キングダム』における斉は秦とより深い関係性が描かれているため、天下統一前に異なる動きを見せる可能性があります。いずれにしても史実通りに進めば最後に秦と斉が残るため、他の五国がどのように滅亡していくかで斉の動きが変わるか見えてくると推測されます。
【キングダム】斉の国王を考察
『キングダム』の斉王である八代目の王建王は、初登場から印象深いキャラでしたが、物語が進むと信念を持った人物であるとわかってきます。そんな王建王について考察を交えて紹介します。
王建の見た目
『キングダム』の斉王である王建王は格好だけ見ると王らしい男性ですが、登場するシーンでは常に蛇を咥えているという奇抜な人物です。史実では斉最後の王ですが、蛇を咥えていた逸話はありません。
王建の性格
『キングダム』の王建王は、はっきりとした性格あり、蔡沢や政との会話でも包み隠さず話している姿が描かれています。一方で、戦争は大金を得るためにやるという考えから、お金に対しては妥協しない考え方でした。
王建は中華統一に関心を持っていない?
『キングダム』の王建王は、政との会話で秦に天下統一を任せると言っていたことから、斉の手による中国統一を考えていないように描かれていました。この点については、斉が一番になるのではなく、秦と対等に近い立場でいた方がお金が儲けられると考察できます。一方で、真意を全て話していない可能性もあるので、お金を集めることで何か目的を達成しようとしているとも推測されます。
【キングダム】斉に対する世間での評判や人気
ここでは『キングダム』の斉国について、世間での評判や人気を紹介します。作中での登場は中盤からになりますが、特に王建王が印象深い人物であることから、斉の動きも注目されています。
『キングダム』の斉国についてお金を優先して動いている点が他の国にはない視点で面白いという感想がありました。作中では秦を含めて中国統一を目指す様子が描かれていますが、その中で斉だけが違う視点で動いているのは賢い考え方であり、今後の動きによっては大きなことを成す可能性もあると、考えている人もいます。
『キングダム』の斉が合従軍を離脱した理由として、史実において自国も合従軍による攻撃を受けた件が影響していると考察している人もいました。『キングダム』では史実と違う展開になることが多いですが、その展開も話の流れに沿ったものになっているため、斉の考え方についても読む人によって様々な解釈が出ています。
『キングダム』で斉を知ったことから実際の中国史に興味を持った人もいました。王建王の印象が強いことから本当にこんな人物なのかと調べたり、秦と斉の関係性が面白かったところから史実とどこまで一致しているか確認したりしています。
【キングダム】斉は秦と関係の深い国だった
『キングダム』の斉国は戦国七雄の一国であり、中国東側の大国として実在していました。作中では合従軍編から斉王の王建王や武将が本格的に描写され、秦との交渉に応じた後、同盟を結ぶ流れになっています。史実よりも秦との関係性が深くなっているので、今後の展開は史実とは異なる可能性は十分あります。斉の動向も気にしながら物語を追っていきましょう。
この記事のライター
十文字猛
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