【キングダム】ろうあい(嫪毐)は実在した?一途な愛について徹底解説
『キングダム』に登場するろうあい(嫪毐)は、秦王・嬴政(えいせい)の母である太后(たいこう)に対して愛を貫き通したキャラクターです。ろうあいという人物は実在したのでしょうか?『キングダム』で描かれた彼の人物像や太后との関係が史実に基づくものなのか解説します。
目次
【キングダム】ろうあいとは?
『キングダム』におけるろうあいとはどのような人物なのでしょうか?まずは、太后に一途な愛を捧げたと言われているろうあいのプロフィールを見ていきましょう。『キングダム』の概要、あらすじなども一緒に紹介していきます。
ろうあい(嫪毐)のプロフィール
秦王・嬴政(えいせい)の母である太后は、後宮に入った後も丞相となった呂不韋への想いを絶てずに密通していました。しかし呂不韋(りょふい)はそんな太后の想いを重たく感じており、関係を絶ちたくなったのです。そこで、呂不韋が太后のもとへ秘密裏に送った男娼、それがろうあい(嫪毐)でした。ろうあいは元は下級文官で、巨根で有名であること以外は特に才覚もなかったと言われています。
キングダムの概要
『キングダム』とは、『週刊ヤングジャンプ』にて2006年9月号より連載している原泰久による漫画です。第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作品であり、2022年9月時点において累計発行部数9200万部を突破した作品になります。2019年からは佐藤信介監督、山崎賢人主演にて実写映画が二作上映され、2023年夏には第三弾が上映予定です。さらに2012年からはアニメ放送が開始され、2024年1月からはアニメの第5シーズンの放映が決定されています。
キングダムのあらすじ
『キングダム』の舞台は、紀元前3世紀、500年の騒乱が続く古代中国の春秋戦国時代末期です。下僕の少年・信(しん)は親友の漂(ひょう)とともに「天下の大将軍」を目指し剣術の鍛錬に励んでいました。そんな中、漂が秦王の影武者として王宮に召し抱えられますが、後に命を落としてしまいます。漂に託された地図をもとに旅に出た信は、そこで秦王・嬴政と運命的な出会いを果たします。嬴政は「中華統一」、信は「天下の大将軍」という夢に向けて、お互いに支え合い戦いを繰り広げていくことになるのです。
【キングダム】ろうあいは実在した?
『キングダム』において太后の真実の姿を引き出した人物でもあるろうあいは、物語の展開の重要な役割を担っていました。ではろうあいとは史実でも実在した人物なのでしょうか?実在したろうあいと『キングダム』のろうあいとの違いはどんな点だったのでしょうか?二人の子供は実際には殺されてしまったのかどうかも含めて紹介したいと思います。
ろうあいは史実にも実在した人物
司馬遷によって編纂された『史記』という歴史書には、ろうあいは実在した人物として描かれています。『史記』の内容では、ろうあいは中国・秦の偽宦官であり、呂不韋の食客という立場でした。その後、ろうあいは太后の寵愛を受けたことで一時は大きな権力を持っていた人物であると言われています。
ろうあいの史実とキングダムの違い
では史実のろうあいと『キングダム』のろうあいにはどんな違いがあったのでしょうか?一物に自信があったろうあいが太后の寵愛を受けるという大まかな流れは同じですが、『キングダム』では、ろうあいは呂不韋が太后との肉体関係を絶つために送った人物ですが、史実では太后自らが呂不韋に会わせるよう頼んだ人物でした。『キングダム』では下級文官、史実では食客という違いもあります。
ろうあいの子供は史実では殺された?
ろうあいと太后の間に子供がいた事実は史実でも変わりません。『キングダム』では呂不韋の策略により「嫪毐の乱」を起こすことで、結果的にろうあいは車裂きの刑に処され死亡しますが、太后が懇願したことで嬴政は秘密裏に二人の子供を匿ることにしました。しかし、史実では太后を裏切ってまで反乱を起こしたろうあい自身はもちろん処刑により死亡してしまい、その子供達も処刑されてしまったようです。
【キングダム】ろうあいと太后の関係や一途な愛を解説
『キングダム』においてろうあいと太后の関係は、初めは不誠実な始まりであったかもしれませんが、二人の間には真実の愛が芽生え、ろうあいは命を落とす時まで太后に一途な愛を捧げます。ろうあいと太后が出会うまで、そして出会ってからろうあいが死亡してしまうまでを振り返って解説します。
解説①ろうあいの生い立ち
『キングダム』では、ろうあいは先に記したように下級文官で巨根であることが有名なだけの才覚のない男であると書いてあります。ろうあいは、唯一自信のある一物で車輪を回すなどの芸をして上級・中級の文官たちの接待を行なっていたと言われています。
解説②太后にろうあいをあてがった呂不韋
呂不韋への想いが止められない太后は、男子禁制である後宮に呂不韋を招き入れ密会を続けていました。今度こそ呂不韋と一緒になりたいと言い始める太后の気持ちを、呂不韋は鬱陶しく感じており、この関係を終わらせる画策をしました。それが巨根で有名なろうあいを秘密裏に太后にあてがうことで、太后を欲に溺れさせることでした。
解説③本気で愛し合う太后とろうあい
初めは自らの欲望を曝け出す太后に恐れを感じていたろうあいでしたが、ある日太后が涙を流す姿を見かけたことで、彼女はひどく傷ついている状態であり、人には見せない悲しみを抱えていることを知ります。また、欲望を満たすだけの相手だとしても自分を必要としてくれる太后に、ろうあいは真実の愛を捧げるようになります。
解説④太后とろうあいに子供ができる
太后とろうあいは次第にお互い愛し合うようになり、二人の子供をもうけました。子供ができたことを伝えてきた太后に対して、ろうあいはこれは破滅の道だと言いますが、太后の中にはすでにろうあいと破滅の道でも共にする決意がありました。
解説⑤毐国建国
太后は秦が戦により奪取したばかりの山陽と著雍を後宮に譲るよう要求し、山陽長官にろうあいを置くことを宣言します。太后の目的は、子供達と暮らす安息の地として「毐国(あいこく)」を建国することでした。後宮の力を使って国を建国してしまった太后ですが、そこに目をつけたのが呂不韋でした。
解説⑥呂不韋の目論見
太后は、自分の不義や子供の情報が咸陽に漏れていることを知らされます。このままでは毐国は、咸陽から攻めてくるであろう軍に対し挙兵するか、太后とろうあい、そして子供達を処刑し首を渡すかしか選択はなくなってしまいました。そして、これは呂不韋が毐国に咸陽を攻めさせて、自分がそれを討つことで秦王族を皆殺しにして自分が王座につくことを目論んでいたのでした。
解説⑦太后を庇い処刑されようとするろうあい
そして太后は咸陽が手薄になる『加冠の儀』に毐国の挙兵を決めますが、自分が誰かに利用されていることに気づくことになります。しかし子供を人質に取られている状態の太后はことを止めることはできませんでした。咸陽に攻め入った毐国軍は、信の昌文君(しょうぶんくん)の登場により戦に負けます。そして、ろうあいは自分が全て仕組んだものだと太后を庇い、一人車裂きの刑に処されて死亡します。
解説⑧死亡したろうあいの最後の言葉
私はあなた様とお会いできて人生に大いに意味を持ちましたよ。本当に幸せでした。
出典: comic-kingdom.jp
死亡してしまう前にろうあいが太后に言った最後の言葉です。ろうあいが処刑されようとしている時、太后は自分を先に処刑するよう願い出ました。しかし、反乱は全て自分が企て実行したものだとろうあいは太后を庇い、車裂きの刑に処されました。なんの才覚も持たない男とされていたろうあいは、太后と出会い本当に必要とされることで真実の愛を知ったのでした。人生に意味を持たせるほどの一途な愛を、死亡するまで貫き通したろうあいだったのです。
【キングダム】ろうあいの声優
ろうあいの声優は「坂詰貴之」
『キングダム』アニメ版でろうあいの声優を担当しているのは坂詰貴之さんです。洋画や海外ドラマの吹き替えを中心に『焼きたて!!ジャぱん』や『機動戦士ガンダムUC』など様々なアニメでも活躍している声優です。ここでは坂詰貴之さんのプロフィールと主な出演作品について紹介します。
坂詰貴之のプロフィール
- 生年月日:1872年9月3日生まれ
- 出身地:千葉県
- 所属事務所:アクセント
坂詰貴之さんは子役出身で、俳優としても多数の作品に出演しています。3歳の頃に劇団ひまわりに入団しました。その後、砂岡事務所、ぷろだくしょんバオバブを経て、現在の所属事務所であるアクセントに移籍しました。現在は吹き替えの仕事を中心に活躍しています。
坂詰貴之の主な出演作品
- 『焼きたて!!ジャぱん』諏訪原戒役
- 『カレイドスター』ミュート役
- 『機動戦士ガンダムUC』ベッソン役
- 『ルパン三世プリズン・オブ・ザ・パスト』スカラトス役
- 『ジョジョの奇妙な物語 ストーンオーシャン』ゴッホ役
【キングダム】ろうあいに対する世間での評判や人気
『キングダム』の中で美しく恐ろしい太后の傷ついた一人の女性という一面を引き出し、彼女に一途な愛を捧げたろうあいはSNSでも「惚れた女のために秦を倒しに向かい、戦にビビりながらも自分を奮い立たせる姿は熱い」と、その男気は称賛されているようです。
また、史実では太后を裏切ることになるろうあいですが、『キングダム』では最後まで太后を庇う姿が描かれ、SNSではろうあいに対しての「イメージが変わった」とも言われています。
そして、ろうあいが車裂きの刑に処されるシーンはSNSでも「辛くて見れなかった」「やっぱり泣いた」と言った声が多く、ろうあいの一途な愛の結末を描いたシーンではたくさんの人が涙を流し胸を痛めたことがわかります。
【キングダム】ろうあいは実在した人物だった
『キングダム』のろうあいは実在する人物であることがわかりました。しかし『キングダム』のろうあいは史実とは違い、太后を心から愛し、その一途な愛を命を懸けてまで捧げた人物として描かれています。現在も大ヒットを続けている『キングダム』には数々の名シーンが存在します。その中でも、ろうあいと太后の出会いから、ろうあいの最期までを描いた『毐国(あいこく)の乱』編は、多くのファンの涙を誘いました。
この記事のライター
Ai Kato
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