【鬼滅の刃】堕姫(だき)の悲しすぎる過去とは?兄・妓夫太郎との関係も紹介
漫画『鬼滅の刃』に登場する超常の存在「鬼」。その中の一人、堕姫(だき)は、強さと美しさ、そして悲しく壮絶な過去の持ち主です。本記事では何処までも高慢であり続けた堕姫の悲哀に満ちた過去、そして彼女の兄・妓夫太郎(ぎゅうたろう)との関係について触れていきます。
堕姫とは
先日アニメ第2期「遊郭編」が大人気のうちに終了した『鬼滅の刃』に登場する魅力的な敵方の一人、堕姫(だき)。彼女は敵方「鬼」の中でも最強格の一人として名が挙げられており、作中では数々の技で主人公達を苦しめ、そして妖艶な姿と高慢な性格が読者の心を掴みました。そんな堕姫とはいったいどんなキャラクターだったのでしょう?どんなエピソードが何巻で出てくるのでしょう?ここではそれを見ていきましょう。
堕姫のプロフィール
- 名前:堕姫(だき)
- 人間時代の名前(本名):梅(うめ)
- 出身地:吉原遊郭、羅生門河岸
- 家族構成:母、兄(妓夫太郎)
- 身長・体重:不明
- 階級:十二鬼月、上弦の陸
堕姫は十二鬼月「上弦の陸」
まず堕姫が『鬼滅の刃』の何巻で登場するかですが、第9巻から彼女の艶やかな姿を拝めます。彼女は『鬼滅の刃』で一貫して敵として描かれる「鬼」が作る組織、十二鬼月(じゅうにきづき)の中でも「上弦の陸」というポジションに位置づけされており、これは最強格の鬼から数えて6番目の実力者である事を示しています。無数の鬼達を律しているのは徹底した実力主義。堕姫は相当の猛者である事がここから見て取れます。
堕姫の過去は何巻に描かれている?
『鬼滅の刃』といえば、鬼達の過去を掘り下げる展開も魅力のひとつ。堕姫の過去にも当然ながら触れられます。では作中の何巻で登場するかというと、第11巻に、兄・妓夫太郎の過去と共に語られています。彼女らの過去は一際物悲しく、鬼ながら同情の余地も感じさせるものとなっていました。
鬼滅の刃の概要
主人公達の描写もさる事ながら、鬼の魅力もたっぷりと伝えてくれる『鬼滅の刃』はどのような作品であったかをおさらいしてみましょう。舞台となるのは大正時代。堕姫が潜んでいた遊郭が、江戸時代近辺の文化を楽しめる娯楽の場所として存在意義を獲得してきた時代です。その中で跳梁跋扈する鬼と、鬼を倒す為に結成された組織「鬼殺隊」との激闘を描くダークファンタジー作品です。
鬼滅の刃のあらすじ
『鬼滅の刃』の主人公は、鋭い嗅覚を持つ平凡な炭焼きの少年、竈門炭治郎(かまど・たんじろう)。妹の禰豆子らと共に慎ましやかで平和な暮らしを送って来た彼の人生は、留守中に家族が惨殺された事で激変。「鬼殺隊」に入る事になった彼は、鬼に変貌しながらも人を助ける心を忘れない禰豆子、そして頼れる仲間と共に、列車や遊郭などに潜む鬼達を撃破し、そして禰豆子を人へ戻す手段を模索していきます。
堕姫の悲しすぎる過去とは
堕姫は鬼の強力な力を笠に着て、思うがままに暴力を振るい、人を貪り、美しさを誇った人物です。そんな奔放な彼女には、あまりに悲惨な過去がありました。この過去の為に彼女の人格は大きく変わったのではないかと言える程にインパクトがある、そんな物語とは一体どのようなものだったのでしょう。ここでは堕姫の過去に迫ります。
過去①貧乏街に生まれた
妓夫太郎・堕姫の兄妹は、羅生門河岸(らしょうもんがし)と称される場所の生まれです。ここは吉原遊郭の唯一の出入り口である大門の向かって左側に位置する通りで、遊女の働く店の中では最も格の低い「切見世(きりみせ)」が立ち並んでいました。切見世では老いたり、病気になったりした遊女が働いていたといいます。ここの住民たちは皆貧しく、子供などは飯代が掛かるので迷惑千万、と妓夫太郎が回想の中で語っています。
過去②本当の名前は「梅」
堕姫の人間時代の名前は「梅(うめ)」といいました。梅の花が由来かと思いきや、名前の元になっていたのは彼女の母親の病名。「梅毒(ばいどく)」という病気で、全身に痺れや浮腫みを生じ、重篤化すると死に至る病でした。梅毒は遊女達を悩ませる病気のひとつです。恐らく妓夫太郎と梅の母親はこの梅毒が原因で羅生門河岸に追いやられたものと推察されます。由来は病気ですが、梅の美しさはまるで花のようだったのが皮肉な所です。
過去③生きたまま焼かれる
梅は幼い頃から非常に美しく、その見目は遊郭においては非常に大きな武器となりました。成長した彼女もまた周囲の遊女と同じように客を取り始めるのです。ところがある日、客の侍が兄である妓夫太郎を侮辱した事に怒りを覚えた梅は、侍から貰った簪で彼の目を突いてしまいます。その報復として、彼女は縛り上げられた上に、生きたまま炎に焼かれてしまうのです。その姿を妓夫太郎が見つけた時にはもう瀕死の状態でした。何巻で語られるかというと、11巻です。
過去④童磨に血を与えられ鬼になる
炎に焼かれ、瀕死の重傷を負った梅は、妓夫太郎に背負われて遊郭を彷徨います。しかし彼らに手を差し伸べる者は誰もいない。ですが、雪が降り始めた中、絶望に包まれる二人の前に、当時まだ上弦の陸であった童磨(どうま)が現れます。彼は二人に血を分け与え、上弦の地位まで上がって来いと言います。かくして二人は血に順応して鬼になり、老いず朽ちない体と、己を守り人を殺す血鬼術とを身に着けたのです。
堕姫の最後や妓夫太郎との関係
ここまでは堕姫の過去に注目してきましたが、この項目では堕姫の活躍から最後について詳しく見ていきたいと思います。堕姫の最後が何巻で描かれるかというと、第11巻、遊郭編のクライマックスです。また、壮絶な過去を送って来た彼女の最後は、兄・妓夫太郎と切っても切れない関係にもあります。堕姫が遊郭でどのように過ごし、炭治郎達と戦い、そして死を迎えたのかを詳しく見ていきましょう。
蕨姫花魁として正体を隠していた
堕姫は10年程のサイクルで、顔容や所属する店を変え、花魁(おいらん)として過ごしてきました。花魁は遊女の中でも最高の位で、禿(かむろ)や新造(しんぞう)と呼ばれる後輩を付き従え、客の品定めすら出来る存在。彼女は「姫」の字のつく名を好んで用い、大正時代では蕨姫(わらびひめ)花魁と名乗っていました。蕨姫花魁は非常に高圧的な性格で、店の遣り手や主人が口を出せない程でした。
蕨姫花魁はまだ幼い禿達にも冷たく厳しくあたり、部屋を片付けていなかったからと、一人の禿の耳が千切れそうな程つねり上げています。遊郭編にはもう一人鯉夏(こいなつ)花魁という女性が描かれていますが、慈愛深い彼女とは真逆を行っていたのが蕨姫花魁です。ちなみに蕨姫花魁は鯉夏花魁の美しさは認めているようで、捕らえて食ってしまおうと画策していました。何巻で語られるかというと、第9巻です。
竈門禰豆子に圧倒される
堕姫は炭治郎達の前に正体を現し、圧倒的な力で捩じ伏せていきます。ヒノカミ神楽を使って応戦していた炭治郎が窮地に立たされた時に、助けに入ったのが禰豆子。彼女の中の鬼の血は随分と活性化しており、上弦に匹敵する程の再生能力と血鬼術「爆血(ばっけつ)」で堕姫を追い詰めます。爆血で負った傷は中々回復する事がなく、堕姫はかなり苦しめられました。
妓夫太郎に泣いて助けを求める
禰豆子との戦いで弱った堕姫は、その後現れた音柱・宇髄天元(うずい・てんげん)によってあっさり頸を落とされてしまいます。宇髄は堕姫を「お前は上弦じゃない」と一蹴。その言葉に次第に反論出来なくなった堕姫は、遂に泣き出してしまいます。そして泣き喚きながら助けを求めた相手が兄・妓夫太郎。彼らは二人で一人という特殊な鬼だったのです。
妓夫太郎との関係
堕姫は「お兄ちゃん」である妓夫太郎の力量を信じて頼り、妓夫太郎は、泣き虫でちょっと頭の足りない妹を可愛がるように守りながら猛威を振るってきます。また、妓夫太郎は堕姫の額に自身の目玉を出現させ、それを通して彼女の行動を自在に操っていました。そして彼らを倒すには条件がありました。それは二人の頸が同時に切り落とされた状態になる事。この制約の中、鬼殺隊士達は長時間苦しめられてきました。
最後の兄妹喧嘩と兄妹愛
しかし、長きに渡る戦いにも決着の時が。堕姫の頸は善逸と伊之助の善戦で、妓夫太郎の頸は炭治郎と宇髄の連携によって落とされます。頸だけになった二人はその状態から言い争いをし、堕姫が「あんたなんか兄妹じゃない、血も繋がってない」と叫んだのに対し、妓夫太郎が「お前なんて生まれてこなければ」と口にしかけます。その口を「嘘だよ」と、そっと塞いだのは炭治郎でした。
炭治郎から喧嘩はいけないと諭されると、堕姫は泣き叫び、そして彼女の頸が先に朽ちて消えます。その瞬間妓夫太郎が咄嗟に呼んだのは「梅」の名。彼は妹の本名、苦しかった過去を思い出します。そして最後、妓夫太郎は梅に「お前は明るい方へ行け」と言いますが、梅は彼の背中にしがみつき、「生まれ変わってもお兄ちゃんの妹になる」と叫んで号泣。妓夫太郎は彼女とずっと一緒にいるという約束を思い出して、彼女を背負って地獄の業火の中を歩むのです。
堕姫の強さや能力
堕姫が妓夫太郎と共に歩んだのは血塗られた道、地獄への道。では悲壮な人生だけが彼女だったのかといえば、やはりというべきか、そうではありません。そこは勿論上弦の鬼、その強さは折り紙付き。ここからは美しき鬼・堕姫の強さの秘密に迫ります。
堕姫の血鬼術「八重帯斬り」
彼女の血鬼術は腰に巻いた「帯」。人を内部に取り込める、切り離して自在に動かせる等トリッキーな使用法も出来ますが、何より目を惹くのは斬撃や防御に使う時。特に彼女の使う大技の血鬼術「八重帯斬り」は、網の目のように張り巡らせた帯を一斉に振るい、逃げ場のない痛烈な一撃を叩き込む派手なものになっています。美しい彼女が使う血鬼術もまた美しかったのです。この八重斬りは何巻登場かというと、第10巻です。
堕姫は帯を自由自在に操れる
上記で少し触れましたが、堕姫は血鬼術で帯を自在に操れます。人間を巻き取ると、帯の中に人が取り込まれていったり、切り離して動かすことで人が入れないような狭い空間を通り抜けさせ、自在な諜報を可能にします。帯は堕姫の一部、何と会話する事も出来ます。その際には帯に目玉と口が出現します。この血鬼術で彼女は地下空間に多くの人間を溜め込み、少しずつ食らっていました。
覚醒すると銀色の髪の毛になる
堕姫は、日中花魁として動いている時や、帯を自身から切り離して使用している時は黒い髪をしています。これは、帯を取り込んでいない彼女がまだ完全体ではない事の証左。柱が現れたと聞いた彼女は帯を全て体内に取り込んで、髪の色を銀色へと変貌させます。長い銀髪を有する姿が、堕姫の完全体なのです。
堕姫の過去に対する世間での評判や人気
上弦の陸に相応しい強さ、鬼の中でも随一の美貌、存在なようでいて子供っぽい性格、そして思わず寄り添わずにはいられない過去。彼女の過去を知った世間の皆様は、堕姫に対する見方をどのように変え、どんな感想を抱いたのでしょうか?ここではその評判を少しだけご紹介します。
堕姫や妓夫太郎の過去は、鬼であっても同情を禁じ得ない程過酷で苛烈なものでした。そんな過去を受けて、二人の幸せを願う声が多く寄せられています。兄妹仲の良さは鬼になっても健在でしたが、過去を通して真の兄妹愛を思い出したシーンが泣かせます。
堕姫が自分は誰よりも美しいと思っているのは、兄が昔から「可愛い」と言い続けていきたからなんだろうという感想もありました。堕姫の自己肯定感の高さの理由が気になる方も多いようです。
堕姫がもしも〇〇だったら
過去、兄妹愛、強さ、様々な側面から堕姫にスポットライトを当ててきましたが、ここからは全く異なるフィーチャーの仕方をご提案!堕姫が貴方の隣に〇〇として存在していたら、果たして貴方の人生は鬼色に染まっていくのか否か?貴方の隣から、そして上から堕姫ちゃんが強烈に物申しそうです。
堕姫「彼女」篇
「強くて美しい私は人を何時間でも待たせていいのよ!」と、待ち合わせ時間に盛大に遅刻しながら堂々と現れてくれそうな堕姫。勿論おしゃれは完璧。デートプランは完全に彼女依存、高級感溢れる場所へ散々連れ回してくれる事でしょう。そして別れの明け方、彼女の口から貴方に向けられるのは「やっぱり無惨様やお兄ちゃんには敵わないわ」の一言、容赦ない彼女です。
堕姫「美容師」篇
入店した貴方にいきなり向けられる「うわ、不細工」の一言、接客業としては最悪の出だしから始まるお時間。しかし蓋を開けてみると「ふーん、目元はいいのね。前髪作れば?」と、自慢の鋏ならぬ帯で器用にカットしてくれそうな気もします。最後には「この私がカットしたのよ、美しくて当然でしょ」と自信満々に言い放ち、貴方を店から送り出す事でしょう。
堕姫「会社の上司」篇
タイトなスカートとピンヒールが似合いそうな美しき鬼上司・堕姫。「ぼさっとしてんじゃないよ、任せた仕事どうなってんの!」とひたすらこちらを叱咤してきそうです。きびきび職務をこなしそうですが、トラブルが起きた際には「そんなの私だってわかんないわよ!お兄ちゃあん!」と泣き叫ぶ姿も。その度に駆り出される妓夫太郎とは仲がとても良く、昼休みには必ず一緒に食事をに摂りに行きそうです。
堕姫の過去は想像以上に壮絶だった
猫科を思わせるアーモンド形の瞳には残忍で冷酷な色を宿し、凍り付くような美貌と焼けつくような強さを以て万人を圧倒する堕姫。ですがその鉄壁な彼女の心の内側には、あまりに壮絶な過去と、そしてその過去が生んだ、結びつきの強い兄妹愛があったのです。実は弱さを抱えていた彼女が、来世で幸せになってくれる事を望むばかりです。
この記事のライター
鳥巣 卓哉
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