【炎炎ノ消防隊】ジョーカーの能力は明らかになっていない？強さも徹底考察

『炎炎ノ消防隊』では、様々な個性的なキャラクターが登場しますが、その中でも特に謎が多いのがジョーカーです。ジョーカーは、自らを「第三勢力」と称し、主人公のシンラや特殊消防隊と敵対したり協力したりする謎の目的をもった不思議な存在の男として登場しました。

『炎炎ノ消防隊』は、「週刊少年マガジン」で2015年から2022年まで連載されていた作品です。人体自然発火現象によって全身が炎に包まれてしまい、人間が変異してしまった「焔ビト」と、その脅威に立ち向かう特殊消防隊の活躍を描いています。また、サスペンスやバトルアクションの要素を取り入れたSF漫画作品でもあります。

太陽暦佰九拾八年東京皇国では、人体発火現象「焔ビト」による脅威が広まり、特殊消防隊が結成されました。少年シンラは過去幼い頃の火事で家族を亡くし、自身が持つ類まれな能力が火事の原因とされ、迫害を受けます。しかし、彼は真犯人がいると信じ、訓練校を卒業後、第8特殊消防隊に配属されました。シンラは仲間たちと共に訓練や消防活動に励みながら、焔ビトの秘密を握る組織「伝導者一派」との戦いに挑み、自身にかけられた冤罪を晴らすために奮闘します。

『炎炎ノ消防隊』の物語の中で発火現象によって能力を得た人間は、第一世代から第三世代までに分類されます。第一世代は焔ビトのように自ら発火するだけで、第二世代は他者や物体の発火を操ることができます。第三世代は発火能力を持ち、かつ操る能力がある者です。

これらに当てはめると、ジョーカーは黒い灰を発火することができ、これを操る能力があるので、第三世代ではないかとみられますが、ジョーカーの世代について明確に語られている場面はないため、あくまで予想にすぎません。また、これらの区別が微妙なところもあり、第二世代ではないかという意見も存在します。

ジョーカーの強さと能力の秘密は、爆薬に似た攻撃が可能な黒い灰、煙草の煙で相手を幻惑させる能力、殺傷、切断能力に優れたトランプの主に3つです。いずれも戦況によって使い分けていますが、いずれの攻撃、能力も圧倒的な強さであることを象徴するように描かれています。

ジョーカーは、消防士の新人大会でシンラの前に初めて姿を現します。ジョーカーはスタッフを一掃し、シンラの前に立ちはだかりました。その後戦闘となり、圧倒的な能力でシンラを殺そうとしますが、シンラが極限状態となった時に表れる「悪魔」と呼ばれる所以となった不気味な笑みを見て、考えを変えました。

結局、シンラとの決着はついていないまま、その戦闘は終わっています。しかし、シンラは第三世代の能力者であり、アドラバーストという特殊な能力を持っていることから、シンラは底知れぬ強さと力を持っています。このように、ジョーカーとシンラはそれぞれに甲乙つけがたい能力があり、一概にどちらの強さが勝るのかはわかりません。

ジョーカーを語るうえで欠かせないものは、彼が戦闘中に使う武器です。ここではそのメインとなる武器である灰と煙草について解説していきます。

戦闘でよく使われる武器の一つは黒い灰です。この灰は、ジョーカーの協力者であるリヒトから提供されたもので、爆薬に近い性質を持っており、焔ビトになった人々の体組織から精製されたものです。発火能力を利用すれば、わずかな量でも罠として使用する武器となり、周囲にばら撒けば民家を爆発させることも可能です。

ジョーカーは煙草を常に吸っており、それを武器として使用することができます。また、この煙草は焔ビトの灰を研究しているリヒトによって開発された武器です。煙草の煙には幻覚作用があり、相手に吸わせることで幻覚を引き起こすことができます。聖陽の影の隊長との闘いでは、巧妙に煙を吸引させて幻覚を見せることで、ジョーカーは見事な勝利を収めました。

ジョーカーは過去に、聖陽教会の暗殺部隊として位置づけられていた「聖陽の影」に属していました。ジョーカーは組織では「52（ファイブツー）」というコードネームで呼ばれていました。ジョーカーは優れた戦闘能力を持っていた一方で、組織の隊長に目をつけられ、過酷な体罰を受けるという状況が続きました。

しかし、ジョーカーはその状況に不満を募らせていきました。次第に彼は、世の中がどうなっているのか、真実を知りたいと強く思うようになりました。そして、シンラが関係する12年前の火事によって、大きな混乱が組織に生じます。ジョーカーは、それに乗じて組織からの脱出を決行しました。

ジョーカーは過去幼い頃から過酷な環境で育ちました。その経験から、彼は聖陽教の不審さを直感的に感じていました。このため、彼の目的は「人体発火事件の真相を知ること」であり、それに向かって行動するようになりました。

そういう意味では、特殊消防隊と同じ目的を持つ一方で、ジョーカーはどんな手段を使ってでも真実にたどり着くことが正義だと信じています。彼は違法な研究や他人の犠牲も厭わない姿勢を持ち、ダークヒーローとして活動しています。彼の行動は、真実を明らかにするためには時には非常に過激なものとなっていますが、その信念と目的のために全力を尽くしているのです。

太陽の光の下で暮らしたいという思いから、ジョーカーは組織を抜けた後、生き倒れてしまいましたが、ある親切な家族に救ってもらいました。しかし、その家族を「聖陽の影」に惨殺され、ジョーカーは世界に絶望してしまいます。この過去の出来事がきっかけで、ジョーカーは目的のためには手段を選ばない信念を持つ人物となりました。

バーンズは、第1特殊消防隊の大隊長として、かつて聖陽教会とのパイプ役も担っていました。過去に「聖陽の影」に所属していたジョーカーと、一度だけ仕事を共にしたことがあります。天照内で発生した焔ビトの鎮火を目的とした任務の最中、2人はアドラリンクし、アドラ（異界）に引き込まれ、両方とも片目を失いました。この出来事によって、神秘的な体験をしたジョーカーは、さらにこの世界の真実を究明する道へとまい進することになったのです。

ジョーカーとリヒトは、共に「真実」を探る仲間です。リヒトは第8特殊消防隊に後から加わったメンバーであり、ジョーカーと共に活動し、焔ビトから出た灰に関する研究を行っていました。ジョーカーとリヒトの研究は、焔ビトが生まれる理由について核心に迫るものとされていますが、現時点ではその目的や研究結果は明らかにされていません。

ジョーカーは指名手配中の危険人物であり、新門紅丸は特殊消防隊の大隊長ということから、本来なら敵対関係の立場です。しかし、新門紅丸が指揮する第7特殊消防隊は聖陽教会に忠誠を誓っておらず、さらに紅丸が束ねる原告主義者である浅草の人々は、聖陽教から迫害を受けていました。

そのため、新門紅丸はジョーカーと協力することで、聖陽教会を打倒することが可能であると考えました。このことから、新門紅丸とジョーカーは共闘関係へと変化します。

ここまで見てきたとおり、ジョーカーの多彩な能力はもちろん、彼のミステリアスさは魅力の一つとしてファンから支持を得ていました。また、真実を追求するためには手段を選ばない、ダークヒーローとしての活躍にも心を惹かれるファンが多いものと推測されます。

容姿だけがミステリアスなのではなく、敵か味方かわからないような行動も謎めいた魅力をより多く感じさせます。過去から現在に至るまでの壮絶な過程で、確固たる信念を持って行動するようになったジョーカーの姿に注目している人も多いです。

ジョーカーは多彩な能力があることは知られていますが、世代は解き明かされていません。これまで述べてきたようにジョーカーは物語で中で重要な役割を果たしており、キーマンの一人として注目されていました。「ジョーカーのことを知りたい」と思わせるキャラであることが何よりの証拠です。ジョーカーはファンの間でも非常に注目度の高い人物となっています。

ジョーカーの能力の根源について明確に明かされる描写はありません。しかし、彼は炎に包まれたトランプを使用して攻撃したり、タバコの煙を操るなど、多様な能力を見せています。この炎を自在に操る能力から、前述のとおり第3世代の能力者である可能性が高いと想定されます。

さらに、ジョーカーの使う武器が「人体発火現象の謎」を研究しているヴィクトル・リヒトの発明品であり、ジョーカー自身の能力も不明瞭なため、さらにミステリアスな人物としての印象が強くなっています。ジョーカーの謎に触れることで、物語のコアな部分に迫ることができる『炎炎ノ消防隊』をチェックしてみてください。