【進撃の巨人】エルディア人とはどのような人種?マーレ人との違いは?
『進撃の巨人』に登場するエルディア人という人種について、マーレ人との違いやそれぞれの目的を調査しました。本記事では、『進撃の巨人』のキーパーソンとなるエルディア人、マーレ人の歴史や関係性を解説するとともに、2つの人種や国のモデルについても紹介していきます。
目次
【進撃の巨人】エルディア人とは?
エルディア人とは、『進撃の巨人』の中に登場する人種の1つで、物語の核となります。巨人になることができる能力を持つ人種のエルディア人は、その多くがパラディ島に住み、頑丈な城壁に囲まれた街の中で暮らしていました。エルディア人の歴史やマーレ人との関係性について解説する前に、まずはエルディア人の特徴と『進撃の巨人』の概要、あらすじについて簡単におさらいしましょう。
エルディア人とは?
『進撃の巨人』に登場するエルディア人は、かつて栄えたエルディア帝国の子孫であり、ユミル・フリッツを始祖とする人種です。唯一巨人になることができる能力を持っている人種ですが、大半のエルディア人はその事実や歴史を知らずに暮らしています。145代目フリッツ王は、人類の脅威となりうるエルディア人のほとんどをパラディ島に移し、巨大な城壁を有する街を作ってそこに住まわせていました。
進撃の巨人の概要
エルディア人が登場する『進撃の巨人』は、漫画家・諫山創先生が描いたダークファンタジーの漫画作品です。人間の脅威となる巨人に対抗する為、人類が様々な戦いを繰り広げていくという物語で、独特な世界観が日本のみならず海外でも人気となっています。2009年9月に連載を開始した『進撃の巨人』は、完結する2021年4月までにテレビアニメ化や実写映画化など、幅広いメディア展開をしてその度に話題を呼びました。2023年には、完結編がテレビアニメで放送予定となっています。
進撃の巨人のあらすじ
人を襲う巨人が出現する『進撃の巨人』の世界では、人類が城を中心に三重の巨大な城壁を築いて、その中で暮らしていました。城壁の中では、巨人が襲ってきた際に住民を守る兵団が組織されますが、平穏な時代が長らく続きます。しかし、その平穏な時代は、主人公のエレンが10歳の時に突如として現れた城壁よりも大きな巨人によって終わりを迎えます。母親を目の前で巨人に喰い殺されたエレンは、幼馴染のミカサ、アルミンに巨人を根絶やしにすることを誓い、訓練兵に志願します。
【進撃の巨人】エルディア人とはどのような人種?歴史を解説
エルディア人は、パラディ島の中にある城壁で囲まれた街に住む人種です。つまり、『進撃の巨人』に登場する多くの登場人物は、このエルディア人ということになります。しかし、城壁の中に住むエルディア人は、自分がエルディア人という人種であることすら知らずに過ごしている者がほとんどです。ここからは、エルディア人の歴史とともに人種の特徴を詳しく解説していきます。
歴史①エルディア帝国が君臨する
エレン達の祖先であるエルディア人達は、巨人化する能力を手に入れたユミル・フリッツを中心に勢力を拡大します。そして、大陸で最も力のあるエルディア帝国が誕生し、歴史が始まります。他国はエルディア帝国が有する巨人の力を恐れて攻め入ることができなかった為、エルディア帝国は世界の脅威として君臨します。
歴史②民族浄化が行なわれる
エルディア人達は、人種の繁栄を目的にして他民族との間に子を作り、エルディア人を増やすことを考えます。そして、エルディア人の子孫を増やしていくことで、いつかは全ての人がエルディア人になるという「民族浄化」の計画が実行されました。この時、エルディア人は生まれてきた子供を「ユミルの民」と呼んだことで、ユミルの血を受け継がないエルディア人もユミルの民だと勘違いされる要因となります。
他民族を滅ぼしながらエルディア人を繁栄させていくという行為に怒りを覚えたマーレ人は、これ以降エルディア人に対して強い恨みを持つようになりました。
歴史③マーレの逆襲が始まる
エルディア人は、巨人化する能力を有する人種として世界の頂点に君臨していました。マーレ帝国は、そんなエルディア人から「九つの巨人」の内7つの能力を奪取することに成功します。戦いの要である巨人の力を奪われたエルディア帝国は一気に弱体化し、マーレ帝国に敗北しました。エルディア人の多くは戦いで命を落とし、生き残った僅かなエルディア人はマーレ国内にある収容所に送られました。
歴史④エルディアの復権を目指す
マーレの収容所で暮らすエルディア人達は、過酷な生活とマーレ人による迫害に耐えかねて、いつしかエルディアの復権を企て始めます。エルディア復権の為に「フクロウ」という名の集団が組織され、秘密裏に行動を開始しました。エルディア復権の意志が強かったグリシャは、息子であるジークにエルディア人がいかに優れた人種であるかを説き、マーレ帝国を内側から壊す存在すなるように洗脳していくのでした。
【進撃の巨人】エルディア人とマーレ人・ユミルの民の違いや関係
『進撃の巨人』には、エルディア人とは別に、マーレ人やユミルの民という2つの人種が存在します。2つの人種は、エルディア人と何が違い、どのような関係性となっているのでしょうか。ここからは、エルディア人とマーレ人、ユミルの民の違いと関係について紹介していきます。また、エルディア人がユミルの民と混同されてしまう理由についても解説していきます。
エルディア人とマーレ人の違い
2つの種族において、1番の違いは巨人になれるかどうかです。巨人になる能力を持つエルディア人に対して、マーレ人は巨人になる能力を持っていません。マーレ帝国は、エルディア帝国と敵対関係にあった為、エルディア人が持つ「九つの巨人」の内7つを奪うと一気に制圧します。生き残ったマーレ帝国内にいるエルディア人は一カ所に集められて、マーレ人の監視下に置かれることになりました。
エルディア人とユミルの民の違い
エルディア人は巨人化できる人種とされていますが、厳密にはエルディア人の中のユミルの民だけが巨人化できるエルディア人です。ユミルの民とは、エルディア人の中でも始祖ユミルの血を受け継いだ者のことを指します。
物語の2000年前から存在しているエルディア人ですが、元々は巨人化する力はありませんでした。ある時、奴隷だったユミルという少女が偶然巨人化する力を手に入れてしまったことで、当時の王がユミルを妃に向かえて3人の娘を儲けます。巨人化の能力を持つのはユミルの子孫だけであり、それ以外のエルディア人は巨人化することができません。
エルディア人とユミルの民が同じだと誤解された理由
「エルディア人は巨人化できる人種」と言われている為、エルディア人の別命がユミルの民だと誤解されることが多いです。作中でも、エルディア人のことを総称してユミルの民だと発言しているセリフがある為、勘違いされています。エルディア人の歴史は2000年以上前から続いているので、誰が始祖ユミルの子孫であるか分からなくなっているというのも理由の1つです。
【進撃の巨人】マーレの戦士のキャラや目的
マーレ帝国に住んでいるエルディア人の中には、幼少期に志願してマーレの戦士となる者がいます。様々な厳しい軍事訓練やマーレへの忠誠心を試される試験を突破し、認められた者だけがマーレの戦士となれるのです。ここからは、『進撃の巨人』の作中で、マーレの戦士として登場したキャラとそれぞれに与えられた目的について紹介していきます。
マーレの戦士とは?
『進撃の巨人』に登場するマーレの戦士は、マーレ国内に住むエルディア人の中から、厳しい試験に合格してマーレに忠誠を誓った特別な戦士のことです。「九つの巨人」の内、マーレが所有している6つの巨人の力の中から1人1つずつ継承していて、エルディア人との戦いの前線に立たされています。
マーレの戦士の目的
マーレ政府がマーレの戦士を募った目的は、パラディ島に逃げ延びたフリッツ王から宣戦布告を受けたからでした。そこで、マーレ政府が所有する巨人の力をエルディア人に与え、パラディ島に住むエルディア人と全面戦争をしようとしていたのです。マーレの戦士達は、「パラディ島に住むエルディア人は悪魔である」との教育が施されていた為、疑うことなく作戦を実行します。しかし、マーレ政府の本来の目的は、国の力を維持する為に巨人の座標とされる始祖の巨人の力を手に入れることでした。
名誉マーレ人とは?
名誉マーレ人とは、マーレの戦士本人とその家族にマーレ政府から与えられる称号のことです。マーレ国内に住むエルディア人は、基本的には政府が管理する収容所で厳しい生活を強いられます。しかし、マーレの戦士に選ばれれば、マーレ人と同等の生活が約束されるのです。過酷な環境下を脱したいと考えるエルディア人は多い為、マーレの戦士に志願する者はたくさんいます。
マーレの戦士のキャラ
マーレの戦士には、厳しい訓練を受け、実地試験でも優秀な成績を修めた者だけがなることを許されます。『進撃の巨人』の作中に登場するマーレの戦士達は、それぞれが強い意志と継承した巨人の力を持って戦っています。ここからは、そんなマーレの戦士となったキャラクターを5人紹介します。
アニ・レオンハート
「九つ巨人」の内、「女型の巨人」の力を継承した人物です。エレン達の訓練兵団時代の同期であり、小柄ながら対人格闘術を得意としています。ライナーとベルトルトと協力して、パラディ島にスパイとして潜入すると、憲兵団に入団してフリッツ王の動向を探っていました。アニの家族は育ててくれた父親だけで、なんとしても生きて任務を終え、マーレに帰ることを目的にスパイ活動をしていました。
ライナー・ブラウン
「九つ巨人」の内、「鎧の巨人」の力を継承した人物です。大柄な体格で、エレン達の訓練兵団時代の同期として登場します。ベルトルトとアニと共にパラディ島にスパイとして潜入し、マーレに帰還した唯一の戦士です。ライナーは、マーレ人の父とエルディア人の母の間に生まれた子供であった為、収容所で母と暮らしていました。ライナーがマーレの戦士となった目的は、両親と共に暮らすことを望んだからでした。
ベルトルト・フーバー
「九つ巨人」の内、「超大型巨人」の力を継承した人物です。エレン達の訓練兵団時代の同期で、穏やかな性格の青年として登場します。マーレ政府から巨人の座標を探る目的でパラディ島にスパイとして潜入していましたが、エレンが巨人化する力に目覚めるとそれを監視する為に調査兵団に入団しました。
ジーク・イェーガー
「九つ巨人」の内、「獣の巨人」の力を継承した人物です。マーレの戦士隊の戦士長で、アニやライナーの上官にあたります。実は、主人公・エレンの異母兄であり、巨人の力そのものをなくす為に「エルディア人安楽死計画」を目的に活動していました。巨人になる能力を持つエルディア人を絶滅させ、人類の脅威そのものをなくそうとしていたのです。
マルセル・ガリアード
「九つ巨人」の内、「顎の巨人」の力を継承した人物です。巨人の座標を見つける目的で、ライナー達と共にパラディ島に潜入し作戦を実行しようとします。しかし、パラディ島に上陸して間もなく、巨人化したユミルに襲われたライナーを身を挺して助けた為に喰い殺されてしまいました。
【進撃の巨人】エルディア人とマーレ人や国のモデル
『進撃の巨人』は、マーレ編に突入すると他人種や他国の存在が明らかになってきます。そこに登場する2つの人種やその他の組織と国には、それぞれモデルが存在するとされています。ここからは、エルディア人とマーレ人、そしてその他の国のモデルについて紹介していきます。
エルディア人のモデル
『進撃の巨人』に登場するエルディア人のモデルは、ユダヤ人とされています。かつて世界を支配する勢いだったエルディア人は、マーレ帝国の軍事力の前に敗北します。そして、生き残ったエルディア人はマーレ国内の収容所に入れられ、監視下に置かれるようになりました。窮屈な生活を強いられ、マーレ人から迫害を受ける様子は、第二次世界大戦時にナチスが行ったユダヤ人の迫害と酷似しているのです。
マーレ人のモデル
『進撃の巨人』に登場するマーレ人のモデルは、ナチス・ドイツとされています。マーレ人は、世界の脅威でもあったエルディア人の弱体化に成功すると、生き残った者達を収容所に押し込めて監視しています。エルディア人から人権を奪ったマーレ帝国は、その後大陸で勢力を伸ばして大きな国家へと成長しました。この様子から、第二次世界大戦中に起きたホロコーストがモデルとなっていることが判ります。
中東連合のモデル
『進撃の巨人』に登場する中東連合のモデルは、アメリカだとされています。作中で、マーレ帝国と戦争しているのが中東連合です。マーレの戦士達が巨人化して戦っても歯が立たない程、強力な兵器をいくつも所有しているのが特徴です。史実である第二次世界大戦でも、ナチス・ドイツはアメリカをはじめとする連合国軍と戦っています。
ヒィズル国のモデル
『進撃の巨人』に登場するヒィズル国のモデルが、日本だとされています。作中では、東洋人が住む国であり、パラディ島唯一の友好国として登場しています。服装や背景から見ても、モデルが日本であることがよく判ります。また、日本は昔から「日出ずる国」との別命もあり、ヒィズル国の名前はそこからきているようです。
【進撃の巨人】エルディア人に対する世間での評判や人気
『進撃の巨人』の序盤では、壁の中に住む人々が巨人の脅威に震えて逃げ惑う姿が印象的でした。しかし、マーレ編で伏線が回収されて歴史が判ってくると、それまで巨人から逃げ惑っていた人々もかつては世界を恐怖に陥れていた人種の子孫であることが判明します。そして、エルディア人とマーレ人が敵対関係であることやパラディ島以外に住むエルディア人の置かれた環境が明るみに出ると、読者の印象もガラッと変わりました。ストーリーの奥深さに感心している読者が非常に多いです。
また、エルディア人とマーレ人が敵対関係となった原因には、複雑な歴史が関わっています。作中でも、何話にも渡って語られる為、途中で混乱する視聴者が後を絶たないようです。
『進撃の巨人』は、マーレ編に突入すると人類と巨人の戦いから、人間同士の人種を巡る争いへと変化していきます。人種同士の争いは、史実にも過去何度も登場する問題であり、エルディア人やマーレ人のモデルについては様々な考察が行われていました。その中で、1番多かった意見は、第二次世界大戦時のホロコーストです。脅威の力を持つエルディア人をマーレ人が危険視したという歴史が、裕福で人口の多いユダヤ人をナチスが武力で制圧したという部分が酷似していると考察されています。
【進撃の巨人】エルディア人には悲惨な歴史があった
巨人になることができる特別な能力を持ったエルディア人ですが、その過去には壮絶な歴史がありました。さらに、エルディア人なら誰でも巨人になれるわけではなく、始祖ユミルの血を受け継ぐ者だけがその能力を有することと、エルディア人の中にも様々な種類があることが判りました。『進撃の巨人』は、マーレ編に突入すると人種の争いや世界の謎が徐々に明らかになってきます。1話からの伏線も多く回収されていくことになるので、是非読み返して伏線回収を楽しんで下さい。
この記事のライター
ルキナ
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