【メイドインアビス】成れ果てとはどうなる?特徴や村についても考察
『メイドインアビス』に登場する成れ果てについて調査しました。少年少女が大穴「アビス」を冒険する物語『メイドインアビス』には、成れ果てと呼ばれる種族が存在します。本記事では、そんな成れ果てのキャラを紹介し、それぞれの特徴や村についての秘密を解説します。
目次
【メイドインアビス】とは?
成れ果てという種族が登場する『メイドインアビス』は、12歳の少女リコが、人間と見分けがつかない程精巧に作られたロボット・レグと共に巨大な穴「アビス」の中を旅する冒険漫画です。アビスの中はいくつかの層に分かれていて、それぞれに不思議な原生生物や特殊な力を持つ遺物があるとされています。成れ果ての特徴や村の秘密について紹介する前に、まずは『メイドインアビス』の作者や概要についておさらいしておきましょう。
メイドインアビスの作者
『メイドインアビス』は、アニメやゲームのキャラクターデザイナーとして活躍していたイラストレーター・つくしあきひと先生が描く冒険物語です。絵の細部にまでこだわりを持って描いていて、絵本のような優しいタッチのイラストを得意としています。また、個性的なキャラクターを創り上げることも得意で、『メイドインアビス』に登場する成れ果て村の住人達のキャラクターデザインにはその特徴が見られます。『メイドインアビス』は、つくしあきひと先生にとって初の商業誌連載作品です。
メイドインアビスの概要
成れ果てが登場する『メイドインアビス』は、ウェブコミック配信サイト『WEBコミックガンマ』にて連載されている漫画作品です。連載は不定期ですが、2012年より連載が開始され、2023年7月までに単行本は12巻まで発刊されています。可愛らしい絵柄とは裏腹に、ストーリーは非常にハードな内容となっており、グロテスクで痛々しいシーンも数多く登場します。2022年にはゲーム化もされましたが、レイティングでZ(18歳以上のみ対象)の判定を受けています。
メイドインアビスのあらすじ
主人公のリコは、孤児院で育った探窟家見習いの少女です。アビスの深界第1層を探窟している最中、少年の姿をしたロボット・レグを発見し、友達になります。ある日、アビスの中から伝説の探窟家であるリコの母親・ライザの持ち物とリコ宛の封書が届きます。封書には、「奈落の底で待つ」と書かれたメモ書きがあった為、リコはレグを連れて母親を探す為にアビスの中へ降りる決意をしました。そして、孤児院を抜け出してレグと共に危険な冒険へ出発するのです。
【メイドインアビス】成れ果てとは?特徴を解説
『メイドインアビス』には、個性的な姿をした原生生物や植物が数多く登場します。そんな中、人語を介し、リコ達と意思疎通が可能な種族も登場します。それが「成れ果て」と呼ばれる特殊な種族です。成れ果てとは一体なんなのでしょうか。まずは、成れ果ての秘密や特徴について解説します。
成れ果てとは第6層の呪いを受けた人間
『メイドインアビス』に登場する成れ果ては、それぞれが違う姿をした異形の生き物です。その正体は、深界第6層の呪いによって人間性を奪われてしまった探窟家であり、元はリコ達と同じ人間です。人間が成れ果てとなる際、本人もしくは周囲の人間による欲望が強く影響を与えるとされている為、1人として同じ姿の成れ果てはいないという特徴があります。人間としての姿は奪われていますが、中には記憶や感覚を引き継いでいる者もいて、人語を話せる成れ果てもいます。
成れ果ての特徴
成れ果てになると、異形の姿に変えられるだけでなく、特殊な力を手に入れることができます。力の特徴はそれぞれ違い、リコ達が最初に出会った成れ果て・ナナチは、「力場」というアビスの中に漂う不思議な力を視覚化できるようなりました。また、ナナチの親友である成れ果て・ミーティはどんなことをされても死ねないという不死の力を手に入れています。このように、異形の姿になるだけでなく、不思議な力を持つことが成れ果ての大きな特徴です。
第6層とは?
成れ果てと大きく関係しているのが、「還らずの都」と呼ばれるアビスの深界第6層です。深界第6層の呪いは、人間性の喪失か死であり、成れ果てとは死を免れた人間が辿り着いた姿なのです。深界第6層から人間の姿のまま生きて地上に戻ってきた探窟家はいないとされていて、深界第6層に挑むことは「絶界行(ラストダイブ)」と呼ばれています。この深界第6層には、人間性を失った探窟家達が身を寄せ合い生活している成れ果て村「イルぶる」が存在します。
上昇負荷とは?
アビスの中には、下に進めば進む程、上に上った時に強い上昇負荷を受けるという法則があります。探窟家達は、この上昇負荷を「呪い」と呼んでいます。深界第1層では、軽いめまいや吐き気といった軽い症状ですが、深部に行くにつれ、全身の感覚喪失や精神異常などの重い症状が現れ、最悪死に至ります。深界第6層では、死ぬか成れ果てになるかの2択となるとされていて、第7層からは呪いによって確実に死んでしまうと言われています。
【メイドインアビス】成れ果て村の秘密や結末を解説
深界第6層「還らずの都」には、呪いによって人間性を失ってしまった成れ果て達が暮らす村が存在します。成れ果て村には様々な秘密があり、この村に辿り着いたリコ達はたくさんの衝撃を受けることになります。ここからは、成れ果て村の秘密や結末について解説していきます。
成れ果て村とは?
深界第6層まで辿り着いたリコ達は、そこで巨大なタワーのような場所を訪れます。タワーの中は縦にいくつかの層が形成されていて、成れ果て達が身を寄せ合うようにして暮らしていました。成れ果て達はこの場所を「イルぶる」と呼び、成れ果て村としているのです。
成れ果て村には、個性豊かな姿をした成れ果て達が住んでいて、独自のルールや言語が存在します。しかし、人間だった頃の知性や記憶を残す成れ果ては少なく、リコ達と意思疎通ができる成れ果てはごくわずかです。
成れ果て村を築いた三賢人とは?
成れ果て村は、「三賢人」と呼ばれる3体の成れ果てによって築き上げられました。彼らの正体は、はるか昔にアビスにあるとされる黄金郷を目指して旅立った決死隊「ガンジャ」の中心人物達です。ガンジャのリーダーであるワズキャン、博識でガンジャの知識人であったべラフ、巨体で暴力的なジュロイモーが三賢人と呼ばれています。ジュロイモーは、ガンジャの関係者ではなく、前任のヴエロエルコから役目を引き継ぐ為に村が生み出した用心棒のような存在です。
三賢人は、村の成り立ちに関わっていて、力場が存在しない秘密や価値と精算の仕組みを理解しています。
成れ果て村には力場がない?
成れ果て村最大の特徴は、アビス特有の力場がないことです。アビスの中では、上に上がると上昇負荷の呪いを受け、体に何かしらの異変が現れます。しかし、成れ果て村の中には、アビスの中に充満しているとされる不思議な力・力場が存在しません。その為、人間は上昇負荷の呪いを受けることはなく、村の中限定で自由に動き回ることができるのです。
成れ果て村の価値と精算
成れ果て村の住人達は、「価値」と呼ばれるものを利用して生活しています。価値は、各自が大切にしているものであり、成れ果てによって様々です。村の中では、他者の価値を傷つけることが重罪とされ、罪を犯せば、村のどこからか黒い触手が伸びてきて対象者の価値を破壊する「精算」が始まります。精算は、傷つけられた他者の価値の大きさによって異なり、精算対象者の価値を上回っていると体の一部も奪われてしまいます。
成れ果て村ができた経緯
イルぶるができた時期は、ガンジャ決死隊がアビスにある黄金郷を目指して旅立った頃に遡ります。ガンジャのメンバーはアビスの中を旅する内に、水に擬態する原生生物・水もどきに感染して次々に倒れていきます。ガイドをしていた原住民の少女・イルミューイも生死を彷徨いますが、アビスの遺物「欲望の揺籠」で助かりたいと願いを叶え回復しました。しかし、欲望の揺籠は、イルミューイの忘れかけていた「子供を産める体になりたい」というもう1つの願いも叶えます。
イルミューイは体を変形させながら毎日異形の動物を産み続けては、ワズキャンに調理されてガンジャのメンバーに振る舞われました。その結果、ガンジャのメンバーは次々と成れ果てへと形を変えていくことになるのです。これを繰り返していく内に、イルミューイの体も形を変えながら大きくなり、最終的には力場を通さない巨大な建造物へと進化しました。イルぶるの正体は、イルミューイの体そのものであり、成れ果て達はイルミューイの体の中で生活していることになるのです。
成れ果て村の結末
成れ果て村は、成れ果て達が安全に暮らしていける唯一の場所でした。しかし、そんな成れ果て村を恨む存在がいました。それが、イルミューイが最後に産み落とした子供・ファプタです。ファプタは、母であるイルミューイの怒りと悲しみを受け継いで生まれた為、成れ果て村の壊滅とそこに住む成れ果ての殲滅を目的としていました。
ファプタはレグの力を利用して成れ果て村に侵入し、村を壊滅しようと動きますが、べラフからイルミューイの幸せだった頃の記憶を見せられ動きを止めました。そこへ深界第6層に住む原生生物達が押し寄せ、ファプタや成れ果て達に襲い掛かります。村の住人達は村を守る為にファプタにその身を捧げ、ファプタが彼らを吸収したことで原生生物達を倒すことに成功しました。しかし、原生生物が暴れ回った結果、村は全壊し、村の住人達は全て消滅するという結末を迎えてしまいます。
【メイドインアビス】成れ果てになった主なキャラ一覧
ここまで、成れ果ての特徴や秘密について解説してきました。では、『メイドインアビス』には、どんな成れ果てが登場するのでしょうか。ここからは、『メイドインアビス』の作中に登場した主な成れ果てキャラの特徴や人間だった頃の様子について紹介します。
成れ果て①ナナチ
ナナチは、リコとレグが深界第4層で出会い、共に旅をすることになった成れ果てです。ウサギのように長い耳と柔らかな体毛が全身を覆う獣のような姿をしているのが特徴となっています。ナナチが成れ果てになった経緯は、成れ果て村の住人達とは違い、ボンドルドによる人体実験が原因です。上昇負荷の呪いから逃れる方法を探す為、ボンドルドは孤児を利用して人体実験を続けていて、その成功例がナナチでした。成れ果てになったことで、力場を見る力を手に入れています。
成れ果て②ミーティ
ミーティは、深界第4層でナナチと暮らしていた成れ果てです。ピンク色の体毛で覆われた獣のような姿ですが、下半身が退化しているのか、地を這うようにしか動けません。ミーティも元は人間の少女で、ボンドルドに誘われてアビスへとやって来ました。ナナチと共に人体実験を受け、ナナチの呪いを押し付けられる側となった為、人間性を失い現在の姿となります。ナナチは人間だった頃のミーティと親友だった為、彼女を匿い、ずっと世話をしていたのでした。
成れ果てとなったことで、何をしても死ねない不死の力を手に入れます。しかし、ナナチは成れ果てになる前にミーティが「殺して」と言った願いを叶える為、理不尽な威力を持つレグの火葬砲(インシネレーター)で死亡させて彼女の願いを叶えました。
成れ果て③ボンドルド
ボンドルドは、仮面や特殊なスーツに身を包んだ科学者で、白笛を持つ探窟家です。ナナチとミーティを成れ果てにした張本人で、上昇負荷の呪いを回避する為に非道な人体実験を繰り返していました。レグとの戦闘で、やむを得ず上に逃げたことで上昇負荷の呪いを受け、手足に鋭い爪が生え、獣のような尻尾も出現し成れ果てになります。しかし、その後レグの攻撃により、成れ果てとなった体は殺されてしまいます。
ボンドルドは、実験の産物であるカートリッジによって生き延びており、体を変えてアビスの中で実験を続けています。
成れ果て④マジカジャ
マジカジャは、イルぶるの住人で、機械的な体を持つ珍しい成れ果てです。人語を理解している為、リコ達と意思の疎通が可能で片言ではありますが会話もできます。穏やかな性格で、イルぶるに来たばかりのリコの案内係を務めていました。他の成れ果てとは違い、本体がにおいである為、生活する為に機械の体を器としています。
成れ果て⑤ワズキャン
ワズキャンは、イルぶる創設に携わった三賢人の1人です。ガンジャのリーダーであった人物で、成れ果て村でも住人達をまとめる指導者のような存在です。赤と白の体で頭の横から角のような突起が伸びた姿をしていますが、人間だった頃の記憶や知性は残っていて、リコ達と会話もできます。
成れ果て⑥ベラフ
べラフは、ワズキャンと同じくイルぶる創設に関わった三賢人です。真っ白な仮面を取り付けたような頭と竜のように長細い体を持った成れ果てで、普段は表に出てこず洞窟の中で非常に小さな成れ果て達と過ごしています。人間だった頃は、色白の肌と綺麗な青い瞳が特徴的な美青年で、未知の言語を翻訳するなど知識人としてガンジャの冒険に参加していました。成れ果て村で最初に成れ果てになった人物でもあります。
成れ果て⑦ムーギィ
ムーギィは、村の中にある食堂の店主で、人語が話せる数少ない成れ果てです。村に来たばかりのリコ達に、イルぶるのルールや言葉を教えるなど親切に接してくれました。頭からはタコの足のような触手が伸びていて、この触手は自由に動かせ視覚器も付いているので、後ろ向きでも料理ができます。毎日多くの成れ果てと接する為、様々な言語を覚えているようです。
成れ果て⑧マアアさん
マアアさんは、イルぶるの住人の1人で、ピンク色のぬいぐるみのような見た目のかわいらしい成れ果てです。人語は話せず、「まああ」として喋れない為、リコがその鳴き声からマアアさんと命名しました。かわいい物が好きで、リコが連れていたメイニャを気に入りますが、力加減を誤り潰してしまったことで、村から酷い精算を受けてしまいます。その後はリコのことも気に入り、旅に同行するようになりました。かわいい見た目に反して、何故かお尻だけ汚いのが特徴的です。
成れ果て⑨ファプタ
ファプタは、イルぶるの外に住んでいる人間の少女のような姿の成れ果てです。イルぶるの住人からは「成れ果ての姫」と呼ばれていて、イルミューイが最後に産んだ子供だとされています。褐色の肌で極めて人間に近い姿をしていますが、腕は4本あり、尻尾も5本生えています。
我が子を取り上げられ続けたイルミューイの怒りと悲しみを受け継いでいて、イルぶるを壊滅させることを目的に動いていました。しかし、ベラフやヴエロエルコからイルミューイの記憶や思いを知らされたことで復讐を止め、イルぶる壊滅後はリコ達と旅に出ました。
【メイドインアビス】成れ果てに対する世間での評判や人気
『メイドインアビス』に登場する成れ果て達は、みな経緯は違いますがアビスの呪いを受けて人間性を失ってしまった者達です。見た目が大きく異なり、1人として同じ姿はなく非常に個性的です。『メイドインアビス』のファン達は、成れ果てになった経緯や姿形からそれぞれお気に入りの成れ果てを見つけています。特に人気だったのは、作中で活躍する主要キャラのナナチやファプタですが、他にもナナチと共に成れ果てになったミーティも人気でした。
成れ果て村での事件に巻き込まれていくリコ達は、その中で極めて人間の姿に近いキャラ・ヴエロエルコと出会い村の成り立ちを知ります。巨大な繭のような外観をした成れ果て村が、実はイルミューイという少女がアビスの遺物によって成れ果ててしまった姿だという事実には、リコ達だけでなくほとんどの読者も衝撃を受けたようです。
成れ果て村での戦いや過去にアビスに挑んだガンジャ隊の秘密が描かれる『メイドインアビス』のアニメ第2期は、第1期以上に人気であり、多くのファンが視聴しました。成れ果ての姿や価値は、人間だった頃の欲望によって左右されるという法則を知り、自分だったらどんな成れ果てになるのだろうと想像するファンも多くいました。
【メイドインアビス】成れ果てとは第6層の呪いを受けた人間だった
『メイドインアビス』に登場する成れ果てとは、深界第6層の呪いを受けて姿が変わってしまった人間達のことでした。成れ果ての姿には、本人や周囲の人間の強い欲望が関係していて、1人として同じ姿の成れ果てがいないという特徴があります。こうした個性的なキャラが登場するのも『メイドインアビス』の魅力となっています。作中には本記事で紹介しきれなかった成れ果ても多く登場しているので、本編を見てお気に入りの成れ果てを探してみてはいかがでしょうか。
この記事のライター
ルキナ
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