【進撃の巨人】無垢の巨人とは?元は人間?メンバーを一覧で紹介
「進撃の巨人」に登場する「巨人」は、作中では正式に「無垢の巨人」という名称をつけられています。はたして「無垢の巨人」はどのような存在なのか、「進撃の巨人」の作中で無垢の巨人となったメンバーについても、その経緯などについて詳しく見ていきます。
目次
【進撃の巨人】とは?
「進撃の巨人」は2009年より連載を開始して以降、爆発的な人気で社会現象にもなった、ダークファンタジー漫画です。アニメ化、舞台化、ゲーム化と様々なメディア展開を続けており、2023年にもアニメの最新シリーズの放映が決定しているなど、まだまだ根強い人気を誇っています。「進撃の巨人」の概要について詳しく見ていきます。
進撃の巨人の作者
「進撃の巨人」の作者は漫画家の諫山創(いさやまはじめ)さんです。2006年に講談社のMGP(マガジングランプリ)にて「進撃の巨人」で佳作を受賞し、さらに2008年には『HEART BREAK ONE』で第80回週刊少年マガジン新人漫画賞特別奨励賞を受賞するなど、多くの賞を獲得しています。
進撃の巨人の概要
「進撃の巨人」は2009年より「別冊少年マガジン」で連載が開始されました。2011年には第35回講談社漫画賞少年部門を受賞し、アニメ化、映画化など様々なメディア展開を続けていきます。ダークファンタジーでありながら魔法などは登場せず「巨人」という圧倒的な脅威と戦う人間達の希望、絶望を描いた作風が多くの読者の心に刺さり、連載終了した今もなお、多くのファンを獲得している名作漫画です。
進撃の巨人のあらすじ
「巨人」の出現により、人々は壁の内側で日々を過ごしていましたが、ある日、壁が破壊されたことによって人類は滅亡の危機に瀕してしまいます。主人公・エレンは母を殺されたことをきっかけに調査兵団に加入し、巨人達を駆逐するための戦いに身を投じていきます。多くの命が奪われていく中で、エレンは巨人達の背景にマーレ、エルディアという二つの国にまつわる古い因縁があることを知り、やがて自身の体に宿した特別な「巨人」の力と、真実に気付いていきます。
【進撃の巨人】無垢の巨人とは?特徴を解説
「進撃の巨人」に登場する最大の敵と言えば、やはりタイトルにも記されている「巨人」です。世界中に出現し、人々を脅かしている巨人ですが、正式には「無垢の巨人」と呼ばれ、様々な特徴を持っています。エレン達が物語を通して戦っていくことになる無垢の巨人の特徴について、詳しく見ていきます。
特徴①人間を食べる
作中の年号にして743年頃に登場した無垢の巨人は、瞬く間に人間を襲い、人類の大半を食い尽くしてしまいます。見た目も大きさも体つきも異なる無垢の巨人ですが、共通しているのは目の前にいる人間を食べてしまうということです。通常の人間よりも多くの歯を有しており、巨大な体で人間を捕まえては、生きたまま躊躇することなく食らいつきます。調査兵団のメンバーも多数、この無垢の巨人に捕食され、死亡していきました。
特徴②色々な容姿がある
「進撃の巨人」に登場する無垢の巨人は、実に様々な容姿が確認されています。手足があり二足歩行するという点は通常の人間と同様ですが、その体のバランスや筋肉や脂肪の割合などは巨人によって異なります。服を身に纏っておらず、体つきこそ男女の大まかな特徴はありますが、共通して生殖器などは存在しないなど、生物というよりも人形のような見た目をしています。
特徴③再生能力がある
無垢の巨人は巨大な体躯による攻撃はもちろん驚異的ですが、どれだけ体を傷付けても即座に回復してしまう驚異の再生能力を有しています。大砲で体の大半を吹き飛ばしてもしばらくすれば問題なく活動を再開し、目などの急所を攻撃してもほぼ反応を見せないなど、痛覚自体も非常に鈍い描写があります。調査団のメンバーは様々な武器を使って巨人に攻撃を加えますが、その再生能力を前に無効化されてしまうことも少なくはありません。
特徴④唯一の弱点はうなじ
「進撃の巨人」の劇中で、その圧倒的な力によって人類を脅かす無垢の巨人ですが、唯一の弱点はその「うなじ」にあります。うなじの縦1m幅10cmの部位を切り落とすことによって再生せず、無垢の巨人を討伐することができます。死んだ巨人は遺体が残らず、塵のように消え去ってしまいます。主人公・エレンらはこのうなじを刃でそぎ落とすことによって、無垢の巨人を駆逐していきます。
特徴⑤通常種と奇行種の違い
「進撃の巨人」に登場する多くの無垢の巨人は「通常種」と呼ばれ、知能は低く、すぐ近くの人間を本能的に狙うなど、行動パターンは似通っています。しかし、中にはあえて遠くの人間を狙ったり、障害物を無視して突っ込んでくる「奇行種」と呼ばれる無垢の巨人も存在します。訓練を積んだ調査兵団のメンバーは徐々に無垢の巨人と渡り合っていくようになりますが、それでもわずかな油断で命を奪われてしまう危険な相手です。
【進撃の巨人】無垢の巨人の正体は人間?条件を考察
「進撃の巨人」の世界中に出現した無垢の巨人ですが、戦いを続けていく中で調査兵団のメンバーはその「正体」に徐々に気付いていきます。「進撃の巨人」の劇中で明かされた無垢の巨人の正体について、考察していきます。
無垢の巨人の正体は人間?
人類の最大の敵に見えた無垢の巨人ですが、実はその正体はエレンらと同様の「人間」であり、ある条件を満たした人間が巨人化することによって肉体を変異させた姿だったのです。「進撃の巨人」の物語序盤から、どこか調査兵団のメンバーが知っている人間の特徴を持つ巨人がいたのは、実はその正体が人間だったことの伏線でした。
無垢の巨人になる条件を解説
物語の中でエレンらは無垢の巨人を駆逐するだけでなく、その正体を探っていく中で、より詳細な無垢の巨人の素性を暴いていきます。今までは謎の多い存在だった無垢の巨人ですが、調査兵団のメンバーによってそのメカニズムが解き明かされていきます。
条件①エルディア人
「進撃の巨人」にはマーレ、エルディアという二つの国家が登場しますが、無垢の巨人になることができるのはエルディア人のみとなっています。これは、巨人になるにはエルディアの始祖となった、ユミルの血筋を引いている必要があるためです。実は主人公のエレンらも、エルディアの血を継いだ人間でした。さらに、調査兵団の中には密かにこの事実を知っているメンバーもおり、とある目的のために暗躍していました。
条件②巨人化の注射
無垢の巨人にはエルディア人だけが変貌できる資格を持ちますが、もう一つ重要な道具が必要になります。それが「巨人化の注射」です。これは巨人の脊髄から抽出された液体であり、エルディア人にこの注射を使うことで無垢の巨人に変貌させることができます。あくまでエルディア人のみに効果があるため、それ以外の人種は巨人化しない無害な薬品になります。巨人化して戦闘力を得ることはもちろんですが、時には瀕死のメンバーを救うためにわざと巨人化させるといった使い方も見られました。
無垢の巨人はどこから来ている?
「進撃の巨人」の戦いの舞台となっている壁に囲まれた都市はパラディ島と呼ばれ、始祖の巨人の力を持つフレッツ王が国民と共に逃げ込んだ場所でした。一方、海の向こう側のマーレに残ったエルディア人は収容区に追いやられており、そこで不正を働いたり問題だと判断された人間は、巨人化の薬によって無垢の巨人に変えられ「楽園」と呼ばれるパラディ島に送られ、永遠に彷徨うこととなったのです。これを知っているメンバーは調査兵団結成前から暗躍し、ある目的のために素性を偽って活動していました。
無垢の巨人から人間に戻る方法はある?
一度、無垢の巨人になってしまうと、知性を捨てて人間を喰らう怪物になってしまいますが、巨人になった人間が元に戻るためには「九つの巨人」と呼ばれる存在を喰らう必要があります。無垢の巨人よりも上位に存在する巨人の力を取り入れることで、巨人化の力を有したまま、人間の姿を取り戻すことができます。暗躍しているメンバー達はいずれもこの「九つの巨人」の力を有しており、無垢の巨人とは異なり、自在に巨人化することができます。
無垢の巨人とエレンの衝撃的な関係
「進撃の巨人」では主人公・エレンらの敵として立ちはだかった無垢の巨人ですが、実はエレンとも深い関係性を秘めていました。無垢の巨人は「九つの巨人」を喰らうことで人間に戻ることができますが、実はエレンこそがその「九つの巨人」の内の一つの力を継ぐ存在だったのです。知らず知らずのうちに父・グリシャからエレンは力を受け継いでおり、その巨人の名前こそが作品のタイトルにもなっている「進撃の巨人」でした。
【進撃の巨人】無垢の巨人のキャラ・メンバー一覧
ただの怪物ではなく、元は人間であったという驚愕の正体を秘めていた無垢の巨人ですが、マーレ、エルディアという二つの国を繋ぐ重要な存在でもありました。作中では様々な理由から無垢の巨人に変わってしまったキャラクター達が存在します。ここからは、無垢の巨人になってしまったメンバーについて詳しく見ていきます。
無垢の巨人①ユミル
エレンとは同期メンバーで104期生であるユミルは、継承した「顎の巨人」の力をポルコに渡した後、死亡してしまいます。実はユミルもまたマーレから楽園に送られてしまった人間の一人で、実に60年という月日を無垢の巨人として彷徨っていました。しかし、偶然にも「顎の巨人」の能力を所有するマルセルを捕食したことにより、人間の姿を取り戻していたのです。以降はライナー、ベルトルトらと同様に調査兵団メンバーに紛れ、活動していました。
無垢の巨人②イルゼイーター
調査兵団のメンバーの一人であるイルゼ・ラングナーを捕食した無垢の巨人は、通称「イルゼイーター」と呼ばれています。通常の巨人とは異なり、イルゼを捕食する前に言葉を話すなど、奇行種としての妙な行動をとりました。当時は意味不明な言葉の羅列だと思われていましたが、物語の根幹に関わる「ユミル」の名を呟くなど、この段階から伏線が仕込まれていたことが分かります。
無垢の巨人③カルライーター
「進撃の巨人」の冒頭にて、エレンの母親・カルラを捕食したことから「カルライーター」と呼ばれる女性型の巨人です。エレンが戦いに身を投じるきっかけを作った存在ですが、実はエレンの父・グリシャと深い関係を持つ女性・ダイナが無垢の巨人になった姿だったのです。薬によって巨人化したダイナがグリシャの元へ向かったのは、皮肉にも彼女が告げた「どんな姿になってもあなたを探し出す」という言葉通りの結果となりました。
無垢の巨人④トーマスを食べた巨人
調査兵団の一人であるトーマスを捕食したことから「トーマスイーター」の名前で呼ばれる巨人です。奇行種であり、通常の無垢の巨人のように手で人間を捕まえて捕食するのではなく、走高跳びのように跳躍し、直接噛みつくことで人間を捕まえて見せました。驚異的な身体能力を誇る巨人でしたが、巨人化したエレンにうなじを噛みちぎられることで死亡します。
無垢の巨人⑤マルセルを食べた巨人
ライナーやベルトルトが「始祖の巨人」を奪還するために動き出した最中、仲間の一人であるマルセルを捕食した巨人です。長い髪を持つ女性の面影を残した無垢の巨人ですが、その正体は長らく彷徨い続けていたユミルであり、この出来事がきっかけで彼女は「顎の巨人」の力を獲得しました。以降、ユミルは他のメンバーと志を共にし、活動していきます。
無垢の巨人⑥コニーの母親
調査兵団のメンバーであるコニーの家を破壊し、横たわっていた巨人です。体が不完全だったことから行動不能になっており、この状況を利用され捕獲されました。ですが、近付いたコニーに対し「オアエリ(おかえり)」と言葉を発したことで、「巨人の元は人間なのではないか」という疑問をメンバーに抱かせた、非常に重要なポジションの巨人です。
無垢の巨人⑦コニーの父親
コニーの母親と同様、父親もまた無垢の巨人として登場しています。実はコニーが住んでいた村は「猿の巨人」の力を持つジークによって全員、無垢の巨人に変えられてしまっており、調査兵団達に駆逐されることになってしまいました。ある意味で、コニーの母親が生きたまま捕獲されたのは、唯一の幸運と呼べるかもしれません。
無垢の巨人⑧マーティン・スプリンガー
コニーの妹ですが、作中では行方不明となっています。しかし、ウトガルド城へ集まってくる巨人の中にいたという説が有力であり、両親同様、ジークによって無垢の巨人に変えられてしまい、知能を失っている可能性が高いです。
無垢の巨人⑨サニー・スプリンガー
コニーの弟ですが、妹のマーティン同様、ジークによって無垢の巨人に変えられ、行方不明になっています。ウトガルド城ではマーティンと二人で登場し、じゃれ合っている姿が目撃されています。他の無垢の巨人とは違い、相手の体を容赦なく引きちぎるなど、どこか残酷な攻撃を繰り出してくるのも、元となった人物が「無垢な子供」だからではないか、という考察が有力です。
無垢の巨人⑩髭の巨人
蓄えた髭と禿げ上がった頭が特徴的な、無垢の巨人です。その正体はエルディア復権派メンバーの一人であり、グリシャの過去の記憶の中に髭を蓄えた男性が登場することから、この男性が元となっていると考察されています。その巨体から調査兵団を苦しめ、一度はエレンを飲み込むなど、思わぬ活躍を見せた巨人の一人です。
無垢の巨人⑪ビッグマウスの巨人
髭の巨人同様、エルディア復権派のメンバーの一人が無垢の巨人となった姿です。他の巨人に比べて大きく開いた口が特徴的で「ビッグマウスの巨人」と呼ばれています。無垢の巨人でありながら非常に機動性が高い動きを見せ、エレンの足を食いちぎり、ミリウスとナックを捕食するなど「進撃の巨人」の中でも多くの被害者を出した巨人です。
【進撃の巨人】無垢の巨人に対する世間での評判や人気
「進撃の巨人」の劇中では、倫理観などを一切感じさせない無垢の巨人ですが、善悪を考えず相手を蹂躙する姿を「無垢」と称しているのでは、と考察するファンも多いようです。意思や思考を感じさせない表情のまま、どこか無邪気に目の前の物を破壊し、人間を襲っていく無垢の巨人は「進撃の巨人」を象徴づける、非常にインパクトの大きい存在です。
「進撃の巨人」では人類を脅かす敵として描かれる無垢の巨人ですが、その正体がエレンらと同じ人間であったということから、様々な背景を考察するファンも多いようです。結果的に無垢の巨人は「脊髄液」を利用することによって、いわば人工的に生み出された存在です。物語冒頭は素性の分からない不気味な相手でしたが、人間によって作られたいう予想外の設定は、読者、視聴者を大きく驚かせました。
「進撃の巨人」はダークファンタジーということでグロテスクな描写も多いのですが、やはり無垢の巨人達の生々しく、容赦のない捕食シーンは「進撃の巨人」を象徴するシーンと言えます。劇中を通してショッキングなシーンが続きますが、ゆえにエレンらの「自由」を求めて戦う必死な姿が印象的になり、ファンの心を大きく惹きつけています。
【進撃の巨人】無垢の巨人の正体は人間だった
「進撃の巨人」にて人類を脅かす無垢の巨人ですが、その正体はエレンらと同じ人間でした。物語が進むにつれ、無垢の巨人が生まれるきっかけとなった「九つの巨人」や「始祖の巨人」といった重要な要素、マーレとエルディアの因縁など次々に重大な伏線が解き明かされていきます。2023年放映のアニメでは「進撃の巨人」の物語に遂に終止符が打たれるため、是非、壮大なダークファンタジーの結末を見届けてください。
この記事のライター
創也慎介
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