【うる星やつら】チェリーはトラブルを巻き起こす？正体や名前の由来も

『うる星やつら』には、多くの個性的なキャラが登場します。その中でも特に個性が際立っているのが、「チェリー」と呼ばれているお坊さんです。うる星やつらのチェリーとは、一体どういったキャラでしょうか？本記事では、チェリーの正体や魅力、家族などを詳しく解説します。まずはチェリーのプロフィールや、うる星やつらの基本情報について見ていきましょう。

うる星やつらのチェリーは、いつもどこからともなく現れる謎のお坊さんです。子供と同じくらいの低身長で、いつも袈裟を着ています。チェリーが現れるとトラブルが起きるため、あたるやラムからは敬遠されています。大食いでお酒が好きという、お坊さんらしくないところも多々あります。

うる星やつらは、1978年から1987年まで少年サンデーで連載されていた漫画です。最初は不定期連載でしたが、1980年から本格的に週刊連載となりました。斬新な内容と個性的なキャラクターが人気を集め、一大ブームを巻き起こしました。すでに35年も前に連載が終わった作品にも関わらず、現在でも多くのファンがいる国民的漫画です。

1981年にはテレビアニメの放送が始まり、それから約4年半も放送が続きました。テレビアニメ以外にもOVAが作られた他、劇場版のアニメも6作品が制作されました。2022年には新作アニメの制作が決まり、フジテレビのノイタミナ枠で10月から放送が開始しました。

ある日宇宙から、地球征服を企む鬼族がやって来ました。鬼族は自分たちの代表と地球人の代表で戦い、自分たちが勝ったら地球をもらうと言いました。地球人代表に選ばれた諸星あたるは、鬼族代表であるラムと鬼ごっこをすることになります。なんとかラムに勝ったあたるでしたが、プロポーズされたと勘違いされたラムに付きまとわれるようになりました。それからというもの、あたるはトラブルだらけの毎日を送るようになるのでした。

チェリーはうる星やつら屈指のトラブルメーカーで、チェリーが登場すると必ずトラブルが起きます。単にチェリーがトラブルを予見しただけのこともあれば、チェリー自体がトラブルのもとになることもあります。チェリーはうる星やつらの1話から登場していますが、登場するなり諸星あたるを川に突き落としていました。

チェリーの魅力のひとつに、自爆体質というものがあります。チェリーは作中で爆発することが多く、この爆発に周囲はよく巻き込まれています。この爆発でダメージを負うのは主に周りにいる人間で、チェリー自体には何のダメージもありません。この爆発シーンは、インパクトのあるギャグシーンとしてたびたび作中に登場します。ややシリアスなシーンでも、チェリーの爆発が起こることで一気にコミカルなシーンへと様変わりします。

うる星やつらのトラブルメーカーであるチェリーは、ほぼすべてのメインキャラに迷惑をかけています。ラムも例外ではありませんが、その割にはチェリーはラムの電撃を受けたことがありません。その代わり、諸星あたるなど他のキャラからは袋叩きに合うことがあります。周りが率先して攻撃しているため、ラムが攻撃をする必要がないとも推察できます。

うる星やつらには、コタツネコというキャラが途中から登場します。コタツネコはコタツに執着している化け猫で、人間よりも大きな体をしています。力は強いですが性格は温厚で、基本的に害はありません。チェリーと仲が良く、チェリーの住処となっている空き地でよく2人一緒に過ごしています。チェリーとコタツネコは相性が良いようで、まったりと過ごしている姿がよく描かれています。

うる星やつらのチェリーには、背後霊が憑依しています。普段は見えませんが、作中でこの背後霊が姿を現したことがあります。チェリーの背後霊は大柄の僧侶で、非常に口が悪いです。また、姪のサクラには守護霊が憑いていますが、この守護霊もチェリーの背後霊と同じくらい口が悪いです。チェリーとサクラ自体は仲が良いですが、霊同士は顔を合わせるたびに喧嘩をしています。

チェリーとサクラはある日、諸星家のトラブルを収めようとし、間違えて自分たちの背後霊と守護霊を呼び出してしまいました。現れた守護霊と背後霊は、お互いの主のことを罵り始めます。それを聞いたチェリーとサクラは、ついに本人同士も喧嘩を始めたのでした。普段何を言われても飄然としてるチェリーが、珍しく自分の悪口に苛ついたシーンでした。

チェリーには妹がおり、その妹は友引町に住んでいます。しかし、チェリーはその家には一緒に住んでおらず、普段は友引町にある空き地にテントを張って暮らしています。食事も自分で作っているようで、空き地で火を起こして鍋を煮込む姿が描かれています。たまに諸星家に現れては、勝手に食事を平らげてしまうこともあります。基本的には友引町に住んでいますが、たまに旅に出ることもあるようです。

うる星やつらの作者の高橋留美子さんは、うる星やつらの後も次々とヒット作を生み出しています。高橋留美子さんの他の作品には、隠しキャラとしてチェリーがたびたび登場します。チェリーは独特な顔つきをしているため、すぐに気づく読者も多いようです。高橋留美子さんの他作品を読むときは、どこかにチェリーが隠れていないか探してみるのも楽しいでしょう。

うる星やつらに登場するチェリーは、お坊さんということだけはわかっています。しかし、それ以外の正体については不明で、年齢や本当の名前、住所など何もわかっていません。本当にお坊さんかどうか、疑問に思う人もいるでしょう。では、一体チェリーとは何者なのか、彼の正体について迫ります。また、チェリーの正体と併せて、名前の由来や家族についても解説します。

うる星やつらのチェリーの正体は、法力を使う高僧です。普段の様子を見ていると高僧には見えませんが、チェリーが法力を使えることは確かです。「喝っ！」という一声だけで、大量の悪霊を祓ったこともあります。また、法力をこめたリボンを諸星あたるに渡し、そのリボンでラムの能力を封じたこともありました。このように、法力自体は本物ですが、その結果は常に悲惨なことになります。そのため、チェリーが法力を使っても、周囲の人間は誰もありがたく思いません。

チェリーの正体は法力を使えるお坊さんでもあり、薬を作る薬師でもあります。チェリーはよく空き地で薬を作り、その薬がトラブルを引き起こすこともあります。チェリーが作る薬は若返りの薬や童心にかえる薬など、驚くような秘薬ばかりです。実際に効果もあるため、チェリーの薬師としての腕前は相当なものだといえるでしょう。

チェリーという名前の由来は、「錯乱坊」というお坊さんの名前からきています。チェリーの本当の名前はわかりませんが、お坊さんとしての「錯乱坊」という名前は登場時に自己紹介で言っていました。おそらく周囲を錯乱状態に陥れるという理由から、「錯乱坊」と名付けられたのだと推測できます。

「チェリー」というのは愛称で、本人がそう呼んでくれと作中で言っていました。1話で「チェリー」という愛称が登場して以来、最終回までずっとチェリーと呼ばれ続けることになります。チェリーという名前は、「錯乱坊（さくらんぼう）」という名前の読みから取ったダジャレです。

うる星やつらのチェリーには、まるで双子のようにそっくりな妹がいます。妹は、チェリーにパーマのカツラをかぶせただけのような容姿をしています。チェリーの妹は神社に住んでおり、娘と一緒にお祓いなどの儀式を請け負っています。この妹の名前はわかっておらず、夫の存在も不明です。

うる星やつらのチェリーには、妹の他に家族がもう1人います。それが妹の娘である、姪のサクラです。サクラはチェリーと血が繋がっていることが信じられないくらいの美女で、普段は巫女をしています。大量の悪霊に取り憑かれていたことでずっと病弱でしたが、それらの悪霊が諸星あたるにうつったため健康体を取り戻しました。諸星家にトラブルがあるとチェリーとともに乗り込んでくることが多く、チェリーに負けず劣らず災厄を撒き散らしていきます。

「不吉じゃ」は、チェリーが登場する際によく使うセリフです。チェリーがこのセリフとともに現れると、言葉通りかなりの確率で良くないことが起こります。チェリーといえばこのセリフというくらい、お馴染みのセリフです。チェリーがこのセリフを言うときは、その後にドタバタの展開が続くのがお決まりです。

「運命（さだめ）じゃ」は、「不吉じゃ」と同じくらいチェリーがよく使うセリフです。チェリーがこのセリフを言うときは、たいてい諸星あたるに不幸が降りかかったときです。あたるがひどい災厄に見舞われていても、チェリーはたいてい「運命じゃ」の一言で締めてしまいます。

こちらは、珍しくチェリーがお坊さんらしいことを言ったときのセリフです。自分もお坊さんとして修行を積んでいるチェリーだからこそ、言うことができたセリフでしょう。普段は本当にお坊さんかと疑ってしまいたくなるチェリーですが、こういうセリフを聞くとお坊さんとしての真実味が出てきます。

うる星やつらには、旧作と新作の2つのアニメがあります。新作アニメは声優が一心されたため、チェリーを演じた声優は2人います。ここでは、旧作と新作でうる星やつらのチェリーを演じた声優について、それぞれのプロフィールなどをまとめています。これまでに出演した作品も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

うる星やつらの旧作アニメでは、チェリーの声を永井一郎さんが担当していました。永井一郎さんは『サザエさん』の波平役でも有名で、声に聞き覚えがある人も多いでしょう。残念ながらすでに亡くなってしまいましたが、永井一郎さん演じるチェリーはどこか憎めない愛嬌のある声をしていました。

チェリー役の永井一郎さんは、1931年5月10日生まれの声優です。大阪府池田市に生まれ、高校までは地元の学校に通っていました。その後は京都大学に進学し、文学部仏文科を卒業しています。学生時代に芝居を見たことをきっかけに、役者を志します。大学卒業後に上京し、広告代理店で働きながら俳優の養成所に通いました。

養成所を卒業後、劇団三期会で吹き替えの仕事をするようになり、徐々に声優としての仕事が増えていきました。その後、東京俳優生活協同組合、同人舎プロダクション、東京アーチストプロと事務所を変え、最終的には青二プロダクションの所属となりました。2009年には、第3回声優アワード功労賞を受賞しています。年を取ってからも精力的に活動していましたが、2014年1月27日に心不全でこの世を去りました。

永井一郎さんはサザエさんの磯野波平の他、『ゲゲゲの鬼太郎』の子泣き爺や『YAWARA！』の猪熊滋悟郎など、多くの人気キャラを演じています。高橋留美子さん原作の『らんま1/2 熱闘編』では、チェリーがもとになったといわれている八宝菜というキャラも担当しています。他の出演作や担当キャラは、『ドランゴンボール』の猫仙人（カリン）や鶴仙人、『宇宙戦艦ヤマト』の佐渡酒造、『悪魔くん』のファウスト博士などです。

うる星やつらのチェリーの声を引き継いだのは、現在多くの作品で活躍している高木渉さんです。高木渉さんはこれまでにも多くの役を担当してきたため、癖のあるチェリーも上手に演じています。永井一郎さん演じるチェリーの雰囲気もしっかり残っており、旧作アニメのファンからも新しい声に違和感がないと評判です。

高木渉さんは、1966年7月25日生まれの声優です。千葉県君津市出身で、アーツビジョンに所属しています。もともとは舞台俳優志望でしたが、声優業にやりがいを感じ、徐々に声優としての活動がメインとなっていきます。声優としてのデビュー作は、1987年に放送されたテレビアニメの『ミスター味っ子』です。2016年に大河ドラマの『真田丸』に出演したことをきっかけに、テレビドラマへの出演も増えました。

高木渉さんの代表作は、1996年から放送が始まった『名探偵コナン』です。高木渉さんはこの作品で、小嶋元太や高木刑事、仮面ヤイバーなど、多くのキャラを演じています。第5作目の『ゲゲゲの鬼太郎』では、ねずみ男の役を引き継いでいます。その他の主な出演作品と担当キャラは、『はじめの一歩』の青木勝、『トリコ』のゾンゲ、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の虹村億泰などです。

チェリーには「錯乱坊」というお坊さんとしての名前がありますが、この名前は滅多に出てきません。そのため、新作アニメのうる星やつらを見て、初めて錯乱坊という名前を知った人もいたようです。チェリーという名前がダジャレだったと知って、高橋留美子さんのギャグセンスに感心する人もいました。

チェリーは作中のキャラたちからは嫌われていますが、現実のファンからは人気があるようです。他のキャラにも負けないくらい、「チェリーが好き」というコメントが多く見られました。チェリーは存在自体が面白く、登場するだけで笑ってしまうという人もいました。

うる星やつらのチェリーに関しては、「可愛い」という感想も寄せられていました。チェリーは初登場時はただの小柄な年寄りでしたが、徐々にデフォルメされて2等身キャラとなりました。2等身になったことでゆるキャラ的な存在となり、可愛さも増したようです。

うる星やつらのチェリーは、トラブルばかり引き起こす迷惑なお坊さんです。しかし、チェリーがいたからこそ、うる星やつらでは数々の面白いエピソードが生まれました。物語にスパイスを与えてくれるチェリーは、うる星やつらに欠かすことができない存在だといえるでしょう。新作アニメでも序盤から登場するため、ぜひチェリーの活躍を改めて確認してみてください。