【ワンピース】フィルムレッドの時系列がおかしい？旅立ちから現在まで

「FILM RED（フィルムレッド）」は2022年に公開されたワンピースの映画です。大ヒットを記録した一方で、多くのファンから「時系列がおかしい」と指摘されている作品でもあります。フィルムレッドの設定とワンピースの原作を比べるとおかしい所があると言われているのです。この記事ではフィルムレッドの時系列や、ワンピースのルフィ旅立ちから現在までの経過について解説します。まずは、ワンピースやフィルムレッドという作品について簡単に紹介します。

『ワンピース』は週刊少年ジャンプで連載され続けている漫画作品で、海外でも非常に人気の高い作品です。「尾田栄一郎」さんによって1997年から週刊少年ジャンプで連載が開始され、25年以上経過した2023年7月には単行本106巻が刊行されました。1999年からはアニメの放送が開始され、2023年10月現在でも放送が続いています。また、2000年には劇場版の第1作が公開され、2022年時点では全部で15作の劇場版が公開されました。

『ONE PIECE FILM RED』は2021年に放送されたワンピースのアニメ第1000話放送直後に制作が発表され、総合プロデューサーとして尾田栄一郎さんが参加したワンピースの15作品目の劇場版です。2022年8月6日から2023年1月29日まで公開していて、2023年8月6日に同年の10月20日から1ヶ月間の再上映をする事が発表されました。興行収入は国内で197億円で日本での歴代興行収入は5位を記録し、海外では319億円を記録しています。最終的な観客動員数は1427万人を記録しました。

世界中の人間を魅了させる歌を持つ「ウタ」はこれまで素性を隠したまま活動していましたが、音楽の島「エレジア」で初めて公の場に姿を現そうとしていました。ライブが始まった会場には多くのファンだけでなく麦わらの一味の姿もあり、1曲目の終了後にステージ上でルフィがウタに声をかけた事でルフィの幼馴染だった事等ウタの正体が判明します。ウタの正体を知ってウタを狙った海賊達はウタの能力に撃退され、能力を知ってウタを危険視した世界政府や海軍が動き始めました。

フィルムレッドの中での設定は、原作の登場人物や描写等と矛盾している点があり時系列がわからないと言われています。ここからは、フィルムレッドの時系列がおかしいと言われている理由について解説していきます。

ジンベエが一味の仲間として本格的に合流したのはワノ国編で討ち入りを行った後です。フィルムレッドでは、ジンベエは麦わらの一味として船に乗っていて仲間として登場しました。ジンベエはがすでに仲間である事から、ワノ国編後であると予想ができます。

シャーロット・リンリンこと「ビッグ・マム」は、ワノ国編で「トラファルガー・ロー」と「ユースタス・キッド」に敗れマグマへと落下した上に落ちてきた爆弾が爆発しました。死亡した描写が無いのと本人の強さから生きている可能性もありますが、106巻時点では本編に登場していません。しかし、フィルムレッドに登場したビッグ・マムは、非常に元気な状態でした。この事だけを考慮すると、フィルムレッドはワノ国編以前の時系列ということになり、前述した時系列と矛盾が生じてしまいます。

フィルムレッドでは「ロロノア・ゾロ」が「閻魔」をすでに手にしていました。閻魔はワノ国で日和に秋水を返した代わりに譲渡されたものです。譲渡された後はそのまま「金色神楽」でカイドウやビッグ・マムとの決戦に参加しているため、ゾロが閻魔を持っているという事は時系列はワノ国編の後でないと本編と矛盾ができてしまうためおかしい事になってしまいます。

ルフィはフィルムレッド作中での戦闘で、ギア5のニカと見られる状態へ変身しました。ギア5となれるようになったのはカイドウとの戦いの最中であり、時系列がワノ国編終了後でないとおかしい部分が発生してしまいます。

「ゼウス」はビッグ・マムのソルソルの実の能力によって生まれた、ホーミーズと呼ばれる擬人化した物体の1人です。ゼウスはホールケーキアイランド編でビッグ・マムを裏切ってナミに捕まってそのまま裏切ってサニー号に居着きました。ワノ国編で再びビッグ・マムの元へと戻りますが、最後はナミに鞍替えしています。ゼウスがナミの味方についている事から時系列は最低でもホールケーキアイランド編後だと推測できます。

次にフィルムレッドの時系列はワンピース本編ではどの辺りなのかやおかしい部分について考察を行っていきます。また、ワンピースの映画はパラレルワールドである事が多いため、パラレルワールドという可能性も含めて様々な時系列を考えていきます。

フィルムレッドは最低でもホールケーキアイランド編が終了後ではないとおかしい部分が出てしまいます。理由は、ルフィ達とビッグ・マム海賊団の面識がある事・ルフィが「5番目の海の皇帝」と認識されていた事が理由です。ビッグ・マム海賊団のメンバーと会ったのはホールケーキアイランド編の最中であり、ホールケーキアイランド編後にモルガンズが発行した新聞の影響で5番目の皇帝と呼ばれるようになりました。この2つの理由から最低でもフィルムレッドはホールケーキアイランド編の後になります。

フィルムレッドでは、ジンベエが合流済・閻魔・ギア5とワノ国編で起きた出来事がいくつもありました。そのため作中でのルフィ達は最低でもワノ国を訪れた後でないとおかしい部分をいくつも生み出してしまうため、ホールケーキアイランド編とワノ国編の間という可能性は非常に薄いです。

これまでの内容から、フィルムレッドはワノ国編の後の時系列であると考えられます。ただし、ビッグ・マムは作中では非常に元気な姿を見せていて、ワノ国編で負けた後死亡描写は無いものの106巻まで経過した時点でも行方が分かっていません。しかし、本編と関係している場合は一番可能性が高い時系列ではあります。

最後にフィルムレッドの世界が、パラレルワールドであるという可能性もあります。本編との矛盾が多少あってもパラレルワールドであれば時系列は関係は無くなり、問題はありません。しかし、ワンピースの劇場版は基本的にパラレルワールドとされていますが、1055話でヒロインの「ウタ」らしきキャラが登場しています。

「モンキー・D・ルフィ」は東の海にあるフーシャ村で育ちました。7歳の頃に「シャンクス」の影響を受けてルフィは海賊へ憧れを持つようになり、シャンクス達の持ち物である「ゴムゴムの実」を能力者となったのもこの頃です。10年が経過し17歳となったルフィは、海賊王を目指し海へと旅立ちました。

旅立ち後ルフィは「ロロノア・ゾロ」を仲間にして「麦わら海賊団」を結成し、「ゴーイングメリー号」と共に仲間を集めながら旅を続けていました。東の海でアーロンを倒した事で3000万ベリーの賞金首となり、アラバスタ王国で七武海「サー・クロコダイル」を倒して1億ベリー、ロビンを取り返すためにエニエスロビー殴り込んだ後は3億ベリーの賞金首となります。エニエス・ロビー編ではゴーイングメリー号と別れを迎えますが、新たな船「サウザンドサニー号」がフランキー達の手で建造されました。

サニー号と再び旅に出た麦わらの一味は七武海「ゲッコー・モリア」に勝利後、シャボンディ諸島に辿り着きます。天竜人をルフィが殴った事で海軍が集まり、七武海「バーソロミュー・くま」によって一味はバラバラとなりました。飛ばされた地でエースが処刑される事を聞いたルフィは、七武海「ボア・ハンコック」の助力もあり白ひげと海軍が戦う頂上戦争へと乱入します。エースを目の前で失ってしまった結果となり力不足を感じたルフィは、仲間達へ2年後に再び集まる事を伝え麦わらの一味は潜伏期間に入ります。

2年が経過した後、再び集合した麦わらの一味は訪れた魚人島でビッグ・マムに宣戦布告をします。ハートの海賊団とパンクハザードで同盟を締結し、ドレスローザで共に七武海「ドンキホーテ・ドフラミンゴ」を倒した事で5億の賞金首となりました。ゾウで一時離脱した「サンジ」を奪還するためトットランドへと侵入し、「シャーロット・カタクリ」を倒す等ビッグ・マム海賊団に大打撃を与えた上でトットランドを脱出しました。

トットランド脱出後はワノ国へと漂着しました。カイドウには1度敗れたルフィは囚人採掘場で「キッド」と再会し特訓に励みます。その後カイドウの百獣海賊団の本拠地「鬼ヶ島」へとローやキッド達と討ち入り、最終的にギア5に覚醒してカイドウに勝利しました。この勝利でルフィは四皇の1人として数えられ、懸賞金も30億へと跳ね上がります。ワノ国から離れた後は「ジュエリー・ボニー」を助けた後にエッグヘッドに辿り着きました。

フィルムレッドの評価は5段階評価で1と5の2つの評価に真っ二つに分かれ、平均化すると評価は3となります。ただ、視聴した人の中には評価が両極端になる理由が分かる人も少なくなく、合う人に合い合わない人には合わない作品だと言われています。

「ウタ」はフィルムレッドのヒロイン兼ラスボスであり、2022年の紅白にも出場した初めてのアニメキャラです。映画上映後はウタの出演が増え、公式がウタをゴリ押していると感じる人が出始め嫌いや苦手となる人が続出し始めました。しかも、ウタのファンの中には過激なファンも存在している他ウタの取り巻く状況に同情するような視聴者も存在します。

フィルムレッドの時系列を気になっている人は多く、映画が面白いかどうかより時系列がおかしい所が気になってるような人も見かけられました。しかし、視聴者の中には時系列が気になっている人だけではなくパラレルワールドだと前提で見てる人や、面白ければ関係無いと思っている人も存在しています。

この記事ではフィルムレッドでおかしいと言われている時系列の解説や、ルフィの旅立ちから現在までの経過等について解説してきました。確かに、フィルムレッドの設定は本編と矛盾している点もあり「時系列がおかしい部分が気になる」とコメントする人も少なくはありません。しかし、時系列を気にしない又はパラレルワールドとして見れば面白い作品だと評価する人もいました。