【ワンピース】福ロクジュの正体は味方？敵？登場キャラとの関係性も

さまざまな人物が入り乱れた『ワンピース』のワノ国編において、ひときわ異彩を放つ行動で注目を集めたのが「福ロクジュ」です。彼は一体何を企んでいたのか、その目的と正体、またオロチやカイドウらとの関係も気になるところですが、まずは基礎的な情報から押さえておきましょう。

『ワンピース』に登場する福ロクジュは、ワノ国の将軍黒炭オロチ配下の忍者隊「オロチ御庭番衆」の隊長を務める人物です。身長221㎝、誕生日は3月29日になります。本編では単行本92巻第931話にて初めて登場しました。異常なほど長い頭頂部と耳たぶ、あごひげが特徴となっています。

正体が気になる『ワンピース』の福ロクジュですが、強さや能力はどれほどなのでしょうか。彼が特に優れているのは、隠密行動と諜報能力です。戦闘においても高い能力を有しており、体術と忍術の双方で雷ぞうと好勝負を繰り広げました。必殺技として「耳たぶクラッカー」や「金縛りの術」を持ちます。本編内での描写がないことから、悪魔の実の能力者ではないとみられていますが、定かではありません。

ワノ国編で福ロクジュが暗躍する『ワンピース』は、1997年の開始以来現在まで絶大な人気を維持し続けている冒険漫画で、作者は尾田栄一郎になります。「週刊少年ジャンプ」に掲載されており、単行本は現在（2023年10月時点）106巻が出ています。4億部を超える国内累計発行部数は、漫画としては前人未到の数字となっています。

オロチやカイドウらとの関係が注目される福ロクジュが登場する『ワンピース』は、「ひとつなぎの大秘宝（ワンピース）」をめぐって争いが繰り広げられる世界を舞台に展開します。「大海賊時代」という波乱の時代に生まれた少年ルフィは、海賊への憧れを募らせつつ成長しました。そして冒険の海に乗り出した彼は、次第に仲間を増やしつつ、強大な敵に立ち向かっていくことになります。

『ワンピース』ワノ国編で謎の行動を繰り広げた福ロクジュですが、一体何者なのでしょうか。ここでは彼の正体や行動原理について探っていきます。

『ワンピース』ワノ国編に登場する福ロクジュは、オロチお庭番衆隊長の座に就くまでは光月家お庭番衆隊長を務めていました。つまり裏で光月家を支える役割を負っていたわけですが、主人である光月おでんはオロチとカイドウらの罠にはまり処刑されてしまいます。すると福ロクジュは、すぐさまそれまで敵だったオロチ側に付くという行動に出たのでした。

『ワンピース』の福ロクジュの正体について考察していますが、上の行動を見ると、彼は保身がすべてで変わり身が早いだけの人物に見えます。では敵で決まりかというと、巷には味方説も存在しているようです。しかし味方であるなら、雷ぞうとの会話で明かしてもよさそうですが、そうはしていません。それもオロチが生きていることを見越しての芝居だった可能性はあるものの、やはり味方の線は薄いとみるのが妥当でしょう。

『ワンピース』の作中で裏切り行動を繰り返し、正体が見えない福ロクジュですが、彼の真の狙いはロードポーネグリフにあるとする見方もあります。福ロクジュはその時々の状況で付く側をコロコロ変えていますが、それは保身のためでなく、鬼ヶ島にあるとされるロードポーネグリフの写しを探すためだという意見です。これが正しいとすると、彼と世界政府との間の関係が浮かび上がってきます。

オロチの死後カイドウに仕えた福ロクジュですが、麦わらの一味との戦闘に際しては、なぜか1人皆と逆方向へ向かう姿を見せています。この行動はホテイにも不審がられていて、予定外のものだったことは確実です。また急いでいる様子から、相当重要な用事だったこともうかがえます。彼が向かったのは方向から見て城内だと思われますが、だとすると斬られたオロチの元へ向かったという推測もできます。オロチが実は生きていることを隠蔽しようとしての行動だったのではないでしょうか。

数々の謎めいた行動で正体や目的が読めない『ワンピース』の福ロクジュですが、作中での他キャラとの関係も気になるところです。ここでは、オロチやカイドウらと福ロクジュがどうつながっているのかについて見ていきましょう。

『ワンピース』に登場する雷ぞうはワノ国出身の忍者で、別名「霧の雷ぞう」と呼ばれます。福ロクジュと雷ぞうは、かつて光月御庭番衆として共にしのぎを削りあった関係で、いわばライバル同士でした。その関係をさらに複雑にしたのが福ロクジュの妹・福みで、彼女と雷ぞうの間には不幸な恋の行き違いがあり、そのために病弱な福みは命を落とします。福ロクジュはそれを恨みに思い、雷ぞうへの敵がい心を募らせたのでした。

カイドウは、『ワンピース』における「四皇」の1人です。福ロクジュはオロチと主従関係を結んでいましたが、そのオロチがカイドウに敗れるや、すぐさまカイドウ側に寝返りました。しかし、その後前述のような怪しい行動を取っていることから見て、最初から本気でカイドウに仕える気はなかったようにも思われます。

『ワンピース』に登場する黒炭オロチは、ワノ国の将軍代理として悪政の限りを尽くしてきた人物です。元々光月家の御庭番衆隊長だった福ロクジュは、オロチが権力の座に就くとそちらへ乗り換えを図りました。その後福ロクジュは、オロチがカイドウに斬られたのを機にカイドウに寝返った…と思いきや、実は生きていたカイドウに仕え続けていたことが明らかとなっています。

『ワンピース』の居眠り狂死郎は、オロチに仕える侍の1人で、ワノ国のやくざ連のトップに立つ「狂死郎一家」の親分でもあります。福ロクジュとはいわば同僚の間柄で、作中では特に利害が衝突することもなく、共に比較的良好な関係を築いていたようです。

『ワンピース』のCP-0は、世界政府の諜報機関として最上級に位置する組織で、「世界最強」の評価を得ています。そのCP-0と福ロクジュの間には関係があるという説があり、これによると彼がコロコロと主君を変えるのは、「CP-0のスパイとしてワノ国を見張る任務を負っていたため」だと説明されています。

すぐに主君を変えたかと思うと、そうとも言えないような行動を取るなど正体がつかみにくい福ロクジュですが、アニメ版の彼についても気になるところです。ここではアニメ版『ワンピース』で福ロクジュを演じている声優の情報をお届けします。

アニメ『ワンピース』で正体や行動が読めない福ロクジュを演じているのは、尾形雅宏です。尾形氏は千葉県出身の声優で、アニメのほかにもゲームや特撮作品などに出演しています。

アニメ版『ワンピース』で福ロクジュの声を担当する尾形雅宏は、1972年5月5日生まれの現在51歳です。出身は千葉県で、1990年代から声優のキャリアをスタートさせました。事務所は「元氣プロジェクト」を経て、現在は「悟空」に所属しています。

福ロクジュの声を当てている尾形雅宏の『ワンピース』以外の主な出演作品は、『サイレントメビウス』（ディロス）、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』（アズマ）、『人造人間キカイダー THE ANIMATION』（グリーンマンティス）などとなっています。

ここまで『ワンピース』の福ロクジュについて、正体や行動の謎、他キャラとの関係などについて解説してきました。ここで少々視点を変えて、彼に対する世間の印象に迫っていきたいと思います。福ロクジュは、一体どのような目でファンから見られているのでしょうか。

こちらは福ロクジュに対し、比較的好感を抱いているという意見です。「キャラとしては結構好き」ということですが、見た目のインパクトといい怪しげな行動といい、こうした正体不明のキャラを好く人は意外に多いのかもしれません。

こちらの意見でも、福ロクジュは嫌いになれないと評されています。この方は「ブレないヴィラン」と表現していますが、果たして本当にそうなのかどうかはともかく、どうやらなかなかキャラとして人気があることは伝わってきます。

最後に紹介する意見も、福ロクジュに好意的なものになります。雷ぞうよりも福ロクジュの方がかっこいいということですが、やはりあからさまにヒーロー側のキャラよりも、多少怪しいキャラの方がある種の層には受けるのかもしれません。

『ワンピース』の福ロクジュについて紹介しました。このように、福ロクジュは最初光月家に仕え、次いでオロチ側に付いてその後カイドウに寝返るも、実はそれは見せかけだった、という人物です。こうした複雑な行動から人物像がつかみにくく、いまだ正体不明な部分が少なくありません。最後の生死ははっきりしませんが、再登場があるなら背景がすべて明かされることを期待したいところです。