【鬼滅の刃】鱗滝左近次の声優は大塚芳忠！彼の大ヒットを確信した瞬間とは

鱗滝左近次の声優についてまとめていく前に、まずは鱗滝左近次というキャラクターが鬼滅の刃にてどういった存在だったのか解説していきます。物語の序盤に登場し影のように何気なく主人公に接触した謎の人物。その正体は厳しくも愛情のある人柄をしたキャラでした。

鱗滝左近次は炭治郎に鬼殺隊になるための修行をつけさせた育手です。顔は天狗のお面によって隠されていて元水柱だったこと以外素顔は謎になっています。炭治郎にスパルタな試練を与え剣士として厳しく育てつつも、鬼となってしまった禰豆子に人は守るべき存在だと暗示をかけ人としての思考を植え付けたりと、優しさを見せる場面もありました。

鱗滝左近次が登場し活躍する漫画鬼滅の刃について大まかにおさらいしていきます。アニメ化が決定しそれが公開された時、前代未聞の社会現象を引き起こした有名作品であり、ファンからは『鬼滅』の略称で親しまれています。現在も刀鍛冶の里編のアニメ化が確定しており多くのファンが待望しています。

鬼滅の刃は吾峠呼世晴先生によって連載された日本の漫画です。掲載誌は週刊少年ジャンプで発表されたのは2016年11号から2020年24号にかけて205話の話が描かれ完結しました。単行本はすべてで23巻出版されており、2021年2月時点では累計発行部数が1億5000万を突破するという記録的な売り上げを達成しています。

時は大正時代。炭売りの少年の竃門炭治郎はある日1人の鬼に家族が皆殺しにされてしまいます。唯一生き残っていた妹の禰豆子を抱え、炭治郎は医者に診てもらおうと町まで駆け下りますが、そこで妹が暴走すると鬼と化してしまった本性を露わに。駆け付けた鬼狩りによって妹が殺されかけてしまいますがそこで炭治郎大事な家族であると必死に抗い、また禰豆子も力を弱め人としての心がまだあることを示すと、炭治郎はその鬼狩りから手掛かりをもらい鱗滝左近次の元へ向かうのでした。

ここからは鱗滝左近次の声を担当した声優の大塚芳忠についてまとめていきます。大塚芳忠のプロフィールや経歴、周りからの印象や声優としての魅力などについて細かく見ていく他、大塚芳忠自身が語った鬼滅の刃のヒットの理由についてもまとめていきます。

大塚芳忠（おおつかほうちゅう）は日本の男性声優及びナレーターです。1980年代から声優活動を開始しています。デビュー作は『機甲創世記モスピーダ』のバットラー。声優としては古株で2022年現在では67歳を迎えているベテラン声優でもあります。

1954年5月19日の岡山県生まれ。血液型はA型、身長は173cmです。株式会社クレイジーボックスに所属しておりアニメの声優以外にも海外映画の吹き替えやナレーション、実写映画や舞台への出演経験もあります。主演を演じたアニメ作品は数えきれないほどであり60を超えた現在でも活動の勢いはとどまることを知りません。

子どもの頃から漫画に興味があり小学校の頃では近所の子どもたちに読み聞かせをしていたそうです。それから時が過ぎ就職する時期になると特に目的もなく上京し生活することになりますが、そこでテレビ局の吹き替えプロデューサーと出会い自分のやりたいことが芝居だったことに気づきます。そこから演者の道を進むことを決めアーツビジョン、同人舎プロダクションの所属を経て現在の事務所に至ります。

大塚芳忠さんは実は本名が芳忠と書いてよしただと読みますが、周りからほうちゅうと呼ばれがちであると芸名をほうちゅうに変更しました。趣味はカメラやゴルフ、自転車といったゆったりとしたアウトドア系で愛猫家でもあります。声種はバリトンで低く渋い声を発することが得意です。低音でソフトで聞きやすい声は業界から高く評価されています。

声優としての魅力はバリトンの音域にこだわらず幅広い役を演じられる高い演技力にあります。ある洋画の吹き替えを担当した時は無感情なアンドロイドでありながら、どこかユーモアがあるという難しい性格を演じ切った経験があり、一見して分かりやすいキャラクターよりも事細かく設定が詰まったキャラクターを担当することが非常に多いです。2017年の第11回声優アワードでは助演男優賞を受賞しています。

同じ声優である弥永和子（やながかずこ）さんとは深い関わりがあります。大塚芳忠は彼女と結婚されており『フルハウス』などで夫婦共演をしたこともあります。「業界の神は？」と質問をされた時は妻の名前を上げており愛妻家としての一面を見せました。円満な夫婦仲ではありましたが2014年に敗血症で亡くなられたため現在は死別しています。

鬼滅の刃で鱗滝左近次役として出演が決まった大塚芳忠ですがインタビューで鬼滅の刃が大ヒットすることをほのかに感じていたことを明かしました。芳忠さんが一番に感じたことはすべてが新しかったということ。大正時代という大人には懐かしく若者には目新しい設定や、ただの敵ではない個性ある鬼のストーリーの深さに大ヒット間違いなしと確信したそうです。

ここからは大塚芳忠の代表作や演じたアニメキャラについてまとめていきます。長く声優という職業を続けているだけあって演じてきたキャラクターはとても多くモブキャラなども含めれば数えきれないほどです。

NARUTOの自来也役は大塚芳忠の代表作の1つであり、鬼滅の刃の鱗滝左近次と似たような立ち位置のキャラクターでもあります。主人子のナルトに忍術を教える師匠として自来也が登場していると、鱗滝左近次の時と同様厳しくも愛情のある教えをする人物を演じました。

亜人ではテロリストである佐藤を演じています。主人公たちからは帽子と呼ばれ謎多き存在として描かれたキャラクターであり、糸目で初老の男で佐藤を名乗っていながら、実は外国人で親族関係も複雑という、内側に何を秘めているのか想像できない佐藤を色気ある奇妙な声で演じ切りました。

幼女戦記ではハンス・フォン・ゼートゥーアを演じました。ゼートゥーアは大将と呼ばれるほど権威ある存在であり、世界大戦を模したような作中でも大きな影響力を持った人物でした。品のあるじいさんという役を持ち前の低い声質で当てはめると、多くのファンからの共感を得ました。

バスケットボールを題材にした漫画作品SLAM DUNKでは堀田徳男という不良を演じました。番長やら組長やらとはやし立てられるほどの不良児でバスケ部に襲撃し事件を起こすなどしましたが、根は熱く三井を熱心に応援友人ポジションのキャラでした。

金塊をめぐったサバイバルバトルを描いたゴールデンカムイ。そこでは鶴見篤四郎を演じています。様々なキャラと絡みがあり一言で悪役とも言い難い癖の強いキャラクターを、渋い低音ながらピュアな透明感のある声で演じました。

なんちゃってSFを世界観に据えた大人気コメディ漫画の銀魂では阿伏兎を演じました。第七師団副団長として神威を見守る部下のような立ち位置で登場しながら、実は夜兎族の中でも手練れの猛者であり吉原炎上編や将軍暗殺編では銀時と対決することもあった侮れないキャラです。

転生したらスライムだった件は異世界ファンタジー作品ですがここにも大塚芳忠が活躍しています。老人の凄腕剣士であるハクロウを担当すると、ただの渋いキャラに留まらずコミカルさも持ったハクロウを演じました。仲間の失言から「ジジイじゃと？」と目を真っ赤にする場面はファンからも人気があります。

2012年に公開されたワンピースの劇場映画『FILM Z』では、その作品の大役でもあるゼットを演じました。元海軍大将でありながら海賊を根絶やしにしようと世界を滅亡させるに等しい作戦を考えていたゼットですが、この作品が『男の作品』として知られているとゼットの生き様に多くのファンが涙しました。

自身が代表作として挙げている仮面ライダー電王からデネブを演じています。悪役を演じることが多い大塚さんですが、デネブは味方陣営のキャラで明るく天然な性格をしています。大塚さん自身でもデネブは好きなキャラだと公言していて、当時頂いたキーホルダーを今でも大事にしているそうです。

ここまで大塚芳忠について声優情報をまとめてきました。ここからは再び鬼滅の刃の鱗滝左近次に注目して作中で発した鱗滝左近次の名言を紹介していきます。師匠的存在である鱗滝左近次の声を大塚芳忠はどのセリフも渋く勇ましく、そして優しさを感じさせる透明感ある声で演じていました。

鱗滝左近次の代名詞とも言える名言です。初めて炭治郎と鱗滝左近次が出会った時、鱗滝左近次は彼にもし妹が人間を食べたらどうするかと問い炭治郎が答えに迷った時に判断が遅いと、覚悟が甘いからすぐ答えられないのだときつく言いました。守るためや信念があるなら迷ってはいけないことを最初のセリフで伝えた名言です。

鬼殺隊に入るための最終選別では命を落とすことが珍しくありません。そんな試練を乗り越え鱗滝左近次のいる家に帰ってきた炭治郎を見つけると、鱗滝左近次は真っ先に彼を抱きしめよく生きて戻ったと安堵しながら呟きました。お面の下からは涙も見えておりそれまでの印象からは想像できなかった名言でした。

柱合会議にて炭治郎が鬼の禰豆子を背負っていることについて協議され柱の多くが反対を進言していましたが、その時鴉が鱗滝左近次が書いた手紙をその場に運びます。そこで禰豆子が飢餓状態であっても人を襲わなかったことを記し、もしも人を襲った時は腹を切ってお詫びいたしますとまで言って2人を守ろうとしました。2人が近くにいなくとも常に思っていることが感じ取れた名言です。

アニメ版鬼滅の刃にて鱗滝左近次役が大塚芳忠であると、上述した名言などを演じられました。漫画ファンからしたら期待のキャラクターがセリフを喋る瞬間は待望の瞬間でもありますが、果たして世間からの評判や人気はどれほどあったのでしょうか？ここでは鱗滝左近次の演じた大塚芳忠への意見や感想をまとめていきます。

大塚芳忠による鱗滝左近次は渋い声が当てはまっておりとても好評でした。声優として歴が長い大塚さんにとって渋い爺さんキャラというものはお手の物のようで、ファンの間でもこの人なら間違いがないだろうと発表された時から好印象だったそうです。

大塚芳忠を好きなファンは大抵彼の演じる悪役キャラが好きな人が多い印象でした。基本の声質が野太く男前なことから悪役を演じることも多い大塚芳忠さんですが、声優の中でも大塚さんは技巧派でキャラを知っていても声を聞くまでワクワクしてしまうといった意見も見受けられました。

大塚芳忠の仕事はアニメ声優だけではありません。最近はプロ野球の中継でナレーションをすることが決定しファンを賑やかせました。鬼滅の刃が大変な人気を博したこともあり大塚芳忠を鱗滝左近次を演じた人として認識している人も増えたようで、ナレーションが決まった時の反応は意外に数多くありました。

歳のいった渋い老人に相応しい渋い声でありながら、そこから声質が派生し細微に至る演技力を持っていた大塚芳忠さんは、SNS上の評判でも分かるようにまさしく鱗滝左近次の役にピッタリハマった声優でした。本記事でまとめた声優情報や代表作での演技を確認したり、名言を意識して再び鱗滝左近次の演技を聞いてみるとまた違った面白さがあるかもしれませんので、一度見た方もぜひチェックしましょう。