【鬼滅の刃】最終回がひどいと話題に？最悪な終わり方と言われる理由とは？

鬼滅の刃の作者は「吾峠呼世晴（ごとうげこよはる）」さんです。1989年に福岡県で生まれた吾峠呼さんは、2013年に『過狩り狩り（かがりがり）』で第70回JUMPトレジャー新人漫画賞を受賞しました。そして2016年から連載を開始した鬼滅の刃が大ヒットします。同作はアニメ化もされ幅広い世代から支持を得ました。眼鏡をかけたワニを自画像として描いており、ファンからは「ワニ先生」の愛称で親しまれています。

鬼滅の刃は週刊少年ジャンプで2016年から2020年まで連載された作品です。大正時代を舞台に家族を鬼に殺された少年「竈門炭治郎（かまどたんじろう）」が鬼にされた妹の「禰豆子（ねずこ）」を救うため、鬼殺隊（きさつたい）に入隊し鬼たちと戦う物語です。2019年にはアニメ化され大きな反響を呼び、2020年に公開された「劇場版鬼滅の刃無限列車編」は興行収入が400億円を超えるメガヒットとなりました。

竈門炭治郎は炭を売りながら山奥で家族とともに平和に暮らしていました。ある日炭治郎が町から帰ってくると、家族は何者かに殺害され唯一生き残った妹の禰豆子も鬼にされてしまっています。禰豆子に襲われた炭治郎は冨岡義勇（とみおかぎゆう）という青年に命を救われました。冨岡との出会いにより、鬼と戦う鬼殺隊の存在を炭治郎は知ります。禰豆子を人間に戻すため鬼殺隊に入隊した炭治郎は、鬼との戦いに身を投じていくのでした。

最終回の一つ前の話である204話では、最強最悪の鬼のボスである鬼舞辻無惨（きぶつじむざん）を倒した後の炭治郎たちの姿が描かれていました。戦いが終わった後の主要なキャラクターたちのエピソードはこの話で描かれています。それぞれのキャラクターが未来に向けて希望を抱く204話は、長く続いた物語の結末としてまとまりがよいというファンの感想が多くあがっています。

しかし最終回には「ひどい」や「最悪」といった感想を抱いたファンもいました。最終回では物語の舞台がいきなり現代に移ります。そこでは炭治郎たちの子孫や戦死したキャラクターたちの生まれ変わりと思われる人物たちが登場しました。それにより炭治郎たちが守った平和が未来まで繋がっている結末であることが表現されます。しかし同時に、期待された最終回の結末が大正時代からいきなり現代に変わってしまったことに違和感を覚えた読者も多くいました。

上記をはじめ鬼滅の刃には最終回までに回収されなかった伏線が多数存在しており、そのことも最終回を読んだ読者が「ひどい」や「最悪」という感想を抱いた理由となっています。鬼滅の刃にはさまざまな伏線が存在し、結末となる最終回でそれらが明かされるかどうかが注目されていました。もちろん回収された伏線もありますが、最後まで回収されなかった伏線も多く、まるで打ち切り漫画のようだと感じた読者も少なくありません。

使い古されたパターンが使われたことも最終回の印象をが「最悪」や「ひどい」といわれる理由です。鬼滅の刃は戦いを描いた物語であり、恋愛に関する描写は少なめとなっていました。しかし最終回が近づくにつれキャラクター同士のカップル化が描かれるようになります。そして最終回では結婚していたという結末も明かされました。結末が近づく中でカップル化が起こる作品は鬼滅の刃以外にもあります。それが本作でも使われたことに否定的な意見もあがりました。

鬼滅の刃は人気が絶頂の時に連載が最終回をむかえたため「打ち切りではないか？」との声もあがりました。最終回が掲載された少年ジャンプの表紙において、大人気作であるにも関わらず鬼滅の刃の扱いが小さく、それがひどいという感想が出たこともファンの憶測を呼びました。しかし鬼滅の刃の初代編集者が打ち切りを否定しており、最終回は予定通りの結末であったことが明らかになっています。

鬼滅の刃の最終回に打ち切りの噂が出た理由として、先述したように最終回掲載時の状況が作品にとって人気絶頂の時期であったこと、最終回が載ったジャンプの表紙での扱いの小ささが疑問視されたことなどがあります。その他に人気の出た作品はできるだけ長く連載させる方針を取るジャンプの中で、超人気作だった鬼滅の刃が全23巻という比較的短い巻数で余計な引き伸ばしをせず完結したことも打ち切りの噂を呼んだと考察されています。

鬼滅の刃を描いた吾峠呼世晴さんは女性であることがわかっています。そのため、結婚など家庭の事情で漫画家として活動していくことが難しくなったため連載を打ち切りという形で終了したとの声もありました。しかしこれに関しては本人からの正式な発表がないため真偽は不明です。また物語に関しても、鬼舞辻無惨を倒し禰豆子を人間に戻すという本筋はきちんと完結しているため作者の事情で打ち切りの最終回になったという可能性は低いです。

最終回は炭治郎たちが活躍した大正時代から時は流れ、時代は現代に移り変わります。炭治郎とカナヲの子孫である竈門炭彦とカナタをはじめ、主要キャラクターたちの子孫は平和に暮らしていました。彼らの周りには鬼とのひどい戦いの中で戦死した人々が生まれ変わった人たちも元気に暮らしています。命がけで鬼と戦い、未来を守り抜いた炭治郎たちの心は彼らの子孫とともにこれからも生き続けるのでした。

今のところ鬼滅の刃に続編がある可能性は低いです。その理由としては本作が既に正式に最終回をむかえ結末が描かれており、物語が完結していることがあげられます。もしも続きを描くならば、ジャンプの他の作品がそうであるように鬼滅の刃も連載時に物語を引き伸ばしたと考えられますがそうはなりませんでした。ここには作者の「ここで作品を終わらせる」という強い意思があります。一方でアニメについては、2023年時点で未完であるため続編の放送が待たれています。

鬼滅の刃の終了後、吾峠呼世晴さんは漫画家活動を休止しており現在も新作の噂はありません。福岡に戻ったとの噂もありますが、そうした話も確たる証拠はなく吾峠呼さんの現在の動向は不明です。しかし2022年には漫画の冨樫義博さんの原画展にコメントを出しており、今も漫画の世界との繋がりがあることがわかりファンを安心させました。漫画家が数年のブランクを経て活動を再開することはよくあるため、吾峠呼さんの復帰も待たれています。

ここからは鬼滅の刃の最終回に登場したキャラクターたちを紹介します。まずは竈門炭治郎をはじめとした主要人物たちの子孫になるキャラクターたちです。いずれも先祖の面影を宿す人物で、現代で平和に暮らしています。

竈門カナタは炭治郎とカナヲの子孫です。年齢は16歳で、弟に竈門炭彦がいます。竈門家伝来のヒノカミ神楽を継承しており、現在も産屋敷家が管轄している神社に舞を奉納しています。弟とは正反対の真面目でしっかり者の性格をしており、マイペースさがひどい弟に手を焼く姿が描かれていました。容姿はカナヲに似ています。禰豆子の子孫である燈子には人目を気にせず「可愛い」と伝えるなど、気持ちを口に出すことを意識しています。

竈門炭彦も炭治郎とカナヲの子孫です。兄のカナタとは正反対の性格をしており、毎朝ひどい寝坊をしては兄を困らせていました。年齢は15歳で容姿は炭治郎に似ています。高い身体能力の持ち主で、同じ学校の煉獄桃寿郎とは友人関係を築いています。パルクールで危険な登校をしているため教師から危険人物として扱われていますが、自身の先祖のことを考えるという一面もあります。

我妻善照は我妻善逸と竈門禰豆子の曾孫にあたる人物です。年齢は17歳で容姿も性格も善逸によく似ていますが、髪の色は異なっています。善逸のことを尊敬しており、善逸が残した自伝である「善逸伝」を読み先祖がひどい鬼たちと戦っていたことを知っていました。姉の燈子の他に妹が二人おり、女性が多い家庭の中で育っています。

我妻燈子は我妻善照の姉であり、禰豆子にそっくりな容姿をしていますが性格は強気です。善照とは違い、善逸のことは怖がりのおじいちゃんと認識しており自伝に書かれた鬼との戦いも嘘だと思っています。また善照と同じく、カナタと炭彦の遠い親戚にあたります。

宇髄天満は鬼殺隊の音柱であった宇髄天元の子孫であり、体操の日本代表選手です。その身体能力は金メダルを獲得するほどで、容姿は天元にそっくりです。一方でニュース写真にアカンベーをしている姿が写っていたりするなど、体操選手としてのマナーが悪い人物として描写されていました。

嘴平青葉は嘴平伊之助と神崎アオイの曾孫にあたる人物です。彼は青い彼岸花の研究をしてその秘密を明らかにしました。しかしその後、花を全て枯らしてしまうというミスを起こし職場を解雇されてしまいます。伊之助に容姿が似ていますが、性格は全く異なり大人しい性格の人物として描かれています。その後青葉は公園で泣いていたところを炭彦と出会い、一緒にバトミントンをして仲良く過ごしました。

ここからは最終回で転生したキャラクターたちを紹介します。鬼との戦いで鬼殺隊には多くの死者が出ました。最終回では彼らの生まれ変わりのような人物たちも登場し、残虐でひどい鬼たちのいない現代で生きる姿が描かれています。

煉獄杏寿郎の生まれ変わりは煉獄桃寿郎です。鬼殺隊の炎柱であった杏寿郎には千寿郎という弟がいました。桃寿郎はその子孫にあたります。ポジティブな性格をしており、学校では剣道部に所属しています。炭彦に匹敵する身体能力の持ち主で、性格も容姿も杏寿郎に瓜二つです。

時透無一郎は鬼殺隊の霞柱で、有一郎は双子の兄です。有一郎は鬼に襲われて死亡し、無一郎もまた鬼との戦いで命を落としました。最終回ではベビーカーに眠る双子の姿が描かれています。これが無一郎たちの生まれ変わりとされています。

鬼殺隊の蟲柱であった胡蝶しのぶと、姉のカナエの二人は鬼との戦いの中で戦死しました。最終回では二人によく似た姉妹が高校生として登場し、平和な日常を送っていることが描写されています。

鬼殺隊の風柱である不死川実弥と隊士であった不死川玄弥は兄弟です。玄弥は戦死しますが、実弥は最終決戦を生き残りました。最終回には実弥の子孫である不死川実弘が登場しており、職業は警察官です。同じく警察官である玄弥の生まれ変わりである後輩と一緒に、パルクールで登校する炭彦を追いかけておりパトカーで彼を追跡していました。二人の顔にあるひどい傷はナイフを持った犯人を取り押さえた時につけられたものです。

蛇柱の伊黒小芭内と恋柱の甘露寺蜜璃は相思相愛の関係でしたが、鬼舞辻無惨との最終決戦で二人とも死亡しました。現代では二人にそっくりな夫婦が定食屋を営む姿が描かれています。マスク姿で厨房に立つ夫と、笑顔で料理を運ぶ妻は死んだ二人の生まれ変わりでした。その定食屋はメガ盛りメニューを提供し人気を集めています。

錆兎と真菰は炭治郎の師匠である鱗滝左近次の弟子でした。炭治郎から見ると兄弟子にあたります。鬼殺隊に入るための最終選別で二人とも死亡しましたが、その魂が現世に現れ炭治郎を鍛えました。現代では二人の生まれ変わりである子どもが、冨岡義勇の子孫・義一と一緒に歩く姿が描かれています。友人同士でもある錆兎と冨岡の再会が遠い未来で描かれた一コマになっていました。

悲鳴嶼行冥は鬼殺隊の岩柱でしたが、鬼舞辻無惨との最後の戦いの中で命を落としました。現代では、彼にそっくりな大柄な男性が幼稚園の先生として働く姿が描かれています。ピンクのエプロンと体格のギャップにその様子を見た義照は怯えていましたが、子どもが好きだった行冥の思いが時を経て生まれ変わったことが描かれたシーンでもありました。

鬼滅の刃の最終回に関しては批判的な感想が多く見られました。最終回でいきなり時代が変わり唐突に新しいキャラクターが登場したことや、散りばめられた伏線が回収されなかったことがひどいという感想もあります。人気作で注目度が高かっただけに、最終回が期待していた形と違い「最悪」や「ひどい」と感じ受け入れられなかった人も多いようです。

「最悪」や「ひどい」という批判的な意見がある一方で、平和な世界が描かれたことを好意的に捉える声もあがっていました。鬼殺隊が壮絶な戦いの末に守った平和が未来に続いていることがしっかりと描写された結末は幸せにあふれたものであり、それを評価する声も見られます。

最終回に関しては、雑誌で読むかコミックスで読むかで印象や感想が変わるという声も見られました。雑誌で読んだ場合、時代の変化と新キャラの登場で急に別の漫画が始まったような印象を受け「最悪」や「ひどい」という極端な感想もでました。一方でコミックスで通して読むと、作者の意図がよりダイレクトに伝わる構成となっています。それにより鬼滅の刃の結末への評価は変わってきます。

鬼滅の刃の最終回で描かれた結末には「ひどい」や「最悪」といった感想が見られました。また打ち切りと誤解する声もありましたが、その一方で戦いが終わった後の平和な世界が描かれたことに肯定的な感想もあり作品に触れたファンのひとりひとりの中で「最高」か「最悪」かの評価が分かれています。もしも鬼滅の刃の最終回に興味を持ったならぜひ作品に触れて自分なりの感想を見つけてみてください。また原作は完結していますが、アニメ版はまだ途中なので今後の展開が期待されています。