【スパイファミリー】秘密警察がどのような組織か解説！メンバーや目的も

『スパイファミリー』の秘密警察は、国家保安局の別称です。英語での名称は「STATE SECURITY SERVICE」で、「SSS」と略されます。秘密警察は東国のオスタニアにある組織で、市民からも怖れられている存在です。スパイファミリーの作中では、スパイや他国への情報提供者が、秘密警察に捕まっているシーンも出てきます。

スパイファミリー（SPY×FAMILY）は、スパイが正体を隠したまま家族を作るホームコメディ漫画です。登場人物がそれぞれ正体を隠しながら、本物の家族になっていく過程が描かれています。作者は遠藤達哉さんで、『TISTA』と『月華美刃』に続く3作目の連載作品です。2019年から少年ジャンプ＋で連載が始まり、2022年にはテレビアニメにもなりました。

西国・ウェスタリスの諜報機関WISEは、スパイの黄昏を東国・オスタニアに潜入させていました。黄昏は、オスタニアの政治家であるデズモンドとの接触を命じられます。デズモンドと接触するためには、彼の息子が通っているイーデン校に自分の子どもを入学させる必要がありました。黄昏は孤児院から娘を引き取り、偶然出会った女性に妻役を頼んでかりそめの家族を作ります。黄昏はロイドと名乗り、任務のために普通の父親を演じるのでした。

秘密警察のメンバー１人目は、「ボス」と呼ばれている国家保安局長です。髪の毛はワックスで整え、もみあげを口の近くまで生やしています。サングラスをかけて葉巻を吸う姿は、まるでマフィアのようです。しかし、怖そうな見た目に反し、話し方はフランクです。ユーリが可愛いという理由だけで秘密警察に入れるなど、意外とお茶目な性格をしているようです。

秘密警察のメンバー2人目は、スパイファミリーの作中にも度々登場する中尉です。左目のあたりに大きな縫い目があり、常に無表情で任務に当たっています。中尉はヘビースモーカーで、いつもタバコを吸っている姿が描かれています。ユーリの上司に当たるキャラで、ユーリと一緒に任務につくことも多いです。よくユーリの体調などを心配しており、実は後輩思いであることがわかります。

秘密警察のメンバー3人目は、ヨルの弟であるユーリ・ブライアです。ユーリはもともとは外務省に勤めていましたが、その後秘密警察へ異動となりました。秘密警察での階級は、少尉です。秘密警察で働いていることを知れば姉が心配すると思い、ヨルには今でも外務省で働いていると嘘をついています。可愛い顔立ちから同僚に見くびられることもありますが、取り調べ中などは冷酷な一面をのぞかせます。

スパイファミリーのユーリ・ブライアは、黒髪と赤い瞳の20歳になる青年です。身長は179cm、体重は65kg程度です。小さい頃から勉強に励んできたため頭が良く、飛び級で外務省に就職しました。1年ほどで秘密警察に異動し、姉の平穏な生活を守るために仕事をしています。

スパイファミリーのユーリは、幼い頃に両親を亡くしています。両親亡き後は、7歳上のヨルが母親代わりとなってユーリを育ててくれました。ヨルは子供の頃から暗殺者として働いており、血まみれで帰ってくることもありました。ユーリは姉が自分のために怪我をしてまで働いていると勘違いし、姉のヨルには強い恩義を感じています。

姉のヨルに育てられたユーリ・ブライアは、重度のシスコンになってしまいました。ユーリの頭の中には常にヨルがいて、ヨルの言うことであれば無条件で信じてしまいます。また、ヨルに関することになると簡単に理性が飛んでしまい、周りが引くような奇行に走ることもあります。ヨルが作った料理は食べた人が倒れてしまうほどの不味さですが、ユーリだけは吐きながらも「美味しい」と言って食べ続けます。

スパイファミリーに存在する秘密警察の目的は、東国・オスタニアの治安維持です。秘密警察の目的だけを聞くと、市民に優しい組織のような印象を受けます。しかし、秘密警察は目的のために手段を選ばないところがあり、通常の警察よりかなり過激なこともします。そのため、治安維持という目的で活動しているにも関わらず、市民からは嫌われることも多いです。

スパイファミリーの舞台は、1960〜1970年代をモデルにしていると作者の遠藤達哉さんが明かしています。モデルとなった国は不明ですが、「東国と西国で争っている」という設定から、ドイツが思い浮かびます。東ドイツにはかつて、シュタージと呼ばれる省庁がありました。正式名称は国家保安省で、国民の監視を行ったり西ドイツにスパイを送り込んだりしていました。

シュタージの建物が秘密警察の建物とそっくりなことからも、シュタージが秘密警察のモデルだといわれています。他にも、ヒトラーの親衛隊である「SS」や、ナチス・ドイツ期のゲシュタポがモデルといわれることもあります。ソ連のKGBがモデルといわれることもあり、さまざまな組織から少しずつヒントを得ていると考察できます。

スパイファミリーの秘密警察には、組織を象徴するシンボルマークがあります。秘密警察のシンボルマークは、頭に大きなひとつ目を持った両翼を広げる鷹です。ひとつ目の鷹の下には、交差した銃が描かれています。このひとつ目は、WISEのシンボルマークにも通じるものがあります。WISEのシンボルの目には、東国を見張るという意味がこめられています。秘密警察のシンボルの意味は明かされていませんが、大きな目には市民を監視するという意味が込められていると推察できます。

ユーリはフォージャー家を訪れたとき、秘密警察で用意されているテンプレートを使ってロイドと会話をしていました。その話に出てくる都市やワインは実在しているものでしたが、時間の経過とともにワインの値段や店の主人が変わっていました。そのことを知らないユーリは、用意されたテンプレのまま喋ってしまいました。ロイドはオスタニアの諜報機関が使用しているテンプレを知っていて、この作り話からユーリの正体を悟りました。

スパイファミリーの作中では、秘密警察の取り調べシーンが何回か出てきます。秘密警察の取り調べでは非常に厳しい尋問が行われており、暴力も日常茶飯事のようです。中尉は取り調べ相手の手にタバコを押し付け、ユーリは相手の頭を机に叩きつけていました。治安維持という目的のためならば、秘密警察は拷問のような取り調べも意に介しません。こうした荒っぽいところが、市民から怖れられている理由のひとつです。

スパイファミリーの作中では、西国と東国が冷戦状態とあります。そのため、市民の中には、お金欲しさに情報を敵国に売るような人物もいます。秘密警察は常日頃から市民を監視し、敵国に情報を売ったとわかればすぐさま逮捕します。「疑わしい」というだけで逮捕されることもあるため、市民は秘密警察に怪しまれないように普段の生活に気を配っています。

スパイファミリーの秘密警察は、西国のスパイである黄昏の存在に気づいています。有能なスパイである黄昏を放置していては、東国の機密情報が西国へ流れる恐れがあります。そのため、秘密警察は黄昏をマークしており、どうにかして捕まえようとしているのです。しかし、黄昏が何者であるかまでは把握しておらず、まだ正体をつかめていません。ユーリは姉の夫であるロイドが黄昏本人であることにまったく気づいておらず、普通の精神科医だと思っています。

スパイファミリーで登場する秘密警察のメンバーは、今のところそれほど多くありません。ユーリの次に多く登場するのは、ユーリの上司である中尉です。中尉に関しては、「声が良い」という感想が多く寄せられていました。また、中尉の声優である加瀬康之さんは洋画の吹き替えも担当しているため、声に聞き覚えがある人も多かったようです。

秘密警察の雰囲気や、「国家保安局」という名前がかっこいいというコメントしている人もいます。また、秘密警察の制服がかっこいいという感想も多く見られました。秘密警察はスパイファミリーの作中では恐れられていますが、ファンの間ではかっこいいと人気のようです。

スパイファミリーの作中では、結婚適齢期を過ぎた女性が独身でいるとスパイだと疑われることがあります。漫画では実際に独身だというだけで逮捕された女性がおり、この事実に恐怖を感じる人もいたようです。このコメント以外にも、「秘密警察が怖すぎる」という声は多く上がっていました。

スパイファミリーの秘密警察のメンバーや目的、仕事内容などについてまとめました。秘密警察は拷問にも近いような取り調べを行う組織で、市民からも恐れられています。しかし、原作では家族のために罪を犯した人間に温情を与えるシーンもあり、完全なる悪の組織というわけではありません。秘密警察がこれから物語にどう絡んでくるのか、今後の活躍が期待されます。